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【代々木A】Round 1:斎藤 友晴(東京) vs. 牛久保 健一(大阪)

【代々木A】Round 1:斎藤 友晴(東京) vs. 牛久保 健一(大阪)

By Jun'ya Takahashi

 斎藤友晴。2007年度POY(プレイヤー・オブ・ジ・イヤー)を始めとして数々の戦績を持つ日本を代表するトッププレイヤーであり、プロツアーにおいて海外勢が最も警戒する『Saito』ブランドのデッキ制作者でもある。実力と影響力共に兼ね備えた、現在のトーナメントシーンを語る上では欠かすことの出来ない超有名プレイヤーの一人だ。

 そんな彼が初めてトーナメントシーンに顔を出すことになったのが『The Finals1999』だった。当時の『日本最強プレイヤー』であった小宮忠義を、福島の片田舎から《飛びかかるジャガー/Pouncing Jaguar》と《アルビノ・トロール/Albino Troll》を引き連れてやってきた無名の高校生が事前の相性差を覆して打ち倒した、というニュースは多くの若年層のプレイヤーに「自分にもチャンスがある」と希望を与えた。何を隠そう、その当時は小学生だった筆者も『第2の斎藤友晴』を目指してトーナメントへの参加を始めた一人である。
 
 そして、森勝洋、森田雅彦といった同大会での好成績をきっかけに活躍し始めた若いプレイヤーが増え始め、何時しかThe Finalsは『トッププレイヤーへの登竜門』と呼ばれるようになった。

 今回、その由緒正しき『登竜門』へと挑戦する一人が、大阪の『にじいろくじら』で行われたレギュラー予選を通過して参加権を得た牛久保健一だ。

牛久保 「フューチャーリング・マッチは初めてだから緊張しますね」

 と、やや強張った表情で目前の最強の対戦相手を見つめながらも、自身の勝利を願うように念入りにシャッフルを続ける手からは力強さを感じる。
 
 誰だって始めは挑戦者だった。かつての挑戦者は何時しかチャンピオンとなり、新たなる挑戦者を迎える。

Game 1

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 ダイスロールで先手を取ったのは牛久保。《悪斬の天使/Baneslayer Angel》、《流刑への道/Path to Exile》、《自我の危機/Identity Crisis》、《思案/Ponder》、土地3枚というまずまずな初手をキープする。対する斎藤は「ノーランドマリガンって同じ枚数引き直していいと思わない?」とぼやきながら、5枚になって随分とボリュームの減った手札を渋々キープした。

 《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》、《氷河の城砦/Glacial Fortress》と並べながら《思案/Ponder》でゲームプランを整える牛久保に対して、斎藤は《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》と《山/Mountain》を置きながら《不屈の自然/Rampant Growth》でマナベースを強化する。

 お互いに相手の動きを探るような静かな序盤戦が過ぎ、斎藤の《荒廃稲妻/Blightning》をきっかけにゲームは動き始めた。《エスパーの魔除け/Esper Charm》のドロー能力で被害を抑えようとする牛久保だが、4ターン目にも続けてプレイされた《荒廃稲妻/Blightning》の2枚目には顔を顰める。

 初手の時点でのハンドの枚数差が埋まってしまった牛久保は、《悪斬の天使/Baneslayer Angel》を連打する事でゲームの主導権を握り返そうとするものの、《終止/Terminate》と《稲妻》2枚で対処されてしまってお互いにライブラリーの上に期待する消耗戦へともつれ込んだ。

 先に優良カードにめぐり合えたのは牛久保だった。《思案/Ponder》で見つけた《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》をキッカーでプレイする事で一気にアドバンテージ差を広げる。いきなり窮地に立たされた斎藤は苦い顔をしながら、そのたった1枚の手札であった《瀝青破/Bituminous Blast》を自信なさ気に《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》へとプレイする。

 すると、その1枚の呪文は《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》を呼び込み、更に《荒廃稲妻/Blightning》を捲るスーパードローで状況を無理やり五分へと引き戻す。更に、次のターンのドローフェイズで《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》を引き込んだ斎藤は、前のターンの不利が夢だったかのような場を構築した。

 8マナ目を供給できれば《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》で再度逆転する事が出来る牛久保だったが、先程の《荒廃稲妻/Blightning》で8枚目の土地は墓地に送られてしまっている。8マナ目に期待をかけてドローするものの、その待望の土地がタップインだった事を確認すると悔しそうにサイドボードに手を伸ばした。

斎藤 1-0 牛久保

Game 2
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 今回はお互いに7枚の初手でゲームは始まったが、牛久保に再び《荒廃稲妻/Blightning》の連打が襲いかかる。1発目は《悪斬の天使/Baneslayer Angel》と《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》を捨て、2発目は《瞬間凍結/Flashfreeze》で弾く事で凌ぐ。

 受けてばかりではいられない、と牛久保は5ターン目に《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》で手札を整え、6ターン目の《墓場からの復活/Rise from the Grave》で《悪斬の天使/Baneslayer Angel》を釣り上げて攻勢に回ろうとする。
 
 しかし、その《悪斬の天使/Baneslayer Angel》は《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》のトークンで撃ち落とされ、2枚目の《墓場からの復活/Rise from the Grave》で再び帰ってきた天使もデジャブを見る様に、おかわりの《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》で対処されてしまう。

 切り札であったアタッカーを処理されてしまい、唯一のブロッカーであったスフィンクスも《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》からの《終止/Terminate》で退かされてしまった牛久保は、《苦悶のねじれ/Agony Warp》と《審判の日/Day of Judgment》で斎藤の攻め手を凌ぎ切ろうとする。しかし、止まることなく後続を追加する斎藤とは打って変って、土地以外引けない挑戦者は、最後のチャンスである《エスパーの魔除け/Esper Charm》のドローすら土地だったことを確認すると静かに投了した。

斎藤 2-0 牛久保

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