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【代々木D】Round 6:諫山 夕介(東京) vs. 中野 圭貴(大阪)

【代々木D】Round 6:諫山 夕介(東京) vs. 中野 圭貴(大阪)

By Daisuke Kawasaki

 ついに終盤戦にさしかかったThe Finals2009。

 さて、2会場で開催されている今大会だが、実は、それぞれの会場でさらに2フロアにわかれている。つまり、普通のサイズの大会が4つ分の規模で行われているというわけだ。

 この代々木オリンピックセンターの会場では、1FでABCブロックが、そして4FでDEブロックが進行している。今回、ライター用の席は1F側にあるため、4Fの様子は中々把握しきれないというのが実情だ。それほどに、多くのプレイヤーがいるのだ。

 この多くのプレイヤーの中でもっとも高いプロレベルをもっているのは、誰か。それは1Fの齋藤 友晴(東京)と、4Fの三田村 和弥(千葉)だ。彼らが、それぞれの階のボスキャラであると言っても過言では無いだろう。

 そんな三田村が、Round 4開始後に、1Fをウロウロしていた。

 もしかしたら、三田村は4FでRound 4が開始していることに気がついていないのかもしれない!

 そう思って駆け寄った筆者を冷静に制して、三田村はこういった。

三田村 「予定通り、The Limitsに参加しますよ、予定通り、ね」

 The Finals直前にリミテッドの記事を掲載してしまったのは、三田村にとって負けフラグだったのかもしれない。

 そう、1FのABCブロックではプロプレイヤーが順当に勝ち進む中、4Fでは荒れに荒れてアレだったのだ。

 この大荒れに巻き込まれたのは、三田村だけでなく、大礒 正嗣(広島)もだった。

大礒 「まぁ、The Limitsに参加しにきたわけですしね」

 そういえば、ゼンディカーのシールド記事を書いたのは大礒だったか。

 そんな大荒れの4Fで、現在全勝でプロの意地を見せるのが、今期1点足りず、いわゆるグレイヴィ落ちを経験し、来期のグレイヴィ復活を目指す「チームフェニックス」筆頭中野 圭貴(大阪)である。

中野 「プロポイントでない大会に限って勝てる...1点くらいくれないすかね」

 同様に、1敗ラインでプロの意地を見せている黒田 正城(大阪)も、仮にもプロツアーチャンピオンに向けていうセリフではないが、サイドイベントで本気を出している姿をグランプリで良くみかける。

 どうも、4Fはそういう空間になっているようだ。

 そんな中野が使用するデックは「74枚完コピ」というテゼレッター。

 対するのは、首都圏草の根大会、特にLMCを中心に活躍している新鋭諫山 夕介(東京)。

 今大会が開催されているオリンピックセンターは、LMC代々木の会場でもある。いわば諫山にとってホームである。

 諫山が使用するのは、三田村が「抜けてれば群馬デッキ使ってたのに...」という意志を継いでか否か、《集団意識/Hive Mind》。

 果たして新鋭諫山がThe Finals名物下克上をみせるのか。

 それとも、中野がプロの意地を維持するのか。

Game 1
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 ダイスロールで先手を取った中野だったが、初手を見るなり即マリガン。6枚の手札はキープして、《島/Island》をセットする。対して諫山は《蒸気孔/Steam Vents》アンタップインからの《思案/Ponder》。

 諫山のデッキを想像し、対処手段は無いだろうと、2ターン目にはキーカードである《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》を設置する中野。対して、諫山は2枚目の土地を置いた上で長考し、ターンを返す。

 続く3ターン目は、諫山のターンエンドに中野がキャストした《知識の渇望/Thirst for Knowledge》を諫山が《差し戻し/Remand》で文字通り差し戻し、中野が自身の4ターン目をドローゴーしたところで、諫山のターン。

 中野のターンエンドのフェッチ起動がやけに気合いが入っていたので、ついに動き出すか...と思いきや、結局諫山もターンエンド。なんだそれ。このエンドに中野は《知識の渇望/Thirst for Knowledge》を通し、《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》を墓地に送る。

 互いに目立った動きの無いまま時間が過ぎていく。

 中野は、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》をX=0でキャストする。

 返すターンで諫山は、自身の手札を見て、長考。結果ターンを返す。

 このターンエンドに中野が動く。まず、先ほどキャストした《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》を《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》でサクリファイス。そして、その能力で生み出されたトークンへと《流刑への道/Path to Exile》を打ち込んだ。

諫山 「トークンに...パス(《流刑への道/Path to Exile》)?」

 これによって無駄カードである《流刑への道/Path to Exile》で土地を伸ばした中野は、自身のターンにさらに《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》を追加。

 一方の諫山は、《思案/Ponder》2連打する。《金属モックス/Chrome Mox》をキャストしてターン終了。

 この時点で、諫山のアンタップしているマナは4マナ。一方の中野はセットランドで7マナ。この7マナのウチ、5マナを使って、《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》をキャストする。これは諫山通さざるを得ない。

 中野は《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》のアンタップ能力を使い、アーティファクト土地を2枚アンタップし、4マナを残してターンを返す。

 毎ターン計算を繰り返してターンを返していた諫山が、ここでついに動き出す。

 まず、6マナを使って《集団意識/Hive Mind》。

 中野はこれを2マナ使って打ち消そうとするが、中野の手に握られていたのは、残念ながら《否認/Negate》ではなく《交錯の混乱/Muddle the Mixture》。インスタントとソーサリーしか打ち消せないこのカードでは《集団意識/Hive Mind》を打ち消すことができない。

 そして、諫山は続いて《金属モックス/Chrome Mox》をキャスト、《金属モックス/Chrome Mox》がスタックにのっている間にそれを対象に《否定の契約/Pact of Negation》。

 このコピーが作成され、中野は強制的に《否定の契約/Pact of Negation》を結ばされる。先ほど伝えたように中野には、1回分の契約を支払うマナはある。

 だが、諫山の手札にはもう一枚の《否定の契約/Pact of Negation》が。

 こんどこそと《交錯の混乱/Muddle the Mixture》をキャストする中野だが...諫山は冷静に《交錯の混乱/Muddle the Mixture》のコピーで《交錯の混乱/Muddle the Mixture》を打ち消し、見事中野に多重契約を結ばせることに成功したのだった。

諫山 1-0 中野

Game 2
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 中野は2ターン目に《翻弄する魔道士/Meddling Mage》。

諫山 「《呪文嵌め/Spell Snare》ないでーす」

 宣言は当然《集団意識/Hive Mind》。

 続くターンに中野は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をキャストし、諫山の手札に1枚あった《集団意識/Hive Mind》を山札の下に送る。

諫山 「徹底的にコンボを阻害されています...」

 諫山は、自身のターンに《トレイリア西部/Tolaria West》を変成し、《殺戮の契約/Slaughter Pact》をキャスト、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》を除去する。

 中野は《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》をキャスト。諫山は《殺戮の契約/Slaughter Pact》の3マナを払い、土地をセットして《思案/Ponder》。

 返しで中野は《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》。アーティファクト土地1枚をアンタップして、次のターンには通称アーティファクト《踏み荒らし/Overrun》こと一番下の能力を使用できる体勢を整える。

 2体ブロッカーを並べなければ即死の諫山は、《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》をキャストし、さらに《タイタンの契約/Pact of the Titan》をキャストする。

 これでかろうじてライフを残した諫山。次のターンには《タイタンの契約/Pact of the Titan》のマナを支払うために、行動できないが、2ターン生き延びれるライフを残せたのでまだまだチャンスはある。

 そのチャンスを摘み取る《翻弄する魔道士/Meddling Mage》を中野がキャストしていなかったら、の話だったが。

諫山 1-1 中野

Game 3

 諫山は先手ながら2回のマリガン。

諫山 「土地無いとマジックできないよ」

中野 「いや、相手はコンボデッキだから油断しちゃいけない」

 しかし、この中野のセリフは明らかに油断しつつある自分の本心を隠すためのものだ。これが世に言う死亡フラグというヤツである。

 諫山は5枚の手札でマジックスタート。

 対する中野は、2ターン目に《発展のタリスマン/Talisman of Progress》をキャスト。これによって《呪文嵌め/Spell Snare》を構えて《虚空の杯/Chalice of the Void》をX=0でキャストする。

 これで暫定的に《否定の契約/Pact of Negation》を禁止した中野。

 だが、諫山はここで《炎の儀式/Rite of Flame》×2と《煮えたぎる歌/Seething Song》でマナを捻出して《集団意識/Hive Mind》。

 そして諫山はジャッジに確認する。

諫山 「《虚空の杯/Chalice of the Void》は、プレイした呪文をカウンターするんですよね?」

 つまり、コピーとして直接スタックに置かれた呪文は、カウンターされない。

 諫山の手札からは《タイタンの契約/Pact of the Titan》がキャストされ、そしてコピーがスタックにのる。

 これが世に言う死亡フラグというものの、力だ。

諫山 2-1 中野

中野 「死亡フラグとかいうから...」

 と、愚痴るものの、中野は自身の敗因を冷静に分析する。

中野 「手札にカウンターあったんだから、《発展のタリスマン/Talisman of Progress》をキャストしないで、カウンター構えれば良かったんですけどね...手札に土地が無くて、《知識の渇望/Thirst for Knowledge》があったせいで、我慢ができなかったんすよね」

 そして、続ける。

中野 「《虚空の杯/Chalice of the Void》をX=0で出したのも、相手の《否定の契約/Pact of Negation》を封じれば、長い眼で見たゲームプランで楽になるから。X=1だったら、短期的に《集団意識/Hive Mind》を封じることはできていましたよね...ダブルマリガンの相手が、あのタイミングで《集団意識/Hive Mind》だしてこないだろうって、楽な手をうっちゃったって事です。油断してましたね、やっぱ」

 中野の自戒は、次回のマッチにどのような影響を与えるのか。

 これが勝ちフラグだったか、負けフラグだったかは、スタンディングで確認していただきたい。

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