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Round 1: 山本 明聖(和歌山) vs. 大根田 祥宏(神奈川)

Round 1: 山本 明聖(和歌山) vs. 大根田 祥宏(神奈川)

By Yukio Kozakai

 「過去最大」規模と言われ、ある種伝説となった昨年のThe Finals 2009。ならば今年はどうか? 言うに及ばずである。

 世界選手権と同時開催である以上、その規模はワールドクラス。世界選手権という「祭り」に加わるべく、例年にも増して地方の雄が多数参戦しているのが今年の大きな特徴である。その数、実に235。有権利者の7割以上が会場に集まった計算だ。

 残念ながら、世界選手権本戦では日本人プレイヤーのプレイオフ進出はかなわなかった。かつて世界最高とうたわれた構築技術は日本の草の根から生まれた。プロイベントでは苦戦が続いた今年日本勢。だが、強い日本復活への足がかりは、きっとこの世界選手権会場にある。それが、このFinalsだと期待したい。

 Finalsに参戦する猛者達は、すでにワールドのレシピとメタゲームまでも織り込み済みだ。つまり、世界最高水準のレシピのさらに前へ進んだ構築戦が期待できる。

 毎年、新鮮なデッキレシピとプレイングの供宴が読者諸兄へのクリスマスプレゼントだった。今年はちょっと早めの暮れのご挨拶。今年はお正月を待たずして、次のステージの構築戦を楽しむことが出来るのだ。

 さあ、まずは昨年王者のお出ましだ。世界選手権本戦にも参加し、3日間戦い抜いた山本 明聖(和歌山)は、ディフェンディングチャンピオンとしてこのFinalsに連続参戦してきた。

 去年は赤白上陸で優勝を掴み取った山本だが、今年は本戦でも使用した青白を持ち込み、去年と対極のアーキタイプを選択している。そのスタイルは柔軟。PT京都でライジングスターとなり、ルーキーレースに参戦して今年も世界を巡り、一回りも二回りも成長した山本のデッキとプレイを余すところなくお届けしたい。

Game 1

 赤単を操る大根田の《窯の悪鬼/Kiln Fiend》からゲームスタート。《糾弾/Condemn》3枚というハンドに渋い顔をしながらもキープした山本としては、最初のギャンブルに勝利した格好だ。

 大根田も《よろめきショック/Staggershock》連発からの《槌のコス/Koth of the Hammer》で押していくが、山本は、世界選手権本戦でも見せたメイン《神聖の力線/Leyline of Sanctity》で大根田の火力を封じ込めてみせる。

 火力が無力化した大根田は、クリーチゃー化した《山/Mountain》に《突撃のストロボ/Assault Strobe》と炊きつけて一気の勝利を狙うが、山本のハンドから次々繰り出される《糾弾/Condemn》。

 それでも、《槌のコス/Koth of the Hammer》の打撃力は強大だ。1度は《乱動への突入/Into the Roil》でバウンスするものの再度のプレイを許し、山本はついにライフ4まで追い込まれる。《乱動への突入/Into the Roil》ではどうにも出来ない《山/Mountain》が戦闘力である以上、山本は緊急にブロッカーが必要なのだ。

 《エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel》。これが回答となるはずだったが、《精霊の嘆願/Elemental Appeal》が大根田の願いを成就させた。

山本 0-1 大根田

Game 2

《力線》の真骨頂は開幕にあり。ゲーム開始時に早々と《神聖の力線/Leyline of Sanctity》を見せ付けた山本は、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》の攻撃を許すもこれを土地の供給源と捉えてしっかりとマナを伸ばしていく。

しかし《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を許し、《槌のコス/Koth of the Hammer》はカウンターするものの2枚目はカウンター出来ず、頼みの《力線》も《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を前に風前の灯だ。加えて、ハンドにはさらなる《神聖の力線/Leyline of Sanctity》が2枚。

使い切れない手札を眺めつつ、《エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel》からのトークン、及びライフ獲得で何とか耐えしのぐ山本。

《漸増爆弾/Ratchet Bomb》のカウンターが4で起動すれば、《神聖の力線/Leyline of Sanctity》と共に《槌のコス/Koth of the Hammer》も破壊されるが、紋章を得られてはひとたまりもない山本はトークンの出し入れで細かくブロックと《槌のコス/Koth of the Hammer》への攻撃とをやりくりしてゲームを引き伸ばす。

ついに山本が動いた。まずは《決断の手綱/Volition Reins》で《槌のコス/Koth of the Hammer》を奪い取って《漸増爆弾/Ratchet Bomb》の起動をうながし、トークン発生で《エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel》を墓地に送り込み、2枚目を戦場へ。

一気のトークン作成とライフ獲得。さらに《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》プレイから2枚目の《神聖の力線/Leyline of Sanctity》と続け、《漸増爆弾/Ratchet Bomb》で後続もケア。

したはずだったのだが。

《カルガの竜王/Kargan Dragonlord》が最高レベルに達したものの、ライフが11残っていた山本は《天界の列柱/Celestial Colonnade》でのブロックでしのげる計算だった。《漸増爆弾/Ratchet Bomb》は次のターンには《カルガの竜王/Kargan Dragonlord》を吹き飛ばせる。このターンさえしのげば。

大根田 「《突撃のストロボ/Assault Strobe》プレイします」

山本 「カウンター」

大根田 「《突撃のストロボ/Assault Strobe》プレイします!」

山本 「カ、カウンター」

大根田 「《突撃のストロボ/Assault Strobe》プレイします!!」

山本  「えええええええー?!」

 前年度チャンピオンが敗れる波乱の幕開けとなったが、新たな力、新たなアイデアが勝ち名乗りを上げることもFinalsでは重要な要素だ。浅原 晃(神奈川)渡辺 雄也(神奈川)らを輩出したFinals。次代の旗手の誕生を期待しよう。

山本 0-2 大根田

 大根田 勝利!

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