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準々決勝: 八朔 人平(京都) vs. 仙波 恒太郎(千葉)

準々決勝: 八朔 人平(京都) vs. 仙波 恒太郎(千葉)

By Jun'ya Takahashi

 スタンダード4回戦の後にエクステンデッドを4回戦。

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 合計8回戦の予選ラウンドの後に、その成績の上位者8名だけが進出できるプレーオフが始まった。『構築戦最強決定戦』という二つ名の通り、「The Finals」の歴代優勝者の顔触れを見ると、渡辺 雄也(神奈川)、浅原 晃(神奈川)、中村 修平(大阪)という濃厚なメンバーが名を連ねている。強きプレイヤーへの「登竜門」。その表現は、正にこの大会を象徴している。

 そんな構築プレイヤー同士が凌ぎを削りあった結果でもあるプレーオフともなると、並々ならぬ戦績を持ったプレイヤー達が相見えることとなる。

 筆者にとっては『ドラコ爆発』の製作者というイメージが強い、八朔 人平(京都)も構築戦を非常に得意とするプレイヤーのひとりだろう。今年の「日本選手権」においてもプレーオフに進出しており、夏と冬の二大祭典での入賞の凄さは今更語るまでもないだろう。

 そんな強豪を迎え撃つのが、『フェアリー』を自在に操り「日本選手権2008」のトップ8への入賞経験を持つ仙波 恒太郎(千葉)だ。今回は長島 誠(山梨)の製作した『白単アージェンタム』を持ちこみ、スタンダードラウンドを4連勝で駆け抜けている。「今日はよく《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic》が初手に来てくれるだよね」と絶好調をアピールしてくる満面の笑みの仙波に、若干の暗い気持ちが浮かんでくるが、せめて悔いの残らないように健闘は祈りたい。

Game 1

 先手を取ったのはダイスロールで勝った八朔。《カルニの庭/Khalni Garden》と《島/Island》を並べていく。仙波は《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic》《メムナイト/Memnite》《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》から《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind》をサーチと、予選ラウンドからの変わらない好調振りを見せつける。

 4ターン目の《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》から逆転を狙う八朔だったが、《きらめく鷹/Glint Hawk》を引いた仙波が《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic》のクエストを達成すると、《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind》と《アージェンタムの鎧/Argentum Armor》を装備した《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を止める事は出来なかった。

八朔 0-1 仙波

Game 2
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 1本目を落とした八朔は再び先手を取ると、《巣の侵略者/Nest Invader》からの《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator》という絶好のスタートを果たす。1回のマリガンを挟んだ仙波は、《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》から《きらめく鷹/Glint Hawk》を展開すると、クエストに頼らない愚直なトライアルを開始した。

 しかし、小型クリーチャーによる攻撃も、装備品が出てしまえば話はまるっきり違ってくる。《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》から前のゲームよろしく《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind》を手札に加えると、《メムナイト/Memnite》と追加の《きらめく鷹/Glint Hawk》を場に出した。

 このままでは終われない八朔は、《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator》によるトークンでマナを生みだすと、《集団変身/Mass Polymorph》をプレイする。場に出ているクリーチャーが順々に新しい姿へと生まれ変わっていき、合計3体の小型クリーチャー達は、2枚の《酸のスライム/Acidic Slime》と《巣の侵略者/Nest Invader》へと姿を変えて仙波の土地を攻撃する。

 しかし、《平地/Plains》を大量に抱えていた仙波は、《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind》を装備する為の2マナ目を場に出して、鷹に剣を持たせて
攻撃の手を緩めない。

 八朔も勝機を見出そうと《酸のスライム/Acidic Slime》で《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind》を破壊して、《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》で逆転勝利を狙うものの、飛行を持った2体の鷹達には手が出せない。

 遂に《コーの空漁師/Kor Skyfisher》までもが場に追加されると、最後のドローが《集団変身/Mass Polymorph》で無かったことを確認すると、残念そうにスライム達をデッキに片づけた。

八朔 0-2 仙波

 ゲームの終始に渡って不運が続いた八朔のデッキは、《集団変身/Mass Polymorph》から大量の《霜のタイタン/Frost Titan》と《酸のスライム/Acidic Slime》を繰り出して、対戦相手のマナをロックするコンボデッキだったようだ。こういった大規模な大会においてオリジナリティあふれるアーキタイプが活躍するのは、いち観客として見ていて凄く心が躍る。

 今週末は『世界選手権本戦』に『PTQ』そして『TheFinals』と、多くのトーナメントが開催されたが、その結果を絶対のものとして捉えずにチャレンジしていく気持ちはとても重要だと感じた。だが、決して単純に、オリジナル・デッキや一風変わったコンボデッキを推奨しているのではない。

 それぞれの結果には意味があり、理由がある。『何故』『どうして』。そういった理由に注目して分析し、常にデッキを停滞させず、「考え続ける構築」を楽しんでもらいたい。

 幾度の失敗があるかもしれない。

 その分析が間違っているかもしれない。

 だが、考え続ける限り、トライし続ける限り、それらの経験は蓄積していく。そして、きっとデッキは応えてくれるだろう。それはトーナメントにおける勝利かもしれないし、各々の理想的なバランスを体現した構築かもしれないが、きっとあなたの望んだ結果を与えてくれるに違いない。

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