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グランプリ・北九州Preview

グランプリ・北九州Preview

By Daisuke Kawasaki

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 ちょうど2年前の2007年11月10日。場所は、ここ西日本総合展示場。

 ほぼ、同じ書き出しで、グランプリ・北九州のプレビュー記事を書かせていただいてから、ちょうど2年がたつ。そう、2年ぶりに、この「奇跡の街」北九州にグランプリがやってきたのだ。
グランプリ北九州回顧録

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 2年前のプレビュー記事では、グランプリ・北九州について、過去にないほどの強力なトップ8が見られる街、として紹介した。

 それでは、実際に前回のグランプリ・北九州ではどうだっただろうか。

 「殿堂プレイヤー」Oliver Ruel(フランス)をはじめ、津村 健志(広島)と八十岡 翔太(神奈川)のふたりのPlayer of The Year、「歴史と伝統の男」浅原 晃(神奈川)に「孤高のデッキビルダー」平林 和哉(神奈川)という、驚くほどに豪華なメンバー。そう、北九州伝説は健在であった。

 そして、そんなグランプリ・北九州を制したのは、「関東第三世代」でも誰もが一目置くほどの強豪、彌永 淳也(東京)であった。

グランプリ北九州07

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 すべてのテーブルに、すべてのイベントに物語がある。

 だが、この北九州の地での物語は、格別だ。

 歴史と伝統が支えるこの北九州の地。過去のグランプリについては、前回のプレビュー記事を参照していただくこととして、今回の「北九州物語」をより一層お楽しみいただくための知識のバックアップとして、このプレビュー記事を読んでいただければ幸いだ。


地元強豪にして、前グランプリ覇者

 地方巡業という側面もある、グランプリというイベント。

 当然ながら、過去のグランプリでの紹介記事でも、地元強豪プレイヤーを紹介するために項をもうけることは多くあった。

 また、前回グランプリ優勝者をクローズアップするのも、おなじみである。

 今回に関しては、そのふたつをまとめて紹介してしまおう。

 なにせ、紹介するのは「ファイアボール総帥」池田 剛(福岡)なのだから。

 前回、グランプリである新潟の優勝者であると同時に、TCGショップ「ファイアボール」のオーナーとして、九州のマジックシーンを牽引し続けてきた巨星である。

グランプリ・新潟

 そして、池田は、グランプリ・新潟で優勝しているのみならず、直近のプロツアーであるプロツアー・オースティンでも、準優勝と快挙を成し遂げているのだ!

プロツアー・オースティンカバレージ日本語翻訳サイト

 昨シーズンも、世界選手権でのトップ4入賞をはじめ、シーズン後半に好成績を残している池田。今シーズンは、夏過ぎからのブーストと、早い段階からのってきている故に、この地元福岡のグランプリ、そして、ローマで行われる世界選手権での快進撃が期待される。

 さらに、今シーズンの池田は、自身の経営する「ファイアボール」の関東進出まで成し遂げているのだから、その勢いはとどまるところを知らない。

 「プレイヤー」と「経営者」。さらに、プライベートでは「父親」であり、最近のプロフィールでは「興味のあること:我が子の成長」と書くのがお約束だ。

 今大会では、会場にブースも設置し、両方の顔を使い分ける池田。

 「デュエルをすることと物語を紡ぐことは同じ」というのは、筆者の信念だが、こと、池田にかんしては、こう言い換えさせていただこう。

 「カードを売ることと物語を紡ぐことは同じ」と。


日本の若武者

 池田の快進撃を紹介する中で、プロツアー・オースティンについて触れたが、オースティンの地で、トップ8進出を成し遂げたのは池田ひとりではない。

 「垂直落下式トップデック」渡辺 雄也(神奈川)と「シミックの王子」清水 直樹(神奈川)。ともに関東草の根を代表する若手プレイヤーふたりが、栄光のプロツアーサンデーを経験して帰ってきたのだ。

 グランプリ・北九州07覇者である彌永が、日本選手権05で準優勝した時から注目され続けている、いわゆる「関東第三世代」。「関東第三世代の流れを途切れさせたくはないです」というのは、グランプリ・神戸で決勝を前にした渡辺の弁だが、渡辺は、オースティンでのトップ8、そしてPlayer of The Year独走という形で、自身の手でそれを成し遂げ続けている。

 先日のグランプリ・タンパで惜しくも途切れてしまった者の、プロツアー・グランプリあわせて6イベント連続でのトップ8入賞という世界記録を作りあげた渡辺。最近では海外記事で「ジャパニーズ・ジャガーノート」という記述も散見される。これはあの「ジャーマン・ジャガーノート」Kai Budde(ドイツ)になぞらえたものであると考えれば、渡辺の海外での評価の高さがうかがい知れるだろう。

 一方の清水。当サイトMTG-JPでの執筆活動をはじめとして、国内での知名度の高かった清水だが、ここにきてついに世界規模での名声を手に入れることとなった。

 のみならず、ここで獲得したプロポイントによって、世界選手権への参加権利も獲得。さらに、このグランプリ・北九州、そして世界選手権での獲得ポイントで来期のグレイビー(注:来年1年間のプロツアー参加権)を確定させた。

 卒業・就職という人生の転機を控えた清水にとって、この事は、来年一年間のマジックとのつきあい方を考える上でも大きいものとなっただろう。

 さて、清水は見事来期のグレイビーを確定させたのだが、一方で、このグランプリ・北九州と、世界選手権での上乗せポイントで来期のグレイビーが決まるか否か、もしくはプレイヤーレベルの上乗せがあるか否かのプレイヤーも多く存在する。

 たとえば、「魔王」三原 槙仁(千葉)や「魔神」八十岡 翔太(東京)、「好々爺」中島 主税(神奈川)あたりは、現在のプロポイントが17点、つまりはあと1点の上乗せが必要なのである。

 この条件は、グランプリ・北九州二日目進出でほぼ達成できる条件であり、マニアックなドラマを楽しみたい方は、こういう視点でスタンディングをチェックするのも面白いかもしれない。とにもかくにも、シーズン終盤のプロプレイヤーによるプロポイントのつじつま合わせはこの季節の風物詩である。


海外からの日本「上陸」

 さて、シーズン末のプロポイントのつじつま合わせ、という話題がでたのだが、この11月のシーズン末に開催される事の多い北九州でのグランプリでは、プロポイントのつじつまを合わせるべく、海外から遠征してくるプレイヤーが多いことが毎回のように語られるトピックとなる。

 九州で行われた2回目のグランプリの優勝者からして「元祖サーキット」Alex Shvartsman(アメリカ)なのだから、この地と海外遠征組との関係を抜きにして語るのも難しいだろう。

 今回のグランプリ・北九州にしても例外ではなく、海外からそうそうたるメンバーが遠征してきている。

 メンバーの細かいプロフィールに関しては、別途森 慶太が紹介記事を執筆しているので、そこに譲ることになるが、この項で注目いただきたいのは、先ほどの渡辺の紹介でも触れたPlayer of The Yearレースである。

Player of The Year Standing

 上記ページを見ていただければおわかりいただけるが、現在首位を独走しているのは、渡辺 雄也である。だが、一時期ほどの大差はなく、僅差と言っても過言では無い4点差でチェコ共和国のMartin Juzaがピッタリと後を追っている。

渡辺 「正直、世界選手権の時点で10点くらい差がついていても安心できません。今回の上位は、誰もが大量得点獲得の可能性がある強豪ばかりですから」

 と、ニヤニヤする余裕もなく語る渡辺。上位陣で日本に遠征してきているのは、前述のJuzaのみだが「世界選手権男」Gabriel Nassif(フランス)をはじめ、実績十分なプレイヤーが多く、世界選手権では国別対抗戦での加点も期待できる渡辺にしてもまったく安心できない緊張感溢れるレースとなっているのだ。

 果たして、Juzaが渡辺との点差をつめる、もしくは逆転するのか、それとも、渡辺が世界選手権を前に、ライバルたちに対してリードを広げるのか。

 今大会の目玉トピックのひとつである。


最新セットゼンディカー

 さて、そんな見所満載のグランプリ・北九州は、最新セットゼンディカーによるリミテッドで行われる。

 まず、初日は、ゼンディカーブースターパック6パックを使用したシールド戦で、そして激戦を勝ち抜いたプレイヤーによって二日目、ゼンディカーブースターパック3パックによるブースタードラフトが行われる。

 この環境に関してプロプレイヤーが口を揃えて語るフレーズがある。

 「難しい」。

 過去でも類を見ないほどの難易度であると言われる「ゼンディカー」によるリミテッド。この環境で、会場に集結したプレインズウォーカーたちはどのようなシークレットテックを持ち込んできたのか。

 上陸によるダイナミックな盤面変化が、戦況の把握を困難にする。

 北九州の地でのマジック漬けの二日間。

 熱戦の模様は、ぜひとも、会場で、そして当サイトMTG-JPでご確認いただきたい。

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