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1st Draft:大礒 正嗣(広島)

1st Draft:大礒 正嗣(広島)

By Yohei Tomizawa

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 初日のシールド8回戦を全勝で終えたプレイヤーは4名。"マンモス"石井、07北九州チャンピオン彌永、08Limits準優勝者川田、そして世界のISOこと大礒である。今回は宇宙とまで言われる大礒の強さ、ピックを追いかけた。

 事前インタビューではデックの完成形が不明のため、緑は絶対に行きたくないとのこと。赤単、黒単のように単色か、青の飛行クリーチャーで勝つ明確な戦略のあるカラーにいきたいとのことだった。

 昨日のシールドデックのような軽い、序盤から押せるデックが強いとの読みであり、《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》や《湿地での被災/Marsh Casualties》など引いて、黒に突っ走りたいと人気色である、黒を1番にあげる。

 練習は地元で6ドラを2回ほどというが、「世界のISO」ともなれば6ドラは1回は、8ドラ10回に匹敵する。それだけ彼は1回のマジックで得るもの、理解するものが多いということだろう。

 ドラフト各プレイヤーの席順は次の通りである。

 石井→彌永→斎藤→大磯→川田→今井→浅原→小澤

■1パック目

初手:《噴出の稲妻/Burst Lightning》

候補:《リバー・ボア/River Boa》、《大木口の幼生/Timbermaw Larva》、《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》、《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》

 赤の除去をピックし、下へ緑のシグナルを送るという理想的なスタート。

2手目:《コーの空漁師/Kor Skyfisher》

候補:《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》、《砕土/Harrow》、《石造りのピューマ/Stonework Puma》、《墓所の切り裂き魔/Crypt Ripper》

 白のコモン最強クリーチャーをピック。パワー2の飛行持ち、除去に強いタフネス3、デメリットさえもシナジーさえ組めればメリットに変えるスーパーカードである。

3手目:《板金鎧の土百足/Plated Geopede》

候補:《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》、《墓所の切り裂き魔/Crypt Ripper》、《天空のアジサシ/Welkin Tern》

 赤の強さを象徴するクリーチャーである《板金鎧の土百足/Plated Geopede》をピック。初手とあわせ、赤へぐぐっと一歩前進。

4手目:《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》

候補:《天空のアジサシ/Welkin Tern》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks》、《石造りのピューマ/Stonework Puma》、《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》

 《石造りのピューマ/Stonework Puma》という無難な選択肢もあったが、ここで色を決めるのは早計と黒のカードをピックした。《コーの空漁師/Kor Skyfisher》ともシナジーをなす、拘束はキツイが素晴らしいカードである。

5手目:《噴火滑り/Geyser Glider》

候補:《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》、《湿地の干潟/Marsh Flats》、《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist》

 同じ5マナ域2種のカードを比べ、ピックしていた枚数、質により《噴火滑り/Geyser Glider》をピック。サイズも能力も申し分ない。

6手目:《天界のマントル/Celestial Mantle》

候補:《面晶体のカニ/Hedron Crab》

 他にピック出来るカードもない。色主張し、返しに期待である。

7手目:《コーの決闘者/Kor Duelist》

候補:《沼のぼろ布まとい/Bog Tatters》《血の饗宴/Feast of Blood》

 曲者揃いなため、黒に逃げる意味も込めてどちらかをピックするかと思われたが、大礒が選んだのは《コーの決闘者/Kor Duelist》。装備が最低3枚は欲しいカードである。

8手目:《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》

候補:《面晶体のカニ/Hedron Crab》、《獣使いの昇天/Beastmaster Ascension》

 赤の同盟者は安いため、後半に取れるのが良い。どうやら赤は確定のようだ。

9手目:《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》

候補:《開拓者の望遠鏡/Explorer's Scope》

 条件付きだが、サイズアップする装備品をピック。《コーの決闘者/Kor Duelist》と共に活躍する機会はあるのだろうか?

10手目:《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist》

11手目:《噛み針の罠/Needlebite Trap》

12手目:《嵐のフクロウ/Tempest Owl》

13手目《コーの決闘者/Kor Duelist》

14手目:《罠探しの計略/Trapfinder's Trick》

 クリーチャーは重めになってしまっているが、赤は確定出来たようである。もう1色を白か、黒で迷い中という所か。
 1パック目終了時のそれぞれのプレイヤーは、どのような色へ進んだのだろうか。

 石井(赤)→彌永(白黒)→斎藤(緑白)→大磯(赤白)→川田(青)→今井(赤黒)→浅原(緑)→小澤(緑黒)


■2パック目

初手:《世界を鎮める者/World Queller》

候補:《湿地での被災/Marsh Casualties》

 開けたパックには白のゴッドクリーチャーと、黒のリセットスペル。ドラフトはより早いため、キッカーなしでも《湿地での被災/Marsh Casualties》は威力十分であり、どちらをピックするかと思われたが、選んだのは《世界を鎮める者/World Queller》。上に黒はやらせる、明確な意思表示の現れである。

2手目:《噴出の稲妻/Burst Lightning》

候補:《板金鎧の土百足/Plated Geopede》、《血の求道者/Blood Seeker》

 どちらも欲しい1枚。少し悩み、大礒は《噴出の稲妻/Burst Lightning》をピックした。理由を聞いてみると

大礒 「《板金鎧の土百足/Plated Geopede》はダメージレースで勝てばいいが、《噴出の稲妻/Burst Lightning》は序盤に使いテンポを得たり、後半出てくる重めのクリーチャーも対処でき、勝ちカードにもなる。何より相手にもたれるのが嫌なんですよ。」

 と教えてくれた。なるほど、わかりやすい説明である。

3手目:《板金鎧の土百足/Plated Geopede》

候補:《落とし穴の罠/Pitfall Trap》、《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》

 先ほど流した《板金鎧の土百足/Plated Geopede》がここでピック出来た。2マナ域がかなり引き締まった。

4手目:《冒険者の装具/Adventuring Gear》

候補:《風をまとう突撃/Windborne Charge》、《高地の狂戦士/Highland Berserker》、《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap》

 最も欲しい装備品であるカードをピックすることが出来た。単体での強さはいうまでもなく、《コーの決闘者/Kor Duelist》の相棒としては最高である。

5手目:《カザンドゥの刃の達人/Kazandu Blademaster》

候補:《召喚士の破滅/Summoner's Bane》、《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge》、《雨雲の翼/Nimbus Wings》、《高地の狂戦士/Highland Berserker》

 強調がよくわかる1枚である。攻防を支えるカードでもあり、同盟者の数によっては全く止まらないカードになりえる。

6手目:《マグマの裂け目/Magma Rift》

候補:《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager》、《原初の怒声/Primal Bellow》、《カビのシャンブラー/Mold Shambler》

 全体的に軽いクリーチャーが多いため、追加コストも難なく払えそうであるし、突破し辛いタフネス4以上を破壊できるデックにかみ合った1枚である。

7手目:《コーの装具役/Kor Outfitter》

候補:《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition》、《カザンドゥの隠れ家/Kazandu Refuge》

 腐っても2マナ域であり、装備品が多く入りそうなため、能力も生きる機会が多いかもしれない。

8手目:《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》

候補:《不安定な足場/Unstable Footing》

 決め技にしては不安定すぎるため、《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》の2枚目をピック。

9手目:《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》

候補:《召喚士の破滅/Summoner's Bane》

 1マナ域を補充すると同時に、最後の数点を押し込むにも向いているカードを手に入れた。名前通り奇襲効果抜群である。

10手目:《面晶体集め/Hedron Scrabbler》

11手目:《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》

12手目:《殺戮の祭壇/Carnage Altar》

13手目:《気高き面影/Noble Vestige》

14手目:《ぬかるみの荒廃/Mire Blight》


 協調の旨みが感じられる満足いく2パック目であったと言えるだろう。低マナ域、除去、勝ちカードと足りない所が補充できた。後は3パック目で枚数さえ取れればといったところか。

 2パック目を終了して卓内色はどう変わったのだろうか。

 石井(赤)→彌永(緑白)→斎藤(緑白)→大磯(赤白)→川田(青白)→今井(赤黒)→浅原(青黒)→小澤(緑黒)


■3パック目

初手:《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》

候補:《組み合い鉤/Grappling Hook》、《生きている津波/Living Tsunami》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》

 初手で取るには悲し過ぎるが、他に候補もなく。足りない3マナ域であったことが、唯一の救いか。

2手目:《マグマの裂け目/Magma Rift》

候補:《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》、《風乗りの長魚/Windrider Eel》

 これまた点数の落ちるカードをピックせざるをえない。

3手目:《迷いし者の番人/Shepherd of the Lost》

候補:《風乗りの長魚/Windrider Eel》、《土を踏み付けるもの/Terra Stomper》、《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》

 5マナ域はすでに十分とれているが、このカードは別格。除去られなければ、ゲームを決めるほどのスペックを持っている素晴らしいクリーチャーである。

4手目:《落とし穴の罠/Pitfall Trap》

候補:《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers》、《麻痺の掌握/Paralyzing Grasp》

 除去は嬉しいが、今欲しいのは生物である。目の前を通り過ぎていく《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers》が恨めしい。

5手目:《開拓者の望遠鏡/Explorer's Scope》

候補:《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager》、《浅瀬の海蛇/Shoal Serpent》、《不安定な足場/Unstable Footing》

 貴重な3マナ域だが、流していいのだろうか?

6手目:《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster》

候補:《マキンディの盾の仲間/Makindi Shieldmate》、《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling》

 押し込むためのカードと3マナ域を同時に補充することが出来た。

7手目:《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap》

候補:《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist》、《雨雲の翼/Nimbus Wings》、《血の饗宴/Feast of Blood》

 《雨雲の翼/Nimbus Wings》と迷ったが、1対複数交換が取れるトリックスペルをピック。

8手目:《反逆の印/Mark of Mutiny》

候補:《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling》、《空の遺跡のドレイク/Sky Ruin Drake》

 色のあっているカードがこれしかない。

9手目:《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling》

候補:《命拾い/Narrow Escape》

 序盤に全てをかけるため、このカードは出されたくない。従ってカットとなった。

10手目:《気高き面影/Noble Vestige》

11手目:《破砕/Demolish》

12手目:《罠探しの計略/Trapfinder's Trick》

13手目:《破砕/Demolish》

14手目:《絡め汁/Tanglesap》


 大礒のピックしたカードとデックは以下の通りである。

大礒 正嗣
{W}{U}{B}
0/1 《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap》
0/1 《天界のマントル/Celestial Mantle》
1/1 《カザンドゥの刃の達人/Kazandu Blademaster》
2/1 《コーの決闘者/Kor Duelist》
1/1 《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster》
1/1 《コーの装具役/Kor Outfitter》
1/1 《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》
1/1 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
0/2 《気高き面影/Noble Vestige》
1/1 《落とし穴の罠/Pitfall Trap》
1/1 《迷いし者の番人/Shepherd of the Lost》
1/1 《世界を鎮める者/World Queller》
0/1 《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling》
0/1 《嵐のフクロウ/Tempest Owl》
0/2 《罠探しの計略/Trapfinder's Trick》
0/1 《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》
0/1 《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist》
0/1 《ぬかるみの荒廃/Mire Blight》
0/1 《噛み針の罠/Needlebite Trap》
{R}{G}{0}
2/2 《噴出の稲妻/Burst Lightning》
0/2 《破砕/Demolish》
0/1 《噴火滑り/Geyser Glider》
1/1 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》
2/2 《マグマの裂け目/Magma Rift》
0/1 《反逆の印/Mark of Mutiny》
2/2 《板金鎧の土百足/Plated Geopede》
0/1 《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》
0/1 《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》
0/2 《絡め汁/Tanglesap》
1/1 《冒険者の装具/Adventuring Gear》
0/2 《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》
1/1 《殺戮の祭壇/Carnage Altar》
0/1 《開拓者の望遠鏡/Explorer's Scope》
0/1 《面晶体集め/Hedron Scrabbler》
10 《平地/Plains》
8 《山/Mountain》


 順調であった2パック目、苦しかった3パック目、赤白というボロスカラーらしいテンポデックに組上がった。本人の感触としてはどうだったのであろうか、聞いてみた。

大礒 「上は白をやってないと思ったのでいったんですが、3パック目何も来なかったですね。《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》から黒に行くべきだったかなぁ。実際3パック目黒祭りだったから。」

 確かに3パック目で取れたのは1~2枚程度であった。このデックでどう戦うのだろうか?

大礒 「まぁ、逆回りパワーで何とか勝ちたい所ですね。《コーの決闘者/Kor Duelist》と装備品が4枚取れたので、そのブン回りや、《板金鎧の土百足/Plated Geopede》ビートがあるんで2-1は出来そうですかね。ゴミみたいな軽いクリーチャーで序盤つめて、《世界を鎮める者/World Queller》や《迷いし者の番人/Shepherd of the Lost》で数点削る感じですかね。」

 苦しい中でもなんとか形にするのは流石大礒である。

 最終的にそれぞれのプレイヤーのデックカラーは次のようになった。

 石井(青赤)→彌永(赤黒)→斎藤(緑白)→大磯(赤白)→川田(青白)→今井(赤黒)→浅原(青緑)→小澤(緑黒)


 3Roundを2-1としたので、デックの感触等を聞いてみた。何がポイントだったのだろうか?

大礒 「デック軽いのが、兎に角勝因だと思います。《板金鎧の土百足/Plated Geopede》や《冒険者の装具/Adventuring Gear》さえあれば、それだけで勝つこともありました。《コーの決闘者/Kor Duelist》も《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》と噛み合ったりと、意外に活躍しました。」

 他に活躍したカードを聞くと《面晶体集め/Hedron Scrabbler》をあげてくれた。とても地味に見えるこのカード、何が強いのだろうか。

大礒 「必ず出るのがいいです。《コーの装具役/Kor Outfitter》なんかと違って絶対にキャストできる。攻撃時だけ考えれば、パワー2ですからね。」

 と納得の説明。威嚇もブロック出来、意外と活躍出来るカードなのかもしれない。

 是非トップ8ドラフトでも彼のピックを見たいものである。

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