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準々決勝:菅谷 裕信(千葉) vs. 彌永 淳也(東京)

準々決勝:菅谷 裕信(千葉) vs. 彌永 淳也(東京)

By Daisuke Kawasaki

菅谷 「これで、あたるの3回目なんですよ。毎回いいゲームになるんですよね」

 試合開始前に、彌永 淳也(東京)が席に来る前に、菅谷 裕信(千葉)はこう語った。

 グランプリ・マニラチャンピオンの菅谷と、グランプリ・北九州チャンピオンのグランプリチャンピオン対決。過去のジンクスに違わず、この北九州でのトップ8も非常に濃いものとなった。

 彌永と菅谷の通算成績は1勝1敗だそうで、このマッチアップで勝った方が勝ち越し、俗に言う「格付け」が済む形となる。今まで、海外のグランプリであたってきたふたりだが、ついに日本のグランプリで激突することとなる。

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Game 1
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 先手の彌永が、1ターン目《信頼おける山刀/Trusty Machete》から、2ターン目《天空のアジサシ/Welkin Tern》という早い立ち上がり。これに対して、菅谷は《沼/Swamp》《森/Forest》とセットするのみでターンを返す。

 彌永の3ターン目。ここで彌永《天空のアジサシ/Welkin Tern》に《信頼おける山刀/Trusty Machete》を装備させず、2体目の《天空のアジサシ/Welkin Tern》をキャスト。これには思わず天を仰ぐ菅谷。

 彌永が《信頼おける山刀/Trusty Machete》を装備させた《天空のアジサシ/Welkin Tern》こそ、《忌まわしい最期/Hideous End》で除去したものの、確実にクロックを刻まれる菅谷。キッカー無しの《カビのシャンブラー/Mold Shambler》をキャストし、とりあえずはダメージレースの形にするための下準備とする。

 ここで、土地が4枚もすべて《島/Island》の彌永。《無謀な識者/Reckless Scholar》をキャストして、ターンを返す。

 菅谷は《カビのシャンブラー/Mold Shambler》でアタック。さらにフェッチランド起動から《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》とキャストする。

彌永 「きつくなってきた...」

菅谷 「こっちも十分きついから」

 この時点で、彌永のライフが15に対して、菅谷は11。

 一方、戦場には、菅谷が《カビのシャンブラー/Mold Shambler》《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》に対して、彌永が《信頼おける山刀/Trusty Machete》を装備した《天空のアジサシ/Welkin Tern》と《無謀な識者/Reckless Scholar》。なるほど、たしかにどちらもきつい。

 小考の末に、彌永は《無謀な識者/Reckless Scholar》を起動し、《沼/Swamp》を捨てた後、《信頼おける山刀/Trusty Machete》を装備した《天空のアジサシ/Welkin Tern》でアタック。そして、《不気味な発見/Grim Discovery》で捨てた《沼/Swamp》と《天空のアジサシ/Welkin Tern》を回収する。この時点で菅谷のライフは7であり、ブロッカーさえ用意すれば次のターンは生き残れる菅谷だが、もともとフライヤーへの対応手段が盤面にないだけに、長考をする。

 そして、菅谷は3体のクリーチャーでアタックし、彌永のライフを8とする。そのうえでの《コブラの罠/Cobra Trap》。詰めろ逃れの詰めろとでもいうか、この菅谷のアクションで、一転、今度は彌永が続くターンに対応策を用意しなければならなくなってしまう。

 彌永がブロッカーとして使えるのは《無謀な識者/Reckless Scholar》のみ。そして、これで一番パワーの大きい《カビのシャンブラー/Mold Shambler》をブロックするだけでは、ピッタリ8点のダメージが入る。ここへの彌永の対応は、《麻痺の掌握/Paralyzing Grasp》。

 これで、盤面上の見た目では生き残る。

 菅谷は当然全軍進撃で8点分のアタック。《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》が《無謀な識者/Reckless Scholar》でブロックされ、-2点。《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》に《原初の彼方/Primal Beyond》(《森/Forest》が2枚)で+2点。

 彌永は《無謀な識者/Reckless Scholar》をキャスト、祈る菅谷。

 彌永がキャストした《乱動への突入/Into the Roil》で、-4点。

彌永 1-0 菅谷

菅谷 「バウンス(《乱動への突入/Into the Roil》)持っていたんですか?」

彌永 「内緒です」

菅谷 「終わった後にまた聞こう」

 終わった後に菅谷が聞き忘れた時のために、筆者がここにメモしておこう。

 彌永は、バウンスを持っていた。

Game 2
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 今度も彌永は、《信頼おける山刀/Trusty Machete》を1ターン目にキャストするが、2ターン目に後続が無い。3ターン目に彌永が《無謀な識者/Reckless Scholar》をキャストし、それに対して菅谷が《砕土/Harrow》。

 だが、ここで5マナになった菅谷は、アクション無しでターンを帰す。

彌永 「...ベイロストラップ(《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap》)」

 彌永がぼそりとつぶやく。そして、彌永のターンエンドに、菅谷は《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap》をキャストする。これを《取り消し/Cancel》した上で、さらに菅谷が自身のターンにキャストした《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》も残った黒マナで除去する。

 このテンポのよい行動で、事実上、先手後手が入れ替わる。彌永は沼渡りを持つ《沼のぼろ布まとい/Bog Tatters》をキャストし、先手を取る形になる。

 菅谷は、長考する。

 そして、ちょっとあきらめたようにため息をつくと、《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》をキャスト。彌永は《沼のぼろ布まとい/Bog Tatters》を残して、《無謀な識者/Reckless Scholar》をサクリファイスする。

 ここで《信頼おける山刀/Trusty Machete》を《沼のぼろ布まとい/Bog Tatters》に装備しない彌永。当然、マナの使い道はあるわけで、ここで彌永は《不気味な発見/Grim Discovery》をキャスト。先ほどサクリファイスした《無謀な識者/Reckless Scholar》と、《無謀な識者/Reckless Scholar》の能力でディスカードしていた土地を拾うと、《無謀な識者/Reckless Scholar》をキャストし直す。

 菅谷は長考し、そして口に出す。

菅谷 「難しい...」

 グランプリ・チャンピオンではあるものの、国内では初の大舞台といっていい菅谷。その手は震えている。

 長考に長考を重ね、ジャッジから、スロープレイの注意が入る。菅谷は背中を押されるように、《野蛮な影法師/Savage Silhouette》を《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》にエンチャントし、アタック。彌永も、アタック。

 菅谷は、6マナ目を引き当てられない。仕方なく、《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》をキャストする。

 彌永は、また《乱動への突入/Into the Roil》を。

菅谷 「負けました」

彌永 「ありがとうございました」

彌永 2-0 菅谷

 彌永が、関東第三世代が注目されるきっかけを作ったように、菅谷のグランプリ戴冠は千葉勢が本格的に注目されるきっかけとなった。

 だからといって、彌永と菅谷の対戦を、東京と千葉の代理戦争であるかのように書くことは真実に即していないので、書くことはしない。

 だがしかし、対戦終了後に、菅谷が次の彌永の対戦相手である石井 泰介(神奈川)に、自身の代わりに彌永に勝ってくれと、勝利を託したことと、そして、やはり菅谷が彌永にバウンスが有ったかどうかを聞き忘れたことの、この2点は事実なので、書き記しておきたいと思う。

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