マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

2nd Draft:森 勝洋(大阪)

2nd Draft:森 勝洋(大阪)

By Yohei Tomizawa

 言い尽くされた表現であるが、森 勝洋(大阪)という人物は天才である。うまさだけでなく、強さ、閃き、デック構築能力と練習量、全ての能力が規格外である。特に2005年~2007年における彼の成績は圧巻の一言である。日本王者、世界王者、GPチャンプと数々のタイトルを獲得したのである。森の、森による、森のための時代であった。

 時は流れ2009年、現在は仕事のためマジックにかける時間ほとんどない。そのため大会でトップ8で彼の顔を見る機会は、ぐんと減ってしまっている。その姿を、大会会場に見ないことすらある。

 だが今大会ではここまで9勝2敗と順調に勝ち進んでおり、2nd Draftの成績次第ではトップ8に入る可能性がある。勝っている、強いモリカツが見たいと思い、彼のピックを追ってみた。

 卓内は強豪プレイヤーが揃っており、森の上家は浅原。席順は次の通りになっている。
 浅原→森→黄色→黒田→高木→三原→逢坂→渡辺

■第1パック

初手:《見栄え損ない/Disfigure》

候補:《松明投げ/Torch Slinger》、《罰する火/Punishing Fire》

 ゼンディカー屈指のテンポ除去である《見栄え損ない/Disfigure》からスタートを切ることが出来た。コンバットスペルにもなり、用途が広い。

2手目:《砕土/Harrow》

候補:《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》、《ムラーサの紅蓮術士/Murasa Pyromancer》、《巨森の蔦/Vines of Vastwood》

 《砕土/Harrow》マナベースをの充実しにいく。

3手目:《業火の罠/Inferno Trap》

候補:《精神ヘドロ/Mind Sludge》、《麻痺の掌握/Paralyzing Grasp》、《巨森の蔦/Vines of Vastwood》

 ここでも除去をピック。どんなクリーチャーでも破壊できる、安定したカードである。
4手目:《マグマの裂け目/Magma Rift》

候補:《高地の狂戦士/Highland Berserker》

 軽い《高地の狂戦士/Highland Berserker》をピックするかと思われたが、除去優先。除去コンを目指しているのだろうか?

5手目:《ムラーサの紅蓮術士/Murasa Pyromancer》

候補:《血の求道者/Blood Seeker》、《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》、《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》

 ここでデックの軸になりそうなクリーチャーをピック。これからどれだけ同盟者が取れるかで、強さが変わりそうである。

6手目:《ぐらつく峰/Teetering Peaks》

候補:《コーの飛空士/Kor Aeronaut》、《原初の怒声/Primal Bellow》、《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》

 どうやら白を徹底的に嫌っている模様。数値の安定しない《原初の怒声/Primal Bellow》ではなく、スペル枠を圧迫しない土地カードを選んだ。

7手目:《不安定な足場/Unstable Footing》

候補:《浅瀬の海蛇/Shoal Serpent》

 デックに入る可能性は低いが、色主張のためにピック。

8手目:《血の長の昇天/Bloodchief Ascension》

候補:《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》、《蜘蛛糸の網/Spidersilk Net》

 一度は《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》をピックしようかと、悩んだようだが使えた時のことも考え、《血の長の昇天/Bloodchief Ascension》をピックした。

9手目:《探検の地図/Expedition Map》

候補:《殺戮の叫び/Slaughter Cry》

 選んだのはコンバットスペルではなく、《探検の地図/Expedition Map》という土地サーチカード。多色路線を意識ということだろうか?

10手目:《ムラーサの紅蓮術士/Murasa Pyromancer》

11手目:《柱平原の雄牛/Pillarfield Ox》

12手目:《血の貢ぎ物/Blood Tribute》

13手目:《ピラニアの湿地/Piranha Marsh》

14手目:《罠探しの計略/Trapfinder's Trick》

 1パック目を終えて、赤は確定し、緑と黒を天秤にかける感じだろうか。直前トライアルでも言っていたように多色同盟者の可能性もある。

 卓内の色配置は次の通りである。

 浅原(緑)→森(赤緑黒)→黄色(白赤)→黒田(赤黒)→高木(青白)→三原(緑)→逢坂(緑)→渡辺(青白)


■第2パック

初手:《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》

候補:《リバー・ボア/River Boa》、《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster》、《無謀な識者/Reckless Scholar》、《高地の狂戦士/Highland Berserker》

 ここでゴッドカード《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》が登場。2色目を緑と決めたようだ。

2手目:《見栄え損ない/Disfigure》

候補:《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》、《カビのシャンブラー/Mold Shambler》、《松明投げ/Torch Slinger》

 色の合うアドバンテージカードである《カビのシャンブラー/Mold Shambler》や《松明投げ/Torch Slinger》ではなく、最も強い《見栄え損ない/Disfigure》をピック。《砕土/Harrow》もあるため、3色構成のようだ。

3手目:《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》

候補:《砕土/Harrow》

 手拍子で《砕土/Harrow》を取ろうとすると、そこには《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》の姿が。《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》とのシナジーは踏まえ、こちらを選んだ。

4手目:《領地のベイロス/Territorial Baloth》

候補:《精神ヘドロ/Mind Sludge》、《無謀な識者/Reckless Scholar》

 自分のデックにあった色のカードをとったわけだが、《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》、《砕土/Harrow》と相性の良い上陸クリーチャーであった。

5手目:《高地の狂戦士/Highland Berserker》

候補:《カザンドゥの刃の達人/Kazandu Blademaster》、《無謀な識者/Reckless Scholar》

 2マナ域のクリーチャーで十分なのに、《ムラーサの紅蓮術士/Murasa Pyromancer》2枚をピックしているため、除去にもなりそうである。

6手目:《開拓者の望遠鏡/Explorer's Scope》

候補:《コブラの罠/Cobra Trap》

 環境にアドバンテージを取れるカードが少ないため、森が評価していた1枚。ランドの過剰ドローを防げるのは大きい。

7手目:《カルニの宝石/Khalni Gem》

 既に3色デックであるため、マナの安定という意味でよいカードである。それだけでなく《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》や上陸とのシナジーは魅力的である。

8手目:《カルニの宝石/Khalni Gem》

候補:《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》

 同じ理由でピック。入らないカードに意味はない。

9手目:《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》

 飛行クリーチャーを除去れるだけでなく、ブロッカーとしても優秀である。

10手目:《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove》

11手目:《反逆の印/Mark of Mutiny》

12手目:《冒涜された地/Desecrated Earth》

13手目:《嵐のフクロウ/Tempest Owl》

14手目:《タジュールの射手/Tajuru Archer》


 流れに乗り、緑、赤の強力なカードをピック出来た。低マナ域のクリーチャー、しかも同盟者もピック出来、デックが引き締まった。2枚の《カルニの宝石/Khalni Gem》により、マナベースがだいぶ安定したのも嬉しい。

 浅原(青緑)→森(宇宙)→黄色(赤白)→黒田(赤黒)→高木(青白)→三原(赤緑)→逢坂(緑)→渡辺(青白)

■第3パック

初手:《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid》

候補:《複製の儀式/Rite of Replication》、《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》
 デックが非常に重い構成になっているため、マナ加速カードをピックしたが、ここはミスだったという。《カルニの宝石/Khalni Gem》と豊富な除去があるため、勝ちカードとして《複製の儀式/Rite of Replication》をピックすべきだったということらしい。

2手目:《エメリアの天使/Emeria Angel》

候補:《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》、《見栄え損ない/Disfigure》、《刃牙の猪/Bladetusk Boar》、《大木口の幼生/Timbermaw Larva》

 1枚で勝てる、まさに欲していたカードがここで。

3手目:《忌まわしい最期/Hideous End》

候補:《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》、《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》

 除去重視のクリーチャーコントロールデックを目指しているようであり、黒が3色目であるため、これらのクリーチャーはさけた。

4手目:《高地の狂戦士/Highland Berserker》

候補:《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》、《松明投げ/Torch Slinger》、《精霊への挑戦/Brave the Elements》

 欲しかった2マナ域、同盟者を手に入れる。

5手目:《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid》

候補:《カビーラの福音者/Kabira Evangel》、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap》

 同盟者であるが、能力が噛み合わないため、マナ加速カードを取ることになった。

6手目:《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter》

候補:《血の求道者/Blood Seeker》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks》、《無謀な識者/Reckless Scholar》

 これまた2マナ域をゲット。

7手目:《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》

候補:《高地の狂戦士/Highland Berserker》、《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager》

 候補に選ばれたカードはどちらも足らない所を補い、デックパワーを上げてくれるものであるが、多色化していることを意識してこのカードをピックすることになった。

8手目:《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》

候補:《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》

 軽い方をピックした。

9手目:《秘宝の破壊/Relic Crush》

10手目:《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》

11手目:《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》

12手目:《精霊への挑戦/Brave the Elements》

13手目:《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》

14手目:《陽の泉の探検/Sunspring Expedition》

 初手こそ《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid》という重いデックの構成を助けるカードをピックする。注目は2手目である。森のピックしたカードは《エメリアの天使/Emeria Angel》。強力だが、白マナを2つ要求するものであるが、森は迷わずにピックした。

 「確かに安定性はないね、4色だし。でもカードパワーはかなり高いし、マナサポートカードもあるから回ったら圧勝だよ。」

 とさらっと言い放つ。一見すると4色のシールドのようなデックであるが、よく見て欲しい。細かいシナジーに溢れている。

 「《ムラーサの紅蓮術士/Murasa Pyromancer》を始めとする同盟者、巫女、《カルニの宝石/Khalni Gem》と《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》や《エメリアの天使/Emeria Angel》はかなり相性いいね。特に巫女と天使は揃ったら勝つでしょ!」

 テンポ環境、単色や2色が叫ばれているが、序盤に、色マナに不安はないのだろうか?

 「除去多いから、それで序盤を耐えて、パワーカードで勝つ感じだね。特に青白みたいな除去のない色には相性いいと思う。多少の安定感はないけど、やっぱ爆発力は欲しいじゃん。2勝は出来るだろうね。」

 そして森の言葉は現実となる。見事3連勝にて、決勝進出を決めたのだ。流石モリカツ、決勝でも彼のピックに、プレイに目が離せない。

 最後に彼の構築したデックと、卓内の色配置を載せ終わりとしたい。

森 勝洋
{W}{U}{B}
0/1 《精霊への挑戦/Brave the Elements》
1/1 《エメリアの天使/Emeria Angel》
0/1 《柱平原の雄牛/Pillarfield Ox》
0/1 《陽の泉の探検/Sunspring Expedition》
0/1 《嵐のフクロウ/Tempest Owl》
0/1 《罠探しの計略/Trapfinder's Trick》
0/1 《血の貢ぎ物/Blood Tribute》
1/1 《血の長の昇天/Bloodchief Ascension》
0/1 《冒涜された地/Desecrated Earth》
2/2 《見栄え損ない/Disfigure》
1/1 《忌まわしい最期/Hideous End》
1/1 《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》
{R}{G}{0}
0/1 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》
1/1 《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter》
0/1 《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》
2/2 《高地の狂戦士/Highland Berserker》
1/1 《業火の罠/Inferno Trap》
1/1 《マグマの裂け目/Magma Rift》
0/1 《反逆の印/Mark of Mutiny》
2/2 《ムラーサの紅蓮術士/Murasa Pyromancer》
0/1 《不安定な足場/Unstable Footing》
1/1 《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》
2/2 《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid》
1/1 《砕土/Harrow》
0/1 《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》
0/1 《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》
1/1 《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》
1/1 《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》
0/1 《秘宝の破壊/Relic Crush》
0/1 《タジュールの射手/Tajuru Archer》
1/1 《領地のベイロス/Territorial Baloth》
1/1 《探検の地図/Expedition Map》
0/1 《開拓者の望遠鏡/Explorer's Scope》
2/2 《カルニの宝石/Khalni Gem》
0/1 《ピラニアの湿地/Piranha Marsh》
1/1 《ぐらつく峰/Teetering Peaks》
0/1 《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove》
3 《沼/Swamp》
6 《山/Mountain》
7 《森/Forest》

浅原(青緑)→森(宇宙)→黄色(赤白)→黒田(黒)→高木(青白)→三原(緑赤タッチ青)→逢坂(緑タッチ赤)→渡辺(青白)

前の記事: Round 12:黒田 正城(大阪) vs. 森 勝洋(大阪) | 次の記事: Round 13:渡辺 雄也(神奈川) vs. 高木 隆之(千葉)
イベントカバレージ/グランプリ北九州09 一覧に戻る

イベントカバレージ