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シールドデッキ構築:池田 剛(福岡)

シールドデッキ構築:池田 剛(福岡)

By Daisuke Kawasaki with Takuya Natsume

 難しいと評判の「ゼンディカー」リミテッド。

 この環境にでの、シールドフィーチャーを行う上で、このプレイヤーの構築を見ないわけには行かないだろう。

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 「ファイアーボール総帥」池田 剛(福岡)。

 地元福岡の強豪にして、グランプリ・新潟チャンピオン。そして、なにより、先日のプロツアー・オースティンでの準優勝。

 旬という言葉をこのプレイヤーに使う事ははばかられるが、しかし、間違いなく今もっとも旬のプレイヤーが池田である。

 とくに、ここ数年のシーズン後半での池田の好調は非常に印象的で、特に赤系のデックを使用している時の強さには定評がある。

 とはいえ、今回のグランプリはリミテッド。出来れば赤黒系の速攻を......とは思うものの、シールドは与えられたカードプール次第。はたして、池田はこの「ゼンディカー」の世界で「財宝」に出会うことは出来るのだろうか。


 シールドのプレミアイベントでまず行われるのは、パックチェック。自分に配られた6つの「ゼンディカー」ブースターパックを開封し、その内容をチェックシートに登録する。

 池田の開封したパックには、《審判の日/Day of Judgment》をはじめ、複数枚の《コーの空漁師/Kor Skyfisher》など強力な白のカードをはじめちして、平均点レベルをクリアしているパック。

池田 「強い、とは言い切れないけど、もう、このパックでいいですよ...ひどいパックがくることあるからなぁ...」

 基本セット2010の時のレアパワーほどではないものの、シナジー重視の環境だけに、パックの貧富の差が大きいといえば、大きいのがこの「ゼンディカー」シールド環境。

 シナジーや色の組み合わせがちぐはぐなパックが来るよりかは、この、白の強さは確定しているパックがいい、と言ったところか。

 それはそれとしておいといて、このパックとのお別れの時間がきた。

 テーブル内でパックを移動させ、最終的に「うみんちゅう」こと今川 浩匡(大阪)のチェックしたパックが池田の元にやってくることとなる。

 そしてデッキ構築時間スタート。

 ヘッドジャッジからのアナウンスにより、全プレイヤーが白→青→黒→赤→緑の順番に並べたカードプールをながしている。池田は白から順番にカードを見ていくことになる。

 後ろで見ていた筆者の個人的な感想で申し訳ないのだが、池田に渡されたカードプールのうち、白と青はかなり貧弱なもので、特に白に関しては枚数が決定的に足りないとしかいいようのないパックであった。

 それは池田も同じ感想だったようで、白、そして青と確認する時の池田のアクションは早く、そして、その背中には悲壮感が漂っていた。

 その空気が一変したのが、黒のチェックである。

 強力神話レア、《堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen》をはじめ、環境を代表する2大除去、《忌まわしい最期/Hideous End》《湿地での被災/Marsh Casualties》。もうひとつの筆頭除去《見栄え損ない/Disfigure》が無いのが少し寂しいが、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》や《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》といった、序盤から中盤のダメージレースを有利に展開してくれるクリーチャーも揃っており、もう一色強力なプールが有れば、十分に初日の好成績を期待出来るカードプールである。

 だが、そんなもくろみも赤のカードをチェックし、そして、無色のカードをチェックしたことで一変する。

 なにせ、すべてのカードプールを確認し終わった後に、池田は筆者にこう言ったのだから。

池田 「もしかしたら、シールドで奇跡の単色ありえますよ」

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 そう、池田のデッキには、奇跡の単色デックの選択肢が存在するのだ。

 《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager》や《断ち割る尖塔/Rupture Spire》といった赤単を推奨するカードたち、そして、なにより、デッキの中の《山/Mountain》の枚数が増えれば増えるほどその力を高める《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》。

 それをサーチしてくることすらできる《探検の地図/Expedition Map》。

池田 「正直、これらの赤単推奨カードの存在と、《探検の地図/Expedition Map》の存在が、相当赤単に行け!って空気をだしてましたね」

 しかも、強力なレアが2枚も赤だったのだから、これは赤系デックを使い続けて、結果を出してきた池田への啓示とみても言い過ぎじゃないだろう。

 だがしかし、ひとつだけ問題があった。

 なんと、アーティファクト含めて、デッキに入るカードを並べてみても、全部で21枚のカードしかないのだ。

 上陸をはじめとしたメカニズムのおかげもあって、土地の枚数を多めに入れることがセオリーとなってきているゼンディカー環境だが、さすがに池田のデッキで土地19枚は多いとの判断か。

 池田は、黒の有効カードを並べはじめ、代わりに赤単以外で弱くなるカードとのトレードを健闘しはじめる。

 だが、数分ほどなやんだ結果、池田は意を決して、22枚目のカードとして《面晶体集め/Hedron Scrabbler》を投入して、自身の店から基本地形として山を17枚回収。

 デッキ登録用紙を提出したのだった。ここまで10分もかからず完成した。

 以下が、池田が作りあげたデッキと、そのカードプールだ。

池田 剛
{W}{U}{B}
0/1 《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap》
0/1 《天界のマントル/Celestial Mantle》
0/1 《未達への旅/Journey to Nowhere》
0/1 《コーの装具役/Kor Outfitter》
0/1 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
0/1 《柱平原の雄牛/Pillarfield Ox》
0/1 《盾の仲間の祝福/Shieldmate's Blessing》
0/1 《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》
0/1 《陽の泉の探検/Sunspring Expedition》
0/1 《取り消し/Cancel》
0/1 《コーシのペテン師/Cosi's Trickster》
0/1 《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers》
0/1 《麻痺の掌握/Paralyzing Grasp》
0/1 《無謀な識者/Reckless Scholar》
0/2 《浅瀬の海蛇/Shoal Serpent》
0/1 《呪文貫き/Spell Pierce》
0/1 《嵐のフクロウ/Tempest Owl》
0/1 《罠探しの計略/Trapfinder's Trick》
0/1 《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》
0/1 《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》
0/1 《沼のぼろ布まとい/Bog Tatters》
0/2 《不気味な発見/Grim Discovery》
0/1 《忌まわしい最期/Hideous End》
0/1 《湿地での被災/Marsh Casualties》
0/1 《愚鈍な虚身/Mindless Null》
0/1 《ぬかるみの荒廃/Mire Blight》
0/1 《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》
0/1 《堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen》
0/1 《貪欲な罠/Ravenous Trap》
0/1 《魂の階段の探検/Soul Stair Expedition》
0/1 《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》
0/2 《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》
0/1 《吸血鬼の一噛み/Vampire's Bite》
{R}{G}{0}
1/1 《刃牙の猪/Bladetusk Boar》
0/2 《破砕/Demolish》
1/1 《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》
1/1 《ヘルカイトの突撃者/Hellkite Charger》
3/3 《高地の狂戦士/Highland Berserker》
1/1 《マグマの裂け目/Magma Rift》
2/2 《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager》
1/1 《ムラーサの紅蓮術士/Murasa Pyromancer》
1/1 《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart》
1/1 《罰する火/Punishing Fire》
0/1 《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》
1/1 《破滅的なミノタウルス/Ruinous Minotaur》
0/2 《ルーン炎の罠/Runeflare Trap》
0/1 《殺戮の叫び/Slaughter Cry》
2/2 《尖塔の連射/Spire Barrage》
1/1 《松明投げ/Torch Slinger》
1/1 《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》
0/3 《獣狩り/Beast Hunt》
0/1 《ジョラーガの吟遊詩人/Joraga Bard》
0/1 《原初の怒声/Primal Bellow》
0/1 《輝刃の探索/Quest for the Gemblades》
0/1 《秘宝の破壊/Relic Crush》
0/2 《鎌虎/Scythe Tiger》
0/2 《タジュールの射手/Tajuru Archer》
0/1 《土を踏み付けるもの/Terra Stomper》
0/2 《領地のベイロス/Territorial Baloth》
0/1 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
2/2 《冒険者の装具/Adventuring Gear》
1/1 《探検の地図/Expedition Map》
1/1 《面晶体集め/Hedron Scrabbler》
1/1 《石造りのピューマ/Stonework Puma》
0/1 《アクームの隠れ家/Akoum Refuge》
0/1 《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》
0/1 《カザンドゥの隠れ家/Kazandu Refuge》
0/1 《セジーリの隠れ家/Sejiri Refuge》
1/1 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》 17 《山/Mountain》

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 やはり、最終的には、赤単で強いカードを抜くほどのカードパワーのカードが黒には無かった事と、《探検の地図/Expedition Map》の存在が単色への決め手となったという池田。

池田 「デッキですか...強いハズですけど、序盤攻められないと厳しいので、マナカーブを逆に引いてしまうと厳しいですね」

 と語る。

 なお、このデッキについて、池田本人からのビデオメッセージをもらっているので、ぜひとも、こちらも参照していただきたい。

 3 Byeの後、5戦をともに戦うデックに赤単を選択した池田。はたして、赤い魂にデッキは応えてくれるのか。

 なお、池田のマッチアップをラウンド4でフィーチャーしているので、そちらも参照されたい。

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