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シールドデッキ構築:中村 修平

シールドデッキ構築:中村 修平

By Kazumasa Koji

中村 「M10のシールドは平均的なパックだと緑が強い、と思うんですが......」

 世界に5人しかいないプロプレイヤークラブレベル8の一人、前年度最優秀選手の中村 修平(大阪)は事前にこう語ってくれた。

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中村 「ドラフトしていると忘れがちなんですけど、M10は『基本セット』なんですよね。9版や10版であったような地味なカードがセットの半分くらいあって、アンコモン以上には《悪斬の天使/Baneslayer Angel》に代表される派手なカードが多く収録されています。それらを上手く融合させていくデッキ構築が必要だと思いますね。」

 《風のドレイク/Wind Drake》や《峡谷のミノタウルス/Canyon Minotaur》がデッキの基本戦力になる中で、《大気の精霊/Air Elemental》や《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》の強大さは圧倒的だ。勿論シールド戦では、手にしたカードで戦わなければいけないのではあるが、対戦相手に召喚されることも考えての構築が必要になってくるという事だろう。その上で、中村の理想はどのようなデッキなのだろう。

中村 「まず、出来れば2色で組めるのが理想です。例えば白緑+タッチ黒で《破滅の刃/Doom Blade》と《暗殺/Assassinate》みたいな構築はよくありますが、僕はそれよりも黒を2色目に上げて緑黒か白黒で組めるかどうかを検討します。《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》が1枚ある程度では3色目はなるべく入れたくありません。好みの問題ではありますが、土地事故のリスクを軽減させる2色での構築の方がいいと思いますよ。」

 更に中村は使いたい色についてこう続けた。

中村 「緑は今まで通りクリーチャーに恵まれていて、シールドだとかなり強力です。でも僕は青白をプレイしたいですね。緑や黒のカードは強いんですけどその強さが直線的で、相手に何かされた時の対応力が微妙になってしまい、あんまり好きじゃないんです。白の飛行と除去、青のドローとカウンターの組み合わせは昔から王道ですが、非常に受けが広いデッキになるんで、グランプリのような長丁場になるとその差が出てくると思いますよ。個人的に、ではありますけど、青白は大好きです。」

 『青白愛』に溢れたコメントを残してくれた中村、果たしてGP新潟で初日を戦う相棒として意中の相手に恵まれるのだろうか? 実際に引いたカードプールは以下の通り。

シールド戦 カードプール 中村 修平

{W}{U}{B}
1 《鎧をまとった上昇/Armored Ascension》
1 《警備隊長/Captain of the Watch》
1 《神聖なる評決/Divine Verdict》
2 《破門/Excommunicate》
1 《栄光の突撃/Glorious Charge》
1 《危害のあり方/Harm's Way》
1 《メサの女魔術師/Mesa Enchantress》
1 《平和な心/Pacifism》
2 《宮殿の護衛/Palace Guard》
1 《カミソリ足のグリフィン/Razorfoot Griffin》
1 《ロウクスの長槍の達人/Rhox Pikemaster》
1 《高潔のあかし/Righteousness》
2 《銀毛のライオン/Silvercoat Lion》
1 《魂の管理人/Soul Warden》
1 《光の大嵐/Tempest of Light》
1 《アンデッドを屠る者/Undead Slayer》
1 《信仰の壁/Wall of Faith》
1 《白騎士/White Knight》
1 《魅惑するセイレーン/Alluring Siren》
1 《珊瑚マーフォーク/Coral Merfolk》
1 《認識不能/Disorient》
1 《予言/Divination》
1 《本質の散乱/Essence Scatter》
1 《氷の牢獄/Ice Cage》
2 《幻影の召使い/Illusionary Servant》
2 《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》
1 《物知りフクロウ/Sage Owl》
1 《秘本掃き/Tome Scour》
2 《霜の壁/Wall of Frost》
1 《西風のスプライト/Zephyr Sprite》
1 《ザスリッドの見習い僧/Acolyte of Xathrid》
1 《墓暴き/Disentomb》
1 《蠢く骸骨/Drudge Skeletons》
2 《立ちはだかる影/Looming Shade》
1 《執拗なネズミ/Relentless Rats》
2 《邪悪なる力/Unholy Strength》
3 《出征路のグール/Warpath Ghoul》
1 《衰弱/Weakness》
{R}{G}{0}
2 《血の峠の狂戦士/Berserkers of Blood Ridge》
1 《燃え立つ調査/Burning Inquiry》
1 《峡谷のミノタウルス/Canyon Minotaur》
2 《炎のブレス/Firebreathing》
1 《溶岩の斧/Lava Axe》
2 《稲妻の精霊/Lightning Elemental》
1 《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》
1 《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》
1 《ヴィーアシーノの槍狩人/Viashino Spearhunter》
1 《口を開く地割れ/Yawning Fissure》
1 《酸のスライム/Acidic Slime》
2 《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》
1 《命取りの出家蜘蛛/Deadly Recluse》
2 《エメラルドのオリックス/Emerald Oryx》
1 《絡め取る蔦/Entangling Vines》
2 《濃霧/Fog》
1 《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》
1 《巨大化/Giant Growth》
1 《大蜘蛛/Giant Spider》
2 《樫変化/Oakenform》
1 《踏み荒らし/Overrun》
1 《悪魔の角/Demon's Horn》
2 《魔道士封じの鎧/Magebane Armor》
2 《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
1 《破滅のロッド/Rod of Ruin》
1 《呪文書/Spellbook》
1 《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》


 読者の皆様にも、是非このカードプールでデッキを作って頂きたい。中村の選択と何が違うのか、それを知れば確実に一歩上達する事が出来るはずだ。

・プランA 白緑

 赤と黒のカードに全く見るべき点が無く、まずは白と緑のカードを並べていく中村。《警備隊長/Captain of the Watch》《鎧をまとった上昇/Armored Ascension》《危害のあり方/Harm's Way》《平和な心/Pacifism》などの強力カードに加えクリーチャーもそれなりな白と、《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》《踏み荒らし/Overrun》を擁する緑を使う事を考える。

中村 修平
8 《森/Forest》
8 《平地/Plains》
1 《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》

-土地(17)-
1 《酸のスライム/Acidic Slime》
2 《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》
1 《命取りの出家蜘蛛/Deadly Recluse》
2 《エメラルドのオリックス/Emerald Oryx》
1 《大蜘蛛/Giant Spider》
1 《警備隊長/Captain of the Watch》
1 《カミソリ足のグリフィン/Razorfoot Griffin》
1 《ロウクスの長槍の達人/Rhox Pikemaster》
2 《銀毛のライオン/Silvercoat Lion》
1 《アンデッドを屠る者/Undead Slayer》
1 《白騎士/White Knight》

-クリーチャー(14)-
1 《危害のあり方/Harm's Way》
1 《平和な心/Pacifism》
1 《鎧をまとった上昇/Armored Ascension》
1 《神聖なる評決/Divine Verdict》
1 《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》
1 《踏み荒らし/Overrun》
2 《魔道士封じの鎧/Magebane Armor》
1 《破門/Excommunicate》

-呪文(9)-

魅力的なプレインズウォーカー

中村 「白は思ったよりも強くて良かったです。でもこう並べるとクリーチャーが全体的に貧弱過ぎるのがちょっと......。軽いところに《嵐前線のペガサス/Stormfront Pegasus》や《古参兵の鎧鍛冶/Veteran Armorsmith》じゃなくて、最低限の強さしか無い《銀毛のライオン/Silvercoat Lion》だし、5マナ以上の大型、例えば《暴走するサイ/Stampeding Rhino》や《包囲マストドン/Siege Mastodon》もいないです。こういうタイプの軽いクリーチャーで殴るデッキだと、殴れるクリーチャーが最低15枚は必要なのでその部分もマイナスですね。」

 微調整を繰り返しながらしばし考え込んだ中村だったが、白いカードを脇に避け、青のカードを並べてみることにした。

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・プランB 緑青

中村 「この違いを見て下さいよ!」

 そう言って中村が差し出したカードは、《銀毛のライオン/Silvercoat Lion》+《アンデッドを屠る者/Undead Slayer》の3枚と《魅惑するセイレーン/Alluring Siren》+2枚の《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》。

中村 「緑青の方がかなり強そうに見えますね。《霜の壁/Wall of Frost》と《魔道士封じの鎧/Magebane Armor》が2枚ずつあって、《魅惑するセイレーン/Alluring Siren》で不利な攻撃を強要出来るし。こういう長期戦が出来るデッキが好きなので、これで行きます。」

 最終的に中村のメインデッキは以下のようになった。

中村 修平
8 《森/Forest》
7 《島/Island》
1 《平地/Plains》
1 《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》

-土地(17)-
1 《魅惑するセイレーン/Alluring Siren》
2 《幻影の召使い/Illusionary Servant》
2 《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》
2 《霜の壁/Wall of Frost》
1 《酸のスライム/Acidic Slime》
2 《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》
1 《命取りの出家蜘蛛/Deadly Recluse》
2 《エメラルドのオリックス/Emerald Oryx》
1 《大蜘蛛/Giant Spider》

-クリーチャー(14)-
1 《危害のあり方/Harm's Way》
1 《平和な心/Pacifism》
1 《予言/Divination》
1 《本質の散乱/Essence Scatter》
1 《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》
1 《踏み荒らし/Overrun》
2 《魔道士封じの鎧/Magebane Armor》
1 《破滅のロッド/Rod of Ruin》

-呪文(9)-
2 《破門/Excommunicate》
1 《光の大嵐/Tempest of Light》
1 《絡め取る蔦/Entangling Vines》
1 《巨大化/Giant Growth》

-サイドボード-

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中村 「昨日は2色で纏めたいという話をして結局3色かよ、って話ではあるんですけど。緑青のままだと、飛行に対する防御が若干薄い気がしたので、それを補う意味で《危害のあり方/Harm's Way》《平和な心/Pacifism》をタッチしました。《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》が2枚+《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》で3枚あるので大丈夫でしょう。更に《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》も2枚あるので、土地が足りずにやられてしまう展開は回避できるという事から土地は17枚にしました。《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》で捨てる事も考えれば、土地は18枚でも良かったかもしれませんね。白をタッチしないなら《巨大化/Giant Growth》と《絡め取る蔦/Entangling Vines》で23枚かなと思います。」

 かなり満足気な表情の中村。最後にこのデッキの評価と、今大会の目標について話を振ると、

中村 「このデッキは70点って所ですか。3bye後に4-2で初日通過出来る位だと思います。これで1敗(での通過)は難しいかな。M10リミテッドはあんまり得意じゃないので大きな事は言えませんが、今プロポイントが40点で、ここらであと4点稼げると来期のレベル8が確定するので、そこを狙って行きたいですね。」

 自身のデッキ構築に関して、解り易く解説をしてくれた中村。今期も好調を維持する彼の活躍は続けてお伝えする予定になっているので、そちらもお楽しみに!

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