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Day 1 Standard Breakdown

Day 1 Standard Breakdown

By Tomohiro Kaji&Kazumasa Koji

 905人のプレイヤーが、仙台にやってきた!

 今回のグランプリの種目はスタンダードとなっており、現在各地で行われている日本選手権予選と同じ、最もアツイフォーマットだ。

 来週末にも沢山の予選が残っているわけだが、その前に、このグランプリのデッキ分布を見てみよう。

デッキ名 使用人数
純正ジャンド 211
コブラジャンド 18
徴兵バント 72
キブラーバント 11
賛美バント 25
青白 80
プレインズウォーカーコントロール 77
ナヤ 63
《変身》 18
同盟者 12
《エルドラージの碑》ビートダウン 48
赤単 26
赤白 21
バンパイア 29
《時の篩》 15
エスパーコン 12
白単 12
グリクシス 37
カニ蘇生 5
ビッグマナ 16
《召喚の罠》 8
GW 8
BR ビート 14
《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》 6
ライブラリーアウト 8
その他 53
905

ジャンド

 一時は「ジャンド以外はファンデッキ」と呼ばれたほどの、環境で一強と呼ばれていたデッキだ。現在は、新しいデッキタイプの出現で下火にはなっているとはいえ、世界選手権'09やスタンダードのPTでも決勝に残ったこのアーキタイプを選択したプレイヤーは、229人と、25%以上とやはり今回も最多勢力となっている。

 最近、津村や、高橋の記事でも取り上げられたのだが、今回はデッキリストを分類するにあたって2マナ域に何が採用されているかに着目してみた。

 それは、もちろん《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》から始まる《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》や《荒廃稲妻/Blightning》という「固定パーツ」の枚数のほぼすべてが4枚になってしまうことと、デッキの動きが最も現れる場所だからだ。

 この選択には、具体的に《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》や《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》、《不屈の自然/Rampant Growth》に《終止/Terminate》などがあるわけだが、ここで、今回は一般的でない《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》について着目したい。

 環境が高速化している現在、スピードアップと《復讐蔦/Vengevine》とのシナジーでバントやナヤにも採用されているこのカードだが、実際に戦績にどう影響しているのかをデータから探ろう。

青白

 これはワールドウェイクで出現した最強のプレインズウォーカー《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をフィーチャーしたデッキだ。

 先週末に行われたPTサンファンでのゼンディカー限定構築では、参加者の約400名のプレイヤーの内、1/4の100名近くが選択した。

 特に、エルドラージ覚醒が加わったことから《前兆の壁/Wall of Omens》と《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》の鉄壁なガードで《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を守る構成になっている。

 このドロー付きの壁と、忠誠度が6(大抵は+2を使うので8!)の2枚を超えるには、かなりの力が必要で、どんな攻撃的なデッキでもジェイスにたどり着くまでに相当に消耗してしまうだろう。

 それだけでなく、ジャンドのタイトなマナベースや、クリーチャー化するミシュラランドを《島》化する《広がりゆく海/Spreading Seas》といった「キャントリップ効果」の付いたカードが8枚採用されているため、大会が長丁場になるほどデッキの安定性の面からみればとても有利な選択肢かもしれない。

プレインズウォーカーコントロール

「ジェイスにはジェイスを。」

 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》がそんなに強いならば、1マナ軽い《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を採用すれば、相手の動きを制しつつアドバンテージを得ることができるのではないか。

 詳細はこちらの高橋 優太の記事にある。

 デッキの使用カードだけをみると、青白と一見区別がつかないほど似通っているPWCだが、《悪斬の天使/Baneslayer Angel》や《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》の有無、せっかくの安定性を諦めてまでデッキパワーを高め、《山/Mountain》と赤いカードを選ぶとどういった結果になるのか期待したい。

エルドラージ・バント

 さて、今回の第3勢力であるバント系の中でも、《失われたアラーラの君主/Sovereigns of Lost Alara》からの《エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription》という必殺技を持ったバントを72名ものプレイヤーが使用している。

津村 健志による解説

 ここにも、《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》が登場しており環境の高速化が伺われる。

キブラー・バント

 対して、Brian Kiblerがグランプリ・ワシントンでプレイしていたコントロールベースのバントも存在するが、こちらは11名と同じカラーでも使用率に差がある。

 ワシントン終了後に津村の記事でリストが紹介されている。

 このデッキは派手な効果のカードこそ少ないが、アドバンテージカードとシナジーの多い、プレイの難しいデッキだ。

 だが、難易度からプレイ人数こそ少ないが、Kibler本人が本大会で使用しているため、そのまま優勝なんてこともあり得る。明日はどんな結果になるか想像できない。

ナヤ

 このカラーはバントと比べれば、あまりデッキのコンセプトに幅はなく、《復讐蔦/Vengevine》を生かす構成が主流なようだ。最近のプレインズウォーカーを多く採用するよりも、むしろ呪文の枠を削り、クリーチャーてんこ盛りにすることがナヤのカードにシナジーを生み出す。

津村 健志による解説
 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》さえあれば、墓地から《復讐蔦》を戻せる安心感や、《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》でも安易に条件を満たせるのが強みだ。

変身デッキ

PTQを突破した津村 健志によるレポート

 青緑の二色でまとめたものや、白を加えた3色デッキも見受けられた。

 コンボにかかるマナが少なく、最速3ターンで揃う《カルニの庭/Khalni Garden》+《変身/Polymorph》=《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》となってしまうと、どんなデッキも対処できない。

 しいて言えば、《忘却の輪/Oblivion Ring》があるが、もちろん《乱動への突入/Into the Roil》で対処することが出来るようになっている。

《エルドラージの碑》ビートダウン

Decktech:齋藤 友晴:オールイングリーン

 スタンダードよりも限定構築で先に脚光を浴びるかたちになったデッキタイプで、落とし子トークンをエンドカードのマナとしても、《踏み荒らし/Overrun》や《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》の頭数としても数えられるようになっている。

 今回は、タッチ赤や青といったスパイスをきかせたものもあり、特にカウンターを加えたものは、クロックパーミッションを思い出させる。

クローシスコン

 《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》を中心に、青い環境を支配している《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》と《広がりゆく海/Spreading Seas》を活用したデッキだ。

津村 健志による解説

 バント系には黒除去が強いが、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》がガン。

 青白系にもサイドボードの《強迫/Duress》と低マナのユーティリティカードがあるが、カードパワーを連打されると厳しい。

 一長一短があるが、十分に強力なアーキタイプだろう。

その他

 他にもローグデッキとしてまとめて扱うことにするが、《恐血鬼/Bloodghast》と《復讐蔦/Vengevine》を発掘したり、黒単色の吸血鬼デッキや、多色の同盟者、白ウィニーも見かけられた。

 また、《吠えたける鉱山/Howling Mine》を使った2タイプのデッキとして、《書庫の罠/Archive Trap》を使ったライブラリーアウトや、《時の篩/Time Sieve》を使った《蔵の開放/Open the Vaults》も見かけられた。

 もちろん、たったひとりのデッキが明日優勝する可能性があるし、あくまでこのメタゲームはこのGP仙台、初日の結果だ。

 さて、二日目のデッキ分布はどうなっているのだろうか?

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