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Round 10: 渡辺 雄也(神奈川) vs. 小澤 毅(岩手)

Round 10: 渡辺 雄也(神奈川) vs. 小澤 毅(岩手)

by Yusuke Yoshikawa

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 日曜日の仙台は、さわやかに晴れ上がった。気持ちのよい朝に、最高の滑り出しを見せたいものである。

 その開幕は全勝対決から。昨年度"Player of the Year"である渡辺 雄也(神奈川)と、地元東北勢の雄、小澤 毅(岩手)の組み合わせとなった。

 組み合わせをひとことで言えば「バント vs ジャンド」という、最近のスタンダードではポピュラーなものだが、個々のカードの選択、使い方が勝負を分ける。

 《海門の神官/Sea Gate Oracle》は何を導くか?

Game 1
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 ダイスロールで渡辺が先攻となる。マリガンを宣言して様子を見る渡辺に、小澤は少考して「キープします」。入念なシャッフルにも、朝一番の、このゲームの重要度の認識を感じる。

 6枚を手に取り、これをテーブルに置いて、またも考える渡辺。結局、ダブルマリガンとなった。

 《天界の列柱/Celestial Colonnade》と《溶岩爪の辺境/Lavaclaw Reaches》、環境を代表する土地からゲームがはじまる。

 土地を3枚確保した渡辺は、まず《海門の神官/Sea Gate Oracle》、ついで《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》と展開し、マリガン分の損失をあっという間に回復する。持ってきたカードは《硬鎧の群れ/Scute Mob》と《貴族の教主/Noble Hierarch》である。

 小澤は《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》を《終止/Terminate》するが、土地を4枚並べるだけで、ひとまず動きはなし。

 五分となった盤面から、渡辺は《貴族の教主/Noble Hierarch》を出してアタック、《硬鎧の群れ/Scute Mob》と《天界の列柱/Celestial Colonnade》2枚目を出すが、前者には《稲妻/Lightning Bolt》が飛ぶ。

 小澤の先陣は《狂乱のサルカン/Sarkhan the Mad》。「0」能力で《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を手に入れる。忠誠度が4になったので、渡辺は《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》から+3/+3能力を《貴族の教主/Noble Hierarch》に使い、《狂乱のサルカン/Sarkhan the Mad》に攻撃してこれを除去。

 小澤は《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》に《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》、そしてさきほどの《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》として盤面を保つ。

 渡辺はまたとなる《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》、今度はトークンを出して攻撃せず終了とする。

 カードを引いて、これで手札が3枚ずつ。ここからどう綱引きできるか。

 小澤は《怒り狂う山峡/Raging Ravine》を起動、これと《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》で《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を攻撃することを宣言した。渡辺はトークンと《海門の神官/Sea Gate Oracle》でこれをチャンプブロックする。

 コントロール的な動きを見せる渡辺の手からは、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》が登場。《渦まく知識/Brainstorm》能力を使う。《霧深い雨林/Misty Rainforest》でライブラリをリフレッシュすると、引いた《前兆の壁/Wall of Omens》と《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》からのトークンで身を守り、プレインズウォーカーによる優位を拡大して勝つプランが見える。

 小澤はここで《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》。本日1回目となる続唱は《不屈の自然/Rampant Growth》となった。そして、この《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》と《溶岩爪の辺境/Lavaclaw Reaches》がすべて、忠誠度3の《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》に向かっていくが、渡辺はこれらをすべてブロック、トークンと《貴族の教主/Noble Hierarch》が失われる。

 攻める小澤と守る渡辺、明確に立ち位置が明らかになってくる。

 自らのターン、渡辺は《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》の「《渦まく知識/Brainstorm》」を使い、有効牌を集めながら、また《霧深い雨林/Misty Rainforest》でシャッフル。そしてトークンを生成、《復讐蔦/Vengevine》を出すが、攻撃せずに防御の意思を明確に。

 小澤は《怒り狂う山峡/Raging Ravine》で攻撃、これは予定調和的なチャンプブロック。さらなるインパクトとして《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》を出す。
 しかしこのドローが《忘却の輪/Oblivion Ring》。《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》を除去、トークンを出しつつ、今度は小澤のライブラリを《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》でチェックし、危険な《稲妻/Lightning Bolt》を底に送る。
 しかし小澤も《怒り狂う山峡/Raging Ravine》攻撃→チャンプから《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で忠誠度8に達していた《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を破壊、まだ決めさせない。ついで《不屈の自然/Rampant Growth》で次のドローの濃度を高める。

 渡辺は次なるプレインズウォーカーとして《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を投入。「+2」能力を使用した。

 小澤は《怒り狂う山峡/Raging Ravine》と《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》で攻撃する、というかさせられるが、これらは《前兆の壁/Wall of Omens》と《復讐蔦/Vengevine》に止められ、《復讐蔦/Vengevine》は墓地へ。ライブラリ検閲を経て、《海門の神官/Sea Gate Oracle》で新たな防壁を求めて終了とする。

 渡辺が「忠誠度」勝ちするか、小澤が押し切るか。

 《怒り狂う山峡/Raging Ravine》の攻撃から《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》展開で、小澤の手札は空。渡辺は《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》の《復讐/Vengeance》によって《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》を破壊、さらに《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》の《渦まく知識/Brainstorm》、と彼我の戦力差を広げていく。

 小澤は《怒り狂う山峡/Raging Ravine》《溶岩爪の辺境/Lavaclaw Reaches》《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》で《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を潰しにかかるしかないが、十分に大きくなった《怒り狂う山峡/Raging Ravine》は余裕を持って《流刑への道/Path to Exile》で対処。

 ここまで広げて、一気に決めにかかる。

 このゲーム3枚目となる《海門の神官/Sea Gate Oracle》から《復讐蔦/Vengevine》。これで墓地の《復讐蔦/Vengevine》が目を覚ます。そして《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》がクリーチャーとなり、小澤のもとへ押し寄せる。これで小澤のライフは一気に3へ。

 終始、主導権を取りきれなかった小澤は第1ゲームを落とすこととなった。

渡辺 1-0 小澤

Game 2
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 パブリックイベントも動き出し、徐々に周囲が賑やかになってくる。小澤もそろそろ勢いをつけたいところ。

 その小澤は、《不屈の自然/Rampant Growth》による加速から第3ターンの《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》。今度こそ先を行くことを目論む。

 しかし渡辺は《未達への旅/Journey to Nowhere》で否定する。続けて《硬鎧の群れ/Scute Mob》を場に。だが、まだ土地は3枚。

 小澤も譲らない。組み上げたマナベースから《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》、《稲妻/Lightning Bolt》がめくれてこれは《貴族の教主/Noble Hierarch》へ。攻撃は通って、ライフレースが動きだすか。

 渡辺は《復讐蔦/Vengevine》を防御要員として呼び出す。これは2枚目の《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》(続唱は《不屈の自然/Rampant Growth》)と相打ちになるが、次の《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》から《貴族の教主/Noble Hierarch》ですぐ戻ってきて攻撃。防衛線を引いていたと思ったら、あっという間の攻勢である。

 小澤は《未達への旅/Journey to Nowhere》を《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》して《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》を呼び戻すが、そこには《天界の粛清/Celestial Purge》で追放ゾーンへ出戻り。《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》こそ相打つが、出てきた《復讐蔦/Vengevine》をどうにもできない。

 《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》がなんとか押しとどめようとするが、キッカー付きの《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》がさらに分厚い援軍を引き連れてきては、盤面の差は圧倒的なものになってしまっていた。

渡辺 2-0 小澤

小澤 「デーモン(《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》)が殺されたのが痛いですね。《強迫/Duress》から入れたらよかったんだけど...」

渡辺 「こちらもデーモンに対処できるスペルが多いですからね。あと、ちょっと《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》の続唱が...」

 冒頭で渡辺のデッキを「バント」と表現したが、この戦いをご覧いただいてお分かりのように、思想としてはプレインズウォーカーコントロールに近いものがある。

 第1ゲームがそうであったように、カードの枚数差をすぐに埋められるため「マリガンに強い」ということは、かなりのポイントと考えられる。

 ここから渡辺が駆け抜けていくのだろうか? 今後の戦いにも注目したい。

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