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Round 11:渡辺 雄也(神奈川) vs. ブライアン・キブラー(アメリカ)

Round 11:渡辺 雄也(神奈川) vs. ブライアン・キブラー(アメリカ)

By Kazumasa Koji

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 唯一の全勝テーブルに座る事を許されたのは、日本が誇るプロプレイヤーの渡辺と、そしてキブラーの両雄となった。

 両者共に通称「キブラーバント」を使用しているが、一体このデッキはメタゲーム的にどのような立ち位置なのだろうか? mtg-jp.comに津村の解説記事があるので、そちらを再度ご確認いただきたい。

 そして、考察に定評のある中村 修平(大阪)はこうも語ってくれた。

中村 「キブラーバントは、簡単に言うなら青白やPWCに強いコントロールキラーなデッキですね。逆にジャンドや徴兵バントにはあまり相性が良くないと思ってます。ただ、所謂『わからん殺し』的な感じで、まだ知名度が高いデッキではないので、対戦相手がプレイングやサイドボーディングをミスする事も多いでしょうし、使っているプレイヤーも強いので好成績を挙げているんじゃないですか。今後、日本選手権などに向けてメタが進んでいく中で、段々勝率の下がっていく、そういうタイプのデッキだと思いますよ」

 まさに賞味期限真っ只中のキブラーバント。日本選手権でも活躍できるだろうか?

 グランプリ・仙台を制するのもキブラーバントなのだろうか?

 今後への意味でも注目の対戦だ。

Game 1
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 ダイスロールで勝利したキブラーが先攻。笑顔でハイタッチして「Good Luck!」と声を掛ける渡辺だったが、初手の7枚を見るなり一気に真剣な表情へと変わる。キブラーはノータイムでキープして、《森/Forest》から《貴族の教主/Noble Hierarch》でのスタートだ。

 細かい枚数には多少の差異があるものの、大体において同内容の渡辺も《貴族の教主/Noble Hierarch》でターンを返し、キブラーは《貴族の教主/Noble Hierarch》単独で攻撃して1点のダメージを与えた後、《極楽鳥/Birds of Paradise》を戦列に加えた。

 渡辺は残念ながら2枚目の土地を置けず、だがこちらは2枚目《貴族の教主/Noble Hierarch》と、現在ニート状態の《硬鎧の群れ/Scute Mob》を召喚する。

 3ターン目に《霧深い雨林/Misty Rainforest》で《島/Island》をフェッチしつつ、《貴族の教主/Noble Hierarch》のマナブーストを受けてキブラーが叩きつけたのは、デッキの顔とも言える《復讐蔦/Vengevine》! 渡辺はこのダメージは本体で受ける。

 渡辺はお返しに賛美2つ付きの《硬鎧の群れ/Scute Mob》で3点返し、懸念だったマナも《海門の神官/Sea Gate Oracle》の擬似《衝動/Impulse》効果で《天界の列柱/Celestial Colonnade》をドローできたことで解決、更なる土地へもアクセスすることが出来た。

 キブラーは着々と自軍の戦力を補強する。2体目の《復讐蔦/Vengevine》が、1体目と共に渡辺に襲い掛かる。1体を《海門の神官/Sea Gate Oracle》でチャンプブロックして、渡辺の残りライフはあと9点だ。

 そしてキブラーの隣に《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》が登場し、渡辺がブロッカーとして召喚していた《復讐蔦/Vengevine》をバウンス。2体の4/3が渡辺のライフを1へと落とし込む。

 なんとか勝ち筋を探したい渡辺は再度《復讐蔦/Vengevine》を召喚してブロッカーとし、《硬鎧の群れ/Scute Mob》で賛美攻撃を仕掛け、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を倒した。

 しかしデッキに1枚刺しの《バントの魔除け/Bant Charm》が渡辺の《復讐蔦/Vengevine》に突き刺さる。またもや横にされた2体の4/3を前に、《貴族の教主/Noble Hierarch》《極楽鳥/Birds of Paradise》でチャンプブロックするしかない渡辺だが、ブロック成立後自身の《極楽鳥/Birds of Paradise》に《流刑への道/Path to Exile》を打ち、《島/Island》をサーチしてくる。普通ならキブラーの《復讐蔦/Vengevine》に打ちたくなるところなのだが。

 渡辺の真意はアップキープに明らかになった。《硬鎧の群れ/Scute Mob》の上に4個のカウンターを載せ、これでブロッカーのいないキブラーに攻撃する。キブラーのライフもこれで残り7となり、《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》を召喚してチャンプブロッカーを調達、除去さえ打たれなければ《天界の列柱/Celestial Colonnade》で勝てるプランだ。

 だが、無常にも《忘却の輪/Oblivion Ring》を見せつけられ、残り1点しか無いライフをキブラー軍から守るためには、頭数が足りなかった。

渡辺 0-1 キブラー

Game 2
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 先手の渡辺は4枚を手に取り、残りの3枚は1枚づつ力を込めて確認した。そして1回マリガンをして、6枚でのスタートだ。キブラーは複数枚の土地と《復讐蔦/Vengevine》、そして《海門の神官/Sea Gate Oracle》が見える好手札を笑顔でキープ。

 浮かない表情の渡辺はまたも《貴族の教主/Noble Hierarch》スタートするのだが、2ターン目は3マナから何も出来ず、ただターンを返す。4ターン目にプレイした《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》には苦笑いしながら《剥奪/Deprive》を唱えるキブラー。2枚しか出ていない土地のうち1枚を手札に戻す。

 渡辺はここから強力な展開を見せ、《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》、そして必殺技は《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》だ!

 6/6は《バントの魔除け/Bant Charm》でデッキの底に送り、呼び出した《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》の真ん中の能力で《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》を屠ったのだが、《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》が本当にどうにもならない。

 キブラーは5/5飛行を持ち上げてひっくり返し、変異にしてしまうのだが、渡辺はこれを見て両手でがっちりガード。その上で自分のデッキトップをチラ見して、「Oh,Good card」とキブラーに話しかける。

 デッキを畳んだキブラー、ゲームは3つ目へ。

渡辺 1-1 キブラー

Game 3

 オープニングハンドに土地の無かったキブラーはマリガンを選択。3枚の土地に《海門の神官/Sea Gate Oracle》《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》という内容のハンドを納得した顔でキープ宣言した。

 キブラーは幸運にも2ターン目に《極楽鳥/Birds of Paradise》を引き込んでこれを唱えたが、またも《貴族の教主/Noble Hierarch》スタートの渡辺は少し悩んで《忘却の輪/Oblivion Ring》。

 これが奏功したか、後手の渡辺だったがマナクリーチャーの有無が明暗を分け、《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を先出しで1/1のトークンを出す。取り合えず対消滅させたキブラーだが、居残ったトークンが賛美されて2点のダメージをキブラーに与える。

 なんとか盤面を取り返したいキブラーは《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》で《硬鎧の群れ/Scute Mob》と《貴族の教主/Noble Hierarch》をサーチし、土地を5枚並べて《硬鎧の群れ/Scute Mob》をも召喚。次のターンから育てていく構えだ。

 手札が4枚ある渡辺はここで長考した。結局自分の《貴族の教主/Noble Hierarch》と《極楽鳥/Birds of Paradise》を巻き込みながら《軍部政変/Martial Coup》をX=5で詠唱。《硬鎧の群れ/Scute Mob》と《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》が墓地へと送られるが、キブラーはやすやすとは主導権を渡さない、とばかりに《貴族の教主/Noble Hierarch》2連打からの《海門の神官/Sea Gate Oracle》で《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を手札に入れ、ターンを終了した。

 渡辺もお返しに《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》を唱え、キブラーと同じ2枚を手札にいれる。5体の兵士トークンが攻撃し、1体は《海門の神官/Sea Gate Oracle》に受けられたものの4点を稼いだ。

 キブラーは《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を置いて、すぐさま+0能力を使用。手札を整え、山に置いたいらないカードは《霧深い雨林/Misty Rainforest》でリフレッシュした。そして《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を追加。
 
 渡辺の《硬鎧の群れ/Scute Mob》には無事カウンターが乗った。だがフルアタックしても1ターンで《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を突破できず、忠誠度を1まで落とすのみ。《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を更にプレイしてこれまた対消滅だ。

 《復讐蔦/Vengevine》《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》と突き付けられた脅威を排除していくキブラー。渡辺の《硬鎧の群れ/Scute Mob》のカウンターはすでに12個へと育っている。

 延長1ターン目、キブラーのドローしたカードはなんと、《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》! 更に3枚のドローを与えられたキブラー、同時に3/5飛行も得て、攻撃に移りたいところだがライフが遠い。

 渡辺は毎ターン《硬鎧の群れ/Scute Mob》で相手に《悪魔の布告/Diabolic Edict》を迫り、3ターン目に打たれた《忘却の輪/Oblivion Ring》も《否認/Negate》を合わせたのだが、チャンプブロックでライフを守るキブラーに対して決め手を打てず、最後の残りライフ1を詰め切れなかった。

渡辺 1-1-1 キブラー

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