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Round 7:井川 良彦(東京)vs.高橋 優太(東京)

Round 7:井川 良彦(東京)vs.高橋 優太(東京)

by Yohei Tomizawa

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 プロツアー・サンディエゴはLSV(Luis Scott-Vargas)の独壇場だった。勝つ毎に観客は増えていった。その熱気が最高潮に達した時、それは間違いなく16Roundの予選全勝がかかった瞬間だったろう。その観客の多さたるや、まるでこの試合がプロツアーの決勝戦かのようだった。最終的には準決勝で負けてしまうことになったが、チャンピオンよりもLSVが注目されたのではないか。

 だがちょっと待って欲しい。LSV以外にも注目するべき人物がいたはずだ。そのプレイヤーこそRound7でフィーチャーする井川 良彦に他ならない。トップ8に入るものの、準々決勝ではストレートで敗北してしまったが、日本の次を担う世代として頭角を現したはずだ。

 前日トライアルでは最終戦に対戦相手が来ずにbye3を獲得と、本人の言葉をかりるなら"ついとった"とのこと。

 だが彼の強さが運だけでないことが、ここまで全勝という形でも証明されている。

 井川は野性味溢れる風貌通りサンディエゴではジャンド、横浜ではZooとクリーチャーデックを込んで使う傾向があるようだ。

 対するはグランプリ2連覇でも知られ、妖精王の異名を取る高橋 優太。mtg-jp.comにて毎週連載中の「このデックを使え!」では、構築フォーマットで活躍するデックが紹介されている。それはエクステンデットでも例外ではなく、グランプリに参加されている多くのプレイヤーも参考にしていることだろう。

 高橋は妖精王の名に相応しく、エクステンデットでは一貫してフェアリーデックを使い続けている。

 今まで幾度となく行われてきたこのマッチ。果たして勝つのは野性味たっぷりのZooか、スマートな妖精たちか。一体、どちらだろうか。

Game 1
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 井川の手札:《野生のナカティル/Wild Nacatl》、《壌土のライオン/Loam Lion》、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》、土地×4

 先手高橋は《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》など重いカードばかりの初手をマリガン。次の6枚は妥協、という感じでキープすることに。

 高橋の手札:《思考囲い/Thoughtseize》、《祖先の幻視/Ancestral Vision》、《変わり谷/Mutavault》を含む土地×4

 《思考囲い/Thoughtseize》で幕が開け、《野生のナカティル/Wild Nacatl》が墓地へと送り込まれる。《祖先の幻視/Ancestral Vision》もあり、序盤のダメージを最小限に抑え、待機があけるまで持ちこたえたいところだろう。

 そんなことは井川も重々承知であり、《壌土のライオン/Loam Lion》、《密林の猿人/Kird Ape》と軽いカードをキャストする。相手がフェアリーだと分かっていたから、1マナ域のクリーチャーが多い手札をキープとのことだった。

 《変わり谷/Mutavault》をセットし、再び《思考囲い/Thoughtseize》。《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》の横には新たな戦力として《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》の姿が。このカードは3/2というサイズだけでなく、アドバンテージも得られてしまう。しかもそのクリーチャーが3/3、2/3というサイズなのだから堪らない。当然、このカードを捨てさせた。

 《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》は《マナ漏出/Mana Leak》で打ち消し、2枚目の《変わり谷/Mutavault》でなんとか攻撃を押さえ込もうとする。幻視の待機があけるまで後2ターン、なんとか持ちこたえることが出来るだろうか。

 井川は第1メインフェイズに捨てられたはずの《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》をキャスト。ナイストップデック!!

 《密林の猿人/Kird Ape》、《壌土のライオン/Loam Lion》で攻撃し、《変わり谷/Mutavault》のダブルブロックによって、1対1の相打ちとはなる。だが補充された2枚の《野生のナカティル/Wild Nacatl》を考えると、一向に脅威は減らない。

 高橋はデックのキーカードの《苦花/Bitterblossom》トップデックし、即座にをキャスト。ライフは7と少ないが、幻視のドロー次第ではまだ逆転の目はある。

 《変わり谷/Mutavault》で《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》を相打ち、《壌土のライオン/Loam Lion》を本体で受け残りは5。

 1点のライフと引き換えに妖精トークンが場に現れ、幻視の待機があけ、3枚のカードをドロー。

 《燻し/Smother》が《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を破壊し、トークンがブロックにまわり、ギリギリ耐え続ける。

 しかし井川の引きはその上をいっていた。再びキャストされたのは《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》と《野生のナカティル/Wild Nacatl》。

 負けず嫌いな高橋は相手のドロー後に《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をキャストし、カードを片付け始めた。

井川 1-0 高橋

サイドボード

井川

in

《火山の流弾/Volcanic Fallout》、《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》、《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》

高橋

in

《死の印/Deathmark》、《瞬間凍結/Flashfreeze》

Game 2
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井川の手札:《野生のナカティル/Wild Nacatl》×2、《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》、《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》、土地×3

高橋の手札:《祖先の幻視/Ancestral Vision》、《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》×2、《苦花/Bitterblossom》、《死の印/Deathmark》、《島/Island》、《変わり谷/Mutavault》

 《野生のナカティル/Wild Nacatl》に続くクリーチャーを考え、井川は長考する。高橋のアンタップ状態の土地は《島/Island》と《変わり谷/Mutavault》。《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》なのか、それとも《呪文嵌め/Spell Snare》か。どちらを持っているのか、考える。

 井川は《呪文嵌め/Spell Snare》は持っていない、そういう決断だったのだろう。《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を選択し、これが見事に通る。

 高橋は2枚目となる《変わり谷/Mutavault》をセットし、ターンを終える。《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》こそ対消滅するが、未だに黒マナは来ない。それどころか土地は3枚で止まってしまっている。

 タップアウトの隙をついて追加されたのは《野生のナカティル/Wild Nacatl》と《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》。

 続くターン《祖先の幻視/Ancestral Vision》の待機があけ、待望の黒マナを引くが、それは現状少し厳しい《湿った墓/Watery Grave》。《死の印/Deathmark》で、巨大な騎士を破壊した。

 2体のクリーチャーが攻撃し、高橋の残りライフは3。手札の《稲妻/Lightning Bolt》があり、相手のカウンターには《バントの魔除け/Bant Charm》。土地の枚数も十分ある。

 勝った

 確信してキャストした《稲妻/Lightning Bolt》には打ち消し呪文が飛び、それに合わせるように《バントの魔除け/Bant Charm》とをキャストし、いや、出来ない。

 高橋は《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》をキャストし、《変わり谷/Mutavault》を含め2枚のフェアリーがいるのだ。

 思わぬミスプレイにより、得た1ターンで《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》へとたどりつく。バウンス能力でクリーチャーを戻し、スプライトがブロックへとまわる。

 だがそのスプライトへは前述の《バントの魔除け/Bant Charm》がキャストされ、井川はライフを削りきった。

井川 2-0 高橋

井川、Win

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