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Round 9:森 勝洋(大阪) vs. 山本 賢太郎(埼玉)

Round 9:森 勝洋(大阪) vs. 山本 賢太郎(埼玉)

by Yohei Tomizawa

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 最終戦はここまで全勝中の「帝王」森と1分けの山本。

 一時期は引退が囁かれたが、グランプリ北九州、プロツアーサンディエゴと続けて参加し、そろそろマジック本格復帰も検討中だとか。

 使用しているのはDDT。《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》の枚数を増やすなど、長期戦を見越した構成が多い中、如何に早くマリットレイジトークンを出すか、スピードに特化しているものらしい。

 山本は去年の春先に行われたグランプリ神戸でトップ8入賞を果たしており、奇しくもフォーマットは同じエクステンデット。デックも青黒フェアリーと、NLB(ネクストレベルブルー)と同じくカウンター中心のデックだ。

 森が素早くコンボが決めるか、コントロールの山本が巧く妨害するか。最終戦を見てみよう。

Game 1
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 森が出したダイスの目は18。対し山本は19で先行を得る。DDTとフェアリーというマッチ的に、森は是が非でも先行がほしかったはずだ。

 《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》でエンドの山本に、森は後手1ターン目に《思考囲い/Thoughtseize》をキャスト。ここで公開された山本の手札は


 《祖先の幻視/Ancestral Vision》、《呪文嵌め/Spell Snare》、《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》、《謎めいた命令/Cryptic Command》、《変わり谷/Mutavault》2


といったもの。ここから《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》を捨てさせ、《金属モックス/Chrome Mox》から更なる《思考囲い/Thoughtseize》をキャストする。捨てさせたのは《呪文嵌め/Spell Snare》だ。

 《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》をクロックとして用意し、続くターンには《知識の渇望/Thirst for Knowledge》で減った手札を補充。ディスカードしたのは《知識の渇望/Thirst for Knowledge》と《闇の腹心/Dark Confidant》と、かなり高カロリーな手札が予想される。


 山本の場は《変わり谷/Mutavault》が3枚。このままでは試合が進まないため、2体ともアクティベートし、フルタップになるのも厭わずに攻撃する。

 森は《暗黒の深部/Dark Depths》を置くと、山本の手札の枚数を確認。3枚と力なく答える山本へ、20/20のマリットレイジトークンを突きつけた。


森 1-0 山本


Game 2

 山本、森共にダブルマリガン。

 森に言っているのか、それとも自信の不安を打ち消すためか。それは定かではないが

山本 「フェアリーの方が有利だよね(7:3でフェアリー有利だと思っているらしい)?」

そんな疑問を投げかける。対し森は

 「そう?五分五分じゃない?俺、今回フェアリーに2回勝ってるよ。」

 と。《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》といったカードを連打されない限りは、《闇の腹心/Dark Confidant》といったアドバンテージカードも多くあるからだそうだ。

 森は再び《思考囲い/Thoughtseize》でスタートを切る。公開された山本の手札は

 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》、《苦花/Bitterblossom》、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》、《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》

 ここから《苦花/Bitterblossom》を捨てさせ、《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》をキャストする。

 山本は色マナが十分に揃わず、スプライトと《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》で森のクリーチャーを牽制こそすれど、攻めることが出来ない。

 この状況を打開する《沸騰する小湖/Scalding Tarn》をドロー。すぐさま《湿った墓/Watery Grave》を求め能力を起動し、ライブラリーに手をかけた。まさにその瞬間だった。


 「持ってきた土地を見たら、優先権は相手だよね?」

 その通り。対戦相手である森に優先権があるのはフェッチの起動が宣言され、解決される前だ。

 森は《根絶/Extirpate》を《苦花/Bitterblossom》へキャストする。公開された山本の手札には《苦花/Bitterblossom》が!!

 このプレイには筆者を含め見ていたギャラリーがどよめいた。どよめくしかなかった。メインフェイズで《沸騰する小湖/Scalding Tarn》を起動するということは、手札に青マナを二つか、黒マナを要求するソーサリータイミングでしか使えないカードがあるためだ。
 逆説的に考えれば納得のいくことだが、そのプレイを瞬時に実行し、見事手札に《苦花/Bitterblossom》があることを読みきった。これぞプロのプレイだろう。


 《金属モックス/Chrome Mox》に《闇の腹心/Dark Confidant》を刻印しながら、勢いよく《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をたたきつける。
 相手のライブラリーを操作するか、手札を入れ替えるか。山本の手札の不明牌が1枚だけということもあり、手札を入れ替える能力を使用する。

 このエンドに山本は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をキャスト、《交錯の混乱/Muddle the Mixture》をボトムに送るとともに、自身のターンに《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を攻撃、破壊する。
 続く森のアップキープに、その次も、と2ターン連続で《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》を覇権し、森の動きを完璧に封じる。

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 森の場には《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》しかなく、手札も有効なカードはない。何より土地がフルタップの状態では何をドローしようと、使うことが出来ない。いや、マナこそないが《暗黒の深部/Dark Depths》さえ引ければコンボは完成する。そうなればまだ試合の行方はわからない。

 ドロー《暗黒の深部/Dark Depths》。まるでドローが分かるかのようにあっさりと引き当て、コンボを完成させる。

 ライフが12の森は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》、《変わり谷/Mutavault》の前に攻勢に転じることは出来ない。有効牌を如何に引くかの消耗戦へと移る。

 その消耗戦で山本は《祖先の幻視/Ancestral Vision》とドロースペルを引き当て、待機する。4ターン後には3枚の手札が追加される。

 《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》を引けばまだ勝機があるため、囮として《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》をキャストし、《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》で打ち消させる。

 山本はドローすると、《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》をレッドゾーンへ送り出す。

 森はブロッカーとしてマリットレイジトークンを誕生させるが、《謎めいた命令/Cryptic Command》がバウンス+ドローで打ちこまれ、9点のダメージが入り残りは3。

 森はドロー後、暫く考えていたが、投了。

森 1-1 山本

Game 3

 三度、1ターン目に手札破壊呪文がキャストされ、山本の手札を暴く。

 《苦花/Bitterblossom》、《燻し/Smother》、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》、《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》、土地×3

 手札に《闇の腹心/Dark Confidant》があるのだろう、《燻し/Smother》を墓地へ。

 第2ターン目に《闇の腹心/Dark Confidant》を出す・・・せない。どうやら土地1枚キープだったらしくターンを返す。

 山本は《霧深い雨林/Misty Rainforest》から《湿った墓/Watery Grave》をサーチし、《苦花/Bitterblossom》。そこから《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》のフェアリーの黄金パターンへと繋げ、相手の動きを止めつつクロックを大幅に拡大する。嘗てスタンダードでよく見たブン回りだ。

 森に残された最後のターン、山本はドロー後に《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をキャストする。手札を確認すると、入れ替えは行わない。

 最後の抵抗とした《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》が《マナ漏出/Mana Leak》で打ち消されたことで、試合は終了となった。

山本 2-1 森

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