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準々決勝:金 民守(神奈川) vs. 馬場 康典(大阪)

準々決勝:金 民守(神奈川) vs. 馬場 康典(大阪)

By Daisuke Kawasaki

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 1122人という、近年では文字通り「桁の違う」人数が集まった、グランプリ・横浜。

 その1122人のなかから、まずはトップの8人が決定した。

 そして、この8人が、トーナメント形式で、もっとも、マジックが強く、もっとも、マジックがうまい人間を決める事になる。

 「お互い、初手だよね」

馬場 「今まで《月の大魔術師/Magus of the Moon》や《血染めの月/Blood Moon》を引くまでマリガンしまくりましたからね」

 馬場の使用するデックは、オールインレッド。初手のすべてを全力投入し、《月の大魔術師/Magus of the Moon》や《血染めの月/Blood Moon》を、そして、高速マナ加速からの《復讐の亜神/Demigod of Revenge》や《災難の大神/Deus of Calamity》を呼び出し、一気に勝利するデック。

 つまりは、初手の強さ、最初に渡された手札の運がゲームを決める。

 そして、特殊地形を多用した金の「ドラン」は、馬場が早いターンで『月』系のカードを出してくるか、そして、《森/Forest》や《貴族の教主/Noble Hierarch》でそれらをくぐり抜けられるかが焦点となる。

Game 1
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 先攻の金は、1ターン目に《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》から《森/Forest》をサーチし《貴族の教主/Noble Hierarch》をキャスト。これを見て、オールインレッドの馬場はため息をつく。これでマナ加速をした金は、2ターン目に《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》をキャストする。

 一方で、後手の馬場は2ターン続けて《山/Mountain》をセットし続ける。金は《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》をさらに盤面に追加する。

 3枚目の土地を置いた所で、馬場はさらに《月の大魔術師/Magus of the Moon》を刻印した《金属モックス/Chrome Mox》をキャスト、《捨て身の儀式/Desperate Ritual》を追加して5マナを確保し、《災難の大神/Deus of Calamity》をキャストする。

 だが、気にせず、金は2枚目の教主と、《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》をキャストする。

 これを見て、馬場は手札とにらみ合った上で、場を片付けた。

金 1-0 馬場

Game 2

 先手の馬場は、1ターン目に《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》に《金属モックス/Chrome Mox》、そして《炎の儀式/Rite of Flame》で3マナを確保し、1ターン目に《月の大魔術師/Magus of the Moon》をキャストする。

 馬場は、小さな声で「どうだ」とつぶやく。

 実際に、これは金にとって手痛く、金は、もともとはショックランドであったり、フェッチランドであったりした《山/Mountain》を並べるのみ。

 続いて馬場は、《煮えたぎる歌/Seething Song》を使い、《チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar》をキャストする。

 《チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar》は、2ターンにわたって、1点のダメージを金に与えながら忠誠度をため、最後は10点のダメージで対戦相手を焼き尽くしたのだった。

 「ベーシックランド引くまでマリガンなんてできないからね!」

金 1-1 馬場

Game 3
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 「《森/Forest》と《貴族の教主/Noble Hierarch》。それだけあればなにもいらない......あとは欲を言えば、《流刑への道/Path to Exile》1枚!」

 お互いに手札をマリガン。

 「まぁ、まだまだ時間ありますから」

馬場 「マリガンがメインですからね」

 「ミスるのはマリガンだけ!」

 運命の初手(2回目)。

 金は、薄笑みを浮かべながら、マリガン。馬場も、《山/Mountain》3枚に、《月の大魔術師/Magus of the Moon》2枚、そして《災難の大神/Deus of Calamity》という手札を長考の末にマリガンする。

 「《森/Forest》と《貴族の教主/Noble Hierarch》と《流刑への道/Path to Exile》あればいいから。3枚でいいんだよ?次、5枚でしょ?まだ2枚も余裕あるじゃん」

馬場 「僕の方が余裕がないですね...でも、こっちはドローがあるんで」

 《森/Forest》が2枚に《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《流刑への道/Path to Exile》という手札をキープする金。たいして、馬場もキープ。

 1ターン目に《森/Forest》、そして2ターン目も《森/Forest》から、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》。一方の馬場は2ターン目に《炎の儀式/Rite of Flame》経由で《月の大魔術師/Magus of the Moon》。

馬場 「うわ、《森/Forest》しかない...」

 「《森/Forest》だけって嬉しくないから」

 金は、2体目の《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を出し、《月の大魔術師/Magus of the Moon》とにらみ合うが、結果的に、攻撃し、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》1体を失った代わりに、残りの1体を2/3にする。

 だが、馬場も4ターン地道に土地を並べ、そして、《ラクドスの地獄ドラゴン/Rakdos Pit Dragon》へとつなぐ。だが、ここで金は《平地/Plains》をドロー。そして、《流刑への道/Path to Exile》を《ラクドスの地獄ドラゴン/Rakdos Pit Dragon》へ。

 さらに、《沼/Swamp》まで引き当て、《強迫/Duress》。《炎渦竜巻/Firespout》《炎の儀式/Rite of Flame》《捨て身の儀式/Desperate Ritual》《金属モックス/Chrome Mox》×2枚という手札から、《炎渦竜巻/Firespout》をディスカードさせる。

 金は、さらに、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》と並べる。

 ここで「最後のワンチャンス」と、《炎渦竜巻/Firespout》をトップした馬場だったが、3/4の《タルモゴイフ/Tarmogoyf》に対処できるカードをもたなかった。

金 2-1 馬場

 ゲーム終了後、馬場は、言った。

馬場 「ミスったぁ...そうだよ、殺せるウチに《炎渦竜巻/Firespout》うっておかなきゃ...」

 たしかに、初手や、采配や、その後のトップデックでゲームの大きな流れは決まる。

 だが、そこに人の意志の介在する余地がないわけではない。

 むしろ、強力なパワーを持ったカード同士がせめぎ合うからこそ、そういった人の選択で勝負が決まることもある。

 それが、エクステンデッドというフォーマットなのだ。

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