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Round 15:後藤 祐征(愛知) vs. 黒田 正城(大阪)

Round 15:後藤 祐征(愛知) vs. 黒田 正城(大阪)

By Shiro Wakayama

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 14回戦終了時の勝ち点は互いに36点。12勝2敗とすばらしい成績で勝ち上がってきたふたり。

 この第15ラウンドの勝敗如何で、TOP8とTOP16という、雲泥の差な結果が待っているバブルマッチをお届けしよう。

 もはや説明不要のレジェンドプレイヤー黒田。既に何度もフューチャーマッチで紹介されている通り、ハイパージェネシスを使って好成績を収めている。対する後藤は、DDT(ダークデプスソプター)を駆る。

 大舞台での経験豊富な黒田が寄り切るのか、はたまた後藤が日本のマジックの歴史と共に歩んできた男を打ち破り、TOP8に名乗りを上げるのか?

Game 1
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 先手後藤。TOP8がかかったこのマッチ、よく熟考した上でキープを宣言。黒田はワンマリガンでゲームスタート。

 後藤が《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》を2T目にプレイするが、《暗黒の深部/Dark Depths》はまだ手札に無い様子。そのままクロックを刻み、2体目の《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》で《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》のカウンターを取り除き、色マナを縛りにかかる。

 これに対し、黒田は長考した上で《超起源/Hypergenesis》を待機でプレイと、芳しくない動きしか出来ないのだが、後藤も後藤で3枚目の《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》をプレイするのみに留まり、少しもたついている黒田にプレッシャーを与えることが出来ない。

 4ターン目、黒田は《献身的な嘆願/Ardent Plea》をプレイ。もちろんめくれるのは《超起源/Hypergenesis》なのだが

後藤 「あれ?なんか変なのめくれましたよね?」

黒田 「ですよねぇ。」

 そのカードとは《アクローマの記念碑/Akroma's Memorial》。

 只でさえ、出てくるクリーチャーは一体で勝負を決める力を持っているというのに、黒田はそれでは満足が出来ないらしく、全員を《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》にしたいらしい。後藤は念のためカードのテキストを確認してから《超起源/Hypergenesis》の解決に入る。

 一見大味なデッキに見える《超起源/Hypergenesis》デッキだが、展開する順番やスタックの積み方、対象の取り方等、実は非常に選択肢が多いこのデッキ。黒田はよく考えた上で、《テラストドン/Terastodon》と《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》を場に出す。それに対して後藤は何も出さないことを選択し、結果として後藤がもともとコントロールしていたパーマネントは全て破壊され、変わりに3/3トークンが3体、後藤の場に現れることとなる。

 土地が消し飛んでしまった後藤は、何も出来ずターンを返すのみだが、黒田は《強迫的な研究/Compulsive Research》で手札を補充し、場の片隅にひとつだけカウンターが乗った《超起源/Hypergenesis》がプレイされる時に備える。

 ここで引き込んだ手札と相談し、《テラストドン/Terastodon》、《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》の2体でアタックを敢行。航空戦力を止める術を持たない後藤は、《テラストドン/Terastodon》をスルー出来るわけもなく自らが生み出したトークン達と《テラストドン/Terastodon》が相打ちに獲ることを選択する。

 《超起源/Hypergenesis》の待機が明け、ここで黒田に有効牌が無ければ、まだ後藤にもチャンスがあるのだが、黒田から始まる"手札の派手さ選手権"は
《絶望の天使/Angel of Despair》、《絶望の天使/Angel of Despair》、《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》という黒だの圧勝で幕を閉じた。

後藤 0-1 黒田

Game 2
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 先手後藤。

 《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》、《弱者の剣/Sword of the Meek》、《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》、《暗黒の深部/Dark Depths》、《金属モックス/Chrome Mox》、《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》、《強迫的な研究/Compulsive Research》というハンド。マナベースに不安はあるものの、コンボが手札で成立、さらに1枚土地を引ければドローを加速できるこの手札ををよく考えてキープ宣言。

 黒田はまたもテイクマリガン。ワンマリガン後の手札には満足いったのかキープを宣言する。

 後藤は《金属モックス/Chrome Mox》(《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》刻印)から《弱者の剣/Sword of the Meek》をプレイ。さらに2ターン目には《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》を着地させ早々にシステムを完成させる。

 黒田は淡々と土地を置くのみだが、後藤も土地が2枚で止まってしまい、一気に畳み掛けることが出来ない。

 後藤は黒田のターンエンドに《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》を起動し、トークンを量産しようとしたところで黒田は《暴力的な突発/Violent Outburst》をプレイ。

 《超起源/Hypergenesis》がめくれ、《大祖始/Progenitus》、《絶望の天使/Angel of Despair》、《アクローマの記念碑/Akroma's Memorial》を場に出す黒田。《絶望の天使/Angel of Despair》の対象を取る際に少し迷うが、《金属モックス/Chrome Mox》を破壊し、マナを締め上げる事を選択する。

 後藤は少し冷静さを欠いてしまったのか、トークン2体でアタックするが、《アクローマの記念碑/Akroma's Memorial》で浮いている《大祖始/Progenitus》と《絶望の天使/Angel of Despair》でブロック。貴重なブロッカーを失ってしまう。

 結局土地が止まってしまったまま挽回できず、黒田がTOP8への切符を手にした。

後藤 0-2 黒田

 終了後、後藤は語ってくれた。「知っているはずだった、《アクローマの記念碑/Akroma's Memorial》の効果をGame 1でわざわざ確認したのに、失念してしまってGame 2はミスをしてしまった。結果に変わりは無いかもしれないが、凄く恥ずかしい。」

 《大祖始/Progenitus》が飛んでいようがいまいが、結果として後藤はこれを止める術は持ち得なかっただろう。

 だが、後藤が結果論だけで物事を語ってしまうような人間ならばグランプリの最終ラウンドでフューチャーテーブルには呼ばれていない。

 表面上のミスを振り返るだけでなく、マジックと向き合う姿勢そのものを振り返ることこそが、勝利への近道なのではないだろうか。

 後藤にとってのグランプリはこのラウンドで幕を閉じてしまうが、敗戦から学びを得られるプレイヤーは必ず強くなる。

 6月には仙台でグランプリが開催される。その時には、さらに強くなった後藤がフューチャーテーブルに帰ってくることを期待したい。

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