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グランプリ・横浜二日目ブレイクダウン

グランプリ・横浜二日目ブレイクダウン

By Jun'ya Takahashi

31Zoo
19BantZoo
8DomainZoo
4BloodyZoo
15DarkDepth
14DarkDepth/Thopter
1BGDarkDepth
14Scapeshift
13UGScapeshift
1AggroScape
10Faerie
9UBFaerie
1TarmoFaerie
9Dreadge
9Dreadge
9MonoRed
6Burn
2AIR(All In Red)
1Goblins("LightningCrafter&Kikijiki"Combo!)
8Landfall
7RWLandfall
1NayaLandfall
4Elves
4GW Haterater
3BantThopter
1GW Haterater
3Dran
3HyperGenesis
17Rogues
2HiveMind
2Reveillark
2Club0(Ironworks&ThopterSword InfiniteCombo)
2URJacerater
2BGSmallPox
2JundGoodstaff
1UWThopter
1Kenji-Ultimatum
1LivingEnd
1Trico-Control
1Affinity
1URStorm(Pyromancer&Grpeshot)

・Zoo

 現在のエクステンデッド環境あるいは、アラーラの断片発売以降のエクステンデッド環境において最も警戒されるべきアーキタイプとして認識されている『Zoo』が下馬評通り、過酷な2日目への進出ラインを越えた中での最大勢力となった。

「環境最強のクリーチャー」と名高い《野生のナカティル/Wild Nacatl》を中心とした歴代の強力なクリーチャー達を各色の優秀なスペルでバックアップする、MTG史上最高水準のビートダウンデッキである。最強のクリーチャーと最高のスペル。これらのコンビネーションが『Zoo』の強さを担っているのだが、多くのプレイヤーが『Zoo』を愛する理由はもう一つある。それは「適応力」とされるアーキタイプの柔軟性だ。

 一般的にアーキタイプとは、デッキの方向性や戦略をカテゴライズしたもので、その中にはデッキの大半を固定パーツで埋めないと機能しないものもある(例:『発掘』デッキ)。その点『Zoo』は《野生のナカティル/Wild Nacatl》《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《流刑への道/Path to Exile》といった4~5スロット(20枚~24枚程度)が固定されているだけで、残りの20枚近くを自分が好きなように、メタゲームの意思に沿うように自由に構築する事が出来るのが大きな魅力となっており、今回は「BantZoo」「DominZoo」「BloodyZoo」という三者三様の姿が見受けられた。

佐々木優太
4 《乾燥台地/Arid Mesa》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
1 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
1 《蒸気孔/Steam Vents》
1 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
1 《寺院の庭/Temple Garden》
1 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
1 《繁殖池/Breeding Pool》
1 《活発な野生林/Stirring Wildwood》
1 《森/Forest》
1 《平地/Plains》
1 《島/Island》
1 《幽霊街/Ghost Quarter》

-土地(23)-
4 《野生のナカティル/Wild Nacatl》
4 《貴族の教主/Noble Hierarch》
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
4 《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》
2 《長毛のソクター/Woolly Thoctar》
2 《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》
2 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》

-クリーチャー(22)-
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《バントの魔除け/Bant Charm》
4 《流刑への道/Path to Exile》
2 《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》
1 《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》

-呪文(15)-
4《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
4 《大貂皮鹿/Great Sable Stag》
3 《否認/Negate》
2 《貪欲な罠/Ravenous Trap》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《制圧の輝き/Glare of Subdual》

-サイドボード(15)-

 「BantZoo」はその中でも多くのシェアを占めている、いわゆる流行の『Zoo』。同系対決においてゲームを分ける比重の大きい《タルモゴイフ/Tarmogoyf》や《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》といった大型クリーチャーを対処できるように《流刑への道/Path to Exile》に加えて《バントの魔除け/Bant Charm》が採用されているのが大きな特徴である。

  《バントの魔除け/Bant Charm》は優秀なクリーチャー除去として機能するだけではなく、「アーティファクトを破壊する能力」も非常に有用で、致命的な《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》や「ソプターコンボ(《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》と《弱者の剣/Sword of the Meek》によるトークン製造エンジン)」を妨害する事も可能なのが高評価。

Alexander West
4 《乾燥台地/Arid Mesa》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4 《湿地の干潟/Marsh Flats》
1 《草むした墓/Overgrown Tomb》
1 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
1 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
1 《寺院の庭/Temple Garden》
1 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
1 《蒸気孔/Steam Vents》
1 《平地/Plains》
1 《森/Forest》

-土地(20)-
4 《密林の猿人/Kird Ape》
4 《壌土のライオン/Loam Lion》
4 《野生のナカティル/Wild Nacatl》
4 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
4 《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》

-クリーチャー(24)-
4 《流刑への道/Path to Exile》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《稲妻のらせん/Lightning Helix》
4 《部族の炎/Tribal Flames》

-呪文(16)-
4 《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
4 《否認/Negate》
2 《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
2 《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》
1 《バントの魔除け/Bant Charm》
1 《幽霊街/Ghost Quarter》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》

-サイドボード(15)-

 「DomainZoo」はフェッチランドとショックランドを増量する事で、《部族の炎/Tribal Flames》や《闇の腹心/Dark Confidant》といったパワーカードを運用し、それによってゲームが終わるまでのターン数を縮める事で、コントロールやコンボに対する勝率を大きく向上させている。しかし、その分自分のライフへの負担も大きくなっているため、同系や赤系統のデッキとの対決はやや厳しい展開が増えるのが玉に瑕。それぞれのプレイヤーが想定するメタゲームや理想とするゲームプランにもよるものの、同系や赤系統が多い今回のメタゲームでは厳しい戦いが続きそうだ。

Ming-chee Wang
4 《乾燥台地/Arid Mesa》
3 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
2 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
2 《寺院の庭/Temple Garden》
2 《湿地の干潟/Marsh Flats》
2 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
1 《平地/Plains》
1 《山/Mountain》
1 《森/Forest》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》

-土地(22)-
4 《野生のナカティル/Wild Nacatl》
4 《貴族の教主/Noble Hierarch》
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
4 《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》
4 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
2 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》

-クリーチャー(22)-
4 《爆裂+破綻/Boom+Bust》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《血染めの月/Blood Moon》
3 《時間の孤立/Temporal Isolation》
2 《稲妻のらせん/Lightning Helix》

-呪文(16)-
3 《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《火山の流弾/Volcanic Fallout》
2 《減衰のマトリックス/Damping Matrix》
2 《稲妻のらせん/Lightning Helix》
2 《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》
2 《流刑への道/Path to Exile》

-サイドボード(15)-

 「BloodyZoo」はその名の通り、《血染めの月/Blood Moon》と《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》が採用されている形で、《血染めの月/Blood Moon》によるマナ拘束能力で同系と『DarkDepth』に対しての有利を狙って作られている。自分で《血染めの月/Blood Moon》を使う前提があるため、基本地形が多く投入されており、ライフ管理が必要なマッチアップにおいて安全に戦う出来るのも大きな魅力。また、追加のマナ拘束手段として入っている《爆裂+破綻/Boom+Bust》も使い勝手のいいスペルで、フェッチランドとのコンボ(自分のフェッチを対象に取った上でプレイした後にフェッチを起動すると相手の土地だけを壊す事が出来る)はもちろん、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》の続唱からプレイする際に「ゲドン・モード」でプレイ出来るオプションがあるのも面白い。

 マナ拘束へのアプローチが多いため、対戦相手の展開に対してついていけないゲームや方向性が噛み合わないドローでゲームを落としてしまう機会はあるものの、それを考慮した上でも「いいデッキ」だと思わせる程の強さがエクステンデッド環境の《血染めの月/Blood Moon》にはある。

・DarkDepth

 通称「DD」こと、《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》と《暗黒の深部/Dark Depths》による「20/20爆誕コンボ」を変成とドローカードで成立させ、ハンデスとカウンターでバックアップするコンボデッキ。その主流の構成には「ソプターコンボ」も内包されている事が多く、2マナの変成のバリエーションが豊富になり、メインボード戦は「どちらかのコンボを速やかに成立させる」というゲームプランをとっている。《金属モックス/Chrome Mox》を非常に効果的に使えるデッキの一つで、1T目の《闇の腹心/Dark Confidant》や2T目の変成によって、サーチやドローによって生まれやすいラグ・ターン(実質的に戦場に大きな影響を与えずに進行するターン。

 対戦相手の展開によっては致命的になる事も多い。)を補っている。有名なコンボデッキだという事で、あらゆるデッキが2つのコンボの内の少なくとも一つは克服できるようになっているのが向かい風だが、どちらのコンボを決めてくるかは相手にも分からないため、手札の噛み合いやこちらのハンデスでの妨害によっては無理やり押しとおす事が出来るため、致命的なビハインドには至っていない。

後藤優生
4 《暗黒の深部/Dark Depths》
4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
4 《涙の川/River of Tears》
4 《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》
3 《トレイリア西部/Tolaria West》
2 《島/Island》
2 《沼/Swamp》
1 《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》
1 《教議会の座席/Seat of the Synod》

-土地(25)-
4 《闇の腹心/Dark Confidant》
4 《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》

-クリーチャー(8)-
4 《金属モックス/Chrome Mox》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
4 《交錯の混乱/Muddle the Mixture》
3 《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
3 《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》
2 《強迫的な研究/Compulsive Research》
2 《残響する真実/Echoing Truth》
2 《弱者の剣/Sword of the Meek》
1 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
1 《燻し/Smother》
1 《殺戮の契約/Slaughter Pact》

-呪文(27)-
3 《死の印/Deathmark》
2 《強迫/Duress》
2 《根絶/Extirpate》
2 《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
1 《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
1 《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
1 《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》
1 《暗黒破/Darkblast》
1 《虚空の杯/Chalice of the Void》
1 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》

-サイドボード(15)-

 サイドボード後は《減衰のマトリックス/Damping Matrix》を始めとするコンボ対策が投入されるため、《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》や《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》といったフィニッシャーを追加する事で「コンボでの瞬殺」か「遅いゲーム展開をコントロールして勝つ」、という二つのゲームプランを選択できるようになっている。ワールドウェイクで《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を手に入れた事によって遅いゲームでの明確な勝利手段ができたのも大きな収穫で、サイドボード後の「UBコントロール」としてのゲームプランを大きくバックアップしてくれる。

 コンボのネタとしては古く、言ってしまえば「対策されきっているコンボデッキ」ではあるものの、それでも尚2日目の2番勢力を誇るという事実がこのデッキの有余るポテンシャルを証明している。変成やハンデス等、コンボが上手く決まらない際に細かいプレイングが要求されるこのデッキは、乗り手の実力によって幾らでも変化する。使い古されているコンボというデメリットが、逆に練習量やプレイングの実力に反映される事で輝く。自分の実力を伸ばしたい、プレイングには自信がある。そんなプレイヤーの為の逸品だ。

・Scapeshift

 土地を7枚並べ、《風景の変容/Scapeshift》で山6枚と《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》を「同時に」持ってくる事で一気に18点のダメージを与えるコンボデッキ。土地が8枚あれば《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》を2枚持ってくる事で36点ものダメージを与えられるため、ソプターコンボや《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》等による少々のライフゲインならば悠々と乗り越えられるのが特徴的だ。コンボの達成条件が「土地を並べる」事であるため、ゲーム展開を遅らせること自体が勝利手段に転じるマッチアップが多く、特に『Zoo』とのゲームでは《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》や《炎渦竜巻/Firespout》といったカード達を使って「コンボコントロール」としての動きを見せる。

背 敦雄
4 《島/Island》
4 《蒸気孔/Steam Vents》
4 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
3 《森/Forest》
2 《山/Mountain》
2 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》
2 《溢れかえる果樹園/Flooded Grove》
1 《繁殖池/Breeding Pool》

-土地(24)-
4 《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》

-クリーチャー(4)-
4 《明日への探索/Search for Tomorrow》
4 《風景の変容/Scapeshift》
4 《思案/Ponder》
4 《深遠の覗き見/Peer Through Depths》
4 《差し戻し/Remand》
4 《謎めいた命令/Cryptic Command》
3 《撤廃/Repeal》
3 《万の眠り/Gigadrowse》
2 《砕土/Harrow》

-呪文(32)-
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《否認/Negate》
3 《炎渦竜巻/Firespout》
2 《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
2 《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》

-サイドボード(15)-

 デッキを構成するカードは「相手を遅らせるカード」と「自分の土地を増やすカード」が多いため、どうしてもコンボデッキ同士のスピード勝負では負けてしまうのだが、ゆったりとしたゲームに持ち込める相手に対しては概ね有利である。実質的にコンボに必要なカードは《風景の変容/Scapeshift》だけなので、デッキに掛ける負担が限りなく小さいのがこのデッキの強みである。

 ただ、逆説的には《風景の変容/Scapeshift》に頼りすぎてしまっているという事でもあるため、《根絶/Extirpate》や《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》等の「《風景の変容/Scapeshift》対策」といったカード単体に対するアンチが致命的な結果を招いてしまう。一応《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》や《粗野な覚醒/Rude Awakening》といった副次的な勝利手段を用意しているものの、対策された際の厳しさはメリットと同じ位ある。

・Faerie

 ローウィンブロック時代のスタンダードを経験している人には説明不要な、かつてのスタンダードそのままの『青黒クロック・パーミッション』である。

 知らない人の為に注釈を付けるならば、《苦花/Bitterblossom》や《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》といったダメージクロックを序盤から中盤にかけて用意し、カウンターと除去によって相手を少しずつ妨害しながら僅かな有利を守りきって勝つ、『カウンタースリヴァー』の流れを汲む古典的なクロック・パーミッション。スタンダードそのままと表現した通り、エクステンデッドという広いカードプールの恩恵を全く受けていないようなデッキではあるものの、それでも尚戦えるほどの完成度を誇っているという見方もできる。

八十岡 翔太
5 《島/Island》
4 《人里離れた谷間/Secluded Glen》
4 《変わり谷/Mutavault》
4 《涙の川/River of Tears》
2 《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》
2 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
1 《湿った墓/Watery Grave》

-土地(24)-
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
3 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
3 《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》

-クリーチャー(10)-
4 《苦花/Bitterblossom》
4 《燻し/Smother》
3 《祖先の幻視/Ancestral Vision》
3 《呪文嵌め/Spell Snare》
3 《マナ漏出/Mana Leak》
2 《謎めいた命令/Cryptic Command》
2 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》
2 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
1 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》

-呪文(26)-
4 《死の印/Deathmark》
3 《貪欲な罠/Ravenous Trap》
2 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《瞬間凍結/Flashfreeze》
2 《誘惑蒔き/Sower of Temptation》
1 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
1 《根絶/Extirpate》

-サイドボード(15)-

 個人的には、勝つにも負けるにも相当タイトなゲームが多く後手番のゲームがとにかく辛いため、余り好きなアーキタイプではない。ただ、『フェアリー』を使うプレイヤーの多くは、この意見に賛同した上で敢えて『フェアリー』をトーナメントで使うだろう。八十岡翔太や高橋優太といったプレイヤーであれば、その意見すら歯牙にもかけずに『フェアリー』を手に取る事が容易に想像できる。

 そう、とにかく「ファンが多いアーキタイプ」なのだ。カウンターやインスタントによる柔軟な動きはプレイングを生かす為の選択肢を限りなく増やすため、昔ながらのコントロール好きやプレイングに自信のあるプレイヤーに好まれている傾向が見受けられる。プレイングが反映されやすい敏感なデッキなので、そのプレイヤーが強ければ強いだけ『フェアリー』は強くなる。1ターン差のギリギリな勝負や、上手く立ち回る事で得られる充実感を求めるプレイヤーには是非とも手に取ってほしいデッキだ。

・Dredge

 「発掘」というキーワード能力を最大限に生かした、その他のデッキとは一線を画する「違うゲーム」を展開するデッキである。《面晶体のカニ/Hedron Crab》や《不可思の一瞥/Glimpse the Unthinkable》といったカードで自分の墓地を増やし、その過程で墓地に落ちた《ナルコメーバ/Narcomoeba》と《恐血鬼/Bloodghast》を場に戻し、《戦慄の復活/Dread Return》のフラッシュバックコストをそれらで払う事で《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》を高速展開してゲームを決める。

 その他にも《黄泉からの橋/Bridge from Below》から生まれるゾンビトークンで盤面を支配したり、巨大な《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》で殴り倒したりと様々な勝利手段があるため、初見のプレイヤーはそのスピードと変則的な動きに戸惑う事が多いかと思う。

大塚 高太郎
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
3 《湿った墓/Watery Grave》
2 《繁殖池/Breeding Pool》
2 《島/Island》
1 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
1 《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》

-土地(20)-
4 《面晶体のカニ/Hedron Crab》
4 《溺れたルサルカ/Drowned Rusalka》
4 《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》
4 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
3 《恐血鬼/Bloodghast》
2 《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》

-クリーチャー(21)-
4 《留まらぬ発想/Ideas Unbound》
4 《黄泉からの橋/Bridge from Below》
3 《不可思の一瞥/Glimpse the Unthinkable》
3 《戦慄の復活/Dread Return》
1 《壌土からの生命/Life from the Loam》

-呪文(15)-
4 《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
3 《暗黒破/Darkblast》
2 《自然の要求/Nature's Claim》
2 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
2 《残響する真実/Echoing Truth》
1 《神無き祭殿/Godless Shrine》
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge》

-サイドボード(15)-

 ただ、幾ら速かろうと幾ら変則的であろうと、あくまでも墓地をリソースとしたアクションしか起こせないのが『ドレッジ』というアーキタイプなので、当り前のことだが「墓地対策カード」にめっぽう弱い。そのため、『ドレッジ』の真価は対戦相手がどれだけ「墓地対策」をしているかによって問われるといっても過言ではない。相手が全く対策していなければ寄せ付けもせずに圧勝できるだろうし、きっちりと対策しているとゲームにならないと思うほどにボコボコにされてしまう。メタゲームが『ドレッジ』を許容しているのか、それを読み切ったプレイヤーが勝ちあがっていく。盤外戦略、「より高次のゲーム」であるメタゲームの重要性を実感できる象徴的なアーキタイプである。

・MonoRed

 赤単。フェッチランドやショックランドで溢れかえる世界を《山/Mountain》のみで戦い抜くアナーキーなデッキである。実際にフェッチランドやショックランドを使用するデッキへのアンチデッキが多く、『バーン』はフェッチランドやショックランドによって減りやすいライフを火力によって咎める事でそれらのデッキに対して有利に戦う事ができる。

 《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》やコンボデッキ等、致命的なマッチアップやカードは存在するものの、『Zoo』という「フェッチランドとショックランドの塊」がトップメタにいる以上はかなりの戦果が期待できるアーキタイプの一つである。

樽元気
14《山/Mountain》
1 《幽霊街/Ghost Quarter》
4 《変わり谷/Mutavault》
3 《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》
4 《ぐらつく峰/Teetering Peaks》

-土地(26)-
4 《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》
4 《火花の精霊/Spark Elemental》
4 《ゴブリンの先達/Goblin Guide》

-クリーチャー(12)-
4 《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《欠片の飛来/Shard Volley》
4 《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
3 《焼尽の猛火/Searing Blaze》
2 《怒鳴りつけ/Browbeat》
1 《火山の流弾/Volcanic Fallout》

-呪文(22)-
4 《粉々/Smash to Smithereens》
4 《貪欲な罠/Ravenous Trap》
3 《沸血の巨像/Bloodfire Colossus》
3 《幽霊街/Ghost Quarter》
1 《火山の流弾/Volcanic Fallout》

-サイドボード(15)-

 また、エクステンデッドで赤単といえば簡単に連想されるのが『All In Red』である。

 これもフェッチランドとショックランドに狙いを定めたアーキタイプで、《血染めの月/Blood Moon》か《月の大魔術師/Magus of the Moon》をマナ加速によって1~2T目に展開する事で封殺する事を狙っている。その際に《金属モックス/Chrome Mox》や《炎の儀式/Rite of Flame》によって手札を全て使い切る勢いで消費していくことから、「All In(チップを全てを注ぎ込む)」しているようだと喩えられている。そのため、一度勝機を逃すと失ったリソースをリカバーする事は出来ないので、《血染めの月/Blood Moon》が効かなかったり、マナ加速から展開したフィニッシャーを対処されてしまうと即座に負けてしまう。初手と相手のデッキに依存するため、分の悪いギャンブルは多いが、そのギャンブルに勝った時には即座に勝利を手に入れられるという大きな魅力もある。

馬場 康典
18《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》

-土地(18)-
4 《災難の大神/Deus of Calamity》
4 《復讐の亜神/Demigod of Revenge》
4 《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
3 《月の大魔術師/Magus of the Moon》
2 《ラクドスの地獄ドラゴン/Rakdos Pit Dragon》

-クリーチャー(17)-
4 《金属モックス/Chrome Mox》
4 《炎の儀式/Rite of Flame》
4 《捨て身の儀式/Desperate Ritual》
4 《煮えたぎる歌/Seething Song》
4 《血染めの月/Blood Moon》
3 《炎渦竜巻/Firespout》
2 《虚空の杯/Chalice of the Void》

-呪文(25)-
3 《運命の大立者/Figure of Destiny》
3 《破壊放題/Shattering Spree》
3 《貪欲な罠/Ravenous Trap》
1 《虚空の杯/Chalice of the Void》
1 《月の大魔術師/Magus of the Moon》
1 《炎渦竜巻/Firespout》
1 《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》
1 《光と影の剣/Sword of Light and Shadow》
1 《チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar》

-サイドボード(15)-
・RW Landfall

 つい先日のグランプリ・オークランドで「Best Idea」の評価を得たビートダウンデッキ。その驚異的なスピードと変則的な動きは練習していないと付いていけないほどにトリッキー。フェッチランドに加えて、《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》や《幽霊街/Ghost Quarter》といった「複数回上陸できる土地」が大量に入っているため、僅か1Tで15点を超えるダメージを与える事も珍しくない。《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》、《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》、《板金鎧の土百足/Plated Geopede》のサイズを甘く見ていると、油断した瞬間に命を持っていかれる。

Petre Brozek
4 《乾燥台地/Arid Mesa》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4 《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》
4 《幽霊街/Ghost Quarter》
3 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
3 《山/Mountain》
1 《平地/Plains》

-土地(23)-
4 《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》
4 《ゴブリンの先達/Goblin Guide》
4 《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》
4 《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》

-クリーチャー(16)-
4 《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《稲妻のらせん/Lightning Helix》
4 《焼尽の猛火/Searing Blaze》
3 《欠片の飛来/Shard Volley》
2 《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》

-呪文(21)-
3 《減衰のマトリックス/Damping Matrix》
3 《ヨツンの兵卒/Jotun Grunt》
3 《屈折の罠/Refraction Trap》
3 《火山の流弾/Volcanic Fallout》
3 《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》

-サイドボード(15)-

 ただ、あくまでも「油断していると」なのだ。つまり、驚異的なダメージを与えられるソースは限られており、その多くはクリーチャーであるため、そのクリーチャー達にさえ対処すれば頓死は免れる。もちろん、クリーチャー以外にも火力というダメージソースがあるため、削りきられる事はあるだろうが、「予想外の負け」という最悪の事態は回避する事が出来るという事だ。ただ、今回のメタゲームにこれだけの顔を見せる事が出来たのは、その『バーンデッキ』としての側面がトップメタの『Zoo』に対して上手く働いたのだと思われる。また、予想される事を考慮して、バレテいると不安定な《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》の代わりに安定したパフォーマンスを発揮する火力呪文に変えるという工夫を凝らしたデッキも見受けられた。

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