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準々決勝:津村 健志(広島) vs. 白石 知己(群馬)

準々決勝:津村 健志(広島) vs. 白石 知己(群馬)

By Daisuke Kawasaki

 準々決勝のマッチアップ、そしてプレイヤーを紹介する前にまずはこちらの動画をごらんいただきたい。

 今年の日本選手権は、基本セット2010発売直後の大型プレミアイベントということで、どのような新型デックが登場するか、というデックテック面で、日本のみならず、世界中から注目を集めた。

 そして、実際基本セット2010のカードをふんだんに活用した小堺 透雄(神奈川)と菅谷 裕信(千葉)が使用した白単トークンや、メタゲームを読みに読み切ったスマッシュヒット、彌永 淳也(東京)が作成し藤本 太一(東京)をトップ8におくりこんだ赤黒ブライトニングなど多くの新しいデックがお目見えすることとなった。

 しかし、そんな中でも最大のインパクトは、冒頭の動画で紹介した神話エルフであろう。もう白緑の親和エルフがヒットした理由はそれなりに出尽くしたとは思うが、やはりキャッチーなコンボと、ビートでも勝てるんだ多分気付いてないでしょという、切なさの中にも未来を感じさせる戦略の組み合わせ方がメインの要因。それでいてM10で新たに獲得した《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》や緑黒エルフ衰退の流れは全ての面においてタイムリーだった。

 実際に、多くのテストプレイチームが研究を重ね、うまくまとまった形でリリースしてきたプレイヤーが多く、結果として会場内でも多数戦力となった。

 そんな白緑エルフチームの中でも、最大の戦績を残したのが、「昨年度王者」大礒 正嗣(広島)と「2005年PoY」津村 健志(広島)の地元広島コンビだ。

津村 「最初は5月ごろにUri Peleg(2007年世界王者)の書いた記事に載っていたの見て面白そうだと思って構築したんですよね。Magic Onlineで勝率9割くらいいってましたよ」

 と語る津村。その後基本セット2010が登場し、いくらかの変化を強いられることになる。

津村 「一番大きいのは《自然との融和/Commune with Nature》がなくなったことですね。それでコンボデッキとしての能力は間違いなく弱体化しました。ただその分《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》が登場して殴って勝てる可能性が高くなったのでトントンですけど」

 津村が使い始め、そして大礒との毎晩のようにおこなわれる長電話によって調整が進んでいったというこのデック。結果として、津村はスタンダードラウンドで7勝1敗、大礒にいたっては唯一のスタンダード全勝を果たしている。

津村 「前環境から使い込んでいる使い込みの差ですよ。他人と同じデッキ使うのいやなんすよね」

 そんな他人と同じデックを使うのが嫌な津村の準々決勝の対戦相手の使用するデックは、親和エルフ。白石 知己(群馬)である。

ks

白石 「今回、会場に親和エルフが多いのには驚きましたね。やっと日本が群馬に追いついてきた、ってところですか」

Game 1

 お互いにマリガンするスタート。

 先手の白石、後手の津村ともに1ターン目に《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》をキャスト。白石は2ターン目に《散弾の射手/Scattershot Archer》とキーカードである《遺産のドルイド/Heritage Druid》をキャストするというかなり順当な展開。対して津村は土地が止まっており《エルフの幻想家/Elvish Visionary》をキャストするのみでターンを返す。

 そして白石は《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》で《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》を2枚サーチ、うち1枚をキャストという展開ではやくもテンパイ。さらに《苔汁の橋/Mosswort Bridge》をセットする。

 このターンに何かしらのアクションが無ければ相当厳しい戦いを強いられることになる津村。《遺産のドルイド/Heritage Druid》のキャストから、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《エルフの幻想家/Elvish Visionary》をタップして{G}{G}{G}をうみだし、《エルフの幻想家/Elvish Visionary》をキャスト。ここで《樹木茂る砦/Wooded Bastion》をドローし、追加の2マナで《遺産のドルイド/Heritage Druid》をさらに2体キャストする。手札に《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》と《威厳の魔力/Regal Force》があるだけに、ターンさえ戻ってくれば勝負になる状況を作り上げる。

 だが、白石は2体目の《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》をキャストし、これで戦場のクリーチャーのパワーは10を超え《苔汁の橋/Mosswort Bridge》の秘匿条件を満たす。ここで秘匿されていたのが、なんと《威厳の魔力/Regal Force》。これによって大量の手札を手に入れた白石。

 3体目の《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》をキャストすると、延々とマナを生み出しては手札をダンプしていく。

 最終的に《鏡の精体/Mirror Entity》のキャストまでつなぐと、ありったけに生み出したマナをつぎ込み、12/12になった《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》でアタック。津村はこれを1体《エルフの幻想家/Elvish Visionary》でチャンプブロックしてライフが7。

 一度は自分のターンを迎え、手札を眺めた津村だったが、すぐにサイドボーディングをスタートする。

白石 1-0 津村

 冒頭では扇動的なセリフで開始したが、実際のところ、白石によれば群馬のマジックは相当進んでいるという。

白石 「群馬には古くからのプレイヤーが結構多くて、うまい人が多いんですよ。ただ、遠征する人がほとんどいないから知られていないだけです。僕、今回日本選手権でトップ8入賞しましたけど、地元では全然勝てませんからね」

 遠征して群馬外でマジックをするのは自分くらいだと、白石は語る。

白石 「群馬にキョウジさんってプレイヤーがいるんですけど、その人にボコボコにされると、勝てるっていうジンクスがあるんですよ。今回、スタンダードもリミテッドもキョウジさんにボコボコにされて、おかげでトップ8に入賞できました」

 そして、続ける。

白石 「うまい人がいっぱいいて、いっぱい負けられるっていうのはいいですよ。勝ってばっかだと勝った時のイメージしか残りませんから、負けた時の方が得られる経験値は大きいですよ」

 敗北から学ぶプレイヤーは強くなる、といったのはだれだったか。

Game 2

津村 「かなりついてますよ、今日は」

 ライブラリーをシャッフルしながら津村が白石に声をかける。

津村 「今、初手に《威厳の魔力/Regal Force》が3枚いましたから」

 そう、今はGame 2のマリガン中である。白石・津村とともに、またもマリガンからのスタート。

s そして、津村の新しい初手には、今度は2枚の《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》が。土地が1枚でこれはやはりというかマリガンを宣言する。

白石 「僕も...」

 お互いにダブルマリガンというスタート。

 今度の初手は《苔汁の橋/Mosswort Bridge》《森/Forest》《エルフの幻想家/Elvish Visionary》に、やはり《威厳の魔力/Regal Force》《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》というもの。双方キープ。

 お互いが《苔汁の橋/Mosswort Bridge》をセットするところまで同じ展開。津村は2ターン目に《エルフの幻想家/Elvish Visionary》をキャストし、白石は《献身のドルイド/Devoted Druid》を送り込む。

 3ターン目のアクション、津村は《森/Forest》をセットし、3マナを確保すると、《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》をキャストする。ダブルマリガンからの展開としてはかなりいい展開と言える。

 だが、白石は津村の上を行く。《献身のドルイド/Devoted Druid》から2マナを生み出すと、土地からのマナを使い《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》。こうしてタフネスがさらに1あがった《献身のドルイド/Devoted Druid》から出したマナを利用し、2枚目の《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》をキャストしたのだ。

 津村は《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》《遺産のドルイド/Heritage Druid》とキャストすると、《遺産のドルイド/Heritage Druid》の能力で3マナ、そして《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》の能力で4マナを生み出し、合計7マナで《威厳の魔力/Regal Force》をキャスト、5枚のカードをドローする。白石はため息をつく。

 しかし、ここで津村は白マナが生み出せないという事態。手札に《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》と2枚の《流刑への道/Path to Exile》を抱えターンを終了する。

白石 「エンドですか?」

 《威厳の魔力/Regal Force》までつながった時点で何かしらのビッグアクションを覚悟していた白石はおもわず口に出す。

 そして、今度は白石のビッグイニング。《献身のドルイド/Devoted Druid》から2マナを生み出し(-1/-1カウンターは3つめ)《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》と《鏡の精体/Mirror Entity》をキャスト、さらに《遺産のドルイド/Heritage Druid》の片方をタップし5マナを生み出すと、《鏡の精体/Mirror Entity》の能力で5体のクリーチャーを4/4とし、《苔汁の橋/Mosswort Bridge》の起動条件を満たし、3枚目の《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》をキャストする。白石は《風立ての高地/Windbrisk Heights》をセッとしてターン終了。

kenji 津村は、《遺産のドルイド/Heritage Druid》の能力でマナを生み出しては《献身のドルイド/Devoted Druid》《貴族の教主/Noble Hierarch》とキャスト、そしてこちらも《苔汁の橋/Mosswort Bridge》の秘匿条件を満たすと、秘匿されていたのが2枚目の《威厳の魔力/Regal Force》。ここで9枚のカードをさらに追加する。ここで《樹木茂る砦/Wooded Bastion》によって白マナを確保した津村は《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》から2枚の《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》をサーチする。

 こうして3枚の《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》が揃った津村は、マナを大量に生み出し、《原初の命令/Primal Command》をキャスト。白石の《風立ての高地/Windbrisk Heights》をトップに戻し、《威厳の魔力/Regal Force》をサーチする。

 この3枚目の《威厳の魔力/Regal Force》が津村にもたらしたカードは14枚。

 ここで《樹木茂る砦/Wooded Bastion》からもうひとつ生み出していた{W}を使用して《流刑への道/Path to Exile》を白石の《鏡の精体/Mirror Entity》へ。そして、2枚目の《原初の命令/Primal Command》をキャストする。サーチするのは《威厳の魔力/Regal Force》。

 デッキ最後の《威厳の魔力/Regal Force》が津村にもたらしたカードは15枚。津村のライブラリーの枚数は残り2枚。

 ここから津村は、《原初の命令/Primal Command》で墓地の《原初の命令/Primal Command》2枚を山札に戻すと、新たな《原初の命令/Primal Command》をサーチする。

 この行動の繰り返しにより、白石の戦場の土地はすべて山札に戻される。

 すべての行動が終了し、津村がターンの終了を宣言する。

白石 「まわしていると楽しくなりますよね」

津村 「もっと速くフィニッシュまで行く方法あった気もするけど、ついついここまでまわしちゃうよね」

白石 「途中で投了したら台無しかなと」

白石 1-1 津村

 津村がこの親和エルフというデックを選択した理由の遠因は、津村があまり他の人と同じデックを使いたくないからだ、というのは最初に説明した。

 それでいえば、白石のデック選択の遠因も同じことになるだろう。

白石 「メタデッキを使わない、っていう人が多いんで、色々なデッキと触れあうことができますし、かなり新しいデッキが多いんです。世界選手権とかで新しいデッキがでて、世間で騒がれていたりすると、それが実はすでに群馬では流行が終わったデッキだったりすることがいくらでもあるんですよ」

 これを大口と聞き流すことはたやすいが、実際に今期のFinals予選で最初に白黒トークンで突破し、その後の白黒トークンの雛形となったデックを提示した白石の言葉には妙な説得力がある。

白石 「だから、今回の日本選手権で実際にエルフが多かったのは驚いたんですよ。日本、群馬に追いついてるじゃんって。っていうのは冗談ですけどね。今回同型対策が甘かったのは反省材料です。自分と同じ思考くらい、他の人もしてくるって考えないと勝てないですよね」

 たとえば、群馬ではフェアリーも全然違う調整になっているという。

白石 「今回、びっくりしたことのひとつはみんなフェアリーに《時間のねじれ/Time Warp》入れてないんだなぁって。キスキンに対する勝率とかが全然変わるんですけどね。今回白単が駆逐されてまたメタゲームが変わるかもしれませんけど...しかし、本当にフェアリーに《時間のねじれ/Time Warp》入れてる人ほとんどいませんでしたよね。」

 浅原 晃、群馬に追いついてるじゃん。

Game 3

 津村は、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《遺産のドルイド/Heritage Druid》《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》《献身のドルイド/Devoted Druid》とコンボパーツの揃った手札をキープ。ただし残りはすべて土地で手札を増やす要素がないのだけが懸念材料か。

 一方で、先手の白石はトリプルマリガン。しかし、1ターン目に《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》から、2ターン目の《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》という立ち上がりを見せる。

 津村は1ターン目に《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》からスタートすると、2ターン目には土地からの2マナで《遺産のドルイド/Heritage Druid》《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》とキャストし、3マナを生み出し、《献身のドルイド/Devoted Druid》《貴族の教主/Noble Hierarch》を追加して《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》で3点アタックする。

 白石は、自身のターンに落ち着いて《遺産のドルイド/Heritage Druid》に《今わの際/Last Breath》を打ち込む。手札が土地のみになった津村は、《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》の賛美アタックを続ける。次のターンのドローは、《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》だったので、今度は4/4アタック。

 この《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》がさらに《今わの際/Last Breath》されたことで、ついに津村の手札に《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》をアンタップさせる弾が尽きる。一方の白石は念願の土地を引き込み、ついに7マナ揃えて《威厳の魔力/Regal Force》で3枚ドロー。

kenji 続く津村のターンのドローは土地。

 返しのターンは白石のビッグイニング。《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》《遺産のドルイド/Heritage Druid》とキャストすると、《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》からさらに2枚の《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》を追加。最後の手札が《苔汁の橋/Mosswort Bridge》だったので、これをプレイしてターン終了。

 続く津村のターンのドローは土地。

 《遺産のドルイド/Heritage Druid》《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》×3《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》《威厳の魔力/Regal Force》《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》がアタックで、21点。

 津村は、《威厳の魔力/Regal Force》を《貴族の教主/Noble Hierarch》で、《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》のうち1体を《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》でブロックし、ダメージを13点にまで軽減する。これで津村のライフは8。白石は2枚目の《苔汁の橋/Mosswort Bridge》をセットしてターンを終了する。

 続く津村のターンのドローは土地。

津村 「怖いね、このデッキ」

白石 「キープ基準が難しすぎますよ」

津村 「特に先手は難しいですね」

白石 2-1 津村

白石 「本当にキープ基準が難しいんですよ」

 たとえば、Game 3の津村の初手の場合、白石は基本的にマリガンだという。

白石 「先手なら間違いなくマリガンですね。《威厳の魔力/Regal Force》《原初の命令/Primal Command》《苔汁の橋/Mosswort Bridge》あたりの13枚のカードのどれかが必要で、ってことは大体4枚引かないとダメなわけですけど、それだと遅くなりすぎるから...後手ならキープできる、っていう開き直り方でプレイする事も出来ますけどね。どういう考え方していたか、になると思いますよ」

津村 「マリガン、きらいなんすよ。もったいない」

 実際には、津村のキープ基準についても詳しく話を聞いたのだが、結局はマリガンはもったいないからできるだけしたくない、と津村はいう。

白石 「《威厳の魔力/Regal Force》みたいな、勝ちにつながる要のカードと、マナクリーチャーの両方がきっちりいない手札はやはりキツイ。だから、僕のデッキは《鏡の精体/Mirror Entity》などをいれて、キープ基準になり得るカードを増やしているんです」

 たしかな練習の積み重ねの結晶が白石のデックを作り上げた。

Game 4

 そんな難しい先手のキープ基準を、津村は《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《遺産のドルイド/Heritage Druid》×2《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》《威厳の魔力/Regal Force》に《森/Forest》《苔汁の橋/Mosswort Bridge》という手札でなんなくクリア。

 一方の白石は、長考の末にマリガンを選択。

 津村は1ターン目に《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》をキャストし、2ターン目には《苔汁の橋/Mosswort Bridge》をセットしながら《遺産のドルイド/Heritage Druid》《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》とキャストという展開。

 対する白石も《遺産のドルイド/Heritage Druid》を1ターン目にキャストし、継ぐ九ターンに《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》《遺産のドルイド/Heritage Druid》を追加、{G}{G}{G}生み出して、そのうち1マナを使って《遺産のドルイド/Heritage Druid》の3枚目をキャスト。そして「すいません、これだけです」とターンエンド。

津村 「緊張感ありすぎる、このデッキ。エンドっていいたくない」

 そんな津村のターンは、《遺産のドルイド/Heritage Druid》2枚目から《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》につなぎ、秘匿条件をみたして、《苔汁の橋/Mosswort Bridge》から《威厳の魔力/Regal Force》。これで6枚の手札を手に入れると...《エルフの幻想家/Elvish Visionary》《貴族の教主/Noble Hierarch》と追加してターンを終了。

 さぁ、津村の恐れる白石のターン。白石は《献身のドルイド/Devoted Druid》をキャストし、《鏡の精体/Mirror Entity》をキャスト。土地をセットすると「手札使い切っちゃった」とターンを終える。

 返しの津村のターンに、津村は先ほどの6枚の中にあった《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》をキャストし、《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》を3枚揃える。

 すでにお知らせしていたように、2枚目の《威厳の魔力/Regal Force》は津村の初手から待機している。

白石 2-2 津村

 たしかな練習の積み重ね、という意味では、津村は今大会で白石に遠く及ばないだろう。なにせ、津村は今、多忙の中でマジックをできる時間をある程度自主的に制限している、という話になっている。

 だが、そんななかで、津村は、大礒と夜を徹してオンスロートドラフトで《デス・マッチ/Death Match》《狙いすましたなだれ/Pinpoint Avalanche》《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》《プラズマの連鎖/Chain of Plasma》《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage》のパックからどれをピックするかを、この2009年に、本当に一晩中語りあかす、というかケンカをし続けられるくらいにマジックを愛している。

 津村には、マジックへの愛の積み重ねがある。

 だが、白石にだって、フェアリー相手に《大貂皮鹿/Great Sable Stag》がいるかいらないかで調整を重ね、結果いらないという答えを導いたり、エルフメタを予想して《蔓延/Infest》入りのフェアリーで練習してくれたり、《鏡の精体/Mirror Entity》にたどりついたりした仲間が、いる。白石の練習の積み重ねは、群馬の仲間とのマジックの積み重ねなのだ。

白石 「だから、勝って、来年は日本選手権を群馬に呼びたいです」

Game 5

津村 「あー、やっぱダイス勝ちたかったぁ」

 ここまで先手のプレイヤーが勝利してきているこのマッチ。

s 先手の白石がマリガンする一方で、後手の津村は《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》《遺産のドルイド/Heritage Druid》《献身のドルイド/Devoted Druid》に、キーとなりそうな《原初の命令/Primal Command》、そして《森/Forest》が3枚という手札をキープする。

 白石、津村ともに1ターン目は《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》をキャスト。

 そして、2ターン目も《献身のドルイド/Devoted Druid》を鏡うちする。

 お互いに十分なマナベースと準備が整った運命の3ターン目。

 白石は、まず《遺産のドルイド/Heritage Druid》をキャスト。そして、生み出した3マナと土地からの2マナの合計5マナで《原初の命令/Primal Command》をキャスト。津村の《森/Forest》を山札のトップに送り込み、そして《威厳の魔力/Regal Force》をサーチする。

 津村は、《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》でアタックすると、《遺産のドルイド/Heritage Druid》をキャストし、アンタップ。ここからの3マナで《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》をキャストし、《遺産のドルイド/Heritage Druid》の能力でアンタップする。さらにセッとした《森/Forest》と《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》で水増しされた《献身のドルイド/Devoted Druid》の能力で5マナを揃えると、《原初の命令/Primal Command》で白石の土地を戻し、こちらも《威厳の魔力/Regal Force》をサーチ。

 白石は、予定調和的にマナを使い切って《威厳の魔力/Regal Force》をキャストし、4枚ドロー。

津村 「難しいな...」

 津村のターン。《遺産のドルイド/Heritage Druid》からの3マナと、《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》からの4マナで7マナ生み出し、《威厳の魔力/Regal Force》をキャスト。5枚のカードをドローし、そこにあった《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》をキャスト。コレにより《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》がアンタップされ、《献身のドルイド/Devoted Druid》の能力は水増しされる。津村は追加で《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》をキャストしてターン終了。

 すでに完全に間合いにはいって切り込んでおり、お互いがいつ瞬殺されてもおかしくない、そんな白石の第5ターン。白石も《遺産のドルイド/Heritage Druid》《献身のドルイド/Devoted Druid》《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》の3枚組から《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》をキャストし、津村と同じように3マナ追加。この3マナで《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》をキャストすると、さらに《樹木茂る砦/Wooded Bastion》から生み出した白マナで《鏡の精体/Mirror Entity》。

 《鏡の精体/Mirror Entity》と《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》をタップし、さらに土地から白マナを捻出して《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》。津村は天を仰ぐ。白石は2枚の《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》をサーチする。

 白石、ターンエンド。

津村 「いいすか?」

 津村のターン。

 《遺産のドルイド/Heritage Druid》《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》から、{G}{G}{G}。さらに2枚も《森/Forest》から{G}{G}。ここで津村は入念に自分と、相手のパーマネントの枚数を確認する。

 《原初の命令/Primal Command》キャスト。

 白石の《樹木茂る砦/Wooded Bastion》を山札の上に積み込み、そして《威厳の魔力/Regal Force》をサーチする。

 《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》から7マナ、そして《献身のドルイド/Devoted Druid》《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》×2をタップして3マナ。合計10マナから《威厳の魔力/Regal Force》をキャストして、《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》をアンタップ。

 9枚のドロー。

 この9枚の中には、3枚目の《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》と、3枚目の《威厳の魔力/Regal Force》が含まれていた。

 津村は《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》3体のマナによって手札をダンプし続け、白石の《鏡の精体/Mirror Entity》へと《流刑への道/Path to Exile》。そして、《原初の命令/Primal Command》で墓地にある2枚の《原初の命令/Primal Command》を山札にもどし、《威厳の魔力/Regal Force》の4枚目をサーチ。

 この4枚目が16枚のカードを津村に与え、そして山札を2枚に。

 4枚の《原初の命令/Primal Command》がグルグルとまわり、津村の戦場には大量のクリーチャーが並び、そして白石の戦場には土地が1枚に。ここで津村はターンを終了する。

 白石は、戦場のクリーチャーをすべてレッドゾーンに送り込み、そして、すべてを墓地に置いた。

白石 2-3 津村

白石 「まぁ、ダメでしたけどね」

 だけれども、群馬のプレイヤー層の厚さを、ぜひとも日本中のプレイヤーに知ってもらいたい、という気持ちは、一層高まったという。

白石 「日本選手権で他のプレイヤーのプレイングをみましたけど、絶対に群馬は負けてないって自信があります。大きなこといいやがって、って思うかもしれませんけど、そう思う前に、本当に、ぜひ一回群馬の大会に遊びに来てみてください!」

 白石の言葉の真偽を知りたい方は、髭男爵杯という大会をチェックしてみてはいかがだろうか。

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