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準々決勝:中村 修平(大阪) vs. 坂口尚紀(愛知)

準々決勝:中村 修平(大阪) vs. 坂口尚紀(愛知)

By Masashi Oiso

 日本選手権最終日。

 準々決勝の組み合わせは奇しくも3ヶ所で同系対決となった。中村と坂口のデッキは、俗にいうクイッケントースト。低速のコントロールデッキによる対戦だけに、様々なアドバンテージを巡る、両者の駆け引きに注目したい。

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 中村 修平(なかむら しゅうへい)といえば、プロプレイヤーレベル8であり、昨年度の世界最優秀プロプレイヤーであり、世界をまたにかけて旅を続ける男。もはや多くの説明は不要ではないだろうか?今回は独自の調整を施したデッキで参戦した中村。開始前に準々決勝のテストプレイの感触をたずねたところ、「3対97で不利」とのこと。世界最高峰のプレイングで相性を覆せるか?

 坂口 尚紀(さかぐち なおき)は、愛知県は名古屋のプレイヤー。普段は地元のショップやMagic Onlineでプレイしているというが、

坂口 「MOのドラフトで3-0し過ぎて飽きちゃいました(笑)」

 とのこと。事実、予選ラウンドでは初日からぶっちぎり首位独走の11連勝であり、ドラフトも当然6-0。プロプレイヤーの占める卓での全勝は、坂口が同じレベルにいることを物語っている。坂口は去年の日本選手権でも21位に入賞しており、今年度は更なる高みを目指す。

Game 1

 坂口はダイスロールに勝ち、小考の末先攻を選択。両者7枚からのスタート。

 序盤は両者土地を置き続ける展開。坂口は中村のターン終了時に少し手を止めて考え、能動的に動く期を窺う。sakaguchi 4ターン目までドローゴーを続けた両者だが、ここで坂口の土地がストップ。これを好機と見た中村は、坂口のディスカードの前に《エスパーの魔除け/Esper Charm》でドローを進める

 土地を置けない坂口に対し、中村は《エスパーの魔除け/Esper Charm》おかわりと《熟考漂い/Mulldrifter》でドローを続け、土地を順調に伸ばす。この時点で土地の枚数に早くも4枚差がついている。《謎めいた命令/Cryptic Command》を土地バウンス+ドローでキャストし、なんとかマナ差を解消したい坂口。しかし、土地に辿りつけない。

 やっと追加の土地を引き込んだ坂口。しかし、中村からの《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》→坂口《砕けた野望/Broken Ambitions》→中村《砕けた野望/Broken Ambitions》と打ち合い、マナだけでなく手札にも大きな差をつけられてしまった。

 土地を引き出した坂口だが、2枚まで減った手札に突き刺さる《エスパーの魔除け/Esper Charm》。これに虎の子の《謎めいた命令/Cryptic Command》を使わざるを得ず、中村からの《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》おかわりへ対処できない。圧倒的なカードアドバンテージ差の前に坂口は投了。

 サイドボード後は絶望的と語っていた中村、まずはメインボードで1本先取。

中村 1-0 坂口

坂口

in
4《否認/Negate》
3《呪詛術士/Anathemancer》
2《自我の危機/Identity Crisis》
1《原初の命令/Primal Command》
1《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》

out
3《神聖なる埋葬/Hallowed Burial》
3《炎渦竜巻/Firespout》
3《羽毛覆い/Plumeveil》
2《真髄の針/Pithing Needle》


中村

in
4《大貂皮鹿/Great Sable Stag》
2《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》
2《自我の危機/Identity Crisis》
2《ルーンの光輪/Runed Halo》
1《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》
1《本質の散乱/Essence Scatter》

out
3《羽毛覆い/Plumeveil》
3《神聖なる埋葬/Hallowed Burial》
3《火山の流弾/Volcanic Fallout》
2《苦悶のねじれ/Agony Warp》
1《破滅の刃/Doom Blade》

Game 2

 両者7枚の手札をキープし、淡々と土地を置く。

 3ターン目、坂口の《熟考漂い/Mulldrifter》想起に対し、中村は《砕けた野望/Broken Ambitions》でカウンター。中村は、めくれた《砕けた野望/Broken Ambitions》を下に送るか考える。マナを伸ばすことが優先されるゲームではあるが、《砕けた野望/Broken Ambitions》をそのままドローすることを選んだ。次ターンも全く同じ応酬。中村は、新たにめくれた《ルーンの光輪/Runed Halo》についても考えたが、結局それをドロー。

 ドローを進めたい中村の《エスパーの魔除け/Esper Charm》は、坂口が《謎めいた命令/Cryptic Command》(カウンター+ドロー)をキャスト。1ゲーム目と逆の展開になってきたか。中村は《ルーンの光輪/Runed Halo》でゲームを決める《自我の危機/Identity Crisis》へ保険をかけるが、返す刀で坂口は《アラーラのオベリスク/Obelisk of Alara》!

 このままではゲームにならない中村は《熟考漂い/Mulldrifter》想起で解決策を探し、フィニッシャー《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》を戦場に送る。しかし、坂口は落ち着いてターン終了前《エスパーの魔除け/Esper Charm》で《ルーンの光輪/Runed Halo》破壊→《自我の危機/Identity Crisis》!

 ドラゴンで一気にライフを詰めにいく中村だが、《アラーラのオベリスク/Obelisk of Alara》、《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》により、近づいては遠のく坂口のライフ。さらには《アラーラのオベリスク/Obelisk of Alara》のおかげで《熟考漂い/Mulldrifter》の前に頼みのドラゴンもストップ。

 《ルーンの光輪/Runed Halo》により逆転の可能性(《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》)を封じられ、中村投了。

中村 1-1 坂口

中村、オベリスクの対策を追加。

中村

in

1《真髄の針/Pithing Needle》

out
1《火山の流弾/Volcanic Fallout》

Game 3

 三度両者マリガン無しのスタート。

 後手2ターン目に《鮮烈な草地/Vivid Meadow》タップインの坂口に対し、《熟考漂い/Mulldrifter》想起を確実に通す中村。その隙にに坂口も《ルーンの光輪/Runed Halo》で《自我の危機/Identity Crisis》を指定する。

 中村は《謎めいた命令/Cryptic Command》(土地バウンス+ドロー)で先攻の優位を広げつつ、アタッカーとして《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》をキャスト。

 坂口はターンを返すのみだが、中村の《ルーンの光輪/Runed Halo》キャストに対し《謎めいた命令/Cryptic Command》(カウンター+《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》バウンス)でテンポを取り返す。

 坂口は中村のマナの少ない隙に《呪詛術士/Anathemancer》を送り込もうとするが、これには《本質の散乱/Essence Scatter》。坂口はそのまま打ち消されることを選択した。これでは《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》に《呪詛術士/Anathemancer》を奪われるが・・・。

oiso 予定調和的に《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》キャストから、《真髄の針/Pithing Needle》でガンである《アラーラのオベリスク/Obelisk of Alara》禁止した中村。場の優位は築いたが、フルタップでは坂口の《自我の危機/Identity Crisis》を防げない。これは坂口としては狙っていた展開だろう。中村としては《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》と《呪詛術士/Anathemancer》で5まで減ったライフを削り切るしかない。

 坂口の《原初の命令/Primal Command》(ライフ回復+クリーチャーサーチ)に対し、トップから持ってきた《謎めいた命令/Cryptic Command》で対応する中村だが、《否認/Negate》により阻まれるとがっくり。

 ライブラリから登場した坂口の《悪斬の天使/Baneslayer Angel》がどうにもならない中村は、天使をブロック可能な《熟考漂い/Mulldrifter》を《謎めいた命令/Cryptic Command》され投了。

坂口、日本代表へ王手

坂口 2-1 中村

 両者サイドを再確認。終盤にこっそり登場していた《大貂皮鹿/Great Sable Stag》を確認した坂口は対策カードを増量。

坂口

in
1《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》

out
1《思考の泉/Mind Spring》

Game 4

 坂口は7枚でキープだが、後の無い中村がマリガンから手札6枚でスタート。

 序盤は相変わらず、土地を置き続ける展開。

 土地4枚立ててターンを終えた坂口に対し、ついに中村が動く。《エスパーの魔除け/Esper Charm》を2枚ドローでキャストし、坂口が《謎めいた命令/Cryptic Command》(カウンター+土地バウンス)で対応することで土地の枚数で逆転する。

 中村は《ルーンの光輪/Runed Halo》で、サイドボード後の2ゲームを決めた《自我の危機/Identity Crisis》を防ぐ。坂口も《ルーンの光輪/Runed Halo》で《自我の危機/Identity Crisis》を指定。このゲームは長引きそうだ。

 中村は積極的に《熟考漂い/Mulldrifter》キャストし、お互い《砕けた野望/Broken Ambitions》を打ち合った。フルタップしてでもドローを進めることを優先した中村。結局、坂口はノーアクションでターンを返すのみであり、中村は大きなアドバンテージを得たといえる。このあたりの感覚は、さすが百戦錬磨の中村である。

 中村のマナが起きたところで、坂口は《熟考漂い/Mulldrifter》想起でキャスト。中村はこれに対し《謎めいた命令/Cryptic Command》(カウンター+ドロー)。坂口は《謎めいた命令/Cryptic Command》(カウンター+バウンス)で、中村のマナを5マナに抑え、リスクを低減しつつドローを進めたが...。ここで中村から飛び出したのはデッキに1枚の《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》!

 中村は早速忠誠度を上げ、1枚捨てる事を強要。坂口は《呪詛術士/Anathemancer》のダメージを《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》へ向けるが1点足りず、もう1枚手札が減ることに。さらに、坂口のアップキープに追い討ちの《エスパーの魔除け/Esper Charm》(2枚捨てる)。手札3枚の坂口には厳しい。《謎めいた命令/Cryptic Command》を《謎めいた命令/Cryptic Command》で返された坂口の手札はついに0!

 《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》は《呪詛術士/Anathemancer》の攻撃で破壊、引いた《ルーンの光輪/Runed Halo》で《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》を禁止してみるが、中村からキャストされたのは《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》。

 《熟考漂い/Mulldrifter》《ナックラヴィー/Nucklavee》と引き込む坂口だが、《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》の途轍もないクロックの前に対処が間に合わない。《謎めいた命令/Cryptic Command》(クリーチャータップ+ドロー)を《謎めいた命令/Cryptic Command》で返され、勝負は最終ゲームへ持ち込まれた。

中村 「きちーっ!!」

坂口 「《エスパーの魔除け/Esper Charm》強いね」

中村 2-2 坂口

Game 5

s 先攻の坂口はマリガン、中村は7枚の手札をキープ。坂口から弱気な発言がこぼれる。

坂口 「マリガンしたら無理かなー?」

中村 「いやいやいやいや(笑)」

 先攻の坂口は《呪詛術士/Anathemancer》で攻勢に出るが、中村の《本質の散乱/Essence Scatter》が阻む。

 中村は返しで《熟考漂い/Mulldrifter》想起。特にアクションの無い坂口を尻目に《大貂皮鹿/Great Sable Stag》、次ターンには《大貂皮鹿/Great Sable Stag》おかわり!一気にゲームを決めにかかる。

 対する坂口は、残りマナの少ない中村の隙をついて《自我の危機/Identity Crisis》!こうなっては中村はただ《大貂皮鹿/Great Sable Stag》で殴るのみ。

 次ターン、7マナに達した坂口はフルタップして・・・《呪詛術士/Anathemancer》蘇生!?

 マリガン後、土地の多い手札から土地を引き続けた坂口は《大貂皮鹿/Great Sable Stag》を止める術を持たなかったのだ。

中村 3-2 坂口

 中村 修平、準決勝進出!!

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