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3位決定戦:塩田 有真(岡山) vs. 津村 健志(広島)

3位決定戦:塩田 有真(岡山) vs. 津村 健志(広島)

by Akira Asahara

 日本代表決定戦でもある、3位決定戦。

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 塩田と津村の親和エルフの同型対決になった。2人のプロフィールはもう語られてると思うので簡単に勝負の肝となる部分を聞いてみた。すると、エルフ同型対決はエルフの愛に掛かっているという話になり、そこで津村はエルフ愛について語ってくれている。

津村 「エルフは好きですね、2か月前から。《島》の次に好きですよ」

 にわかエルフ好きだった。しかも《島》に負けていた。

 最近は大学に入るために予備校で受験勉強をしているという津村。そこで培った知識がこの戦いに生かせるかも注目ポイントだ。

 対して塩田は《光り葉の大ドルイド》を加えた独自性の高い親和エルフデッキを使っている。

 エルフへの愛が深い方が勝つ。それは、果たしてどっちだろうか。

Game 1

塩田 「まずは先手を...」

 といった祈りが神に通じたのか、ダイスロールは7、津村は6だったので塩田の先手に。

 塩田はキープ。津村は白緑ランド1枚の手札を悩むもキープ。基本的に、親和エルフ対決のプレイヤーの行動は大体3つにわけられる、マナ計算、ドロー計算、祈りだ。そして、自分の置かれている段階も3つだ。マナ展開、ドロー加速、コンボ達成である。

 コンボに至った場合、それが止まることはほとんどない。そこにいかに早く至るかが重要なのである。マナ加速で十分なマナを確保し、《威厳の魔力》でドローを加速する。そこから《イラクサの歩哨》と《遺産のドルイド》でコンボを成立させ《原初の命令》でロックするといった流れだ。

kenji そこで、プレイヤーに必要なのはマナ計算と効率のいいドロー計算。そして対戦相手のターンに祈ること
というわけだ。

 先手の塩田、津村ともに《イラクサの歩哨》からスタート。

 塩田は2ターン目に《エルフの幻想家》を出し、津村は《献身のドルイド》で返す。

 3ターン目は塩田が《遺産のドルイド》、そこから《エルフの大ドルイド》。津村も同様に《エルフの大ドルイド》。これで、お互いに多くのマナが出る状況になり段階は2つ目へ移行する。

 4ターン目に塩田は一気に行動を起こす。《威厳の魔力》で手札を5枚補充すると、戦場に一気にエルフを送りこむ。そして、《原初の命令》を津村の《森》に打ち込み、《威厳の魔力》をサーチ。相手の足を止めつつ、次に確実にコンボが達成される構えだ。もちろん、それを分かっている津村は、このターンにドローの段階とコンボの段階を一気に達成しなければいけなくなった。

 最低でも《エルフの幻想家》から《遺産のドルイド》が必須なので、とりあえず探しにいくが......2枚の《エルフの幻想家》が見せてくれたのは、やはり幻想だった。

 塩田、まずは先勝。

塩田 1-0 津村

Game 2

 津村のファーストアクションは2ターン目の《貴族の教主》。3ターン目に《エルフの大ドルイド》を戦場に送りだすが、同様に塩田も《エルフの大ドルイド》をキャストする。

 4ターン目の津村の行動は《イラクサの歩哨》、《イーオスのレインジャー》で《遺産のドルイド》、《イラクサの歩哨》を持ってくる。

 そして、塩田のアップキープに《エルフの大ドルイド》へ向けて《流刑への道》をキャストする。さりげないプレイだが、前の相手ターンの時にも白マナを残していたにも関わらず相手のエンド前に使わず、次のアップキープまで待ったのは一枚でも起きた土地を増やしてはいけないという同型では必須の考え方だ。

 ここから、お互いに展開して7ターン目。一旦場を整理してみよう。津村のターンで、相手に白マナが立っている。

 手札は《イラクサの歩哨》《遺産のドルイド》と土地2枚

sh 戦場は《イーオスのレインジャー》×2、《イラクサの歩哨》×2、《貴族の教主》、《ラノワールのエルフ》、《風立ての高地》(《ラノワールのエルフ》)、《風立ての高地》(《威厳の魔力》)土地3枚といった形。

 複雑な局面であり、どう行動するか、一般のプレイヤーなら長く考えてしまうだろう。

 しかし、伝説と呼ばれる男は格が違った。津村に7つあると言われている能力の一つ、コガモ計算機が発動すると津村は一瞬で状況を悟り計算を終え、行動に出る。《イーオスのレインジャー》×2と《貴族の教主》で攻撃してから、《遺産のドルイド》より先に《イラクサの歩哨》をキャストする、これは一見マナ効率が悪いように見えるが、《遺産のドルイド》を《流刑への道》されたときにもっとも効率のよい行動を取っているのだ。そして、塩田はやむなく《流刑への道》を《遺産のドルイド》へ、それにスタックして白秘匿を起動し、《威厳の魔力》をキャストすると、最大効率のドローとマナを稼いでみせた。さすが、津村、そこにしびれるあこがれるである。

 津村の引いたカード、《ラノワールのエルフ》×2、《献身のドルイド》、土地6枚。

塩田 2-0 津村

Game 3

 先行、津村。お互いにマリガンは無し。

 津村は1ランドキープから2ターン目にタップインの土地を引きいれ、3ターン目に《献身のドルイド》といった展開。

 塩田は《ラノワールのエルフ》から《エルフの大ドルイド》とキャストし、《エルフの幻想家》と《イラクサの歩哨》をキャストすると、津村が《献身のドルイド》を出した返しに《原初の命令》を打ち込む好展開、津村の土地を戻しつつ、《威厳の魔力》をサーチする。

 しかし、ここからの津村の展開が早かった。土地1枚と《献身のドルイド》から、《イラクサの歩哨》、《遺産のドルイド》から、《献身のドルイド》をアンタップすると、《エルフの大ドルイド》からさらに《献身のドルイド》をアンタップし《エルフの大ドルイド》、そして《エルフの幻想家》に繋げて見せ、大量のマナを確保する。

 返しのターンで塩田は《威厳の魔力》でドローするも、後続が無くそこでエンドする。ターンが帰ってくればというところだが、それが許すほど、津村は甘くは無かった。

 津村は、溢れんばかりのマナから《威厳の魔力》をキャストすると、《原初の命令》を引き当てる。塩田はその《原初の命令》を見て、コンボが止まらないことを悟ると投了した。

塩田 2-1 津村

ks

Game 4

 先手、塩田はテイクマリガン

 塩田は《イラクサの歩哨》から入り、2ターン目《献身のドルイド》。そして、《光り葉の大ドルイド》と繋げる。津村は《ラノワールのエルフ》から、《献身のドルイド》、《遺産のドルイド》×2といった展開から3ターン目には《威厳の魔力》に繋げドローを確保する。

 津村の展開は相当早いが、ここで、塩田も《原初の命令》で足止めしつつ、《威厳の魔力》を持ってきて、コンボ達成を狙う。しかし、マナの量が足りず、一気にドローからコンボを達成するには至らない。塩田はそれを理解しているため連続して《原初の命令》を使い、コンボ阻止を狙いつつ、一気に決めれる準備をする作戦に出る。しかし、津村が《イーオスのレインジャー》から大量のマナを出し、《原初の命令》を見ると、コンボが止まらないと確信して戦場を片付けた。

 勝負は最終戦へもつれ込むことになった

塩田 2-2 津村

 塩田先手でお互いマリガン無し。

 塩田は3ターン目までに《イラクサの歩哨》、《ラノワールのエルフ》、《遺産のドルイド》から、《イーオスのレインジャー》と展開し、さらに《イラクサの歩哨》、《イラクサの歩哨》と繋げ、手札は0だが、マナエンジンの完成しており、ドローソース待ちの状態を作る。

 津村も負けてはいない。《ラノワールのエルフ》から《エルフの大ドルイド》へと繋げると、さらに《献身のドルイド》から、《エルフの大ドルイド》を追加する。3ターン目にして戦場の雰囲気は緊張感に包まれている。いつ死んでもおかしくない、例えばロシアンルーレットをやっている気分かもしれない。見ている方が緊張してしまうほどである。津村は《苔汁の橋》に《原初の命令》を隠しており、ターンが帰ってくれば、ほぼ勝利は確定する。対して塩田は、1枚の引きに賭けるしかない。お互い祈るような気持ちでドローを見届ける。

 そして、その運命のドローは《原初の命令》だった。

 エルフの愛が得られないことを知ると、それが分かっていたかのように少し笑って津村は投了した。

 塩田有真、日本代表入り、おめでとう!。

塩田 3-2 津村

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