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Round 8: 森 勝洋(大阪) vs. 伊藤 光英(埼玉)

Round 8: 森 勝洋(大阪) vs. 伊藤 光英(埼玉)

By Kazumasa Koji

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 日本選手権2010、2日目最初のフィーチャーエリアには初日全勝の2名が呼ばれた。

 4年前の日本王者、森は《ハリマーの波見張り/Halimar Wavewatch》3枚を中心としたLv系クリーチャーが8枚程度と、それをサポートする《敬慕される教師/Venerated Teacher》を2枚搭載した、本人曰く「まぁまぁ」の非常に強力な青白レベルアップデッキを構築することに成功した。再度の戴冠に向けて視界は良好だ。

 それと比べると、伊藤は若干厳しいドラフトを強いられてしまったように思える。メインカラーの緑が上家と被ってしまい、《オンドゥの巨人/Ondu Giant》2枚と《予言のプリズム/Prophetic Prism》を利用して、緑黒にタッチで赤と青のカードをスプラッシュするデッキとなった。が、2パック目の初手で引き当てた《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief》が投入されており、デッキ全体の完成度としては悪くない。

 「最後の高校選手権」を優勝して以来、大きな大会で残した好成績と言えばグランプリで2日目に残った程度。エルドラージ覚醒のドラフトはあまり得意ではなく、初日は相手のトリプルマリガンや、初動が遅い手札をキープして貰えたのが幸運だったと謙虚な口調で語ってくれた伊藤。しかし、幸運だけではマジックは勝てない。グランプリ・仙台のサイドイベントで行われた予選を通過して得た権利で参加したこの日本選手権では、その時使用した青白徴兵デッキを現在のメタゲームに合わせた形で持ち込んで来て、スタンダードで好調を維持している。今日のドラフトでも、満足できるデッキが出来上がった。

 世界の頂点をも経験した男に、実力と勢いを兼ね備えた男が刃を合わせる。

Game 1
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 緊張した面持ちで入念に、入念にシャッフルを続ける伊藤。森は「よし......っ」と呟いて、デッキを伊藤に差し出した。

 先手の伊藤は3枚の土地に《予言のプリズム/Prophetic Prism》、そして重めのカードが数枚という手札を、じっくり悩んでキープした。森は彼らしい即キープだ。

 先に動いたのは森。《ハーダの巡回スパイ/Hada Spy Patrol》を2ターン目に唱え、3ターン目にはレベルアップして攻撃、更にブロックされづらいアタッカーとして《空見張りの達人/Skywatcher Adept》を召喚してこれもレベルアップ。代名詞とも言える手早いプレイで十分なクロックを戦場に用意した。

 伊藤は《予言のプリズム/Prophetic Prism》を置いてドローを進め、最初のクリーチャーこそ《オンドゥの巨人/Ondu Giant》と遅めだったが、続くターンに《踏みつけの仔/Stomper Cub》を召喚し、地上のファッティでプレッシャーを掛ける。

 お互い順調に土地を伸ばし、森は《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest》で地上をも固めた。探してきた《マンモスの陰影/Mammoth Umbra》と《ハイエナの陰影/Hyena Umbra》を一気に《ハーダの巡回スパイ/Hada Spy Patrol》にエンチャントし、6/6先制警戒でなおかつブロックされないというスーパークリーチャーに育て上げる。

 族霊鎧で非常に対処しづらいこの高速クロックは止められず、伊藤はそれを上回る脅威も示せなかった。そのまま森が8連勝へ1歩前進する。

森 1-0 伊藤

Game 2
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 片手で頬を軽く叩き、「よしっ」と自分に気合を入れる森。テニスの選手がガットを触ったり、プロ野球の選手がバットを回すような、集中を高めるルーティンなのだろう。初手を見て少し悩み、《平地/Plains》が2枚で青マナが出ない手札をマリガンした。

 6枚の手札に、最初のドローを加えた森は「よしっ」。1ターン目《空見張りの達人/Skywatcher Adept》、2ターン目《空見張りの達人/Skywatcher Adept》2枚目と《ハイエナの陰影/Hyena Umbra》、そして《敬慕される教師/Venerated Teacher》!

 伊藤の序盤は《胸壁の見張り/Parapet Watchers》から《ムル・ダヤの媒介者/Mul Daya Channelers》《戦慄の徒食者/Dread Drone》と決して悪くは無いのだが、森の飛行クリーチャーを全く止められない。《ムル・ダヤの媒介者/Mul Daya Channelers》でめくれたカードは《墓所の勇者/Crypt Champion》で、これを見た森がまたも「よしっ」と小さく呟く。

 ノリにノリまくっている森は《ハイエナの陰影/Hyena Umbra》のついている方の《空見張りの達人/Skywatcher Adept》をLv3に育てて攻撃を宣言。敵影の無い空から7点のダメージを与えた。

 戦場を眺めながらため息をついた伊藤。アンタップして《虚身の勇者/Null Champion》をドローして召喚するしかない。

 新たに除去を引かれる心配の無かった森は再度の攻撃。またも7点がそのまま通り、伊藤のライフはもうすでに残り1点だ。

 そして3枚目の《空見張りの達人/Skywatcher Adept》を引いてきた森は「よしっ!」。戦場に3体の《空見張りの達人/Skywatcher Adept》が並んだ。

 そして伊藤の攻撃宣言に対して《闇の追い返し/Repel the Darkness》が唱えられると、伊藤は小さく頷いてデッキを畳んだ。

森 2-0 伊藤

伊藤 「1ゲーム目は《予言のプリズム/Prophetic Prism》があったんで、それのドローも含めて軽いカードを何か引ければなんとかなるかなと思ったんですが、やっぱりちょっと温いキープでしたね。2本目はほんとどうにもなりませんでしたけど(笑)」

 ただ一人の8連勝となった森は日曜日への切符を力強く引き寄せた。そして伊藤にも、スタンダードのデッキでリベンジするチャンスは大きく残されている。

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