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Standard Decktech: 石川 翔:バントビックマナ

Standard Decktech: 石川 翔:バントビックマナ

By Tomohiro Kaji

 日本選手権、スタンダード部門で4-0したデッキの中に興味深いものが含まれていた。

 それは《徴兵されたワーム/Enlisted Wurm》。

 確かに、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》や《瀝青破/Bituminous Blast》の続唱から生まれるアドバンテージが強いならば、このカードもありなのか?
 しかし、一般的なジャンドと違い、最初の5マナ以下呪文をキャストしてしまうため、デッキが軽すぎてもダメ、重すぎても弱い構築になってしまう。
 では、どういった意図でこのデッキが生まれたのか、直接インタビューしてみた。

Sho Ishikawa
2010日本選手権 / 初日4-0
4 《天界の列柱/Celestial Colonnade》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3 《海辺の城塞/Seaside Citadel》
2 《地盤の際/Tectonic Edge》
1 《氷河の城砦/Glacial Fortress》
5 《平地/Plains》
3 《島/Island》
3 《森/Forest》
1 《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》

-土地(26)-
3 《前兆の壁/Wall of Omens》
3 《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
3 《徴兵されたワーム/Enlisted Wurm》
2 《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》

-クリーチャー(11)-
4《広がりゆく海/Spreading Seas》
4 《豊穣の痕跡/Trace of Abundance》
3 《忘却の輪/Oblivion Ring》
3 《審判の日/Day of Judgment》
3 《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》
3 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
3 《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》

-呪文(23)-
3 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》
2 《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt》
2 《精神の制御/Mind Control》
3 《天界の粛清/Celestial Purge》
4 《流刑への道/Path to Exile》
1 《審判の日/Day of Judgment》

-サイドボード(15)-

鍛冶 「とても面白い構築ですが、デッキがどうやって出来たのか教えてください」

石川 「2カ月ほど前にPWCを構築したのがきっかけでした。当時のメタゲームの中心のジャンドに勝つことが目的で、環境的にプレインズウォーカーや《前兆の壁/Wall of Omens》が強いので、それを使おうと。」

鍛冶 「ですが、このデッキはバントカラーですよね?」

石川 「はい、そのPWCをいざ使ってみると、上手いプレイヤーの青白に勝てず、《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》ではなく《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》を使ってみたり、という一般的でない構築をいろいろなカードを試してみました。《軍部政変/Martial Coup》なんかの重い呪文とのシナジーもありますし、ゲームに勝ちやすくなると思ったんです。」

鍛冶 「なるほど、確かにジャンドも青白に《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》が強いという話はよく聞きますしね。」

石川 「ですが、サイドボード後の《否認/Negate》が厳しく、重強い呪文では有利にはなりにくいな、代わりの何か優良なアドバンテージを取れるクリーチャーはいないかな、と思いながらカードショップに行ってみたら、《徴兵されたワーム/Enlisted Wurm》に気付きまして。そして使ってみたら《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》のライブラリー操作もあいまって、純粋に強かったんです。」

鍛冶 「なるほど。さらに言えば《否認/Negate》されないカードアドバンテージとしての《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》でもあるわけですね。他のカード選択、特に《豊穣の痕跡/Trace of Abundance》なんか気になりますね。これはどういった意図がありますか?」

石川 「これは純粋なマナ加速な面だけでなく、《天界の列柱/Celestial Colonnade》にエンチャントすることが目的です。土地の状態で被覆しておけば、ジャンドでは対処できませんし、自分の《審判の日/Day of Judgment》に巻き込まれないこと、逆に《広がりゆく海/Spreading Seas》で相手のミシュラランドを無効化出来ることも強みです。ミラーだと《地盤の際/Tectonic Edge》なんかもありますしね」

鍛冶 「確かにエンドカードとしてはかなりの安心感ですね。では、サイドボードの《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt》なんかは何に対して必要なんですか?」

石川 「一番は青緑のターボランドです。《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》や《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》に触れられないので、このカードならタイミングが合えば除去として使えます。他にも、相手がバントカラーだと《流刑への道/Path to Exile》がメインの除去なので、それならばマナが伸びてこちらに有利ですし。もともとは《否定の壁/Wall of Denial》だったんですが、前日に《復讐蔦/Vengevine》を意識するよりも、こっちかなという変更を加えました」

鍛冶 「では、デッキに3枚のカードが多い理由を教えてください。特に、《前兆の壁/Wall of Omens》が3枚なんて、なかなか見かけませんが、どうしてですか?」

石川 「それは、調整と続唱を考えての結果ですね。ライブラリー内のマナ域と、パワーカードの濃度を考えてです。ドローが付いているとはいえ、《徴兵されたワーム/Enlisted Wurm》から《前兆の壁/Wall of Omens》よりも、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》などの盤面に影響を与えるものにしたかったからです」

鍛冶 「確かに、ジャンドも《不屈の自然/Rampant Growth》を採用するのかという点が議論の的になったりもしますしね。構築の時点で確率を高めることは大切だということですね」

石川 「これもPWCチャンピオンシップという大会でエンチャントレスというデッキを使った時に気が付いたことを応用したのが結果に繋がりました。いろんなデッキやカードを使ってみることって、いい経験ですね」

鍛冶 「はい、今回はインタビューに答えて頂きありがとうございました。残りのラウンドも頑張ってください!」

 さて、みなさんも参加者300人中、ひとりだけのデッキで結果を残したいと思ないだろうか?

 インタビューからわかったのは、ローグデッキで勝つためのヒントはいろんなところに落ちている、そしてそれを試すことだ。

 石川は現在、Round8終了時点で7-1。

 今後の結果に期待したい。

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