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準々決勝: 八朔 人平(京都) vs. 玉田 遼一(大阪)

準々決勝: 八朔 人平(京都) vs. 玉田 遼一(大阪)

By Kazumasa Koji

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 2日間、14ラウンドに掛けて行われた激戦を潜り抜けて来た両名。

 「ドラコ爆発」「八朔システム」という言葉をご存知な方々はどれぐらいいるだろうか? 過去第一線で活躍していた八朔が、今年は草津予選を通過して得た権利で、地元で行われる本戦に参加している。少し疲れた表情の訳を聞くと、

八朔 「パラグアイの最期を見届けてきました!」

 と、いうことらしい。

 大阪在住の玉田も、自宅から来場したそうだ。布団が同じな方が良く眠れていいですよね、と話を振ると、

玉田 「それはそうなんですけど、サッカーで家族がうるさくて......」

 と、いうことらしい。  

 赤単バーンの玉田と、ジャンドの八朔。一般的には赤単有利なマッチアップではあるが、一発勝負の場では何が起こるか解らないのは、マジックもサッカーも同じだ。

 2人のワールドクラスな戦いが見たい。

Game 1

 土地6枚に《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》の手札をキープした八朔。そのジャンドは最近珍しい《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》が4枚搭載されているタイプだが、その代償としてメインにインスタントで打てる除去が《稲妻/Lightning Bolt》だけとなっている。

 玉田は1ターン目に《ゴブリンの先達/Goblin Guide》、2ターン目に《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》。3ターン目にも《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》を蘇生して《ぐらつく峰/Teetering Peaks》で強化する爆発的なスタートを切った。

 八朔は《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》で1点ダメージを受けて、既にライフは残り5だ。引き込んだ《荒廃稲妻/Blightning》を打ち込み、4ターン目には《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》。

 が、そのターン終了時に玉田の手札からは2枚の絵柄違いなカードが提示された。

 それは、基本セット2010の《稲妻/Lightning Bolt》と、褒章プログラムのテキストレス《噴出の稲妻/Burst Lightning》。

八朔 0-1 玉田

Game 2
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 今度は2ターン目に《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を展開することの出来た八朔は、続けて《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》。

 《焼尽の猛火/Searing Blaze》を上陸して《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》に打ち、2点のライフを支払わせて合計で5点。更に《地獄の雷/Hell's Thunder》が殴って八朔のライフは11点。

 速攻持ちのクリーチャーが多い玉田のデッキを考えると、攻撃しないでライフを守るという選択もあったが、八朔は果敢に《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》と《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》で攻撃。代わりにサイドインした《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》を召喚してブロッカーとした。

 しかし飛行の《地獄の雷/Hell's Thunder》が八朔を襲い、ライフは残り7。ブロッカーとして《ゴブリンの先達/Goblin Guide》を立たせてターンを終了した。

 まだ玉田は3枚の手札があり、土地も4枚並んでいるので《地獄の雷/Hell's Thunder》が蘇生してくることも考えなければならない。玉田のライフは現在13、八朔の場には《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》、そして5枚の土地には《怒り狂う山峡/Raging Ravine》が含まれている。

 八朔は手札も合わせて必死に計算する。その選択は《荒廃稲妻/Blightning》。《地獄の雷/Hell's Thunder》《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》が捨てられ、玉田はライフ10。

 そして八朔は3体で攻撃。玉田はノーガードでオールスルー、これで玉田は残り3。八朔の手に《稲妻/Lightning Bolt》は無く、ぎりぎりのダメージレースが続く。

 もう次のターンが無い玉田は3枚目の《地獄の雷/Hell's Thunder》を召喚し、墓地から《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》を蘇生する。何も無ければ勝てる計算だ。

 が、2マナ立てていた八朔は落ち着いて《地獄の雷/Hell's Thunder》に《破滅の刃/Doom Blade》を唱えた。 

八朔 1-1 玉田

Game 3

 玉田は1枚ずつ優しくカードを手札に加え、7枚で始めることにした。

 1ターン目に《ゴブリンの先達/Goblin Guide》を召喚。2ターン目は土地が止まったのか、土地を置かずにエンドした。もしかしたら《焼尽の猛火/Searing Blaze》の為に土地を溜めたのかもしれない。八朔も2ターン目に《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を召喚できた。

 玉田は《稲妻/Lightning Bolt》を本体に投げ込み、3ターン目に《山/Mountain》で上陸して《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》に《焼尽の猛火/Searing Blaze》で3点。2点のライフを支払い、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》をブロックして、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》は墓地へと置かれた。《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》で土地を伸ばす八朔。 

 玉田はここで《ボール・ライトニング/Ball Lightning》。《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》が身を挺して八朔を庇うが、4点トランプルダメージを受けて残りライフ3。

 ぎりぎりのゲームが続く。手札が3枚の玉田に対し《荒廃稲妻/Blightning》を唱え、《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》《地震/Earthquake》をディスカードさせた。これで玉田も残り5ライフ。八朔が《山/Mountain》を1枚立ててエンドした為、《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》を蘇生せず、《地震/Earthquake》で2点。玉田に手札は無いが、墓地に蘇生クリーチャーがいる。

 八朔は再度《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》を召喚してターン終了。玉田が《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》を蘇生して攻撃すると、《破滅の刃/Doom Blade》を打ち込む八朔だったが、玉田のトップデッキは《焼尽の猛火/Searing Blaze》だった。 

八朔 1-2 玉田

Game 4
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 隣で行われている池田vs石川は今1ゲーム目が終わった所のようだ。電光石火の切れ味が身上の玉田の赤単は、勝っても負けても勝負が早い。

 そしてこのマッチ3回目となる1ターン目の《ゴブリンの先達/Goblin Guide》。八朔も《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》スタートで、そのスピードに引き離されまいとした。

 《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》に《焼尽の猛火/Searing Blaze》が上陸で打たれ、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》を《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》がブロックし、《荒廃稲妻/Blightning》が唱えられる。3ゲーム目と同じ光景が繰り返されたが、捨てられたカードは《消しえる火/Quenchable Fire》と《地震/Earthquake》だ。《地獄の雷/Hell's Thunder》が八朔のライフを9に引き落とした。玉田の手札はあと2枚ある。

 八朔は《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》を起動して残り8。4マナに到達して《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》を呼び出し、象トークンを生み出した。

 緑のプレインズウォーカーには構わず、《地獄の雷/Hell's Thunder》を手札からプレイして、八朔に攻撃。残り4。玉田は17。

 八朔の4枚の手札は《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》《破滅の刃/Doom Blade》と土地。《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》がトークンを生み出すためクロックはある。《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を唱えて、《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》が土地を2つアンタップ。《破滅の刃/Doom Blade》を構えた。

 玉田は《炎の斬りつけ/Flame Slash》を《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》へ。そのまま《破滅の刃/Doom Blade》を構える選択もあったが、対応して能力を起動し、本体へと2点与えた。玉田は2枚の手札と12点のライフが残っている。

 1/1が3体と、3/3を攻撃に向かわせる八朔。本体で受けた玉田は残りライフが6で、置かれている《怒り狂う山峡/Raging Ravine》も考えると、次がラストターンだ。エンドに《稲妻/Lightning Bolt》で八朔は残りライフ1となった。

 カードを引いて、

玉田 「うわー」

 と悲鳴を上げる。両手の人差し指を立て、大振りのアクションでライフ1をアピールする八朔。

玉田 「一番引いたらあかんカードを引いてしまった......」

 そう言いながら、八朔に《ぐらつく峰/Teetering Peaks》を見せた。

玉田 2-2 八朔


Game 5

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 《ゴブリンの先達/Goblin Guide》から《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》と繋げ、かなりドローに恵まれている玉田。だが、八朔も2ターン目に《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》で応じた。

 3ターン目の《ぐらつく峰/Teetering Peaks》は無く、《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》が蘇生して攻撃。《ゴブリンの先達/Goblin Guide》に《破滅の刃/Doom Blade》が唱えられ、八朔は《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》を1枚使って残りライフ9。
 フルタップで《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を唱えた。

 エンドに玉田は《稲妻/Lightning Bolt》本体で残り6。そしてメインに《地獄の雷/Hell's Thunder》。八朔はこの5ゲーム目、ついにあと2ライフまで追い込まれた。考えた末、《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》で《山/Mountain》を探し出してセットしてから、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》は攻撃せず機会を伺う。

 いかにも《稲妻/Lightning Bolt》がありそうな雰囲気を出している八朔。

 しかし《山/Mountain》を4枚タップして放たれた《地震/Earthquake》が、問答無用で八朔を焼き、玉田 遼一が準決勝へと駒を進めた。

八朔 2-3 玉田

八朔 「1ゲーム目は相当都合のいい展開じゃないと勝てないので、そういう展開が少しでも期待できる手札はキープしようと前日から決めてました。《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》がゴールなんで、あのキープは良かったと思いますね。でも、1回位相手に事故って欲しかったです(笑)」

 俯き加減でとぼとぼと歩く八朔の肩を、仲間が優しく3度叩いた。

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