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準々決勝:北山 雅也(神奈川) vs. 荒井 健一郎(埼玉)

準々決勝:北山 雅也(神奈川) vs. 荒井 健一郎(埼玉)

by Yohei Tomizawa

 全てのプレイヤーは自分より優れたプレイヤーを信じ、共にマジックをすることで上達の一途を辿る。コミュニティーは拡大し、信じ信じられた者達が集い切磋琢磨していき、ただのプレイヤーは強者へと生まれ変わる。そうして全てのプロは生まれ、そうして全ての勝者は生まれ、そうして物語は紡がれてきた。

 今宵ここ全理連ビルにて行われている2009Limits決勝、まだ勝者は生まれていない。

 これからゆっくりと、勝者が誰なのか、最も絆の強いコミュニティーがどこなのかわかるはずだ。

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 浅原という強者を頂点とし、活動するマジック集団浅原連合。トップ8入りした北山は日本王者にも輝いたプレイヤーだ。努力が、強さが生んだ結果だろう。

 だが北山は本当に勝者となったのだろうか?強者であることは誰の目にも明らかであるが、勝者かと言われれば連合内のプレイヤーにも、対戦相手にも、北山自身すら確信がもてるかわからない。

 北山が勝者となるには、まだ越えるべき試練がある。

 五反田にあるthe Forum、午後7時からでもドラフト出来る社会人に優しい憩いの場である。荒井は普段からそこでドラフトに興じ、楽しみ、仲間と共に歩んできた。だがらある時思ったに違いない、自分を、所属する素晴らしいコミュニティーを知らしめたいと。

 彼が今この場にいる理由、それは自分のコミュニティーの強さ、絆を証明することに他ならない。

 そして物語は紡がれる。

Game 1

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 先手は北山。

 2ターン目に北山がキャストした《恐血鬼/Bloodghast》が只管攻撃を繰り返し、荒井は不気味にドローセットゴーを続け、気がつけばライフは14となっていた。

 5枚目の土地を置くと、《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》をキャストし手札を入れ替える。

 このブロッカーを前に北山は長考する。手札に《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》はいるが、これをキャストしてしまうと《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》に対処するカードがなくなってしまうからだ。

 考えた末にキャストし、予定調和に《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》がキャストされ、北山の前に立ちふさがる。

 だが爆弾カードを持つのは荒井だけではない。《堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen》を叩きつけ、上陸すると2体のクリーチャーで攻撃を宣言する。

 この攻撃をライフを削るためのチャンプアタックだと考え、荒井は《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》でブロックを宣言する。被覆を持つこのクリーチャーが、黒マナ1枚でどうにかなるわけがない、当然の思考からだ。

 ブロックを確認すると北山は《沼/Swamp》をタップし、《吸血鬼の一噛み/Vampire's Bite》をキャストする。窮鼠猫を噛むとはまさにこのこと。まさかの相打ちにて、ライフは7、一気に不利な場に。

 《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling》をキャストするも、この場ではあまりにも弱弱しい。

 北山の2体で攻撃を受け、荒井《乱動への突入/Into the Roil》をキッカーなしで《堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen》へキャストし、門番をブロックする。北山はそこへ《見栄え損ない/Disfigure》をキャストし、イニシアチブを離さない。

 第2メインでキャストしたのは《堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen》ではなく、《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》。荒井が《乱動への突入/Into the Roil》にキッカーを払わなかった点と、4マナから想像するに《召喚士の破滅/Summoner's Bane》を意識したのだろう。

 最後まで《召喚士の破滅/Summoner's Bane》をケアし、既にあるクリーチャーだけでライフを詰め、残りが2となった所で《猛火の松明/Blazing Torch》をプレイヤーに向けて起動した。

北山 1-0 荒井

Game 2

 1マリガンしたものの、北山は1ターン目に《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》といういいスタートをきる。

 4ターン目に攻撃し荒井のライフは14となり、《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile》をキャストする。今回はブラフでもなんでもなく《召喚士の破滅/Summoner's Bane》がキャストされ、イリュージョントークンが生まれる。

 《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》をキャストし、能力がスタックに積まれた所で《業火の罠/Inferno Trap》の的となる。

 6ターン目に《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》が現れ北山はこの隙に《不気味な発見/Grim Discovery》で《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》を回収する。

 今回は《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》が除去されず、攻撃し11となり《風乗りの長魚/Windrider Eel》が追加される。

 2度目の《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》でライフは12-10になる。さらに《血の饗宴/Feast of Blood》をキャストすることで偽りのダメージレースを演出しようとするが、《乱動への突入/Into the Roil》が目論見を打ち砕く。

 《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》が2度目の攻撃を行い、北山のライフは6。

 《マグマの裂け目/Magma Rift》で《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》を対処し、再び《風乗りの長魚/Windrider Eel》をキャスト。

 ドローを見ると北山は投了。

北山 1-1 荒井

Game 3

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 北山はノーランドマリガン、荒井も《天空のアジサシ/Welkin Tern》と《マグマの裂け目/Magma Rift》土地5枚をマリガンし、オールランドでダブルマリガンとなってしまう。
 ここで荒木が驚きの行動に出る。2ターン目に《霊気の想像体/AEther Figment》をキャストしたのだ。

 続く《板金鎧の土百足/Plated Geopede》こそ《見栄え損ない/Disfigure》で除去するが、北山の場にはクリーチャーが現れない。

 1点、されど1点、気がつけば北山のライフは14まで落ち込む。

 やっとのことで5枚目の土地を引き、荒井は《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》。捨てたのは《マグマの裂け目/Magma Rift》、《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling》、《島/Island》という高カロリーなカード達だ。

 本当は北山の方が早く5枚目の土地に辿りついていたのだが、《ピラニアの湿地/Piranha Marsh》であったため、1ターン遅れることとなってしまった。

 《光輪狩り/Halo Hunter》、《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》といった主力クリーチャーをキャストするが、ここに除去、2度の《乱動への突入/Into the Roil》にてテンポを、ライフを失い続け4まで落ち込む。

 3度目の正直と、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》から《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》でライフは北山6-15荒井。バンパイアが2体揃ったため《血の饗宴/Feast of Blood》の条件を満たし、ライフを9まで回復する。

 余程緊張が続いたのか、有利に傾いたための心の緩みからか、北山は《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》と《墓所王の探索/Quest for the Gravelord》へカウンターを乗せ忘れてしまう。

 ミスはミスを呼び、セットランド後にキャストした《恐血鬼/Bloodghast》へ《召喚士の破滅/Summoner's Bane》がキャストされると、勝っているにも関わらず恥ずかしそうに北山は俯く。

 いくら相手がミスろうが、ギャラリーが湧こうが、手札が土地ばかりでは荒井にはどうしようもない。

北山 2-1 荒井

 4枚でのランドストップ、相手のバウンスや除去により、かなりの劣勢に追い込まれながらも北山は勝利した。実際《ピラニアの湿地/Piranha Marsh》は入れるかどうか迷ったらしいが、ピックしたんだからと投入を決意したらしい。何もここで引かなくても。

 卓内に黒が増えてしまい、思うようにドラフト出来ず苦しんだという北山。《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》《血の饗宴/Feast of Blood》といったバンパイアに逃げることで形にしたものの、《愚鈍な虚身/Mindless Null》や《吸血鬼の一噛み/Vampire's Bite》といった弱い部分が多数ある。それでも勝ったのは流石の一言。

 荒井に聞くと3本目、攻めているため気持ちが競ってしまい、2枚目の《乱動への突入/Into the Roil》を打ったのがミスだったと教えてくれた。あのカードの対象は《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》にし、自分の有効牌を増やすべきだったとのことだったと。

 荒井は試合に負けたが、《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》、《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》から始めた卓1青戦略は素晴らしいものであった。

 勝った北山は次の試練に向かう、勝者となるために。

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