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シールドデッキ構築:黒田 正城(大阪)

シールドデッキ構築:黒田 正城(大阪)

By Takamasa Sato

 The Limits2010は一味違う。

 5年ぶりの世界選手権が日本で開催されているため、「世界選手権併催イベント」として行われているのだ。

 バイヤーブース、企業ブース、各種の豪華併催イベント、そして、世界最強プレイヤー決定戦である「世界選手権」。

 すべてが同じ会場で行われるため、来場者数は増え、例年以上の熱気が充満している。外国人の数も多く、いつもの会場とは雰囲気が違う。プレイヤーたちの顔からもいつも以上の緊張と興奮が見てとれる。

 最後に行われるオールカードドラフトまで含めればラウンド数にして10回戦。ピックや構築まで含めると13回戦相当に及ぶ長丁場。

 その第一歩は、ミラディンの傷跡6パックによるシールド戦から始まる。ここで良いプールに恵まれるか、それを生かし切れるかが、今後のすべてを左右するのだ。

 お伝えするのは、日本人初のプロツアー王者といえばこの方、黒田 正城のシールド構築である。

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 MOではプレイしているものの、紙でのシールドはこれで3回目という黒田。練習量が十分とは言えないが、黒田にはあの伝説上の生物がついている。

黒田 「(ミラディンの傷跡には)あわせて5枚おるし、まあ引くやろ」

 そう、天使とドラゴンである。これまで何度も黒田を勝利に導いてきた二種類の翼は、果たして今回も舞い降りるのか。

 まずは、カードプールのチェックから。白、青、赤と順にめくる黒田は苦しい表情。まともなカードもゴッドレアもない。

 しかし、黒に進むとそこには《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon(SOM)》が。

 やはり、黒田にはドラゴンを引き寄せる力があるようだ。つづいて緑からは《化膿獣/Putrefax(SOM)》と《荒々しき力/Untamed Might(SOM)》。さらにアーティファクトに進むと2枚の《胆液爪のマイア/Ichorclaw Myr(SOM)》と《屍百足/Necropede(SOM)》が。

 これで一気に方針を固め、環境最有力キーワードである「感染」デッキを並べ始める。

 クロック2倍、軽減不可という「毒」システムは、アーティファクトと並んでこの環境の大きな特徴である。しかし、ドラフトならまだしもシールドで組むためには、ある程度のプールと構築能力が必要なのだ。

 黒田は勢いよく可能性のあるカードを抜き出し、マナカーブごとに並べて確認する。

 感染生物は9枚。最強の装備品の一枚である《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle(SOM)》や、《先駆のゴーレム/Precursor Golem(SOM)》と《汚れた一撃/Tainted Strike(SOM)》コンボもある。この時点でかなり強力だ。プールには恵まれている。あとは構築のみ。

 唯一の不安要素はアーティファクト除去の少なさ。《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica(SOM)》と《酸の巣の蜘蛛/Acid Web Spider(SOM)》しかないのだ。

 そこで黒田は一瞬だけ赤の《粉砕/Shatter(SOM)》《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》に目をやるが、タッチするほどのことはないと、早々に放棄。

 ここまでわずか五分。さすがのスピード。早くも微調整に入った。

 2枚ある《肉体アレルギー/Flesh Allergy(SOM)》を1枚削り、余った装備品である《調和者隊の盾/Accorder's Shield(SOM)》《闊歩するものの装具/Strider Harness(SOM)》と3枚並べて検討する。結局は2枚の《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff(SOM)》と《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle(SOM)》があるため、装備品は足りていると判断。

 最後まで悩んでいたのは《酸の巣の蜘蛛/Acid Web Spider(SOM)》である。確かに強力なカードではあるが、既に3枚の5マナ域を要する黒田のデッキには重いかもしれない。

 結局、色のあったマイアが2枚あること、シールドがパワーカードの押収する環境であることから、《酸の巣の蜘蛛/Acid Web Spider(SOM)》を選択した。

 黒田はたっぷり時間を残し、パワーカードも除去もコンボもある、見事な感染デッキを仕上げた。

黒田「《酸の巣の蜘蛛/Acid Web Spider(SOM)》はミスかもしれんけど、(シールドでは)後手とるし、2マナ域が充実しとるからね」

 確かに、2マナの感染生物が5体に、軽くて強い装備品が3枚。マナマイアから二種類の「三角護符」にアクセスできれば、一気に有利な場となる。

 あとは、相手次第。サイドから追加の除去である2枚目の《肉体アレルギー/Flesh Allergy(SOM)》を追加したり、《電弧の痕跡/Arc Trail(SOM)》のある相手にはマナマイアを抜いて土地と入れ替えるプランもあり得るという。

黒田「4-0は難しいかもしれんけど、頑張れば3-1はいけるかな」

 少しの謙遜が含まれているように思えたがシールドは伏魔殿。どんなゴッドデッキに当たるかは誰にもわからない。

 黒田に黒きドラゴンの加護があらんことを。 

黒田正城
リミッツ2010 / シールド
8 《森/Forest》
8 《沼/Swamp》

-土地(16)-
1 《煙霧吐き/Fume Spitter》
1 《荒廃のマンバ/Blight Mamba》
1 《疫病のとげ刺し/Plague Stinger》
2 《胆液爪のマイア/Ichorclaw Myr》
1 《屍百足/Necropede》
1 《鉛のマイア/Leaden Myr》
1 《銅のマイア/Copper Myr》
1 《刻まれた勇者/Etched Champion》
1 《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica》
1 《伝染病の屍賊/Contagious Nim》
1 《化膿獣/Putrefax》
1 《先駆のゴーレム/Precursor Golem》
1 《酸の巣の蜘蛛/Acid Web Spider》
1 《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon》

-クリーチャー(15)-
2 《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》
1 《汚れた一撃/Tainted Strike》
1 《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle》
1 《転倒の磁石/Tumble Magnet》
1 《感染の三角護符/Trigon of Infestation》
1 《堕落の三角護符/Trigon of Corruption》
1 《肉体アレルギー/Flesh Allergy》
1 《荒々しき力/Untamed Might》

-呪文(9)-

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