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Round 1: 渡辺 雄也(神奈川) vs. Paulo Vitor Damo da Rosa(ブラジル)

Round 1: 渡辺 雄也(神奈川) vs. Paulo Vitor Damo da Rosa(ブラジル)

By Daisuke Kawasaki

 プレイヤーと、得意な色の組み合わせというのは、意外と印象に残っているものだ。

 「シミックの王子」清水 直樹(大阪)の青緑はすでに芸の域に達しているとしても、たとえば八十岡 翔太(東京)や高橋 優太(東京)といえば青黒だし、殿堂プレイヤーの藤田 剛史(大阪)といえば赤系だろう。

 そんな中で、個人的に、渡辺 雄也(神奈川)といえば、赤青の印象が強い。青白(ナシフヒバリ)・青黒(フェアリー)と青系のデックで日本選手権を戦ってきている渡辺なのだが、グランプリ・京都を制した時のイゼットロンやグランプリ・神戸の時のストームのように青赤を使っている時こそ輝いているイメージがある。そういえばプロツアー・京都でも青赤スワンを使っていた。

 そして、今回渡辺が使用したのが、齋藤 友晴(東京)・三田村 和弥(千葉)と共同開発した青赤《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》だ。レベル8がそろっての調整、もしくは東京・千葉・神奈川の関東三國志がそろっての調整というわけで、胸のワクワクを押さえきれない。

 さらに、対戦相手が、プロツアー・サンファン王者であり、Channel FireballメンバーでもあるPVことPaulo Vitor Damo da Rosa(ブラジル)とあっては、このマッチをフィーチャーしない理由はないだろう。

 ドランを使用するPVに対して、Game 1はダブルマリガンから土地が2枚で止まり、ゲームを落とした渡辺。Game 2からの巻き返しを期待したい。

R1_Watanabe_PV.jpg

Game 2

 勝負はまだ序盤。PVは《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》と《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をコントロールし、渡辺も《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をキャストしている状況。

 ここで《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》を《マナ漏出/Mana Leak》し、渡辺のマナがなくなったところでPVは《殺戮の契約/Slaughter Pact》。渡辺の《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が除去され、PVの《タルモゴイフ/Tarmogoyf》がアタックする。これで渡辺のライフは14。

 3枚目の土地がひけず、赤マナもない渡辺。ここで伝家の宝刀《思案/Ponder》を使用すると、《霧深い雨林/Misty Rainforest》と《魔力変/Manamorphose》2枚という内容。ため息をついて、小考した末に、《霧深い雨林/Misty Rainforest》を一番上にのせてドロー、そしてセット。

 PVは《殺戮の契約/Slaughter Pact》のマナを支払うと、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》でアタック。これで渡辺のライフは10。そして、ターンエンドに《霧深い雨林/Misty Rainforest》を使用して、9。

 渡辺のターン、ドローは《滝の断崖/Cascade Bluffs》。渡辺はこれをセットすると、自身の残りライフと盤面のクロックを計算し、ターンを返す。

R1_Watanabe_Thinking.jpg

 PVは《樹上の村/Treetop Village》をクリーチャー化して攻撃宣言。これに対して渡辺はまず、手札の《魔力変/Manamorphose》を使用して{R}{R}を生み出すと、合計三つの赤マナを使って、《稲妻/Lightning Bolt》2発と《罰する火/Punishing Fire》をキャスト。《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と《樹上の村/Treetop Village》の両方を除去する。

 そして、返しでシークレットテックである《田舎の破壊者/Countryside Crusher》をキャストする。対策カードである《虚空の力線/Leyline of the Void》をキャストしたPVだったが、できてしまったクロックが対応できない。

 渡辺は、2体目の《田舎の破壊者/Countryside Crusher》をさらに追加し、1体目で攻撃。対して、PVは《壌土のライオン/Loam Lion》を追加する。

 渡辺は《田舎の破壊者/Countryside Crusher》2体で攻撃。このうち1体を《樹上の村/Treetop Village》でブロックしたPVだが、これでライフが7になってしまう。渡辺はさらに《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をキャストする。

 ここで+2能力を使った渡辺。PVは《壌土のライオン/Loam Lion》で攻撃し、渡辺のライフは7。返しで渡辺の《田舎の破壊者/Countryside Crusher》を《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》でブロックしたPV。しかしここで《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》の《渦まく知識/Brainstorm》能力を使った渡辺が都合3体目となる《田舎の破壊者/Countryside Crusher》をキャストする。

 《壌土のライオン/Loam Lion》で攻撃できなくなってしまったPV。この《壌土のライオン/Loam Lion》を《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》の-1能力で手札に返すと2体の《田舎の破壊者/Countryside Crusher》で攻撃。そして、手札から《罰する火/Punishing Fire》をキャストすると、PVは土地を片付けたのだった。

渡辺 1-1 PV

Game 3

R1_PV.jpg

 先手PVは1ターン目に《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》をセット。対して、渡辺は1ターン目に《思案/Ponder》。この《思案/Ponder》でみた3枚は気に入ったようで、シャッフル無しを宣言する渡辺。このターンエンドに《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》が起動されて《つぶやき林/Murmuring Bosk》がサーチされる。このギミックが、この環境でのドランの強さを支えているといっていいだろう。

 そして、PVは《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》をキャスト、続くターンにキャストした《タルモゴイフ/Tarmogoyf》は《マナ漏出/Mana Leak》されてしまったが、渡辺のライフを16とする。

 2枚の《マナ漏出/Mana Leak》に《定業》、そして《田舎の破壊者/Countryside Crusher》《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》《沸騰する小湖/Scalding Tarn》《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》という手札の渡辺は小考。そして《定業》でみた2枚を下に送ると、ドローしたカードが《罰する火/Punishing Fire》という驚異的なトップデックを見せる。《沸騰する小湖/Scalding Tarn》をセットしてターン終了。

 ここでPVは《思考囲い/Thoughtseize》をキャストした。

VS
カウンターすべきか?

 渡辺は、ここで再び長考する。PVの残りマナは2マナ。そして、前のターンもタップインの土地をおいていた以上、このターンもタップインの可能性が高く、《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》のための罠の可能性は低い。そして、すでに《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》と《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を1枚ずつみているため、2マナの脅威が追加される可能性は低い。

 なにより、ここで《マナ漏出/Mana Leak》を2枚握っていることを知られつつ、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を落とされてしまうのは非常に厳しい状況になってしまう。渡辺は《沸騰する小湖/Scalding Tarn》を起動して《島/Island》をサーチ、そして《マナ漏出/Mana Leak》でこれを打ち消す。PVは《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》で攻撃して渡辺のライフは11。そして、2体目の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》と《樹上の村/Treetop Village》が追加されてターン終了。

 これによって、手札は強いものの、マナが追いついていない渡辺。生き残り、逆転するためのプランを必死に構築する。このターンに引いてきたカードは《定業》。マナは《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》をセットして4マナ。《定業》を使用するか否かを検討した末に、渡辺は《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をキャストし、その能力で《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を1体手札へと戻す。

 PVは《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》へと攻撃させると、再び《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を召喚し、さらに《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》を追加。そしてその能力でライブラリーのトップへ《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》を積み込む。

 渡辺は力強くドロー。そのカードはまたも《マナ漏出/Mana Leak》。ここで《定業》を使用すると、トップの2枚は《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》と《沸騰する小湖/Scalding Tarn》。これを2枚とも下に送り込み、ドローしたカードは《滝の断崖/Cascade Bluffs》。セットしてターンを返す。

 PVは《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》2体で攻撃すると、ライフを支払わず、渡辺のライフは7。ここで《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》をキャストしようとしたPVだったのだが......白マナと黒マナの出せる土地が《つぶやき林/Murmuring Bosk》2枚しかなく、プランを変更して《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》をキャストする。これは《マナ漏出/Mana Leak》。

 渡辺のターン。ここで時間が終了し、エクストラターンへと突入する。渡辺は《沸騰する小湖/Scalding Tarn》をセットし、《田舎の破壊者/Countryside Crusher》を召喚する。

 PVは、《田舎の破壊者/Countryside Crusher》へと《流刑への道/Path to Exile》。のこり3マナあるため、これを《マナ漏出/Mana Leak》できない渡辺。そして、《樹上の村/Treetop Village》と《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》2体が攻撃したことで、渡辺の残る7点のライフは削りきられてしまったのだった。

渡辺 1-2 PV

渡辺 「ドランとの相性はそこまでは悪くないんですけど、Channel Fireball勢のやつには《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》が入っているんですよね。こっちの調整していたバージョンは《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を入れていなかったので、その辺が厳しいです」

 《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》は《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》相手以外ではそんなに強いパーツではないが、おそらく、Channel Fireballのメンバーは青赤《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》をメインのメタのひとつとして絞ってきているのだろう。

渡辺 「あの《思考囲い/Thoughtseize》を打たれたターンのプレイは、本当に難しいプレイでしたし、まだ結論がでません......ちょっと友晴君に聞いてみて、次に活かしたいと思います」

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