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Round 5: Kai Budde(ドイツ) vs. Yuri Kolomeyko(ウクライナ)

Round 5: Kai Budde(ドイツ) vs. Yuri Kolomeyko(ウクライナ)

By Yusuke Yoshikawa

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 過去のある時期の出来事が、ひとかどの人物の姿によって記憶され、また思い出されるとき、それを彼の「時代」であったという。
 しかし、その言葉ですら表現しきれない人物、それがKai Buddeだ。

 1999年にヨーロッパ開催のグランプリを3連続優勝したことに始まって、そこから数年にわたりあまたのタイトルを獲得してきたKaiは、『German Juggernaut(ドイツの巨大戦車)』として恐れられ、また尊敬されてきた。
 その時代のマジックは、常にKaiとともにあった。

 そのうちのひとつ、2001年のプロツアー・バルセロナでトップ8に入賞しているのが、対戦相手のYuri Kolomeykoである。彼もまた、その時代を彩った人物のひとりであり、帰還者でもある。
 当時を思い出すかのように、Yuriや英語版ライターのBill Starkと会話するKai。

 数年前に一線を離れて以来、ヨーロッパ開催のイベントに時折出場するにとどまっていた彼だが、ここアムステルダムで4連勝を果たし、このスポットライトの下にいる。

 時を越えて、鳳凰は再び舞うか。

Game 1

 ダイスロールで先攻を得たKaiは、《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》からゲームを開始する。
 デッキは白単ビートダウンで、わずかに青いカードがタッチされている。いつの時代も存在すると言われるありふれた志向性ながら、KaiやJelger Wiegarsma(オランダ)といった殿堂プレイヤー、また殿堂入り間近と言われるGabriel Nassif(フランス)が使用していることから、会場では「殿堂白単」という名前で呼ばれ始めているデッキだ。
 これに対し、赤単のYuriが《稲妻/Lightning Bolt》で応じると、Kaiはさらに2枚の《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》を静かに並べる。Yuriは少しの困り顔、だが《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》で攻撃を押しとどめる。
 Kaiは手札を見つめながら、3枚目の土地を置くことなくターンを返す。
 Yuriは《ゴブリンの先達/Goblin Guide》を追加して、勇躍2体で攻撃。Kaiは攻撃を受けることを選び、2枚目の《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》が追加されてライフ13。
 意図的に「土地で追い越された」状態を作り出し、《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》を呼ぶ。能力で《平地/Plains》を導いた上で、《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》を置いて攻撃。Yuriに8点のダメージを与える。土地を2枚残して終了とした。
 アップキープに《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》の一方が去り、突撃してくる《ゴブリンの先達/Goblin Guide》を《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》でブロックし、《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》を通すKai。まだライフは9点ある。
 Yuriは4枚の手札と、3枚の《山/Mountain》を静かに見つめている。

 次の瞬間、Kaiはわずかに動きを止めて、そして静かにうなずいていた。
 すなわち、《稲妻/Lightning Bolt》、《稲妻/Lightning Bolt》、《欠片の飛来/Shard Volley》。

Yuri 1-0 Kai

Game 2

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 Kaiが初動で放った《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》に、わずかに顔をしかめるYuri。しかし静かに《運命の大立者/Figure of Destiny》で応える。さらにKaiは《避難所の印/Mark of Asylum》をプレイして守りを固める。
 Yuriは《ゴブリンの先達/Goblin Guide》で攻撃していくが、Kaiに土地を与えた上、《運命の大立者/Figure of Destiny》は止められて、2点のダメージを与えるのみ。

 Kaiが《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》に加え《闘争の学び手/Student of Warfare》を送り込む。Yuriは3枚目の土地を引けないまま、《裂け目の稲妻/Rift Bolt》を待機する。Kaiは《清浄の名誉/Honor of the Pure》を張り、レベルアップで4/4となった《闘争の学び手/Student of Warfare》で攻撃を開始。
 Yuriはターン終了時に《稲妻/Lightning Bolt》、待機明けの《裂け目の稲妻/Rift Bolt》と浴びせるのだが、《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》を見ながら、その手にも心なしか力がない。
 結局、火力は次の《火葬/Incinerate》が最後で、《運命の大立者/Figure of Destiny》が《天界の粛清/Celestial Purge》され、《闘争の学び手/Student of Warfare》が順調にレベルアップして突撃してくるのを見て、彼は静かにカードを片付けた。

Yuri 1-1 Kai

 今回のフィーチャーマッチ・エリアは、トーナメント会場とは別のホールのステージにしつらえられている。スポットライトが照らす光は強く、暑さを感じるほどだ。
 1999年、横浜。そのときも彼は強いスポットライトに照らされ、赤いデッキを前にしていた。
 そのときと違うのは、赤単と対峙しているのが彼だということだ。

Game 3

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 ゲーム間の和やかな会話とは裏腹に、刹那的な戦いが続くゲームは勝負の3本目。互いにマリガンはなし。
 Yuriは《山/Mountain》を置くのみ。Kaiは《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》をきっちり引き当てている。
 Yuriは2枚目の《山/Mountain》を置いてそのままターンを返すが、Kaiも何もせずにターンを返す。YuriはKai自身に《火葬/Incinerate》。続いて《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》が現れるが、盤面に大きな影響は及ぼさない。
 Kaiが《幽体の行列/Spectral Procession》を出して戦力を高めると、Yuriはメインフェイズの《火山の流弾/Volcanic Fallout》で流そうとする。当然、《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》と交換に。
 続くターンにKaiは《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》から《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》の2枚目、3枚目を用意。
 《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》本人こそ《焼尽の猛火/Searing Blaze》されるものの、次なる《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》が《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》の都合4枚目と、《運命の大立者/Figure of Destiny》を調達してくる。

 打つ手なしと考えたYuriは、ほどなくして赤いカードを片付けた。

Yuri 1-2 Kai

 これで5連勝となったKai。
 この連勝はどこまで続くのか? 往時をも超えるパフォーマンスを、このプロツアー・アムステルダムを突き進むのか?
 次なる戦いは、基本セット2011を使用したブースタードラフト。
 そう、《巨大戦車》=「Juggernaut」が帰還したセットである。

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