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1st Draft: 王者の復活・大澤 拓也

1st Draft: 王者の復活・大澤 拓也

By Daisuke Kawasaki

 津村 健志(大阪)がプロシーンに復活し、殿堂プレイヤーにして伝説のプレイヤーKai Budde(ドイツ)がエクステンデッドラウンドを全勝したことで、「復活」がキーワードとなりそうなプロツアー・アムステルダム。

 そんな中で、ここにも虎視眈々と復活劇を狙っているプレイヤーがいる。

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 プロツアー・プラハチャンピオンにして、プロツアー・ジュネーブファイナリスト。2年連続でリミテッドプロツアーの決勝戦に進出したことで知られる「王者」大澤 拓也(神奈川)だ。

 ここしばらくはプロツアーから離れていた大澤だが、今回、PTQを突破し、再起を狙う。とはいうものの、エクステンデッドラウンドでは2勝3敗とすでに後がない状態でドラフトを迎えることとなってしまった。

 だが、一時は世界最強のリミテッダーと呼ばれた男。ここで見事3連勝し、二日目に進出するという物語を演出してもらいたい。

 というわけで、ここでは2年ぶりにプロツアーに戻ってきた「王者」のピックを追いかけたい。


1st Pack


1手目

 ここでの選択肢は、《堕落/Corrupt》《鋼の監視者/Steel Overseer》《予感/Foresee》の3枚。

 ドラフト開始前には「できれば黒がやりたいです。次は青。緑はやりたくなくて、白も強さの割に競合してしまうので避けたいです」と言っていた大澤。

 実際にかなり《堕落/Corrupt》には惹かれていたようだが、「初手でとるのはやっぱり厳しい」ということで、ここでは《予感/Foresee》をピックする。

2手目~5手目

 2手目は《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》以外の選択肢も《耕作/Cultivate》《覚醒のドルイド/Awakener Druid》と緑のカードしかない状況。

 ここは「ボムを引いたときに、受けられる」という理由で《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》をピック。

 3手目以降もめぼしいカードがなく、3手目では《巨大戦車/Juggernaut》との2択で「青を一応メインに据えたい」という理由で《取り消し/Cancel》を、4手目は選択の余地なく《針刺ワーム/Spined Wurm》をピックしている。

 5手目は《石のゴーレム/Stone Golem》との選択で《帰化/Naturalize》をピックしている。
 「《囁き絹の外套/Whispersilk Cloak》をはじめとした装備品で負けることが多いから、グッドサイドボードを確保しておきました。実際、緑は5マナ域が余るデッキになることが多いので、《石のゴーレム/Stone Golem》はとりにくいです」という理由である。

6手目

 ここまで厳しいピックの続いた大澤だったが、6手目というかなり遅い順目で《マナ漏出/Mana Leak》を確保するという幸運に恵まれた。

大澤 「これで青はかなりあいてるのかな、とおもいました」

7手目・8手目

 その大澤の予感は的中する。7手目に《取り消し/Cancel》との選択で《定業/Preordain》をピックした続く8手目。ここでなんと2枚目の《マナ漏出/Mana Leak》を確保することに成功したのだ。

9手目

大澤 「《送還/Unsummon》が1週してきたのは地味にうれしかったですね。結構好きなんです、このカード」

 脇を固めるカードが充実した1パック目。是非とも、中核となるカードをピックできる幸運に期待したい。


2nd Pack


1手目

 ここで、待望の《霜のタイタン/Frost Titan》が登場。《巻物泥棒/Scroll Thief》《水の召使い/Water Servant》と青い強力カードもあったものの、さすがにこの神話レアをピックする。

大澤 「このときはまさか、あんなことが起こるとは......」

2手目・3手目

 2手目は文句なく《霊気の達人/AEther Adept》をピックした大澤だったが、3手目では緑系の強力カードである《大いなるバジリスク/Greater Basilisk》をとらずに《稲妻/Lightning Bolt》をピックする。

大澤 「この時点でテンポ系の青緑はつくれなそうだったので、青緑の2色は僕の中ではなかったですね。除去をタッチできる形にしたかったので、ここは《稲妻/Lightning Bolt》を優先しました」

 そして、付け加える。

大澤 「あと、緑の5マナ域は余るので」

4手目~8手目

 泣く泣く流した《巻物泥棒/Scroll Thief》を4手目で拾い、5手目では《マナ漏出/Mana Leak》の3枚目をピック。大澤の予想通り、青はかなりあいている色のようだ。

 選択肢のなかった6手目で緑の5マナ域である《針刺ワーム/Spined Wurm》をピックし、追加の除去である《焼却/Combust》を手に入れる。

大澤 「青と白のないデッキはほとんどいないので、《焼却/Combust》はメインから入れられるカードですね」

 さらに、《巻物泥棒/Scroll Thief》を通すためにも除去がほしいところで《氷の牢獄/Ice Cage》をピック。爆弾カードである《霜のタイタン/Frost Titan》を始め、除去も十分に確保でき、十分な2パック目であった。

 と、思いきや...

9手目

 なんと、一周してきた《巻物泥棒/Scroll Thief》。

大澤 「これはさすがに驚きましたね」

 なんにせよ、必要十分な枚数のカードはそろった大澤。あとは3パック目でどこまでデックを強くできるか、だ。


3rd Pack


1手目

 ここでは文句なしの《精神の制御/Mind Control》をピックした大澤だが、レアは《悪斬の天使/Baneslayer Angel》、コモンに《破滅の刃/Doom Blade》というカロリーの高いパック。

大澤 「いや、神話レア2枚もでるもんですかね」

 それが王者の風格というものだろう。

2手目・3手目

 3枚目の《巻物泥棒/Scroll Thief》と2枚目の《稲妻/Lightning Bolt》という、デックを強化するのに十分なパーツを手に入れた大澤。

 その後、4手目で《大蜘蛛/Giant Spider》、5手目で《大いなるバジリスク/Greater Basilisk》と脇を固めるパーツを手に入れて、作り上げたのがこのデックだ。


大澤 拓也
プロツアー・アムステルダム2010 / 1st Draft
6 《森/Forest》
8 《島/Island》
2 《山/Mountain》
1 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》

-土地(17)-

1 《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》
1 《霊気の達人/AEther Adept》
3 《巻物泥棒/Scroll Thief》
1 《大蜘蛛/Giant Spider》
1 《大いなるバジリスク/Greater Basilisk》
2 《針刺ワーム/Spined Wurm》
1 《霜のタイタン/Frost Titan》

-クリーチャー(10)-
1 《定業/Preordain》
1 《送還/Unsummon》
2 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《マナ漏出/Mana Leak》
1 《氷の牢獄/Ice Cage》
1 《垂直落下/Plummet》
1 《焼却/Combust》
1 《取り消し/Cancel》
1 《予感/Foresee》
1 《精神の制御/Mind Control》

-呪文(13)-


 ピックについては「白やれてて《悪斬の天使/Baneslayer Angel》とれてた可能性もあったかもしれませんけど、相当厳しかったはず。80点くらいのピックはできたと思います」といい、3勝も十分に視野に入れられるデックが完成した大澤。

大澤 「ただ、《巻物泥棒/Scroll Thief》と《マナ漏出/Mana Leak》が流れすぎてたのが気になりますね......実はこの辺のカード本当は弱いのかもしれないって不安になってきてしまいました」

 その答えは、残りの3ラウンドを戦えば明らかになるだろう。

 「緑の5マナ以上は余る」とマナ域を強く意識し、的確な構成のデックを構築した大澤。さすがは「王者のマナベース」と呼ばれただけのことはある。

 果たして、王者は復活なるか。期待して見守りたい。

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