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2nd Draft: 白黒つける程度の能力:渡辺 雄也(神奈川)

2nd Draft: 白黒つける程度の能力:渡辺 雄也(神奈川)

By Daisuke Kawasaki

 プロツアー・アムステルダムの二日目が始まった。まずはドラフトが3ラウンド、そしてエクステンデッド5ラウンドが行われ、栄光の日曜日へ進む8人が決定される。

 とにもかくにも、まずはドラフトの3ラウンドを勝ち抜かなければならない。そこで重要になるのが、相棒となるデックだ。

 この第2ドラフトでは、1敗ラインの渡辺 雄也(神奈川)のドラフトピックを追いかけてみよう。

 ピック開始前に渡辺に念のためにピックしたい色をきいてみると、やはり「青」との回答。この回答は想定の範囲内なので、組み合わせたい色をきいてみよう。

渡辺 「一番は青黒ですね。逆にやりたくないのは青緑です。《棍棒のトロール/Cudgel Troll》や《分裂するスライム/Mitotic Slime》クラスのカードからじゃないと緑にはいけないですね。青白と青赤は個人的には同じくらいと考えています」

 青赤の評価が高いのは意外だ。

渡辺 「確かに赤は弱いんですが、うまく赤のカードを使えると、中盤で火力を拾えたりと得することも多いですからね。その辺含めて、卓操作は重要な要素だと考えています」

 それでは、実際の渡辺のピックを追いかけてみよう。


1st Pack


1手目

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 渡辺の1手目は《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》。残りの候補も、《放蕩紅蓮術士/Prodigal Pyromancer》《泥沼病/Quag Sickness》《耕作/Cultivate》あたりしかないパックであり、文句なしのピックといえる。

2手目

 2手目でピックしたのは、《雲の十字軍/Cloud Crusader》。白黒はあまりやりたくないと事前に語っていた渡辺だが......

渡辺 「白黒に行く、というよりも、まだ序盤なので黒にこだわる必要は無いっていう気持ちで、白の選択肢を残すためのピックでしたね。ほかの候補は《夜の子/Child of Night》で、別にそちらでもよかったのですが」

3手目・4手目

 比較的厳しいパックだった2手目に比べて、3手目・4手目はすんなりと青いカードを続けてピックする。4手目で《予感/Foresee》のほかに候補となった《泥沼病/Quag Sickness》だが「《予感/Foresee》は何枚あってもいいので」ということで、《予感/Foresee》を優先してピックする。

5手目
 ここでほかに候補になったのは《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》。実際のところ、《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》をピックしそうなものなのだが。

渡辺 「実際に点数はかなり《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》の方が高いんですが、ここまで全く青いカードを流していないこともあるので、青いカードを下に渡したくなかったというのが《否認/Negate》をピックした理由ですね」

 開始前に卓操作を重視していた渡辺。この後も、2枚の《縮退/Diminish》に《取り消し/Cancel》《移し変え/Redirect》と青いカードを徹底的にピックして、1パック目を終了した。


2nd Pack


1手目

 ここで渡辺は《堕落/Corrupt》と《嵐前線のペガサス/Stormfront Pegasus》で悩んでいた。

渡辺 「この時点でピックしているカードは青がほとんどで、白と黒は1枚ずつ。《嵐前線のペガサス/Stormfront Pegasus》から白に行くのはちょっと厳しいのと《堕落/Corrupt》は一応除去なんで、《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》を使おうという強い意志を持って、《堕落/Corrupt》をピックしました」

2手目

 一応、《白騎士/White Knight》はあったものの、《マナ漏出/Mana Leak》をピック。

3手目・4手目

 《堕落/Corrupt》によって、ある程度はっきりした青黒路線に向けて、《血の署名/Sign in Blood》《定業/Preordain》とピックしていった渡辺。3手目の考慮対象は《巨大戦車/Juggernaut》、4手目の考慮対象は《ガーゴイルの歩哨/Gargoyle Sentinel》というもの。

渡辺 「どちらも普通なら考慮するまでもないカードなんですけど、ここまでにちょっとクリーチャーが少なかったので......結局、強い方のカードをとりましたけどね」

5手目・6手目

 ここで危なげなく2枚のクリーチャーをピックした渡辺。

7手目

 そして、なんと7手目での《予感/Foresee》ピック。実は渡辺のちょうど対面まで青のプレイヤーはおらず、1パック目での青を絞る卓操作は成功していたといえるだろう。

8手目~11手目

 そして、それを裏付けるかのように、8手目以降も、青の有効カードをピックする事に成功した渡辺。

渡辺 「特に、10手目で《送還/Unsummon》をとれたのはおいしかったですね。あれは素直にうれしかったです」

 1パック目での狙い通り、2パック目では青いカードを多く確保する事に成功した渡辺。

渡辺 「2パック目までは非常にいいドラフトだったんですけどね」


3rd Pack


1手目

 この3パック目の初手が、今回の渡辺のドラフトで最大の焦点であったといえるだろう。

 このとき、考慮対象となったカードは《セラの天使/Serra Angel》。そう、2パック目までに渡辺は青いカードが取れすぎていたため、2色目をスイッチする選択肢があったのだ。

 ここまでにピックしている黒と白のカードを確認しよう。

黒:《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》《堕落/Corrupt》《血の署名/Sign in Blood》《夜翼の影/Nightwing Shade》

白:《雲の十字軍/Cloud Crusader》

 枚数では、4枚と1枚、また、カードの質でも《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》を擁する黒に分があるといえる。だが、《セラの天使/Serra Angel》と《グレイブディガー/Gravedigger》を加えた状態で検討するとしたらどうか。

渡辺 「これは本当に難しい選択でした......」

 結果、渡辺は青黒路線を維持するために、単体のカードパワーでは劣る《グレイブディガー/Gravedigger》をピックする。

2手目・3手目

 2手目では《組み直しの骸骨/Reassembling Skeleton》をピック。

渡辺 「ここで《組み直しの骸骨/Reassembling Skeleton》をピックできたなら《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》をとっておきたかったですね」

 3手目は《マナ漏出/Mana Leak》をピックして、青黒の路線を固める。

4手目

 ここで、タッパーである《目潰しの魔道士/Blinding Mage》が流れてくる。さらに《突撃するグリフィン/Assault Griffin》も一緒に流れてきたため、上に白がいないことが予想される。

 この後、渡辺は《魅惑するセイレーン/Alluring Siren》と《夜翼の影/Nightwing Shade》2枚をピックしていく事になるのだが、その中にも《突撃するグリフィン/Assault Griffin》がおり、青白路線も十分に検討できるカードの流れではあった。

渡辺 「3パック目は本当に地獄のようなパックでしたね。せめて、もうちょっとクリーチャーがとれていればよかったんですけど...」

渡辺 雄也
プロツアー・アムステルダム 2nd Draft
10 《島/Island》
8 《沼/Swamp》

-土地(18)-
1 《組み直しの骸骨/Reassembling Skeleton》
1 《占いフクロウ/Augury Owl》
1 《魅惑するセイレーン/Alluring Siren》
1 《嵐潮のリバイアサン/Stormtide Leviathan》
1 《湾口の海蛇/Harbor Serpent》
1 《巻物泥棒/Scroll Thief》
3 《夜翼の影/Nightwing Shade》
1 《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》
1 《グレイブディガー/Gravedigger》

-クリーチャー(11)-
1 《血の署名/Sign in Blood》
1 《送還/Unsummon》
1 《取り消し/Cancel》
1 《堕落/Corrupt》
2 《移し変え/Redirect》
2 《予感/Foresee》
2 《マナ漏出/Mana Leak》
1 《定業/Preordain》

-呪文(11)-

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