マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

Dech Tech: 八十岡 翔太(神奈川):ネクストレベルドラン

Dech Tech: 八十岡 翔太(神奈川):ネクストレベルドラン

By Daisuke Kawasaki

 「八十岡が使用しているのは《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》らしい」

 「いや、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》が場に出ていたぞ」

 と話題沸騰だった最新型ヤソコン、「ネクストレベルドラン」。まずは、そのデックリストをみていただこう。


八十岡 翔太
プロツアー・アムステルダム2010 / エクステンデッド
4 《涙の川/River of Tears》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
3 《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》
2 《つぶやき林/Murmuring Bosk》
1 《沼/Swamp》
2 《島/Island》
1 《森/Forest》
3 《樹上の村/Treetop Village》

-土地(24)-

4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
4 《貴族の教主/Noble Hierarch》
3 《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》
3 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
2 《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》
1 《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》

-クリーチャー(17)-
4 《思考囲い/Thoughtseize》
3 《謎めいた命令/Cryptic Command》
3 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
3 《燻し/Smother》
3 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
2 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
1 《名も無き転置/Nameless Inversion》

-呪文(19)-
3 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《強迫/Duress》
2 《呪文貫き/Spell Pierce》
2 《否認/Negate》
3 《誘惑蒔き/Sower of Temptation》
2 《叫び大口/Shriekmaw》
1 《殺戮の契約/Slaughter Pact》

-サイドボード(15)-

川崎 「いったい、いつの間にこのデッキを作ったのですか?」

八十岡 「いや、今回は結構早かった。先週にはほとんどこの形だったよ」

川崎 「八十岡さんといえば、Magic Onlineで有名ですが、今回の調整はMOでやったのですか?」

八十岡 「いや、MOではまったく調整していない。MOでエクテンやってる人がほとんどいないから調整にならないんだ。だからリアルで調整した」

川崎 「リアルって誰とですか?」

八十岡 「ひとり回し」

川崎 「リアル?」

 八十岡の調整相手の問題はともかくとして、これは今回のプロツアーを考える上で、非常に大きな問題に言及している。

 ここ数年のマジックの情報は、ネット、特にMagic Onlineによって世界中にすぐに伝播してきた。そのため、情報格差は小さく、ある程度のレベルまでのデックは公開情報とされた上での構築・練習熟練度勝負となっていたのだ。

 だが、こと、今回のエクステンデッドに関しては、ネット上にも情報は少なく、エクステンデッドのMOトーナメントも数えるほどしか存在しなかった。

 そのため、情報格差が生まれたと考えていいだろう。

川崎 「実際に、どういう経緯でこのようなデックが完成したんですか?」

八十岡 「いや、最初は、《復讐蔦/Vengevine》を使ったデッキだった。大体こんな感じのレシピ」

4 《思考囲い/Thoughtseize》
4 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
4 《復讐蔦/Vengevine》
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
4 《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》
4 《面晶体のカニ/Hedron Crab》
4 《貴族の教主/Noble Hierarch》
3 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
4 《入念な考慮/Careful Consideration》

八十岡 「あと細かいカードがいくつか入っていたかもしれないけど、基本的にはこんな感じのデッキ。あとは適当に土地が入って、って感じかな」

川崎 「発掘みたいな感じですか」

八十岡 「発掘って言えば、発掘なんだけど、もうちょっと普通にも殴れる感じのデッキにしたかったんだよね。どう考えても墓地対策がとられていると思ったから墓地に依存したデッキにはしたくなかった」

川崎 「なるほど。確かに、今回の大会のキーのひとつは墓地対策ですからね。でも、なんでこのデックはだめだったんですか?」

八十岡 「うーん、結構《罰する火/Punishing Fire》がきつかったんだよね」

川崎 「あれ?どっかで調整したんですか?」

八十岡 「いや、脳内でわかった」

 なんにしろ、もう一度デックを組み直した八十岡。

 この時点で、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と《思考囲い/Thoughtseize》を使用する事だけはほぼ確実に決めていた八十岡。

 続いて構築したのが、Next Level Blue風のデック、普通の青緑黒だったそうだ。

川崎 「八十岡さんの普通っていうのがどれくらいのものかちょっとわからないのですが」

八十岡 「いや、これは結構普通なんじゃないかな。今のデッキの《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》がフィンケル(《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》)になって、《謎めいた命令/Cryptic Command》とか手札破壊とかその辺のパーツが濃くなってる感じのデッキだった」

川崎 「それって普通のデックなんですか」

八十岡 「普通じゃない?」

川崎 「八十岡さんが言う普通ではあるかもしれません。青緑黒好きなイメージありますしね」

八十岡 「そうでもない」

川崎 「参考程度にしておきます。で、《つぶやき林/Murmuring Bosk》をフェッチランドで持ってこられるという事で、《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》をタッチすることになったと思うんですけど、なんで《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》を入れようとなったんですか?」

八十岡 「フィンケルと相性よくない?」

川崎 「いや、たしかにそうですけど」

八十岡 「あと、《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》は3マナ5/5で普通に強いカードだからね。クロックがすごい早い。《タルモゴイフ/Tarmogoyf》から《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》っていう展開に大抵のデッキは追いつけないよ」

川崎 「なるほど。確かにクロックをあげるっていう改良は説得力がありますね。そこから《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》が抜けたってことですか」

八十岡 「うーん。まずさ、俺、ドランに入ってる《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》って弱いと思ってるから、入れたくないんだ。だから、フィンケルを使ってた部分もある」

川崎 「なんか時系列少し怪しいですけど、ドランに寄せるんではなくて、青黒系のラインを残したかったってことですよね」

八十岡 「で、まぁ、フィンケルは結構感触は悪くなかったんだ。実際、ひとり回しだと、フィンケルすごい強いじゃない」

川崎 「それはそうでしょう。除去されないですし、ブロッカーも出てきませんからね」

八十岡 「だから、すごいよく回るんだけど、やってるうちに、いやいやフィンケルで殴ってる場合じゃないでしょ、って思って」

川崎 「《罰する火/Punishing Fire》の話もそうですけど、そういうのってどっからくるんですか?」

 この質問には満足な答えをもらえなかった。

 何にしろ、《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》は抜かれ、そこには、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》や《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》の追加分を投入したという。

八十岡 「《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》を増やしてるので、サーチ用に《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》と《名も無き転置/Nameless Inversion》も増やしたね」

川崎 「《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》ですか」

八十岡 「《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》で地上が膠着しやすいから、突破力のあるフィニッシャーを足したかったんだよね」

川崎 「《名も無き転置/Nameless Inversion》はサーチ出来る除去ですか」

八十岡 「それもあるけど、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を出来るだけ大きくしたかったってのもある。実際に、このデッキは結構大きくなるデッキだよ」

川崎 「アーティファクトとエンチャントも入れたかったですね」

八十岡 「アーティファクトはともかく、自分で壊れるエンチャントでいいのが無くてね」

川崎 「一応探したんですね。マナバランスはどうですか?たぶんみんな気になってると思うんですけど」

八十岡 「いや、そんなに事故らない。《涙の川/River of Tears》が強い。これはフェッチで持ってこられない《Underground Sea》だね。あと、《樹上の村/Treetop Village》が活躍した。ほめてあげていい」

川崎 「八十岡さんは優しいですね。サイドボードはどうですか?」

八十岡 「基本的にいつも通り、全方位型のサイドボードにした。サイドボードだけみると、フェアリーみたいでかっこいいでしょ」

川崎 「そうだったらいいですね」

八十岡 「でも、サイドはもう少し練り込めたかもね。メインに関しては満足してる。100点あげていいかも」

 この100点というデックで、八十岡は、エクステンデッドで9-1という好成績を残している。

八十岡 「エクテンだけだったら俺が優勝してたのに!」

前の記事: Round 16: 渡辺 雄也(神奈川) vs. Kyle Boggemes(アメリカ) | 次の記事: ミラディンの傷跡特別プレビュー


イベントカバレージ/プロツアー・アムステルダム10 一覧に戻る

イベントカバレージ