マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

準々決勝: Brad Nelson(アメリカ) vs. Kai Budde(ドイツ)

準々決勝: Brad Nelson(アメリカ) vs. Kai Budde(ドイツ)

By Yusuke Yoshikawa

QF_Budde_Nelson.jpg

 時代、というものは目に見えないものであるが、それゆえに形あるもの、人間によって代表される。

 マジック:ザ・ギャザリングのプロシーンを語る上で、Kai Buddeという名前を避けて通ることはできない。2000年代前半のビッグイベントは、常に彼とともにあったと言ってよいだろう。
 そのKaiが帰ってきた。衝撃と賞賛の大きさは、スイスラウンド8位として彼の名がアナウンスされたときの歓声と拍手でうかがい知ることができる。
 まごうことなき殿堂プレイヤーが手にするのは、Gabriel Nassif(フランス)が手がけた「殿堂白単」である。

 一方、対するBrad Nelsonは、その本名より「FFfreak」というアカウント名が有名なように、Magic Onlineでの活躍で知られるようになったプレイヤーである。
 特に今シーズンに入り、プロツアー・サンファンでトップ8、グランプリ・ワシントンDCで優勝と、リアルのプロシーンでの活躍が目立ってきている。
 Magic Onlineでスキルを磨き、Magic Onlineでデッキを調整して強くなっていったBradは、まさに新時代の象徴と言ってよいだろう。
 そのシャツが示すとおり、チーム「ChannelFireball」に所属する彼が駆るのは、チームの研究の結晶たる《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》デッキだ。

 Magic Onlineがリリースされたのが2002年なので、わずかにKaiの活躍期と重なるが、基本的にふたりのキャリアは接しないところにある。
 これまでに数々の名声を重ねたKai。これから活躍していこうというBrad。

 時代が、目の前で交錯する。

Game 1

 両者マリガンなく、握手でゲームが始まる。ともにがっしりとした体格を誇るので、握手ひとつをとっても迫力がある。

 ゲームは後手のKaiによる《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》から開幕する。対するBradは《つぶやき林/Murmuring Bosk》をフェッチしてきて、《思考囲い/Thoughtseize》で手札を確認。
 そこには《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》《闘争の学び手/Student of Warfare》《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》2枚、そして《幽体の行列/Spectral Procession》と土地が1枚。
 内容をメモし、カードをじっと見つめ、手札を繰って......わずかにため息をついたBradは、《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》を指定すると、《樹上の村/Treetop Village》を置いてターンを返した。その様子を、Kaiは泰然と見つめている。

QF_Kai1.jpg

 土地を置いて《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》の攻撃によりBradのライフは15。《闘争の学び手/Student of Warfare》を出してレベル1とする。Bradはフェッチランドから《森/Forest》、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》とプレイ。

 Kaiは引いたカードを静かにめくる。土地が2対3なので《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》で《平地/Plains》を持ってきて、そこから《運命の大立者/Figure of Destiny》。しかし展開はそれまでで、ターンを終了。どこか「ランド引けんかった......」という寂しげ雰囲気。
 Bradは、後ろでプレイしているBrian Kiblerのごとく手札を縦繰りしながら、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》による擬似的マナ加速を経て、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》と並べて、ライブラリトップには《名も無き転置/Nameless Inversion》を置く。
 Kaiは《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》2枚目から《平地/Plains》、そして《湿地の干潟/Marsh Flats》を置き、4/5となった《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》で攻撃。これは《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》でチャンプブロックする。続けて《幽体の行列/Spectral Procession》でスピリット・トークンを送り込む。

 《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》《タルモゴイフ/Tarmogoyf》(3/4)《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》(5/5)という戦場を見ながら、Bradはまた大きな体を丸めながら考える。考えすぎてジャッジに促されると、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》のみで攻撃、Kaiは通してライフ16。《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》からトークンを生成して終了。

 Kaiはこちらも長考を経て、やはりジャッジに促され、トークンで攻撃。《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》がいるのでBradが攻撃目標を聞くと、「you.」の声には迫力がこもる。Bradのライフは8に減少。《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》の3体目を出し、《闘争の学び手/Student of Warfare》をレベル3にしてターン終了を宣言。
 Bradは《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》により《森/Forest》から《森/Forest》をサーチしてライブラリを圧縮、これで次のドローが《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》。考えて考えて、これを3体並ぶ《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》へ。Kaiが何かわずかに呟く。
 結局《精霊への挑戦/Brave the Elements》をプレイして「緑」を宣言して、これを打ち消す。Bradは《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》で飛ばして攻撃、ライフは支払わずKaiのライフは16から11へ。戦闘後にBradはまたまた沈思黙考に入るが、何もせず「Go」。

 Kaiはまず《闘争の学び手/Student of Warfare》のレベルを7にする。そしてこれとスピリット・トークン1体で攻撃し、《闘争の学び手/Student of Warfare》が兵士トークンでチャンプブロックされBradのライフは7に。戦闘後に2体目の《運命の大立者/Figure of Destiny》が現れる。
 カウンターや目印を要求するカードが戦場に増えたことで、Kaiは後ろでプレイしていたMichael Jacobに声をかけて、ダイスを貸してもらう。その対戦相手であるKiblerが「まだGame 1なのか」と笑う。首をすくめるKai。

 Kaiはトークン1体のみの攻撃に切り替えて、《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》の飛行強襲に備えながら、着実にBradのライフを詰めていく。次いで《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》で追加の戦力を調達。
 Bradは《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》でライブラリを圧縮し、さらに上から叩いて物理的に圧縮してドローをするが、Kaiの物量と圧力に対策はなく、Game 1を落とした。

Brad 0-1 Kai

 長考が繰り返され、試合が長引いた。休憩が入り、席を立つBrad。

 残されたKaiに、ヘッドジャッジが柔らかく言う。
 「もう少し早くプレイしてください」
 「でも7体もクリーチャーがいたんですよ」とはKaiの弁。
 「わかっています」とヘッドジャッジが微笑む。
 「1ゲームに40分かよ」と、横にいたKiblerの声。

Game 2

 Bradが《つぶやき林/Murmuring Bosk》、Kaiが《平地/Plains》のみというスタート。続いて、引き当てた《壌土のライオン/Loam Lion》と《清浄の名誉/Honor of the Pure》。

 続くターンに《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》と《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》が現れるが、《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》からもたらされた《平地/Plains》から《流刑への道/Path to Exile》が《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》に放たれ、《沼/Swamp》に換わる。
 ドローしたBradは、目の前の《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》(3/3)を見て考えるが、これに《殺戮の契約/Slaughter Pact》を撃って道をこじ開けることを選択。さらに《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と追加。
 Kaiは《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》2枚目、そして《幽体の行列/Spectral Procession》と迎え撃つ体勢。

 Bradは2/2飛行が3体、3/3先制攻撃が待ち受けるところに、4/5の《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》で攻撃。Kaiは《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を3体でブロックして、Bradは2ライフを注ぎ込み2体を討ち取る。
 そしてKaiのターン、まずは残ったトークンで攻撃すると《幽体の行列/Spectral Procession》、さらに《幽体の行列/Spectral Procession》! 6体のトークン・カードを並べ、小さく首をすくめる。

 途端に窮地に追い込まれたBradは、押し寄せるスピリットの群れの1体を《名も無き転置/Nameless Inversion》してライフ1とギリギリ生き残る。
 そして自分のターン、ドローすると......黙ったままそのカードを見せる。
 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》!
 これでトークンを一掃することに成功し、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が勇躍攻撃に回る。Kaiはスルー。自分のターンでもドローゴー。
 Bradの《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《壌土のライオン/Loam Lion》2体によるフルアタックに対し、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を《流刑への道/Path to Exile》して、《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》で1体ブロックして生き延びる。決め切れなかったBradが「Go」と告げる。

 Kaiは、引いたカードをそろりと見て......そして表にする。
 《精霊への挑戦/Brave the Elements》。

 「フゥー」と、Kaiが大きく息をついた。

Brad 0-2 Kai

 Kai Buddeという名前を知っているか、という問いには、多くのプレイヤーが「Yes」と答えるであろう。

 しかし、彼がいかなる人間で、いかにして強かったかは、文章などが残されているとはいえ、本質的には相見えた者が知るのみである。同じ場にいなかった者、時代を同じくしない者にとっては、伝聞や伝説の範囲のものでしかない。

 Brad Nelsonはどうなのだろうか。少なくとも、彼はKaiが勝ちまくっていたころにプロツアーでプレイしてはいない。
 彼には、目の前の対戦相手は、どのように見えているのか。青く澄んだ眼の奥はうかがい知れない。

QF_Brad.jpg

Game 3

 黙々とシャッフルする間に、軽く会話をはさむKai。Bradもこれに応じながら準備が進む。

 後がないBradだが、《つぶやき林/Murmuring Bosk》(《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》を公開)→《壌土のライオン/Loam Lion》の好発進。Kaiも《運命の大立者/Figure of Destiny》で応える。
 攻撃後、《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》で《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》をサーチし、《樹上の村/Treetop Village》を置く。

 Kaiは《清浄の名誉/Honor of the Pure》を設置するのみ、予告先発《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》が戦場に降り立ってKaiへのダメージは6点。《幽体の行列/Spectral Procession》で2/2をばら撒いて迎え撃つ態勢。

 だがここで、Bradのドローはまたしても《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》。

 引き当てた瞬間、少し首をひねるBrad。少し戸惑いのようなものが感じられる。
 しかしもちろんキャストしてトークンを排除して攻撃、Kaiのライフは1に。

 Kaiは次のカードを見て投了した。
 「4ターンキルだね」

Brad 1-2 Kai

 ゲーム開始前、BradがKaiの横に置かれていたトークン・カードを裏返す。
 「これは見たくないよ」、とばかりに。

Game 4

 両者が7枚をキープ。《運命の大立者/Figure of Destiny》vs《壌土のライオン/Loam Lion》with《つぶやき林/Murmuring Bosk》という構図となった。
 《清浄の名誉/Honor of the Pure》を設置してターンを返すKaiに対して、《壌土のライオン/Loam Lion》攻撃から《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》登場。
 突破できないKaiは《運命の大立者/Figure of Destiny》を1ランク上げて、《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》を対消滅させてライブラリを圧縮する。

 Bradは挨拶代わり、とでもいうように《強迫/Duress》。対応して《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》が《流刑への道/Path to Exile》され、土地3枚が眼前にさらされた。それを丁寧に確認して、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が3/4で着地。
 Kaiが《運命の大立者/Figure of Destiny》をさらにランクアップして実質5/5とすると、《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》を出したBradもこれを突破できないのでターンを返す。

 5枚目の土地を置くのみのKaiを見て、Bradは《樹上の村/Treetop Village》を起動して、《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《壌土のライオン/Loam Lion》とフルアタック。
 Kaiは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を5/5《運命の大立者/Figure of Destiny》でブロック、《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》を《天界の粛清/Celestial Purge》で退ける。Bradは《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》をおかわり。

 Kaiは《地平線の梢/Horizon Canopy》を使うことなく自分のターンに入り、6枚目の土地を置いて終了とした。
 これにBradは《強迫/Duress》を浴びせる。Kaiは《確実性の欠落/Lapse of Certainty》を使うことなく捨て、残る手札の土地をさらす。Bradはアタックせず、《運命の大立者/Figure of Destiny》は最高ランクになり、《地平線の梢/Horizon Canopy》は仕事を終えてドローに変換。しかしそれのみでKaiに動きはない。

 Bradは《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》と《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》を出すが、ライブラリを見るだけで何も持ってこないことを選ぶ。除去を引くか、物量で押し切りたい。

 「Antione.」とKaiがつぶやく。
 それは殿堂プレイヤーであるAntione Ruel(フランス)の名前だが、この場合は彼の似顔絵が描かれた《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》のこと。物量に対抗するにはそれか《幽体の行列/Spectral Procession》しかない。
 しかしそれはかなわず、《運命の大立者/Figure of Destiny》による攻撃に活路を見出す。

 Bradは攻撃後に《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》を召喚。ここでは値千金の2ライフを得て、さらに盤面を強化する。
 対応を迫られるKaiは「数」への回答となる《幽体の行列/Spectral Procession》を引き、プレイして《運命の大立者/Figure of Destiny》も残して終了。
 これにBradは《殺戮の契約/Slaughter Pact》を撃ち込むが、これには《精霊への挑戦/Brave the Elements》が合わせられる。しかし黒い《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》以外がフルアタックすると、攻撃を通せないKaiはすべてブロック、トークンをすべて失ってしまう。

 策をなくしたKaiはドローゴー。
 Bradもアンタップしてカードを引き、勝負を決めるアタックに入ろうとした。

 「Pact」とKaiが指摘する。Bradは《殺戮の契約/Slaughter Pact》をプレイし、そして今確かにドローをした。すわ払い忘れか!?
 しかし冷静にBradは答える。
 「《精霊への挑戦/Brave the Elements》で打ち消されましたよね」

 「Oh,」と言うなり、Kaiはカードを片付けた。

Brad 2-2 Kai

Game 5

QF_Kai2.jpg

 もう一度強く握手をして、天王山のGame 5が始まった。

 先手のKaiがマリガンし、Bradも6枚目まで繰ると土地が《反射池/Reflecting Pool》のみというもの。
 だが7枚目が《つぶやき林/Murmuring Bosk》で、これを少考ののちキープ。

 隣の試合では、殿堂入り有力候補と言われるKiblerが笑顔で右手を差し出していた。
 今まさに殿堂プレイヤーであるKaiはどうか。Bradはどのような気持ちで最終戦を迎えているか。
 その決着をもってほかの試合がすべて終了したので、再び勝負の模様を伝えるべくカメラが回ってくる。

 Kaiは《平地/Plains》を置いて「Go」。Bradはドロー《森/Forest》、《つぶやき林/Murmuring Bosk》で公開した《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》をそのままプレイして、《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》をサーチ、という流れ。
 《清浄の名誉/Honor of the Pure》が設置されるのみのところに、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が投下される。

 そのとき、Kaiの手札には《幽体の行列/Spectral Procession》があった。
 「4ターン目まで待つ手はあった」と言うのは、観戦していた森 勝洋と大澤 拓也。
 プレイしなければ手札破壊を受ける危険性はあるが、《流刑への道/Path to Exile》で受けられる余地が残るからだ、という。

 しかしKaiは当然のように、3ターン目に《幽体の行列/Spectral Procession》をプレイした。
 そしてBradの手札には、《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》があった。

 つまり《流刑への道/Path to Exile》がプレイできれば、対象となっているトークンを先に土地に換えることで、3つとも失うことを防ぐことができたのだ。
 もちろん、《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》がなければいたずらに盤面を放置するだけなので、これは手札破壊と《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》のどちらを「ケアする」か、ということになる。

 どちらが正解かは確率を計算しなければわからないが、結果として、Kaiは虎の子のスピリット・トークン3体を失った。

 次なる戦力として《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》を送り込むが、土地は持ってくることはできない。しかし3/3先制攻撃は十分ともいえる。
 Bradの手札には《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》が2枚と《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》。この中から《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》を出して攻撃はせず。

 Kaiのフェッチ起動に対し、彼のデッキを祈るようにシャッフルするBrad。
 祈りが通じたか、Kaiの次のドローは土地。攻撃してきた《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》を《流刑への道/Path to Exile》でさばくが、すぐに2体目がやってくる。
 ドローして、わずかなため息とともに「Go」とKaiの声。
 Bradの手から《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》が登場し、《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》を+3/+3してフルアタック。Kaiは本当に仕方なく、というように《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》に2枚目の《流刑への道/Path to Exile》、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と合わせて6点のダメージを受ける。

 Kaiは時折、特徴的なドローの仕方をすることがある。
 ライブラリからカードを裏向きのまま引き寄せ、手元でチラリとのぞき込むようにめくる。
 1枚1枚のドローに望みを託すように、ドローを楽しむように。

 そうして引いたカードをプレイする。《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》。そういえばGame 1以来、第1ターンにこのクリーチャーが出てくることはなかった。
 Bradのドローは《名も無き転置/Nameless Inversion》。《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を飛ばして《樹上の村/Treetop Village》とともに攻撃、《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》を除去することで打点を向上させた。

 Kaiの前には、もはや土地のみ。
 ドローステップに手を伸ばし、今度はライブラリ近くでカードをめくる。
 そして、それをそのまま公開すると、右手を差し出した。

Brad 3-2 Kai

 伝説は今ひとたびの眠りにつき、
 新たな時代が幕を開ける。

前の記事: トップ8プロフィール | 次の記事: 準々決勝: Michael Jacob(アメリカ) vs. Brian Kibler(アメリカ)
イベントカバレージ/プロツアー・アムステルダム10 一覧に戻る

イベントカバレージ