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準々決勝: Marijn Lybaert(ベルギー) vs. Guillaume Wafo-Tapa(フランス)

準々決勝: Marijn Lybaert(ベルギー) vs. Guillaume Wafo-Tapa(フランス)

By Daisuke Kawasaki

wafotapa.jpg

 IF MYSTICAL TEACHINGS IS LEGAL IN THIS FORMAT TOP8 TARGET PRO TOUR

 (もしも、そのフォーマットで《神秘の指導/Mystical Teachings》が使用可能ならば、対象のプロツアーでトップ8に入賞する)

 Martin Juza(チェコ)が、日曜日のラウンドが始まる前に、Guillaume Wafo-Tapa(フランス)のために作ったオリジナルカードだ。

 2007年のプロツアー・横浜でWafo-Tapaが勝利した時に使用していたデックは、青黒の《神秘の指導/Mystical Teachings》コントロールだ。

Guillaume Wafo-Tapa
プロツアー・横浜2007 / 優勝
1 《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》
4 《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》
10 《島/Island》
1 《溶鉄の金屑場/Molten Slagheap》
4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
1 《ウルザの工廠/Urza's Factory》

-土地(26)-
2 《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》
2 《吸収するウェルク/Draining Whelk》
2 《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》
1 《トリスケラバス/Triskelavus》

-クリーチャー(7)-
4 《取り消し/Cancel》
4 《入念な考慮/Careful Consideration》
4 《滅び/Damnation》
1 《消えない賛歌/Haunting Hymn》
3 《神秘の指導/Mystical Teachings》
4 《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
1 《応じ返し/Snapback》
2 《突然の死/Sudden Death》
2 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》
2 《熟慮/Think Twice》

-呪文(27)-
3 《砕岩を食うもの/Detritivore》
1 《解呪/Disenchant》
1 《根絶/Extirpate》
1 《運命の盗人/Fortune Thief》
1 《山/Mountain》
1 《平地/Plains》
3 《早すぎる埋葬/Premature Burial》
2 《永遠からの引き抜き/Pull from Eternity》
1 《突然の死/Sudden Death》
1 《時間の孤立/Temporal Isolation》

-サイドボード(15)-

 Juzaの作ったWafo-Tapaのカードのパワー/タフネスが3/4なのはこのデックのキーカードである《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》にちなんだものだろう。

 しかし、実際に、《神秘の指導/Mystical Teachings》が使用可能なプロツアーすべてでトップ8に入賞しているわけではないし、さらに言えばWafo-Tapaがトップ8に入賞したもうひとつのプロツアーである、クアラルンプールはリミテッドで行われたプロツアーである。もちろん、時のらせんブロックのリミテッドではない。時のらせんブロックのリミテッドが行われたのは、「Merkel's Time is Now」で有名なプロツアー・神戸であり、大澤 拓也(神奈川)が《幽体の魔力/Spectral Force》のテキスト読み落としでタイトルを逃したプロツアー・ジュネーブの2回だ。

 話は少しそれてしまったが、つまり、それくらいWafo-Tapaと《神秘の指導/Mystical Teachings》との関係は多くのプレイヤーが認識し、愛しているのだ。

 今回、Wafo-Tapaが《神秘の指導/Mystical Teachings》をメインとした多色コントロールを持ち込んだ時には、ほとんどのプレイヤーが納得し、勝ち負けに関係なく期待した。

 Wafo-Tapaがニコニコと楽しそうに《神秘の指導/Mystical Teachings》をプレイし、フラッシュバックする姿を。

Game 1

 先手はMarijn。1ターン目に《氷河の城砦/Glacial Fortress》をタップインして、2ターン目には《アトランティスの王/Lord of Atlantis》を召喚する。

 そして、さらに《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》を追加するのだが、こいつには《流刑への道/Path to Exile》が飛んでくる。

 ここまで2ターン続けて鮮烈地形をセットしていたWafo-Tapaだったがドローしてきたのは《反射池/Reflecting Pool》。しかし、《前兆の壁/Wall of Omens》を召喚して、さらに鮮烈地形のセットでターンを返す。

 《流刑への道/Path to Exile》によって、4ターン目に5マナあるMarjin。ここで再び《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》を召喚すると、《呪い捕らえ/Cursecatcher》を召喚し、自分の土地をアンタップ。2枚目の《呪い捕らえ/Cursecatcher》で今度は《前兆の壁/Wall of Omens》をタップして攻撃する。

 さらに続々とマーフォークが登場し、《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》によって《前兆の壁/Wall of Omens》が完全に封殺される。その間、Wafo-Tapaはニコニコと《エスパーの魔除け/Esper Charm》でカードを引き続ける。

 最終的に、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》で《火山の流弾/Volcanic Fallout》を指定されたことで、Wafo-Tapaはニコニコと土地を片付けた。

Marijn 1-0 Wafo-Tapa

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 Wafo-Tapaは、負けてもニコニコと満足げに見えた。それもそのはずで、このゲームは非常に短いターンでゲームが終わったにもかかわらず、対戦相手のMarijn Lybaertより3枚も多くカードを引くことが出来たからだ。

 そう、Wafo-Tapaはカードを引くことが何よりも好きで、手札を増やすことが何よりも好きだ。きっと、《神秘の指導/Mystical Teachings》が好きな理由も、フラッシュバックで手札を増やすことができるから、というのが一番大きな理由だろう。


Guilliame Wafo-Tapa
世界選手権2006 / スタンダード5-1
4 《砂漠/Desert》
3 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
2 《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》
7 《島/Island》
4 《地底の大河/Underground River》
4 《湿った墓/Watery Grave》

-土地(24)-

1 《死者の王、ドラルヌ/Dralnu, Lich Lord》
1 《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》
3 《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》

-クリーチャー(5)-
1 《取り消し/Cancel》
1 《死体焼却/Cremate》
1 《最後の喘ぎ/Last Gasp》
3 《マナ漏出/Mana Leak》
4 《神秘の指導/Mystical Teachings》
4 《差し戻し/Remand》
4 《撤廃/Repeal》
4 《ルーンのほつれ/Rune Snag》
1 《魂の捕縛/Seize the Soul》
3 《呪文嵌め/Spell Snare》
1 《突然の死/Sudden Death》
4 《熟慮/Think Twice》

-呪文(31)-
1 《取り消し/Cancel》
1 《暗黒破/Darkblast》
4 《死の印/Deathmark》
2 《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》
2 《月光の取り引き/Moonlight Bargain》
1 《魂の捕縛/Seize the Soul》
1 《疑念の影/Shadow of Doubt》
1 《呪文嵌め/Spell Snare》
2 《計略縛り/Trickbind》

-サイドボード(15)-

 《死者の王、ドラルヌ/Dralnu, Lich Lord》の能力を使用し、《神秘の指導/Mystical Teachings》で持ってきたインスタントを再利用し、そのキャントリップによってさらに手札を増やす。まさにWafo-Tapaと《神秘の指導/Mystical Teachings》の関係を盤石のものとした2006年世界選手権で使用したこの青黒デックなど、その典型例であろう。


Guillaume Wafo-tapa
プロツアー・ホノルル2006
10 《島/Island》
1 《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water's Edge》
1 《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》
3 《山/Mountain》
1 《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》
4 《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
4 《蒸気孔/Steam Vents》

-土地(24)-

2 《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》
2 《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》

-クリーチャー(4)-
3 《ブーメラン/Boomerang》
2 《押収/Confiscate》
4 《電解/Electrolyze》
4 《邪魔/Hinder》
3 《マナ漏出/Mana Leak》
4 《差し戻し/Remand》
4 《撤廃/Repeal》
4 《巻き直し/Rewind》
4 《連絡/Tidings》

-呪文(32)-
1 《血染めの月/Blood Moon》
4 《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》
1 《真髄の針/Pithing Needle》
4 《紅蓮地獄/Pyroclasm》
3 《破壊放題/Shattering Spree》
2 《不忠の糸/Threads of Disloyalty》

-サイドボード(15)-

 2006年のプロツアー・ホノルルで使用していたこのデックなど、ドローすること自体が《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》によって勝ち手段になっている。

 それくらいに、Wafo-Tapaと、カードドロー、つまりは青の関係は深い。そして、それはプロツアーシーンに詳しいプレイヤーであれば誰でも知っているくらいに認知されている。なぜなら、Wafo-Tapaはカードをドローできるデックしか使わないからだ。Wafo-Tapaの積み上げられていったデッキリストが、歴史として積み重なり、Wafo-Tapaのパーソナリティを構成していく。

 2007年の世界選手権、レガシーでWafo-Tapaが青いデッキを使わなかった時は誰もが驚愕し、続々とプレイヤーがフィーチャリングエリアに集まってきた。

Guillaume Wafo-Tapa
フランス選手権2010 / 4位
4 《天界の列柱/Celestial Colonnade》
4 《氷河の城砦/Glacial Fortress》
5 《島/Island》
4 《平地/Plains》
1 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4 《セジーリの隠れ家/Sejiri Refuge》
4 《地盤の際/Tectonic Edge》

-土地(26)-
2 《太陽のタイタン/Sun Titan》
4 《前兆の壁/Wall of Omens》

-クリーチャー(6)-
1 《取り消し/Cancel》
2 《糾弾/Condemn》
2 《審判の日/Day of Judgment》
2 《剥奪/Deprive》
2 《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
2 《本質の散乱/Essence Scatter》
1 《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》
3 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》
3 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
2 《ジェイスの創意/Jace's Ingenuity》
4 《マナ漏出/Mana Leak》
2 《忘却の輪/Oblivion Ring》
2 《流刑への道/Path to Exile》

-呪文(28)-
1 《取り消し/Cancel》
3 《天界の粛清/Celestial Purge》
1 《審判の日/Day of Judgment》
1 《瞬間凍結/Flashfreeze》
2 《標本集め/Gather Specimens》
1 《ジェイスの創意/Jace's Ingenuity》
3 《コーの火歩き/Kor Firewalker》
2 《否認/Negate》
1 《忘却の輪/Oblivion Ring》

-サイドボード(15)-

 そして、今年のフランス選手権で、当時の一般的な青白よりも過剰にドローの入ったWafo-Tapaのデックリストをみて、皆、安心したのだった。

Game 2

QF_Lybaert_WafoTapa1.jpg

 1ターン目に《呪い捕らえ/Cursecatcher》を召喚するMarijnに対して、2ターン目に《前兆の壁/Wall of Omens》を召喚するWafo-Tapa。だが、今度はWafo-Tapaが先手だ。

 返しで小考の末に、《アトランティスの王/Lord of Atlantis》を召喚するMarijn。だが、この小考をみてWafo-Tapaは3ターン目に《エスパーの魔除け/Esper Charm》ではなく、《思考囲い/Thoughtseize》を使用。そして、ここで開示された《目覚ましヒバリ/Reveillark》《銀エラの達人/Silvergill Adept》《マナ漏出/Mana Leak》《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》という手札から、《銀エラの達人/Silvergill Adept》をディスカードさせる。さらに《前兆の壁/Wall of Omens》を召喚してターン終了。

 土地が無い状態でキャントリップを奪われ、さらに2枚の《前兆の壁/Wall of Omens》に行く手を阻まれる形となったMarijn。仕方なくターンを返す。

 2ターン遅れて土地を引き当てたMarijn。《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》を召喚するが、これは《燻し/Smother》で除去されてしまう。だが、その後、Wafo-Tapaがドローゴーを繰り返す間に《変わり谷/Mutavault》《島/Island》と続けてドロー。《目覚ましヒバリ/Reveillark》の召喚にこぎ着ける。

 ここで、Wafo-Tapaは長考。そして、結果これを通し、ターンエンドに《エスパーの魔除け/Esper Charm》でカードをドロー。カードさえ引いてれば何とかなるとばかりだ。盤面の脅威は後回しとばかりに、まずは自身のメインターンに《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》を召喚する。

 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》で見えた2枚の手札は《流刑への道/Path to Exile》と《マナ漏出/Mana Leak》。ここから《マナ漏出/Mana Leak》を選択してターン終了。

 選択肢のある行動をやっと許されたMarijn。《目覚ましヒバリ/Reveillark》で攻撃するかを長考した上で、《流刑への道/Path to Exile》を《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》に。山札に基本地形の無いWafo-Tapaにとってはこれが《剣を鍬に/Swords to Plowshares》の上位互換として機能する。

 《変わり谷/Mutavault》もクリーチャーにし、一気に攻撃。Wafo-Tapaのライフを12にした上で《翻弄する魔道士/Meddling Mage》を召喚する。

 これに対してすべてのマナを残してターンを返すWafo-Tapa。《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》を警戒して、《目覚ましヒバリ/Reveillark》だけで攻撃するMarijn。《変わり谷/Mutavault》まで含めて全滅させたかったWafo-Tapaではあるが、仕方なくターン終了時に《火山の流弾/Volcanic Fallout》をプレイ。

 そして、《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》をプレイ。これによって《目覚ましヒバリ/Reveillark》は場を離れ、《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》と《アトランティスの王/Lord of Atlantis》が戦場に戻ってくる。Wafo-Tapaは3枚ドローして手札が7枚に戻りニコニコしている。

 ここで《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》をトップデックしてきたMarijn。召喚し、《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》の効果で《前兆の壁/Wall of Omens》をタップ、その上でLv4までレベルアップし、2体で攻撃する。これでWafo-Tapaのライフは7。

 Kiblarがふたりに「今、(成績は)どうなってる?」と聞くと、Marijnが一言答える。「Guillaumeがカードを引いてるよ」。これが大爆笑。Wafo-Tapaのドロー好きネタは国籍を問わずに鉄板ネタだ。

 鮮烈地形が大量に並び、土地の上にも大量のカウンターがのった状態のWafo-Tapa。手札もマナも十分にあり、もう、何でも出来る状態だ。というわけで、《弱者の消耗/Consume the Meek》をプレイする。これをトップデックしていた《謎めいた命令/Cryptic Command》でカウンターしようとするMarijnだったが、《否定の契約/Pact of Negation》でカウンターされてしまう。

 続くターンは《否定の契約/Pact of Negation》のマナを支払うために、1ターンお休みしたWafo-Tapa。だが、すぐに《墓所のタイタン/Grave Titan》が戦場に降臨しゲームを決めたのだった。

Marijn 1-1 Wafo-Tapa

 KiblerがMarijnに質問したのは、ちょうどビデオ中継をするために、カメラが移動している時だった。カメラマッチとなったことから、何かしらの切迫した成績なのではないかとKiblerは考えて質問したのだ。

 そこへの鉄板ネタでアリーナが爆笑に包まれた直後、中継がこのマッチに切り替わった。そして、その瞬間、今度は会場が大爆笑、だったという。

 なぜなら、戦場には本当に本当に大量の鮮烈地形と、カウンターの数を示すダイスが置かれ、誰がみてもWafo-Tapaのマッチだとわかるものだったからだ。

 そう、Wafo-Tapaは、マナベースにも並々ならぬこだわりがある。せっかく引いたカードが使用できないのではつまらないからだ。おっと、ひとつ例外がある。土地が足りなくてプレイできない場合、は例外だ。Wafo-Tapaはあまりマナコストと戦場にはこだわりがない。Wafo-Tapaが興味があるのは手札と土地だけだ。

 実際、プロツアー・横浜を優勝した時に使用していた青黒は、4枚の《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》という画期的な方法でマナベースを調整しつつ《堕落の触手/Tendrils of Corruption》の効果を最大限に上げていた。

 だが、Wafo-Tapaとマナベースと言えば誰もが思いつくものはこれだろう。


Guillaume Wafo-Tapa
プロツアー・ハリウッド2008
1 《戦慄艦の浅瀬》
2 《菌類の到達地》
1 《燃え柳の木立ち》
2 《秘教の門》
4 《反射池》
2 《沈んだ廃墟》
4 《鮮烈な小川》
4 《鮮烈な林》
4 《ヤヴィマヤの沿岸》

-土地(24)-

3 《雲打ち》
4 《台所の嫌がらせ屋》
4 《熟考漂い》
1 《妖精の女王、ウーナ》
4 《根の壁》

-クリーチャー(16)-
4 《入念な考慮》
4 《謎めいた命令》
3 《炎渦竜巻》
3 《その場しのぎの人形》
4 《ルーンのほつれ》
2 《殺戮の契約》

-呪文(20)-
1 《雲打ち》
1 《砕岩を食うもの》
3 《思考の粉砕》
1 《残忍なレッドキャップ》
2 《原初の命令》
1 《叫び大口》
3 《テフェリーの濠》
3 《薄れ馬》

-サイドボード(15)-

 プロツアー・ハリウッド2008で使用していたクイックン・トーストだ。

 デッキ自体は、Wafo-Tapaではなく、Manuel Bucher(チェコ)が作ったものではあるが、初日の圧倒的な成績も含めて、「Wafo-Tapaのデック」として文字通り鮮烈に印象に残っている。

 同じように《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》のような貯蓄ランドを愛用しているWafo-Tapa。そう、多くのプレイヤーには、「Wafo-Tapaの手札の中にはカウンター、Wafo-Tapaの土地の上にもカウンター」と心に残っているのだ。

Game 3

 なんとか1勝をもぎ取ったWafo-Tapaだが、ここでマリガン。手札が減ることを何よりも嫌うWafo-Tapaは少しがっかりしたような表情でシャッフルをする。そして土地4枚に《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》、そして魂の《神秘の指導/Mystical Teachings》という手札をキープ。

 先手のMarijnは、1ターン目こそ動きは無かったものの、2ターン目に《銀エラの達人/Silvergill Adept》、そして、3ターン目には《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》を召喚し、クロックを増やしていく。

 3ターン目に1回土地がとまってしまったものの、Wafo-Tapaの《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》に《広がりゆく海/Spreading Seas》をプレイし、そのキャントリップで引き当てた《島/Island》を置いてターン終了を宣言......して、慌てて、レベルアップしたかったことを伝える。これはジャッジを呼んだ上で、巻き戻され、今度こそ本当にターン終了。

 この間、黙々と鮮烈土地を並べ、《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》にカウンターを起き続けていたWafo-Tapaだったが、《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》がただの《島/Island》になってしまったため、やることが無くなってしまう。

 2体のクリーチャーが攻撃し続ける中、《エスパーの魔除け/Esper Charm》でカードを引き、《呪い捕らえ/Cursecatcher》の召喚にスタックして《神秘の指導/Mystical Teachings》で《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をサーチしたりと生き残る道を画策するWafo-Tapaだったが、引いていたのはカードで、回答策ではなかった。

Marijn 2-1 Wafo-Tapa

 冒頭で、時のらせんブロックリミテッドの話について触れた。しかし、さすがのWafo-Tapaといえども、リミテッドでは《神秘の指導/Mystical Teachings》にこだわらず、ドローにこだわらないに決まってる、さすがに余計な脇道の話だ、と思われた方もいるかもしれない。

 だが、そこでもWafo-Tapaのキャラクターはぶれない。

 本大会のカバレージでもお伝えしているように、Wafo-Tapaのデックは、ドローカードが満載だ。

 彼のもうひとつのトップ8入賞であるプロツアー・クアラルンプールはリミテッドのプロツアーだった。

 そのトップ8で彼が使用していたデックがこれだ。


Guillaume Wafo-Tapa
プロツアー・クアラルンプール / トップ8
8 《島/Island》
7 《平地/Plains》
3 《沼/Swamp》

-土地(18)-

2 《霊気撃ち/AEthersnipe》
1 《露滴のスパイ/Dewdrop Spy》
1 《夢棄ての魔女/Dreamspoiler Witches》
1 《妖精の先触れ/Faerie Harbinger》
1 《銛撃ちの狙撃者/Harpoon Sniper》
1 《霊感あるスプライト/Inspired Sprite》
1 《水流を読む者/Judge of Currents》
1 《メロウの先触れ/Merrow Harbinger》
1 《チドリの騎士/Plover Knights》
2 《銀エラの消し去り/Silvergill Douser》
1 《石ころ川の群れ長/Stonybrook Schoolmaster》
1 《川の案内者、シグ/Sygg, River Guide》

-クリーチャー(13)-
1 《砕けた野望/Broken Ambitions》
1 《遠くの旋律/Distant Melody》
1 《足の底の饗宴/Footbottom Feast》
1 《否認/Negate》
1 《混迷の挽回/Redeem the Lost》
1 《無意識の流れ/Stream of Unconsciousness》
1 《良心の呵責/Weight of Conscience》
1 《ヴェリズ・ヴェルの翼/Wings of Velis Vel》

-呪文(9)-

 この大量のキャントリップと、ドロー呪文。間違いなく、Wafo-Tapaのデックだ。

 リミテッドですら軸のぶれないWafo-Tapaが、構築でドローカードを使わない理由は無いのだ。

Game 4

QF_Lybaert.jpg

 《島/Island》からの《呪い捕らえ/Cursecatcher》と動くMarijnに対して、Wafo-Tapaは《鮮烈な草地/Vivid Meadow》《秘教の門/Mystic Gate》とセット、そしてMarijnの《銀エラの達人/Silvergill Adept》を《マナ漏出/Mana Leak》。これが《呪い捕らえ/Cursecatcher》でカウンターされたことで、事実上、《呪い捕らえ/Cursecatcher》と《銀エラの達人/Silvergill Adept》が入れ替わった形になる。

 続く2枚目の《銀エラの達人/Silvergill Adept》も《マナ漏出/Mana Leak》したが、余った1マナで《呪い捕らえ/Cursecatcher》を追加し、着々と盤面を構築していくMarijn。

 《銀エラの達人/Silvergill Adept》と《呪い捕らえ/Cursecatcher》に、《変わり谷/Mutavault》もあわせて3体で攻撃、Wafo-Tapaのライフを12とする。ここでWafo-Tapaは《思考囲い/Thoughtseize》をプレイし、《島/Island》《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》に白マナがなくプレイできない《目覚ましヒバリ/Reveillark》が2枚ある手札から《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》をディスカードさせる。

 Marijnは《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》をプレイするが、これも《マナ漏出/Mana Leak》。2体のマーフォークが攻撃して、Wafo-Tapaのライフが7に。

 だが、ここで、Wafo-Tapaは《悪斬の天使/Baneslayer Angel》をトップデック。

 クロックが5点のMarijnは、毎ターン攻撃を繰り返すが、Wafo-Tapaのライフが12点と7点の間を行き来するのみ。追加のクロックはきっちりカウンターされてしまい、自分のライフだけが5点単位で減っていく。

 だが、残りライフが5点となったところで、ついにMarijnは《氷河の城砦/Glacial Fortress》をドロー。実は、ここまで1枚もドローカードを使えていないWafo-Tapa。ちょうどカウンターのつきてしまっており、《目覚ましヒバリ/Reveillark》がカウンター出来ない。

 Marijnは《目覚ましヒバリ/Reveillark》をチャンプブロックし、《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》と《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》を戦場に戻す。Wafo-Tapaは《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》を《燻し/Smother》する。

 Marijnは、2体目の《目覚ましヒバリ/Reveillark》をプレイし、《銀エラの達人/Silvergill Adept》と《呪い捕らえ/Cursecatcher》でアタック。そして《目覚ましヒバリ/Reveillark》はチャンプブロックによって、今度は《マーフォークの君主/Merfolk Sovereign》と《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》を戦場に戻す。

 手札が《弱者の消耗/Consume the Meek》と《滅び/Damnation》のWafo-Tapa。ここで悩んだ末に《滅び/Damnation》をプレイ。これがカウンターされず、戦場には-1/-1カウンターののった《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》だけが残る。

 《アトランティスの王/Lord of Atlantis》を引いたMarijnに対して、今度は《弱者の消耗/Consume the Meek》。これも通るが、そこからのMarijnのトップが強く、次々とクロックを引き続ける。

 ここで、ついにこのゲーム初めてのドロー呪文である《エスパーの魔除け/Esper Charm》をトップデック!だが、これで引いた2枚は土地。さらに、続くターンにも《前兆の壁/Wall of Omens》を引き当てるが、これも土地。

 一方で、Marijnは《マーフォークの君主/Merfolk Sovereign》を引き当て、Wafo-Tapaの《前兆の壁/Wall of Omens》を無視できるクロックを確保、順調にライフを削っていく。

 だが、Wafo-Tapaのライフが4になったところで、《謎めいた命令/Cryptic Command》をトップデック!これによって、《マーフォークの君主/Merfolk Sovereign》を手札に戻そうとしたWafo-Tapaだったが......Marijnの手札にも《謎めいた命令/Cryptic Command》が握られていたのだった。

QF_Lybaert_WafoTapa2.jpg

Marijn 3-1 Wafo-Tapa

Guillaume Wafo-Tapa
Pro Tour-Amsterdam, Top 8 (Extended)
1 《忍び寄るタール坑》
3 《戦慄艦の浅瀬》
3 《島》
3 《秘教の門》
4 《反射池》
3 《沈んだ廃墟》
4 《鮮烈な小川》
3 《鮮烈な湿地》
3 《鮮烈な草地》

-土地(27)-


1 《墓所のタイタン》
2 《ザルファーの魔道士、テフェリー》
4 《前兆の壁》

-クリーチャー(7)-
1 《天界の粛清》
1 《弱者の消耗》
2 《残酷な根本原理》
4 《謎めいた命令》
4 《エスパーの魔除け》
1 《根絶》
4 《マナ漏出》
3 《神秘の指導》
1 《否認》
1 《否定の契約》
1 《流刑への道》
1 《燻し》
2 《火山の流弾》

-呪文(26)-
2 《悪斬の天使》
1 《天界の粛清》
2 《滅び》
1 《根絶》
1 《否認》
3 《大祖始の遺産》
1 《跳ね返りの罠》
1 《燻し》
2 《思考囲い》
1 《ヴェンディリオン三人衆》

-サイドボード(15)-

 ここまでのデックリストをみていただければわかるだろう。今回のエクステンデッドにWafo-Tapaが持ち込んだデッキは、紛うことなくWafo-Tapaのデックだ。

 環境に合わせて、微調整をすることはあっても、根本的にはWafo-Tapaのフォームが崩れることはないのだ。

 基本セット2011のリミテッド環境も含めて、今回の環境はWafo-Tapaにあっていた。だから、今回、Wafo-Tapaはトップ8に入賞した。環境にWafo-Tapaがあわせるのではない。Wafo-Tapaにあった環境で、Wafo-Tapaが本領を発揮するのだ。

 デッキリストを並べるだけで、人となりをこれだけ表現できるプレイヤーがいるだろうか?それぐらい、マジックの「一部」とWafo-Tapaは同化している。

 人々の心の中では、いつでもWafo-Tapaは、カードを引いて、ニコニコしている。

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