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準決勝: Paul Rietzl(アメリカ) vs. Michael Jacob(アメリカ)

準決勝: Paul Rietzl(アメリカ) vs. Michael Jacob(アメリカ)

By Daisuke Kawasaki

 驚くような復活劇をみせ、多くのプレイヤーの注目を集めたKai Budde(ドイツ)が準々決勝で敗退した。

 このことは、みっつのことを示している。

 ひとつ目は、きっと多くのファンが望んでいたであろう、Kai Buddeが復活するという瞬間を目撃することはかなわなくなったということ。

 ふたつ目は、Kaiの「構築戦で日曜日に負けたことがない」という記録がついに途切れたということ。

 最後は、決勝ラウンドに3人いたヨーロッパ勢が、準決勝時点で1人になってしまったということだ。

 MarijnとWafo-Tapaのマッチアップが、ヨーロッパ勢同士の対決でつぶし合ってしまった以上、Kaiの勝敗がダイレクトに準決勝でのヨーロッパ勢の人数に関わることになっていた。

 そして、そのマッチを、アメリカの新鋭Brad Nelsonが勝ち取り、結果、決勝戦にヨーロッパ勢が残れるかどうかは、Marijnの勝敗にかかることとなった。

 一方で、こちらのテーブルでは、アメリカ人同士のマッチアップが行われようとしている。

 Michael Jacob(アメリカ)は、アメリカが国別対抗戦を勝利し、強いアメリカが帰ってきた事を世に知らしめた2008年に、アメリカ王者となった男だ。

 そのMichaelが、今や、強いアメリカそのものと言っていいChannel Fireballのプロたちと調整して作り上げたのが、この《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》コントロールである。

 一方のPaul Rietzl(アメリカ)は、同じアメリカ人でも、毛色が違う。彼はChannel勢を中心としたアメリカコミュニティよりも、Gabriel Nassif(フランス)やRaphael Levy(フランス)といったフランス勢との調整を中心に行っていたという。

 そして、使用しているのが、Kai Budde(ドイツ)などの、殿堂プレイヤーが多く使っていたことから「殿堂白単」と呼ばれるタイプの白ウィニーだ。

SF_Jacob_Rietzl.jpg

Game 1

 1ターン目に《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》を召喚し、2ターン目にはフェッチランドの恩恵で、早くも4点のダメージを与えるPaul。さらに《運命の大立者/Figure of Destiny》を召喚する。

 Michaelのターンエンドにこの《運命の大立者/Figure of Destiny》を『レベルアップ』させようとするPaulだったが、対応して《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》に《罰する火/Punishing Fire》が。しかし、かまわず《運命の大立者/Figure of Destiny》を4/4にして、ふたたび4点のダメージを与えるPaul。

 《終止/Terminate》で《運命の大立者/Figure of Destiny》を除去するものの、さらに《闘争の学び手/Student of Warfare》と《運命の大立者/Figure of Destiny》と召喚され、除去が間に合わない。

 結局《連合の秘宝/Coalition Relic》経由で6ターン目に高速キャストした《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》が《マナの税収/Mana Tithe》されたことで、Michaelは土地を片付けた。

Paul 1-0 Michael

Game 2

SF_Jacob.jpg

 1ターン目に《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》をタップインしたMichael。対して、Paulは、1ターン目に《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》、2ターン目には《闘争の学び手/Student of Warfare》を《マナ漏出/Mana Leak》させた上で《運命の大立者/Figure of Destiny》を召喚する。

 この《運命の大立者/Figure of Destiny》への《罰する火/Punishing Fire》を《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》で回避するPaul。一方のMichaelは余った青マナで《定業/Preordain》。

 後手のPaulは《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》でマナ差を埋めつつ、アドバンテージを獲得。そして、増えたマナで《清浄の名誉/Honor of the Pure》。返しで《定業/Preordain》を打ったMichaelは2枚をみて失笑。《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》をセットして、《罰する火/Punishing Fire》を回収、《運命の大立者/Figure of Destiny》を除去する。

 だが、《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》を除去できず、その上で、《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》をカウンター出来ない。

 《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》で時間を稼ぐが、さらに《幽体の行列/Spectral Procession》をプレイされてしまう。2枚連続で《定業/Preordain》をプレイしたが、盤面の脅威に対抗できるカードは見つからないのだった。

Paul 2-0 Michael

Game 3

SF_Rietzl.jpg

 《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》を2枚続けてセットするMichael。対するPaulの動きは、《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》に《清浄の名誉/Honor of the Pure》というもの。

 ここで《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》をセットしターンを終了するMichael。Paulが《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》で《平地/Plains》をサーチするのに対応して《稲妻/Lightning Bolt》を《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》に。

 さらに《平地/Plains》をセットして、《闘争の学び手/Student of Warfare》をプレイし、レベルアップする。《火山の流弾/Volcanic Fallout》は《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》で対応されたものの、《滅び/Damnation》で戦場を一掃するMichael。

 だが、《幽体の行列/Spectral Procession》をプレイし、《清浄の名誉/Honor of the Pure》をプレイするPaul。ここで、《清浄の名誉/Honor of the Pure》のプレイにスタックして《稲妻/Lightning Bolt》をトークンに打たれてしまう。

 実は、ここで逆の手順でプレイしていれば、トークンを除去されることは無く、1ターン早く勝利することが出来ていた。

 だが、《弱者の消耗/Consume the Meek》でトークンが一掃されたあとに、《闘争の学び手/Student of Warfare》をプレイし、対戦相手は土地しか引かないのならば、結果は同じなのであった。

Paul 3-0 Michael

 圧倒的な展開力で、3連勝での勝利したPaul。

 そして、このマッチの終了後、デックのメインデザイナーであるGabriel Nassifが、Brian Kibler(アメリカ)・齋藤 友晴(東京)とともに今年の殿堂入りプレイヤーに選出された事が公開された。

 Paulは、続く決勝戦で、Channel FireballのBrad Nelson(アメリカ)し、デックリストをもプロツアーの歴史に刻むことができるか。

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