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Round 1:池田 剛(福岡) vs. 三田村 和弥(千葉)

Round 1:池田 剛(福岡) vs. 三田村 和弥(千葉)

By Daisuke Kawasaki

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 いよいよ2010年シーズンのファーストプロツアーであるプロツアー・サンディエゴが開幕。

 多くのプレイヤーが、今期の目標を胸に、このアメリカ西海岸に集結した。

 渡辺 雄也(神奈川)がPlayer of The Yearを獲得した昨シーズンだが、個人的には、10年選手である池田 剛の、グランプリ優勝・プロツアートップ8入賞というトピックが印象に残っている。Brian Kiblar(アメリカ)の躍進を例に挙げるまでもなく、ベテランプレイヤーの活躍が目立つ昨今のトーナメントシーン。日本でのその波を担う存在として、池田の名前を挙げるのは不自然な事ではないだろう。

 すでに、殿堂資格を保持している池田だけに、今年千葉で行われる世界選手権での殿堂入りも視野にいれられるのではないかと思うのだが...

池田 「今年は、トモハル(齋藤)がいるからキツイでしょ。日本人が二人はいるとは思えないしね」

 とはいえ、今シーズン序盤での活躍があれば、池田殿堂は十二分にありえると筆者は考えている。使用するデックは、環境最大派閥が決定している続唱ジャンド。

 対するのは、昨年、久々の日本人プロツアー王者となり、その名前を世界に知らしめた「魔界の番人」三田村 和弥(千葉)。前日に調整しているのを見た限りでは、エスパーコントロールを使用するように見受けられたが...

三田村 「みんなの反対が厳しくてねー」

 青系のコントロールにしろ、黒系のボードコントロールにしろ、三田村の得意デックであることには間違いない。特に、続唱ジャンドは昨年のホノルルで三田村を戴冠させたデッキだ。はたして、三田村は結局どのデックを選択したのか。

 だれもが疑わない、日本人のスーパートップスター同士が1戦目で対戦し、そして当然のようにフィーチャリングされた。

池田 「1回戦にフィーチャリングされるの初めてだけど、結構気楽だね。かかってるものが違うから...ここで負けても、まだ0-1でしょ」

Game 1

 ダイスロールで先手は三田村。1ターン目にワールドウェイクで追加された新戦力《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をセットすると、2ターン目には《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を戦場に送り込む。

 対して、池田は《山/Mountain》からの《野蛮な地/Savage Lands》でターンエンド。三田村は3ターン目に《荒廃稲妻/Blightning》という、理想的なスタート。

池田 「いや、もう、3ターン目に《荒廃稲妻/Blightning》打たれると思って、マリガンしなかったんだよね。こいつ、初手からうっとうしかったけど、どうせ捨てるなら一緒だし」

 と、2枚の《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》をディスカード。

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三田村 「うわ、試合前からジャンドメタされてる...昨日情報操作のために一生懸命《取り消し/Cancel》うってたのに...」

池田 「あ、そうだったの?その情報自体が入っていなかった...操作失敗だね」

 とはいえ、池田、3ターン目も土地をセットしてのターンエンド。その間に、三田村の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》が、池田のライフを削って行く。2ターン目にドロップされる5ターンクロックはちょっとハードだ。

 さらに、2枚目の《荒廃稲妻/Blightning》を打ち込み、池田の選択肢を狭めて行く三田村。

池田 「2枚、か...」

 ここでの池田のディスカードは《稲妻/Lightning Bolt》と《瀝青破/Bituminous Blast》。返すターンでやっと《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》をキャストする池田だが、手札はすでに、2枚。

 三田村がアタックしてきた《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》でブロックし、1/1苗木を3体戦場にばらまいた池田だが、この苗木トークンは一瞬のまもなく、《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で戦場を離れる。

 完全に追い風ムードの三田村。またも土地セットだけでターンを返した池田に対して、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》をつっこませる。

 だが、ついに5枚目の土地にアクセスしていた池田は、ここで《瀝青破/Bituminous Blast》を《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》に打ち込む。

 さらに、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》→《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》というアラーラブロックコンボ十傑が炸裂し、三田村のターンが終わってみれば、池田は《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》・《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》をコントロールし、一方の三田村はクリーチャー無しという状況に。

 こうなると、土地が4枚でストップしてしまった三田村は厳しい。《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》ゲームから、重量級呪文の撃ち合いステップにゲームが以降してしまったからだ。

 三田村は《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》に《終止/Terminate》を打ち込むが、池田もついに《荒廃稲妻/Blightning》を打ち込み、お互いの手札を1枚にする。この時点で、池田がパーマネントで土地1枚と《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》有利、一方の三田村はライフが2点優位という展開。

 ここで三田村は土地をセットしながら、《荒廃稲妻/Blightning》をキャストし、土地分のビハインドを帳消しにしつつ、お互いの手札をゼロ枚にし、ライフ差を5点に引き上げる。

池田 「《怒り狂う山峡/Raging Ravine》つらいなぁ...」

 そう、見えないボードのアドバンテージとして、三田村は1ターン目に《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をセットしていたのだ。ワールドウェイクで投入されたこのクリーチャー化する土地というコンセプトのなんと強力なことか。

 池田は、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》をブロッカーとして残し、三田村は《怒り狂う山峡/Raging Ravine》でアタック。ここで《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》がチャンプブロックし、トークンを3体生み出す池田。三田村は《荒廃稲妻/Blightning》をキャスト。

池田 「3枚目、かぁ」

 盤面で五分、そしてライフ差を広げられて厳しくなった池田だったが、ここで《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を引く。池田はトークンでアタックした後に、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を追加し、ブロッカーとする。対抗して三田村も《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を引くのだが、ここのあわせるように《終止/Terminate》が打ち込まれる。

 三田村の7点のライフに対して、トークン6体の池田。相手の《怒り狂う山峡/Raging Ravine》でのブロックを意識して、長考するが、すべてアタック。

 こうして、三田村のライフをジリジリと追い詰めて行く池田。だが、結局本体火力として《稲妻/Lightning Bolt》を引き当てた三田村が、5/5となった《怒り狂う山峡/Raging Ravine》とともに、池田の残り時間を奪いきったのだった。

三田村 1-0 池田

Game 2

 池田が2枚連続で《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をセットするのに対して、三田村も2ターン目まで《怒り狂う山峡/Raging Ravine》《山/Mountain》とセット。

 今度は、池田が3ターン目に《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》で主導権を握ると、三田村は返しで何もキャストできない。追い打ちのように2枚目の《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を追加する池田。

 ここで三田村はキッカーを支払った《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》をキャストし、池田の《怒り狂う山峡/Raging Ravine》を破壊。対ジャンドの定番であり、昨年度の世界選手権を決めたこのクリーチャーだが、すでに2体の《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》が出てしまっている盤面を覆す力はない。

池田 「かわいいのがでてきたなぁ」

三田村 「《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》がごついだけっすよ」

 池田は《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》2体で攻撃を続け、さらに《荒廃稲妻/Blightning》で追撃する。《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》とディスカードした三田村は、5ターン目に5枚目の土地をセットして、そして何もせずにターンエンド。

 さきほどは、《瀝青破/Bituminous Blast》1枚で戦況を逆転しかけた池田だけに、ここでは十二分に警戒をする。そして、2体の《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》と《怒り狂う山峡/Raging Ravine》でアタック。

 三田村は当然の《瀝青破/Bituminous Blast》を《怒り狂う山峡/Raging Ravine》へ。。そして、続唱された《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》。《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》がチャンプブロックし、ライフを支払った《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》が《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を打ち倒す。池田は苗木トークン3体を配下に従える。

 返す三田村のアクションが、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》。これで続唱されるのが《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》だったことで、三田村は戦場に、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》とコントロールする盤面を作りあげる。対する池田は《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》1体と苗木3体なので、盤面は三田村の優勢、といったところか。

 土地は互いに5枚。池田は14点分のライフアドバンテージがあるので、このライフアドバンテージを活かしつつ、大型呪文でねじ込めるか否かが勝負の争点となる。

 ここで、三田村は《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》。今度は、どちらが重量呪文にアクセスできるかという場面での登場であり、先ほどとは打って変わって、非常に苦い表情を浮かべる池田。

 さらに土地もセットし、ジャンドマックスパワーである6マナに到達した三田村。一方の池田は、《瀝青破/Bituminous Blast》も撃てない4マナ。《精神腐敗/Mind Rot》を池田が打ち込んだ返しに、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》と《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》をレッドゾーンに送り込み、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》をトークンにさせつつ、トークンの数を削る。

 この間も土地をセットし続ける三田村は、《怒り狂う山峡/Raging Ravine》を戦場に送り込む。これが《終止/Terminate》されると、池田は返しにひいた《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》で土地をさらに破壊。だが、なおも三田村の土地は6枚あるのだ。しかし、その6マナを活かすカードを引けない三田村。

 三田村は《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》という陣営から、クロックを刻まなければならないために、相手の除去をケアできる《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を残して、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》でのアタック。池田がアタックしたトークン3体のうち、1体が《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》にブロックされて、2体が通って、三田村のライフは4。

 返しでパーマネントを追加できなかった三田村は、再び《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》でアタック。こうして、無理矢理ねじ込まれた2体のトークンが、三田村のライフを1点削ってライフを3にし、《荒廃稲妻/Blightning》がゲームを決めたのだった。

池田 「はい、一本取り返したよ!」

三田村 1-1 池田

Game 3
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 先手三田村と、後手の池田が、ともに《山/Mountain》《沼/Swamp》とキャストする立ち上がり。

池田 「まったくおんなじやん」

三田村 「いや、ここで、僕はこんなもんをひきましたよ」

 と《野蛮な地/Savage Lands》をタップイン。池田も「似たようなもんだ」と《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》をセットすると、《精神腐敗/Mind Rot》をキャスト。3ターン目にどちらも緑マナを確保できていなかったハンドをキープしていたようだ。

 ここで、2枚の《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》をディスカードした三田村は、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を盤面に追加。


 さらに《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》で土地を破壊すると、池田は、土地がストップしてしまう。2枚の《稲妻/Lightning Bolt》で《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》と除去する池田だが、3体の苗木に対抗できない。

 三田村はさらに《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を追加。池田は土地を引けない。三田村は、2枚目の《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》を追加。このマッチで、もっとも強い《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》の登場だ。

池田 「ここでひければまだ!」

 結局、このマッチアップで、一番強いクリーチャーは《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》だということが証明されたのだった。

三田村 2-1 池田

三田村 「来週のLMC用のデッキを調整していて良かったよ...」

 前日に、多くのプレイヤーからのありがたい助言によって、エスパーコントロールからジャンドに変更した三田村。

 会場を見回せば、ざっくり30%から40%がジャンドというこの大会。

 このジャンドの海を泳ぎ切り、初日終了時点で笑っているのはどちらのプレイヤーか。

 願わくば、両名の続唱運が優れていることを。

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