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Round 2:齋藤 友晴(東京) vs. Rob Dougherty(アメリカ)

Round 2:齋藤 友晴(東京) vs. Rob Dougherty(アメリカ)

By Daisuke Kawasaki

 Game 1での、池田のセリフとして引用したように、今年の世界選手権では、齋藤 友晴(東京)の殿堂入りが、日本人のみならず、世界的なコミュニティで確実視されている。

 PoYであり、現在の現役最前線を走り続けるトッププロなのだから、そう予想されるのも当然であろう。

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齋藤 「今年は、PoY獲得狙いますよ。狙うというか、最低条件ですね、PoYと殿堂のダブル受賞を世界選手権で受けるのは。そっからどれだけ多く同時受賞を狙えるか、が今年の目標です」

 すでに、シーズン開幕戦のグランプリ・オークランドでトップ8入賞を果たしている齋藤の言葉だけに、現実味を帯びて聞こえてしまうのが非常に恐ろしい。これが齋藤の持つオーラ、基本的にハッピーなのだ。

 そんなハッピーの期待値の高い齋藤が、このRound 2で対戦するのが、すでに殿堂入りを果たし、元祖デックビルダーとして知られる「YMG総帥」Rob Dougherty(アメリカ)である。

 近年のトーナメントシーンの傾向として、「レジェンド」ともいえるベテラン強豪たちのトーナメント帰り、そして活躍というのが挙げられると思うが、例に漏れず、Doughertyも、最近はトーナメントに積極的に参加し、そして、成績を残している。

 齋藤の使用するのは《不屈の自然/Rampant Growth》型のジャンド。

 このジャンドへと、元祖デックビルダーはどのような対抗策を持ち込んだのか。

Game 1

 後手の齋藤が、2ターン目の《不屈の自然/Rampant Growth》でマナ加速。対するDoughertyは、3枚の《沼/Swamp》を並べた上での《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》キャスト。そう、YMG総帥が持ち込んだデックはなんと吸血鬼なのだ。

 この《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》を《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で除去する齋藤。返すターンにDoughertyは《血の署名/Sign in Blood》で手札を増やし、《湿地の干潟/Marsh Flats》経由で4枚目の《沼/Swamp》を置き、《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》をキャストする。

 エクステンデッドでは圧倒的な存在感を誇るこのクリーチャーだが、スタンダードではどうか。

 齋藤は、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》をキャスト。そして、《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》はそのポテンシャルを見せることなく、続唱された《終止/Terminate》によって、墓地へと送り込まれる。齋藤は2枚目の《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をセットしてターンエンド。ジャンド後半戦の6マナにあと一歩。

 後半戦突入を目前に、齋藤へとプレッシャーを与えられていないDoughertyは、《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》をキャスト。めくられたトップが《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》だったことで、ここはフェッチを起動せずにターンエンド。

 《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》は《瀝青破/Bituminous Blast》の餌食に。続唱されたのがまたも《終止/Terminate》だったことで、アドバンテージを取られなかったのが不幸中の幸いだったものの、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》がDoughertyのライフを削り、試合は依然として齋藤ペース。

 Doughertyは先ほどトップにいた《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》をドローして、キャスト。そしてフェッチを起動すると、《不気味な発見/Grim Discovery》でこのフェッチと《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》を回収し、アドバンテージを稼ぐ。齋藤はターンエンドに《稲妻/Lightning Bolt》で《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》を墓地に。

 枚数ではかなり着々とアドバンテージを稼いでいるように見えるDoughertyなのだが、盤面がまったく構築できていない。齋藤が《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をレッドゾーンに送り込み、ライフが3。ここでDoughertyは、先ほど回収した《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》ではなく、《恐血鬼/Bloodghast》をキャストし、そして、土地を5枚残してターンエンド。

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 このことが何を意味するかは齋藤にはわかっている。でも、齋藤は攻め手を止めるわけにはいかない。《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をクリーチャー化し、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》と共にレッドゾーンへ。Doughertyはフェッチを起動し、まさに予想通りと言える《堕落の触手/Tendrils of Corruption》を《怒り狂う山峡/Raging Ravine》に打ち込む。

 齋藤は、待ってましたと、これに対応して《稲妻/Lightning Bolt》を本体に。

齋藤 1-0 Dougherty

Game 2

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 先手Doughertyによる1ターン目の《強迫/Duress》からゲームがスタート。

 《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》×2《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》《稲妻/Lightning Bolt》《不屈の自然/Rampant Growth》、そして《野蛮な地/Savage Lands》という手札から、《不屈の自然/Rampant Growth》をディスカードさせる。

 土地1枚キープの齋藤に対して、Doughertyは、2枚目の《強迫/Duress》。ここで齋藤が土地をまだ引いていないことを確認すると、《稲妻/Lightning Bolt》をディスカードさせる。

齋藤 「ランドー!」

 という齋藤の叫びに答えてか、山札の上からセットされる《森/Forest》。Doughertyは《血の署名/Sign in Blood》キャストで手札を蓄えて、3枚目の《強迫/Duress》。齋藤の手札で唯一のスペルである《終止/Terminate》をディスカードさせる。

 Doughertyは、《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》をキャスト。ここで、土地を引けなかった齋藤は、そのまま2枚目の《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》によって、信じられないサイズにふくれあがった吸血鬼軍団に蹂躙されてしまうのだった。

齋藤 1-1 Dougherty

Game 3

 《野蛮な地/Savage Lands》セットの齋藤に対して、Doughertyはまたも1ターン目《強迫/Duress》という展開。

 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》《瀝青破/Bituminous Blast》《稲妻/Lightning Bolt》《終止/Terminate》に土地が2枚という手札から《終止/Terminate》をディスカードさせる。

 齋藤は、《怒り狂う山峡/Raging Ravine》セットと、2ターン連続のタップインセットでターンを返す。互いにキャストのないターンをはさみ、Doughertyが、除去をケアしたフェッチ残しの《恐血鬼/Bloodghast》でターンを返す。齋藤は、4マナで《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》。この続唱でめくれたのが《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》だったことで、一気に盤面を有利にする。やっぱり、どう考えても続唱はおかしい。

 なんてことは誰もが知っている。Doughertyは、《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》をキッカー付きでキャストする。当然のように《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》をサクリファイスし、3体の1/1トークンへとトランスミュートする齋藤。3/3が1/1の群れになったところでDoughertyは2/1の《恐血鬼/Bloodghast》をレッドゾーンに送り込む。

 ここで齋藤は長考。一度はブロックしようかとトークンに手をかけたが、結局2点のダメージを通す。返す自身のターンに《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》へと《瀝青破/Bituminous Blast》。この続唱はちょっと残念な《不屈の自然/Rampant Growth》だったものの、これでジャンド後半戦を戦える6マナにたどり着けたのだから、そおれはそれで良し、と、齋藤はトークン3体を含めた6点分のクロックをレッドゾーンに送り込む。これでDoughertyのライフは11。

 《強迫/Duress》を打ち込んだDoughertyが見たのは、《稲妻/Lightning Bolt》《終止/Terminate》、そして《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》という絶望的なもの。《稲妻/Lightning Bolt》をディスカードさせるものの、明らかに表情が沈んでいる。シャッフルする手もおぼつかない。歴戦の殿堂プレイヤーすら驚愕させる、それがジャンドというデッキのカードパワーなのだ。

 Doughertyがキャストした《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》を《終止/Terminate》で処理すると、齋藤は《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をクリーチャー化し、フェッチ起動で10点になっていたDoughertyのライフを、《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》に頼るまでもなく削りきったのだった。

齋藤 2-1 Dougherty

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