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Round 1:Olivier Ruel(フランス) vs. Zvi Mowshowitz(アメリカ)

Round 1:Olivier Ruel(フランス) vs. Zvi Mowshowitz(アメリカ)

By FOREST

 プロツアー・サンディエゴ2010第1回戦。「ジャンド続唱」の圧倒的な強さが印象的なスタンダード環境に、ふたりの殿堂プレイヤーがそれぞれ異なるアプローチで青いデッキを持ち込んだ。2010年2月5日に発売された最新セット「ワールドウェイク」はスタンダード環境にどのような影響を与えているだろうか? まずはふたりのデッキを御紹介しよう。

 フランスのOlivier Ruelが持ち込んだのは、いわゆる「ターボフォグ」。これは《吠えたける鉱山/Howling Mine》や《神話の水盤/Font of Mythos》によってドローを加速しつつ、対戦相手の戦闘ダメージを「フォグ」系呪文で無効化するという動きを見せる。フィニッシュブローとなるのが《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》の三番目の能力であるため、「ジェイスレイター」とも呼ばれるデッキだ。いわゆるライブラリー破壊デッキのカテゴリーである。

 対するZvi Mowshowitz(アメリカ)が持ち込んだデッキは「10年ぶりのThe Solution」と前評判の段階から期待されていたビートダウンデッキで、その正体は緑青白のバントだ。もちろん、「10年ぶりのThe Solution」とまで言われるわけだから、そんじょそこらのバントビートとはひと味もふた味も違う魅力を見せてくれるはずだ。デッキの詳細は、試合の経過とともに少しずつ御披露しよう。

 さあ、2010シーズンの最初のプロツアーの冒頭を飾るフィーチャーマッチをご堪能あれ!

Game 1

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 両者マリガンからのスタートとなるも、ともに第1ターンからスペルを使用するという立ち上がり。先手Olivierが《思案/Ponder》によるドローを、Zviは《極楽鳥/Birds of Paradise》からマナを伸ばす立ち上がり。Zviは第2ターン目にも二羽目の《極楽鳥/Birds of Paradise》を追加し、先行3ターン目にOlivierは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》をプレイして両者ドロー1カードを選択。

 ここでZvi Mowshowizは第3ターンに《悪斬の天使/Baneslayer Angel》、第4ターンに《数多のラフィーク/Rafiq of the Many》という素晴らしい展開を見せ、天使の一撃でジェイスを破壊。一気にライフゲージが30点を越えるZviだった。

 他方、Olivier Ruelは土地が伸びずディスカードをむかえる展開。《天使歌/Angelsong》サイクリングを確認したZviは「ターボフォグか、クシシシ」と、彼独特の笑い声を響かせた。

 それでもOlivierは4マナに辿りついての《審判の日/Day of Judgment》で盤面を一掃する意地を見せつけたが、返すターンにZviは《猛り狂うベイロス/Rampaging Baloths》と「上陸」とで4/4トークンを生成し、一撃で敵を屠ることのできる打撃力を確保。

 なんとか《安全な道/Safe Passage》で1ターンを稼いでみたOlivierだったが、悪あがきは続かなかった。

Zvi 1-0 Olivier

Game 2

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 Olivierふたたび初手マリガン。対するZviはオープニングセブンをキープ。

 Zviはフェッチランド起動から《極楽鳥/Birds of Paradise》というスタート。Olivierは2ターン目に《吠えたける鉱山/Howling Mine》設置。そして後手2ターン目からZviは長考に入り、《貴族の教主/Noble Hierarch》をプレイし、しかしながら《極楽鳥/Birds of Paradise》ではアタックせずにターンを返した。もちろんアンタップしたマナで構えている(ようにみえる)のは《否認/Negate》だ。

 続くターンにZviは《最高の時/Finest Hour》をプレイ。さらにZviは《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》からマナを伸ばし、ターボフォグデッキのキーカードである《吠えたける鉱山/Howling Mine》を《バントの魔除け/Bant Charm》で破壊。これに《否認/Negate》で対抗しようとするOlivierに対し、Zviも《否認/Negate》をお見舞いする。

 時間を稼ぎたいOlivierは《時間のねじれ/Time Warp》をプレイし、獲得したターンに《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》をプレイ。続いて《吠えたける鉱山/Howling Mine》を引き当て、続くZviのアタックを《安全な道/Safe Passage》でしのいでみせた。

 なんとか殴りきりたいZviは《茨異種/Thornling》を自陣に展開。しかし、続くターンのアタックをOlivierは《安全な道/Safe Passage》でしのぎつつ、盤面には《神話の水盤/Font of Mythos》を加えるという展開。Zviは苦笑しながら《最高の時/Finest Hour》2枚目をプレイしてターンを返した。

 ここでOlivierは《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition》を盤面に加え、さらに《吠えたける鉱山/Howling Mine》を2枚追加。アップキープに《天使歌/Angelsong》や《安全な道/Safe Passage》を連打するモードに突入し、Zviの唯一の勝ち筋である戦闘ダメージを完全に封じ込めた。

 Olivierの場には1枚の《神話の水盤/Font of Mythos》、3枚の《吠えたける鉱山/Howling Mine》。これにより、両者は毎ターン6枚ずつのカードをドローする。すなわち、山札に残るカードが6枚ずつ摩耗していく状況となる。

 《濃霧/Fog》系スペルの連打を前に、ただただクリーチャーを展開するしかないZvi。さらに、Olivierは《時間のねじれ/Time Warp》を連打し、《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》にカウンターを載せ続け、2枚目の《神話の水盤/Font of Mythos》を盤面に加える。

 まもなく、残り十余枚しか残っていないZviのライブラリーに《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》の三番目の能力が起動された。「ジェイスレイター」の真骨頂とも言える第2ゲームだった。

Zvi 1-1 Olivier

Game 3

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 《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を《瞬間凍結/Flashfreeze》でカウンターし、その上で《吠えたける鉱山/Howling Mine》設置という立ち上がりの後手Olivier。先ほどの第2ゲームでは見事に試合の流れをコントロールしきっただけに、鼻息も荒い。

 しかしながら2体の《貴族の教主/Noble Hierarch》と《極楽鳥/Birds of Paradise》によって強固なマナ基盤を作り上げているZviは《最高の時/Finest Hour》プレイからの教主によるアタックで一気に6点のダメージを与える。バントならではの「賛美」メカニズムによる強烈な一撃だ。

 続くZviの《活発な野生林/Stirring Wildwood》でのアタックを《安全な道/Safe Passage》でさばき、さらにOlivierは《時間のねじれ/Time Warp》を連打して土地をプレイする時間を稼いだ。獲得した追加のターンに《吠えたける鉱山/Howling Mine》をプレイするOlivier Ruel。

 久しぶりに自分のターンを迎えたZviは《活発な野生林/Stirring Wildwood》でアタックを試みるが、これをOlivierは《天使歌/Angelsong》で一蹴しようとし、Zviがこれに《バントの魔除け/Bant Charm》で対抗。すると、Olivierの手札からはもう一枚の《天使歌/Angelsong》が公開されたが、これも《否認/Negate》でカウンターして見せるZvi。なんとか一撃を通して見せた。

 ここでOlivierは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を盤上に追加してさらにドロー加速を果たし、続くZviのアタックかわるがわるの《安全な道/Safe Passage》や《天使歌/Angelsong》でさばいてみせる。傍目にも、Olivierが第2ゲームに続いて第3ゲームも掌握しかかっているかのようであった。

 しかし、Zviのシークレットテクがすべてを変えてしまった。

 Zviはフェッチランド起動により1ターンに二度の「上陸」を果たし、これによって《忠告の天使/Admonition Angel》の「上陸」能力で《吠えたける鉱山/Howling Mine》2枚を追放する。続くターンにもフェッチランドからの「上陸」二重起動で《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》と《吠えたける鉱山/Howling Mine》を追放し、Olivierのデッキの原動力となるドローソースをシャットアウトしてみせた。その上でZviは二枚目の《最高の時/Finest Hour》をプレイする。

 まさかのサイドボードカードである《忠告の天使/Admonition Angel》を前に、追加のドロー供給源をすべて失ってしまったOlivir Ruel。防御手段の供給を断たれてしまったOlivierはまもなく敗北を認め、右手を差し出して握手を求めた。

Zvi 2-1 Olivier

 はたして「10年ぶりのThe Solution」と呼ばれるバントデッキは、ここサンディエゴで大輪の花を咲かせることができるだろうか? このマッチを制した《忠告の天使/Admonition Angel》をはじめ、彼独特のテクニックに注目したい。

 ちなみに、The Solutionによる伝説的な勝利から十年という節目を迎えたということは、日本語によるプロツアーカバレージもちょうど十周年を迎えたということにもなる。

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