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Draft Pick:Drafting With The Limits Champion!

Draft Pick:Drafting With The Limits Champion!

By Daisuke Kawasaki

 昨年末に開催されたThe Limits2009。

 ここで、初めてのプロプレイヤーチャンピオンとなったのが、「ウルトラソリッド」こと栗原 伸豪(東京)だ。

 いまや、誰もが認めるリミテッド巧者の栗原。二日目進出をかけたこの栗原のピックを、簡単に追いかけていきたいと思う。


■第1パック

 オープンしたパックには、《噴出の稲妻/Burst Lightning》。

 ここで一瞬手が止まるが、続いて、《ヘルカイトの突撃者/Hellkite Charger》《冒険者の装具/Adventuring Gear》といった優良カードも見え、顔をしかめる栗原。

 長考の末、時間ギリギリで《ヘルカイトの突撃者/Hellkite Charger》をピック。

 続く、せかんどぴっくでは、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap》のトークンといった緑の優良カードと《刃牙の猪/Bladetusk Boar》《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter》といった赤いカードで悩み、《刃牙の猪/Bladetusk Boar》をピック。これは赤単狙いというよりは、色を絞ったピックで様子を見ようと言うことか。

 だが、ここで緑の優良カード《変わり樹のレインジャー/Turntimber Ranger》が流れてくる。赤いカードが《破滅的なミノタウルス/Ruinous Minotaur》しかなかったこともあって、この強力レアをピックする栗原。

 そして、4手目には、同盟者である《ムラーサの紅蓮術士/Murasa Pyromancer》が。だが、同じ赤い同盟者でも栗原はここで《高地の狂戦士/Highland Berserker》をピックする。

 赤と緑のカードがほとんど無い5手目では、アーティファクトの《冒険者の装具/Adventuring Gear》《松明投げ/Torch Slinger》で悩んだ末に、前者をピック。続いて《巨森の蔦/Vines of Vastwood》をピックし、赤緑路線が確定か。

 そして、7手目。ここまで赤が薄い流れと打って変わって、《ムラーサの紅蓮術士/Murasa Pyromancer》《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》という赤い優良カードが流れてくる。デッキの傾向的には《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》が欲しいところだが、同盟者を集められれば...ということも手伝い、ここでは《ムラーサの紅蓮術士/Murasa Pyromancer》をピックする。

 《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》などの中堅カードをあつめ、赤緑中心、できれば同盟者多めで、といった方向性が見えてきた第1パックであった。

■第2パック

 パックの中身を確認し終えてから開封した第2パックのレアは、《乾燥台地/Arid Mesa》。取り切りのドラフトでこの高額レアは心惹かれるものの、ここはプロツアー。栗原は《刃牙の猪/Bladetusk Boar》をピックし、クロックを強化する。

 続くパックでは、この《刃牙の猪/Bladetusk Boar》と相性が良く、決定打となりうるレアカード《巨身化/Gigantiform》をピック。軽重クロックの質は高まってきているだけに、ここらへんで除去カードに期待したい所。

 3パック目では、マナ加速の《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid》、同盟者の《石造りのピューマ/Stonework Puma》、優良中堅の《領地のベイロス/Territorial Baloth》《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》という組み合わせから、クロックは十分と、サポートカードとなる《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid》をピック、4手目でも《砕土/Harrow》をピックした。

 5手目。《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》《大木口の幼生/Timbermaw Larva》、そして同盟者の《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》の中から、かなりなやんでの《大木口の幼生/Timbermaw Larva》。すでに除去も少なく、いっそ緑中心のビートにするのだろうか。

 パック後半では、特筆するような転換期も無く、第1パックでの流れをそのまま継承した形となった。

 《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》や《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager》といった、軽いマナ域でタフネスの高いクリーチャーを後半で確保していたのが印象的か。

■第3パック

 《獣性の脅威/Bestial Menace》と《タジュールの力/Strength of the Tajuru》でため息をつきながら相当悩む栗原。だが、やはりマルチキッカーの力は圧倒的で、ここは《タジュールの力/Strength of the Tajuru》を、本当に悩んだ末にピックする。

 2手目では、他のプレイヤーに行く除去の枚数を判断しつつも、《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》をピック。3手目では《ナーリッドの群れ/Gnarlid Pack》、4・5手目では《闘士蜘蛛/Grappler Spider》と、序盤を支えるクリーチャーをピック。この時点で、デッキ全体のマナ域は、かなりきれいなものとなっているのだが、しかし、残念ながら除去が無い。もはや、色構成的に仕方なく、その分、優良クロックの枚数でフォローという戦略だろうか。

 まったく特筆するべきカードの無かった6手目《壌土のライオン/Loam Lion》の後に、《ヴァラクートのかぎ爪/Claws of Valakut》と悩んで、《巨森のゼンディコン/Vastwood Zendikon》をピック。さらに、8手目では3枚目となる《闘士蜘蛛/Grappler Spider》をピックする。

 9手目という遅い順目でボーナスともいえる《ナーリッドの群れ/Gnarlid Pack》をピックし、栗原のデックはほぼ完成。サイドボードで使える可能性がある《跳ね返りの罠/Ricochet Trap》をピックし、ドラフトは終了......と思いきや、12手目ではセカンドボーナスの《巨森のゼンディコン/Vastwood Zendikon》。

 緑という位置取りが良かったのか、後半でもかなり良いカードの取れた3パック目。

 それでは、構築を見てみよう。

■デッキ構築

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 低マナ域のクリーチャーを中心に、強力レアの投入された赤緑デックを構築している栗原。

 デッキ構築では、22枚目となるカードを《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》にするか、それとも、《跳ね返りの罠/Ricochet Trap》にするかでなやんでいたが、最終的に《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》に決定し、デックを完成させ、登録用紙を提出した。

 それでは、栗原にドラフトの感触を聞いてみよう。

-- ピックの感触はいかがでしたか?

栗原 「正直、一番やりたくない色の組み合わせになってしまって、かなり悲しい気持ちです。練習でまったく勝てなかったんですよ」

-- そんなやりたくない色になってしまった理由は?

栗原 「初手ですね。今、赤は非常に弱いんで、《ヘルカイトの突撃者/Hellkite Charger》以外からは赤に行かないつもりだったんですけど、初手で《ヘルカイトの突撃者/Hellkite Charger》でてしまいましたからね...。あそこで《冒険者の装具/Adventuring Gear》をとる勇気はなかったです」

-- 《冒険者の装具/Adventuring Gear》とってればまた、別のデッキでしたか?

栗原 「ですねー。多分、白緑のすごい強いデッキになっていたんじゃないですかね。白いカードが結構ながれてましたしね」

-- 途中、《刃牙の猪/Bladetusk Boar》とかを優先してしまっていたのもあって、赤から抜けにくくなっちゃいましたもんね。

栗原 「赤をやるなら、できるだけ赤単になるようにしたいんで、そうしたんですけど、かなり裏目でした。あと、除去がまったく取れなかったのが想定外でしたね。《巨森の蔦/Vines of Vastwood》をピックしたタイミングで《マグマの裂け目/Magma Rift》も取れたんで取っておけばよかったです」

-- なるほど。そういえば、《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》を早い順目でとっていたのが印象的でしたけど、《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》は強いですか?

栗原 「強いですね。相手にとっては必ず除去したいクリーチャーですんで」

-- このデッキはどれくらいの勝利を得られると思いますか?

栗原 「2-1したいですね。しないと二日目ないんで。レアがうまく動いてくれれば勝てるとは思うんですけど」

-- 最後に、ワールドウェイクになって、一番変化したことってなんですか?

栗原 「赤が弱くなりました。昔は黒に継ぐ2番手カラーだったんですけど、赤単のパーツが減った上に、環境が遅くなったので、赤はかなり勝ちにくいです」

-- そんな赤をピックしてしまったと。

栗原 「そういうことです。しかも、下が取るのは《噴出の稲妻/Burst Lightning》、つまり、最悪の被り赤です」

-- ありがとうございました。がんばってください。

栗原 伸豪
9 《森/Forest》
8 《山/Mountain》
1 《飛翔する海崖/Soaring Seacliff》

-土地(18)-
3 《闘士蜘蛛/Grappler Spider》
2 《ナーリッドの群れ/Gnarlid Pack》
1 《高地の狂戦士/Highland Berserker》
1 《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》
1 《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid》
1 《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》
1 《大木口の幼生/Timbermaw Larva》
2 《刃牙の猪/Bladetusk Boar》
1 《変わり樹のレインジャー/Turntimber Ranger》
1 《ヘルカイトの突撃者/Hellkite Charger》

-クリーチャー(14)-
2 《巨森のゼンディコン/Vastwood Zendikon》
1 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
1 《冒険者の装具/Adventuring Gear》
1 《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》
1 《砕土/Harrow》
1 《タジュールの力/Strength of the Tajuru》
1 《巨身化/Gigantiform》

-呪文(8)-

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