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Round 9:Gabriel Nassif(フランス) vs. Luis Scott-Vargas (アメリカ)

Round 9:Gabriel Nassif(フランス) vs. Luis Scott-Vargas (アメリカ)

By FOREST

 二人のプレイヤーはドラフトを終えるや否や、ヘッドジャッジのマイクアナウンスを待たずにアリーナへとやってきた。

 初日を八連勝で駆け抜けたプレイヤーは彼らだけ。しかも、昨年度プロツアー京都の決勝戦を彩ったスーパースターの競演がフューチャーマッチに選ばれないことなど、万に一つもありえない。

"LSV" Luis Scott-Vargas:緑単色
Gabriel Nassif:黒単色

Game 1

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 1ターン目に《カルニの庭/Khalni Garden》セットから0/1トークン展開、2ターン目に《リバー・ボア/River Boa》、3ターン目に《冒険者の装具/Adventuring Gear》をまとわせてアタック4点という緑単色LSVの立ち上がり。対するNassifも2ターン目に召喚した《無情な選刃/Ruthless Cullblade》で2点殴り返す。

 LSVは《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》を出してから「上陸」。これによって4点アタックとゲイン2ライフをはたし、戦闘後にマナエルフである《東屋のエルフ/Arbor Elf》を戦場に送りだす。さらに、続くターンにもLSVは《巨森のゼンディコン/Vastwood Zendikon》を自軍に加え、フランス勢の横っ面へと痛打を見舞う。

 しかし、Nassifも《血の求道者/Blood Seeker》を出したことによって「二体の吸血鬼をコントロールする」という《血の饗宴/Feast of Blood》の使用条件を満たし、《リバー・ボア/River Boa》と《巨森のゼンディコン/Vastwood Zendikon》を破壊し、瀕死の状況にあったライフを6点にまで回復する。

 そして、そんなNassifを嘲笑うかのようなトップデッキを炸裂させるLSV。

 ゼンディカーブロックを代表する神話レアである《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》が、第1ゲームに終止符を打った。

Scott-Vargas 1-0 Nassif

Game 2

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 テイクマリガンを余儀なくされるNassif。敵軍に《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》という必殺兵器が存在することを前提に、つまり、ゲームメイクにおいては盤上の数的優位を築くことを意識して、彼はオープニングセブンを受け入れなかった。

 ワンマリガンからNassifは2/2《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》、1/1《泥地の吸血鬼/Quag Vampires》、2/2《ボジューカの盗賊/Bojuka Brigand》と展開するスタート。LSVの最初のクリーチャーである2/1《リバー・ボア/River Boa》を《血の饗宴/Feast of Blood》でさばき、アタックを継続する。

 《砕土/Harrow》からマナ基盤を強化し、1/3《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》によって防御をかためにかかるLSV。ここでNassifは2/1《無情な選刃/Ruthless Cullblade》を追加し、返すターンに5/3《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》がLSVから召喚される。ここまでの攻防でLSVのライフは11。Nassifは1/1《血の求道者/Blood Seeker》、《鼓動の追跡者/Pulse Tracker》とさらに黒い小兵たちを追加し、これによって盤面には6名の黒衣が整列し、うち5人は吸血鬼という陣容となった。

 ここでLSVは1/1《東屋のエルフ/Arbor Elf》を展開してターン終了。LSV側の軍勢は3体。そして《血の求道者/Blood Seeker》の能力が誘発し、LSVのライフはピッタリ10。Nassifは4/2にサイズアップした《無情な選刃/Ruthless Cullblade》でアタック宣言を行い、5/3ゴーレムと相討ち。Nassifはキッカーで2/2《泥地の吸血鬼/Quag Vampires》を追加する。

 ここにきてLSVは《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》を出してターン終了。第1ゲームを決定づけたこのカードだが、数的劣勢となってしまっている今、「毎ターン1体ずつクリーチャーを生贄にささげなければならない」という維持コストがLSVの肩に重くのしかかる。

 ここでNassifは《精神ヘドロ/Mind Sludge》でLSVの残った手札二枚(ともに土地)を捨てさせ、これにより、続くターンにトップデッキされた2/2《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》にライフゲインを許さなかった。さらにNassifは自陣に7体目のクリーチャーである3/3《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》を追加する猛攻。

 最後のドローを確認し、劣勢を覆せないことを確認したLSVは投了した。

Scott-Vargas 1-1 Nassif

Game 3

 1/1《鼓動の追跡者/Pulse Tracker》、2/1《無情な選刃/Ruthless Cullblade》、2/2《ボジューカの盗賊/Bojuka Brigand》と序盤から確実に黒い小型クリーチャーを展開するNassif。対してLSVも2/2《ナーリッドの群れ/Gnarlid Pack》と2/1《リバー・ボア/River Boa》、2/2《大木口の幼生/Timbermaw Larva》と展開し、ダメージレースを仕掛ける。

 ここでNassifは《忌まわしい最期/Hideous End》で《大木口の幼生/Timbermaw Larva》を倒し、5点のカウンターアタックを仕掛ける。LSVも負けじと2/1《闘士蜘蛛/Grappler Spider》を召喚し、《ナーリッドの群れ/Gnarlid Pack》で2点殴り返すアクション。

 続くターンにNassifは3/3《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》を召喚し、同盟者である《ボジューカの盗賊》も3/3にパワーアップ。対するLSVは《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》から「上陸」でゲインライフ。Nassifも、これを即座に《血の饗宴/Feast of Blood》で除去し、ライフは14対16と拮抗した形である。

 Nassifがここで二体の3/3でアタック宣言し、LSVは《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》を蜘蛛とボアによるダブルブロックでさばき、売剣と蜘蛛の実質的な相討ちとする。この戦闘で3点のダメージが通り、LSVの残りライフが11点。

 LSVは《巨森のゼンディコン/Vastwood Zendikon》をキャストし、Nassifも4/2沼渡り《沼のぼろ布まとい/Bog Tatters》を召喚。そこからさらにLSVは3/3《灰色革の狩人/Graypelt Hunter》を、ならば、とNassifは《泥地の吸血鬼/Quag Vampires》を3/3で呼び出した。

 両雄が静かにクリーチャーを並べあうという展開となり、LSVが《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》による「上陸」ゲイン2ライフを繰り返し続ける流れとなる。ここで《巨森のゼンディコン/Vastwood Zendikon》にNassifが《血の饗宴/Feast of Blood》を撃ち込み、Nassifライフ20、LSV13。

 LSVが「上陸」による回復を続けながら《闘士蜘蛛/Grappler Spider》を展開し、Nassifは手札にカードをためながら《泥地の吸血鬼/Quag Vampires》を4/4で展開。さらにここでLSVが1/3《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》を追加したことによって、これで数的には5対5と互角の状況が表出した。

 ここでNassifは《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》を引かれた場合の打点を計算し、考え込んでから《巡礼者の目/Pilgrim's Eye》を召喚してターンエンド。対してLSVはカードを引いただけで終了。ここまでアグレッシブに手札を使っていたLSVがカードを温存したのを見て、Nassifは温存していた《精神ヘドロ/Mind Sludge》を詠唱。このソーサリーを食らい、LSVは手札の《巨森の蔦/Vines of Vastwood》をレスポンスして使用せざるを得ない状況に追い込まれた。

 LSVは《カルニの庭/Khalni Garden》セットにより2点のゲインライフと0/1トークンを展開。いつしか、ライフレースは21対20とLSVリードに逆転した。ただ、土地をひたすら展開して「上陸」し続けるLSVに手札のカードはなく、対照的にナシフ3枚のカードを抱えていることは言及すべきだろう。

 ここでLSVは2/3《噛み付く忍び寄り/Snapping Creeper》を 盤面に加え、さらに「上陸」してライフを23に。LSVはいわゆる「ツモギリ」状態で、引き当てた5/3《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》を悩まずそのまま場に展開した。

 LSVはゲイン2ライフで25点。《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》が出てしまうまでになんとかしなくてはならないNassifだが、実はここまでの試合の流れであえて言及していない重大な見落とし事項がある。

 実は、Nassifはクリーチャー展開合戦の際に《血の求道者/Blood Seeker》をプレイしていて、LSVはそれによって相応のライフを失っているはずだったのだ。しかし、Nassifほどの名手がそのことをすっかり忘れてしまっており、みるみるうちにLSVのライフは《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》の「上陸」により30点近い水準まで到達してしまっている。

 そんな中、Nassifは《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》を、対するLSVが《東屋のエルフ/Arbor Elf》を召喚するという流れでゲームは続く。

 そしてLSVの盤面にとうとう《大木口の幼生/Timbermaw Larva》が登場し、森12枚によるバックアップを受けた強烈なアタックを繰り返しはじめる。たまらずNassifはこれをチャンプブロックし続けるほかなく、これによって、とうとう数的優位をLuis Scott-Vargasが作り上げることとなったのだ。

 なんとかNassifも《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist》や《バーラ・ゲドの盗賊/Bala Ged Thief》の同盟者シナジーで巻き返しをはかるが、LSVのライフは「上陸」するごとに回復していくし、毎ターンの《大木口の幼生/Timbermaw Larva》への猛攻に対するチャンプブロッカーを調達しなければならない苦しい状況は変わらない。

 ようやく《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》キッカーで《大木口の幼生/Timbermaw Larva》を葬ることができたNassif。しかし、LSVが後続として展開した《領地のベイロス/Territorial Baloth》が戦闘中の《砕土/Harrow》詠唱というコンバットトリックでNassifが相討ち要員と見込んでいた4/2《沼のぼろ布まとい/Bog Tatters》を一方的に打ち破った。さらに、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》の「上陸」もあってライフをさらに4点回復してみせるという大きなプレイだった。

 超長期にわたる試合と、それによる膠着状況。まさしく、Luis Scott-Vargasは《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》をトップデッキできれば勝ちというシンプルなゲームプランを有しており、それは残りライブラリー4枚という終盤に訪れた。

 Gabriel Nassifらしからぬミスも続出した試合だったが、緑単色が黒単色を撃破し、Luis Scott-Vargasが場内ただひとりの全勝者となった。

Scott-Vargas 2-1 Nassif

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