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Standard Decktech:片山 英典:黒単吸血鬼

Standard Decktech:片山 英典:黒単吸血鬼

By Daisuke Kawasaki

 デッキビルダー、というわけではないが、デックチョイサーとして個人的に注目している日本人選手がいる。

 それが、2006年日本代表の片山 英典(大阪)だ。

 たとえば、2006年末のThe Finalsでは、かなり早い段階で青黒の《塩水の精霊/Brine Elemental》デック、いわゆるピクルスを持ち込んでいたりと、デックへの嗅覚はかなり優れている。

 そんな片山が今回持ち込んできたのが、黒単吸血鬼だ。

 まずはデッキレシピから。

片山 英典
14 《沼/Swamp》
4 《湿地の干潟/Marsh Flats》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
4 《地盤の際/Tectonic Edge》

-土地(26)-
4 《恐血鬼/Bloodghast》
4 《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》
4 《カラストリアの貴人/Kalastria Highborn》
2 《吸血鬼の貴族/Vampire Aristocrat》
2 《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》
3 《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》
2 《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》

-クリーチャー(21)-
3 《不気味な発見/Grim Discovery》
2 《血の署名/Sign in Blood》
4 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》
4 《精神ヘドロ/Mind Sludge》

-呪文(13)-
2 《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》
3 《強迫/Duress》
3 《湿地での被災/Marsh Casualties》
4 《破滅の刃/Doom Blade》
3 《地獄界の夢/Underworld Dreams》

-サイドボード(15)-

川崎 「まず、今回吸血鬼デッキを選択した理由を教えてください」

片山 「僕は今回のメタゲームでは、ジャンドはそんなに多くないと考えていました。吸血鬼は、ジャンド以外のデッキ相手には非常に強いデッキだというのが、選択した理由ですね」

川崎 「なるほど。実際、ジャンドは厳しいですか?」

片山 「もちろん、厳しいです。でも、ワールドウェイクによって吸血鬼自体が非常に強化されていて、おかげで、一応戦えるようになりました」

川崎 「ワールドウェイクで、ですか?」

片山 「はい。MVPは《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》ですね」

川崎 「《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》ですか」

片山 「ジャンドの場合、このカードがアンタップ状態なだけで、何もできなくなりますし、そもそも、4ターン目にこいつが出てきて、なおかつ対処しなかった場合、5ターン目の《精神ヘドロ/Mind Sludge》で勝てなくなってしまいますから。相手は4ターン目に対処できるなら必ず対処しないといけないカードですね」

川崎 「それもあって《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》の枚数が減っている感じですか。《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》と違って4マナなのがいいですね」

片山 「そうですね。こちらは《吸血鬼の貴族/Vampire Aristocrat》や《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》のように、処理する手段は豊富ですしね。ちなみに、5ターン目の《精神ヘドロ/Mind Sludge》はかなり重要なので、4枚投入されています。このデッキは《瀝青破/Bituminous Blast》打たれたら負けですので」

川崎 「5マナ域前後が勝負だと」

片山 「そうです。だから、ワールドウェイクで追加された《地盤の際/Tectonic Edge》は非常にいい動きをします。ジャンド相手には、《地盤の際/Tectonic Edge》と《不気味な発見/Grim Discovery》による土地破壊がゲームを決めますね。アドバンテージエンジンとして、《不気味な発見/Grim Discovery》は優秀で、《血の署名/Sign in Blood》よりも基本的には優秀です。ただ、2ターン目に打ちたい場面があるので、一応《不気味な発見/Grim Discovery》が3枚に、《血の署名/Sign in Blood》が2枚という配分になっています」

川崎 「なるほど。2ターン目には《血の署名/Sign in Blood》でアドバンテージを稼いでおきたいですか」

片山 「それもありますし、ジャンド相手には2ターン目にクリーチャーを出したく無いっていうのはありますね。《恐血鬼/Bloodghast》は手札にあった場合、ジャンド相手に2ターン目には出しませんね。《荒廃稲妻/Blightning》を打たれる時のために手札に残しておきます」

川崎 「2ターン目のクリーチャーといえば、ワールドウェイクで《カラストリアの貴人/Kalastria Highborn》が追加されてますね」

片山 「《カラストリアの貴人/Kalastria Highborn》も非常に強いです。むしろ、このカードのおかげでジャンド相手の勝率が3割から4割に引き上げられたと考えてます。少しでもライフが残れば、こいつでなんとか押し込めますからね」

川崎 「《吸血鬼の貴族/Vampire Aristocrat》と《カラストリアの貴人/Kalastria Highborn》に、《恐血鬼/Bloodghast》が加わると、突然すごい量のダメージが発生しますもんね」

片山 「《吸血鬼の貴族/Vampire Aristocrat》で《恐血鬼/Bloodghast》をサクリファイスして、上陸で戻す展開ですね。そのためにも、フェッチランドはできるだけ温存するプレイングが重要になります」

川崎 「どれぐらいのダメージを期待できますか?」

片山 「実戦でも、10点オーバーは十分にありますね。あと、3ターン目にキャストした《吸血鬼の貴族/Vampire Aristocrat》が、4ターン目に8/8でアタックとかありますね」

川崎 「フェッチの多用と、《地盤の際/Tectonic Edge》の採用もあって土地の枚数が多くなっているかんじですか?」

片山 「いや、それもありますが、《カラストリアの貴人/Kalastria Highborn》のギミックもあって、非常にマナを使うデッキなんですよね。なので、土地の枚数はかなり多めにするべきですし、5マナ以上のカードも6枚が限界です。サイドボードから《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》を追加する時は《精神ヘドロ/Mind Sludge》を抜く形になります」

川崎 「ジャンド以外に苦手なデックはありますか」

片山 「青白のターボフォグ系のデッキは苦手ですね。ただ、サイドボードからの《地獄界の夢/Underworld Dreams》がかなり強力です。相手は《天界の粛清/Celestial Purge》を投入してくると思うんで、その場合は、2ターン目に《カラストリアの貴人/Kalastria Highborn》を出したりして《天界の粛清/Celestial Purge》を使わせてから張りたい所ですね」

川崎 「ありがとうございました。また、是非グランプリ・横浜でも面白いデックをもってきてください」

 ついに、黒単が復権した!

 日本中の黒単マニアは是非とも吸血鬼デッキをお試しいただきたい。

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