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準々決勝:Simon Görtzen(ドイツ) vs. Niels Viaene(ベルギー)

準々決勝:Simon Görtzen(ドイツ) vs. Niels Viaene(ベルギー)

By Daisuke Kawasaki

 この環境は、ジャンドに支配されているのだろうか?

 トップ8に3人が送り込まれたジャンド。このうち、ふたりは同型対決で、準決勝にひとりのジャンド使いがいることは確定している。

 準決勝に二人目のジャンド使いが送り込まれるか、その結果はこのマッチで決まる。

 ジャンドを使用するのはSimon Görtzen。一方のNiels Viaeneは、《蔵の開放/Open the Vaults》を活用した、エスパーデック。当然、対ジャンドを想定して構築されてきたデックなのではないだろうか。

 おそらく、このプロツアー・サンディエゴは、LSVというスーパースターによって、永遠に語り継がれるイベントになるだろう。

 その時に、この大会が、ジャンドが支配した大会であったと伝えられるか、それとも、10年前のプロツアー・東京のように、メタゲームが勝利を届けた大会だったと伝えられるのか。

 このマッチの結果が、その伝承の一部となる。

Game 1

 先手のNielsは、2ターン目に《急使の薬包/Courier's Capsule》をキャスト、対するSimonも2ターン目には《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》というスタート。

 しかし、ここでNielsは3枚目の土地をひくことが出来ない。メインに《急使の薬包/Courier's Capsule》を起動するが、やはり土地は無く、《金線の天使/Filigree Angel》をディスカードしてターンを終了する。

 Simonは、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》でアタックし、《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をセットして終了。返しでまだ土地の引けないNielsは《未達への旅/Journey to Nowhere》で《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を追放する。

 ここで、4枚目の土地に《沼/Swamp》をおいて《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》、もしくは、《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をおいて、次のターンに確実に5マナを確保して《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》というプラン選択のあるSimon。

 小考の末に前者を選択し、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》をキャスト。

 この続唱でめくれたのが、具合の悪いことに《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で、《未達への旅/Journey to Nowhere》が破壊されて、旅に出ていた《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》が戦場に帰還する。

 《意思切る者/Architects of Will》のサイクリングによって《氷河の城砦/Glacial Fortress》をやっと引き当てたNielsだったが、ライフが6まで追い詰められた上に、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》が追加され、4枚目の土地までひけないのでは、次のゲームに期待するしかないのだった。

Simon 1-0 Niels

Game 2

 《霧脈の境界石/Mistvein Borderpost》を設置し、《島/Island》をセット、Simonのターンエンドに2枚の《ガラス塵の大男/Glassdust Hulk》をサイクリングと打って変わって好調な動きのNiels。

 さらに《広がりゆく海/Spreading Seas》を《怒り狂う山峡/Raging Ravine》に貼り付け、ジャンドの動きを完全に抑制する。この間、Simonは2ターン続けてターンエンドに《稲妻/Lightning Bolt》を打ち込むのみ。

 この《広がりゆく海/Spreading Seas》の返しにキャストした《荒廃稲妻/Blightning》こそNielsの手札から《未達への旅/Journey to Nowhere》と《湿地の干潟/Marsh Flats》を奪ったものの、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》は《瞬間凍結/Flashfreeze》でカウンターされてしまう。

 5マナある状態から《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》をキャストし、土地を2枚アンタップさせて、3マナで《大貂皮鹿/Great Sable Stag》をキャストするSimon。Nielsは6枚目の土地をセットして《審判の日/Day of Judgment》をキャスト、さらに返しの《荒廃稲妻/Blightning》を《妨げる光/Hindering Light》でカウンターする。

 《荒廃稲妻/Blightning》をカウンターされたSimonは、《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》の能力で土地をアンタップして、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》をキャストしてターンエンド。いよいよ、Niels劇場の開幕だ。

 まずは、《意思切る者/Architects of Will》をサイクリング。そして、セットランドで6マナを確保すると、《蔵の開放/Open the Vaults》をキャスト。これによって、2枚の《ガラス塵の大男/Glassdust Hulk》と《意思切る者/Architects of Will》《未達への旅/Journey to Nowhere》が戦場へと舞い戻ってくる。《未達への旅/Journey to Nowhere》が《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を追放する。

 さらに《意思切る者/Architects of Will》の能力でNielsはSimonの山札の上を確認。ここで確認された山札のトップは2枚の土地と《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》。手札のないSimonはこの時点でほぼゲームが詰んでしまっている。

 《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》からトークンを生み出して抵抗を試みるSimon。しかし、Nielsは《原霧の境界石/Fieldmist Borderpost》を戦場に追加。これによって《ガラス塵の大男/Glassdust Hulk》の能力が誘発し、1体が《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》に、1体がSimonへとアタックする。Simonは、土地をセットする事しかできない。

 そして、Nielsは《金線の天使/Filigree Angel》を追加する。Simonは《意思切る者/Architects of Will》こそ3/3のトークンと相打ったものの、《ガラス塵の大男/Glassdust Hulk》のダメージでライフは6。

 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で《ガラス塵の大男/Glassdust Hulk》2体を除去したSimonだったが、《金線の天使/Filigree Angel》と《天界の列柱/Celestial Colonnade》のアタックでライフを削りきられてしまうのだった。

Simon 1-1 Niels

Game 3

 《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》のセットによって2点のライフを得たNiels。《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》とSimonが連続してキャストしてきた脅威も、《未達への旅/Journey to Nowhere》《忘却の輪/Oblivion Ring》で続けて対処する。

 しかし、土地が3枚で止まっており、しかも青マナが確保できない状況だ。

 Simonは《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》をキャストし、この《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》は《大貂皮鹿/Great Sable Stag》を続唱する。手札に《審判の日/Day of Judgment》があるものの、4枚目の土地にアクセスできないNielsは、この2体と《怒り狂う山峡/Raging Ravine》の一斉攻撃を受けざるを得ない。

 ここで、ついに4枚目の土地を、しかも待望の《島/Island》を引き当てたNiels。

 《審判の日/Day of Judgment》で盤面を一掃する。だが、Simonは続く脅威として《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》をキャストする。

 Nielsは《審判の日/Day of Judgment》をトップデック。だが、連続のトップデックだが、この時点でSimonは2枚の《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をコントロールしている。返すターンに《怒り狂う山峡/Raging Ravine》が1体アタックして、残りライフは《怒り狂う山峡/Raging Ravine》のアタックを耐えられない数字に、つまり、このターンに2枚の《怒り狂う山峡/Raging Ravine》に対応しなければいけない数字になってしまった。

 Nielsの手札には、3枚の《広がりゆく海/Spreading Seas》。つまり、1枚青マナを引けば、それで、《怒り狂う山峡/Raging Ravine》は2枚とも無害な《島/Island》へと変貌する。まずは通常ドロー。引いたカードは土地では無く、《広がりゆく海/Spreading Seas》をキャストしエクストラドローにかけるNiels。

 ひいたカードは《霧脈の境界石/Mistvein Borderpost》。

 実は、ここで、《霧脈の境界石/Mistvein Borderpost》を代替コストで戦場に出し、《島/Island》を手札に戻してセットすれば、待望のふたつめの青マナを手に入れることができたNielsだったが......度重なる脅威の連打に疲弊した戦士は、このタップインカードが目に入った瞬間に、心折れてしまったのだった。

Simon 2-1 Niels

Game 4

 理論としてジャンドを倒せるデックは構築できても、安定性を含めてジャンドに対抗できるデックを作ることは容易ではない。八十岡 翔太の「ジャンドメタもジャンドに負ける」という言葉は、その事をさしているのだろう。いびつな構築のジャンドメタは、ジャンドの安定性に対して勝率を維持できない。

 そして、今、そのことが、このプロツアーの準々決勝の場で証明されようとしている。

 Nielsは、このマッチ3回目の土地事故に見舞われる。

 《原霧の境界石/Fieldmist Borderpost》から、《島/Island》を2枚セットし、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を《瞬間凍結/Flashfreeze》、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を《未達への旅/Journey to Nowhere》で対処と順調なように展開しているNielsだが、4ターン目に土地が止まったことをSimonは見逃さなかった。

 ここで《原霧の境界石/Fieldmist Borderpost》に《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》がキャストされると、Nielsは3マナも、白マナも用意できなくなってしまう。何枚カードをサイクリングしても土地にはたどり着けない。

 その隙にSimonは《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》をキャストし《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》を《未達への旅/Journey to Nowhere》へと。旅から戻ってきた《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》と《怒り狂う山峡/Raging Ravine》、そして《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》から生み出されるトークンが、いまだ3マナ目にたどりつけないNielsへと襲いかかる。

 やっと《平地/Plains》を引いて、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》1体を《未達への旅/Journey to Nowhere》で対処したNielsだが、対処しなければいけないパーマネントの枚数に対して、使用できるマナが少なすぎる。最低でも、もうひとつ白マナを引き当て、《審判の日/Day of Judgment》をキャストできなければゲームが始まらない。

 そして、Nielsが、2枚目の白マナにたどりつくことはなかった。

Simon 3-1 Niels

 ジャンドメタはジャンドに勝てないのだろうか。

 SimonとNielsのマッチが行われているうちに、LSVは3-0で勝利を決め、17連勝め。

 LSVのデックは、Simonのジャンドを倒すのか。

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