マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

準決勝:Craig Wescoe(アメリカ) vs. Kyle Boggemes(アメリカ)

準決勝:Craig Wescoe(アメリカ) vs. Kyle Boggemes(アメリカ)

By Daisuke Kawasaki

 準決勝は、アメリカ人同士の対戦となった。

 一方の席では、ドイツ人プレイヤーSimon Gortzenが、あらたなジャガーノートとなろうとしているLSVの連勝記録をとめ、ジャガーノートはドイツ人にこそふさわしいと表明するか、もしくは、決勝がアメリカ人対決になるかの勝負が行われている。

 それに比べると、そういった、ナショナリズム的な意味でいえば非常に平和なこのマッチなのだが、一方でこのマッチアップでは、ある種の「メタゲームナショナリズム」とでも呼ぶべき確執のある対戦であるという見方も可能だ。

 今の環境で、最強のデックは、続唱ジャンドだ。そのことを否定することはだれにもできない。

 だが、最強であるデックが、必ず優勝するとは限らない。たとえば、2000年に行われたプロツアー・東京では、事前の情報では赤黒《虚空/Void》デックと赤緑ステロイドの2強状態と言われていたが、実際に決勝戦を戦ったのは、青白ソリューションのZviと、青黒The Ratsの藤田 剛史であった。

 最強のデッキがあるのならば、環境は読みやすく、対策したデッキが勝てる。これは、都市伝説か現実かはわからないが、ある種のメタゲーム神話として語り継がれている。

 プロツアー・東京から10年。今、環境は、ジャンドが一強という読みやすい世界だ。ならば、この世界の中で「暫定的な」最強デック、ソリューションはうまれるはずだと、考え、信じているプレイヤーは少なくない。なぜなら、それがマジックなのだから。彼らを仮にソリューション信者とよぼう。

 しかし、一方で、最強のデッキがジャンドであることは疑いなく、そして、ジャンドに対策することも無意味に近いというジャンド信者とでも呼ぶべきプレイヤーもいる。

 もしも、一方の準決勝でナヤを使用するLSVが勝利すれば、ソリューション信者は信じるものを残せるし、このマッチアップで白ウィニーを使用するCraig Wescoeまでも勝利すれば、それはソリューション信者の勝利を意味する。

 だが、もちろん、逆もある。決勝戦がジャンド対決になれば、優勝デックはジャンドに決定し、ジャンド信者が自分たちの信仰が正しかったことを確認することになるのだ。

Game 1

 1ターン目に《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》、2ターン目には上陸しながらの攻撃に加えて《コーの火歩き/Kor Firewalker》を追加と順調な立ち上がりのCraig。さらに《白騎士/White Knight》を追加し、フェッチランドによって《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》を2回上陸させる。これで4ターン目にしてKyleのライフは6だ。

 対するKyleは、《白騎士/White Knight》こそ《稲妻/Lightning Bolt》で対処したものの、《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》で出したトークンを《流刑への道/Path to Exile》されてしまい、そうそうにサイドボーディングを開始したのだった。

Craig 1-0 Kyle

Game 2

 2ターン目に《コーの火歩き/Kor Firewalker》、3ターン目に《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》で《卓越の印章/Sigil of Distinction》をサーチと好調な動きのCraig。

 一方、Kyleのファーストアクションは4ターン目の《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》キャストからの忠誠カウンターを減らして3/3トークン生産。この《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》は、《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》によって飛行と+3/+3を得た《コーの火歩き/Kor Firewalker》によって退場する。

 Kyleは3/3トークンを《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》にむけてアタックさせるが、これは《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》がチャンプブロック。だが、Kyleの続くアクションは、Craigの触ることのできないプロテクション(白)をもった《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》だった。

 この《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》に対して、Craigは《戦慄の彫像/Dread Statuary》をクリーチャー化し、《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》で強化して攻撃するという、ライフレースに持ち込む展開に。

 Kyleは3/3と《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》を《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》にむけて攻撃し、この美麗なプレインズウォーカー退場させる。そして、《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》をキャスト。この《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》はマナをアンタップさせ、《荒廃稲妻/Blightning》が苦やストされる。

 この《荒廃稲妻/Blightning》で《真心の光を放つ者/Devout Lightcaster》と《平地/Plains》をディスカードしたCraig。《卓越の印章/Sigil of Distinction》をX=3でキャストし《コーの火歩き/Kor Firewalker》へと装備させ、4/4で《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》にアタック、《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》の仇をとる。残した2マナで《白騎士/White Knight》キャスト。

 だが、《白騎士/White Knight》はターンエンドの《稲妻/Lightning Bolt》で除去されてしまう。そして、Kyleは《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》とトークンにあわせて《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をクリーチャー化させて11点のアタック、一気にCraigのライフを7点にする。

 2体目の《コーの火歩き/Kor Firewalker》に《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》を追加したCraigだったが、《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》のアタックでライフは3。《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》のキャストによって、2点のライフを手に入れたが、そのドラゴンが次のターンにCraigから奪うライフは2点より大きいことはたしかだった。

Craig 1-1 Kyle

Game 3

 2ターン目に《コーの火歩き/Kor Firewalker》をキャストしたCraigだったが、プロテクション(赤)の《コーの火歩き/Kor Firewalker》では、Kyleが2ターン目にキャストした《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》をこえる事ができない。3ターン目は《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》で《卓越の印章/Sigil of Distinction》をサーチするのみでターンを終了する。

 ここでCraigは、手札の《平地/Plains》を持ちつつ、《平地/Plains》から白マナを出すか否かという行動をみせ、手札の《流刑への道/Path to Exile》を臭わせる行動をとったのだが、それを気にせずKyleは《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》でアタックし、能力を使って4/4に。さらに《荒廃稲妻/Blightning》がCraigの手札から《コーの火歩き/Kor Firewalker》と《湿地の干潟/Marsh Flats》を奪い取る。Craigのライフは、《コーの火歩き/Kor Firewalker》で回復した分と差し引きで14点。

 ここで《卓越の印章/Sigil of Distinction》をX=4でキャストする事を選択したCraigは、《コーの火歩き/Kor Firewalker》にこれを装備させ、5/5にしてアタック。Kyleのライフを11にする。

 《コーの火歩き/Kor Firewalker》を《死の印/Deathmark》で除去したKyleは、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を残してターンエンド。Craigは小考の後に、《戦慄の彫像/Dread Statuary》をクリーチャー化し、これに《卓越の印章/Sigil of Distinction》を装備させて6/4とし、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》とともにアタックする。《戦慄の彫像/Dread Statuary》は《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》と相打ちし、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》の能力起動でKyleのライフは8となる。

 Kyleは、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》をキャストし、続唱で《大貂皮鹿/Great Sable Stag》をてにいれつつ、アタックでCraigのライフを11とする。

 ここまでライフレースで先行しているCraig。手札には《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》があり、戦場にはカウンターが2個のった《卓越の印章/Sigil of Distinction》と、《戦慄の彫像/Dread Statuary》。

 ここで《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》をキャストし、兵士トークンを生み出すことを選択した。これで《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を守りきり、なおかつ、Kyleの手札に除去が無ければ、《戦慄の彫像/Dread Statuary》を《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》と《卓越の印章/Sigil of Distinction》で強化し、8/6とし、Kyleのライフを削りきることができるのだ。

 Kyleは、《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》ではなく、Craig自身へとアタックしてきた。このことは、ふたつの可能性を意味している。ひとつは、Kyleが除去が無く、あきらめとしてのアタック。ふたつめは、Kyleが除去を握っている上に、《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を苦にせずゲームに勝利できるという可能性だ。

 そして、現実は後者だった。《戦慄の彫像/Dread Statuary》は8/6となったところで《終止/Terminate》され、Craigは返すターンの《怒り狂う山峡/Raging Ravine》を含めたアタックでライフを1とする。

 2体のブロッカーを用意したが、そのうち1体が《終止/Terminate》されたところで、テレビマッチのためにもう片方の準決勝が終わるまで、ゲーム4のスタートを待機することとなった。

Craig 1-2 Kyle

Game 4

 あちらの準決勝の結果は、LSVが1-3で敗北するという結果であり、LSVの連勝記録は17でストップし、決勝戦の片方の席がジャンドになることが決定した。こちらのテーブルでは、白ウィニーとジャンド、どちらのデックが決勝へと進出するのだろうか。

 1ターン目の《信頼おける山刀/Trusty Machete》から、2ターン目の《コーの空漁師/Kor Skyfisher》で《平地/Plains》をバウンスするという展開のCraig。この《コーの空漁師/Kor Skyfisher》は《稲妻/Lightning Bolt》で除去されてしまうが、2枚目の《コーの空漁師/Kor Skyfisher》をキャストする。

 2ターン目の《コーの空漁師/Kor Skyfisher》の時には手札に土地が無かったので《平地/Plains》をもどしたが、3ターン目に土地を引いたので、今度は《信頼おける山刀/Trusty Machete》を戻すCraig。Kyleが《大貂皮鹿/Great Sable Stag》をキャストした返しで3枚目の土地をセットし、《信頼おける山刀/Trusty Machete》...ではなく、《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》をキャストし、《コーの空漁師/Kor Skyfisher》へと装備、アタックして2点ダメージ+2点ゲインで4点のビハインドを与える。

 だが、この《コーの空漁師/Kor Skyfisher》は《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》から続唱された《終止/Terminate》が除去、《大貂皮鹿/Great Sable Stag》と《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》がアタックしてCraigのライフを15とする。

 Craigは《大貂皮鹿/Great Sable Stag》を《忘却の輪/Oblivion Ring》で対処するが、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》はとまらずライフは12。さらに《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》が戦場に追加される。

 ここで3枚目の《コーの空漁師/Kor Skyfisher》が登場し、《平地/Plains》をもどして擬似的にマナを増やした上で、《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》を装備して、少しでもライフを残そうとするのだが、この、反ジャンドプレイヤーの希望が込められた《コーの空漁師/Kor Skyfisher》も《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》の前では無意味。

 Kyleはすべてのクリーチャーをレッドゾーンに送り込み、Craigのライフは4。ここでCraigは《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を対処できるカードを引けなかったことで、手を差し出したのだった。

Craig 1-3 Kyle

前の記事: 準々決勝:井川 良彦(東京) vs. Kyle Boggemes(アメリカ) | 次の記事: 準決勝:Luis Scott-Vargas(アメリカ) vs. Simon Gortzen(ドイツ)
イベントカバレージ/プロツアー・サンディエゴ10 一覧に戻る

イベントカバレージ