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準々決勝:Luis Scott-Vargas(アメリカ) vs. Jeroen Kanis (オランダ)

準々決勝:Luis Scott-Vargas(アメリカ) vs. Jeroen Kanis (オランダ)

By Shuhei Nakamura

Luis Scott-Vargas

 カードゲームショップ、チャネルファイアーボール専属プロの総帥にしておそらく現役アメリカ人プレイヤーで最強の存在。通称は名前の頭文字を取って『LSV』。

 前シーズンの後半は不調だったがこのサンディエゴでは同じくチャネルファイアーボール所属のトム・ロス謹製ナヤビートダウンを持ち込み、去年のプロツアー京都を思わせる、いやそれを上回る予選ラウンド全勝という記録を打ち立ててこの決勝ラウンドを臨む。

 当然、目標とするのは前人未到の3日間全体でパーフェクトスコア

Jeroen Kanis

 オランダ、ロッテルダム在住。

 自作の赤単バーンデッキを持ち込み、予選最終ラウンドではプロツアー京都チャンピオン、ガブリエル・ナシフを破る大金星を挙げて決勝ラウンドへと駒を進めた。次に現れる壁はそのプロツアー京都での準優勝者。このまま勢いにのって上り詰めるか。

Game 1

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 ビデオマッチ指定で筆者が観戦許可を貰うのにもたついている間に第1ゲームは既に佳境、ルイスの《貴族の教主/Noble Hierarch》スタートから《野生のナカティル/Wild Nacatl》、《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》というほとんど完璧な展開で場には既に4体のクリーチャーが戦場に並んでいる状態。16戦全勝中は伊達じゃない、一方でジェロームはというと土地が2枚でストップ中でノーアクション。

 ただでさえ受けに回ることが難しいデッキで、その上に使えるマナの制限がかかっている、更に盤面にクリーチャーの存在を許しているということは、当座をしのぐ火力もないということで僅か数分での圧殺劇となってしまった。

LSV 1-0 Jeroen

Game 2

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 開幕ジェロームの《板金鎧の土百足/Plated Geopede》をルイスが《乾燥台地/Arid Mesa》経由《稲妻/Lightning Bolt》でいなすところからスタート。

 続けてルイスは《霧深い雨林/Misty Rainforest》から《森/Forest》をサーチして《貴族の教主/Noble Hierarch》。これが《罰する火/Punishing Fire》で処理されてターンが再びルイスに、次なる脅威は《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》。

 一見すると赤単バーンデッキ相手にさして影響を与えないカードに見えるが、効率的な火力とそれ以上に効率的なクリーチャーの形をした火力、《板金鎧の土百足/Plated Geopede》、《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》、《ボール・ライトニング/Ball Lightning》で構成されている赤単にとっては脅威となる存在、仕方なくといった形で《稲妻/Lightning Bolt》で処理をした上で《ボール・ライトニング/Ball Lightning》を召還、これでルイスのライフは12。だが貴重な軽量火力と更に貴重な序盤の数ターンを費やしてしまったのがどう作用するか、

 ルイスは《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》、《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》を置いてターンを終える。ジェロームの次なる手は《地獄の雷/Hell's Thunder》に《ぐらつく峰/Teetering Peaks》で強化して6点、残りはこれで6。

 もうライフ的に後が無いルイスは《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を召還し、ルイス、ジェロームお互いが山1枚のみを浮かせた状態でターンが終了フェイズへと移行する。

 さあ、残りは6点、削り取れるのか

 ジェロームの取れた行動は《地獄の雷/Hell's Thunder》を蘇生して4点を叩き込むのみ。

 首輪を纏った騎士が戦場へと進軍し、賭けに勝ったのはルイス。準決勝に王手

LSV 2-0 Jeroen

Game 3

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 後が無くなってしまったジェロームのファーストアクションは《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》から、3点のダメージをルイスに。

 ルイスの《活発な野生林/Stirring Wildwood》《森/Forest》という静かな立ち上がりに今が好機とばかりに《ボール・ライトニング/Ball Lightning》で畳み掛ける。これでー9。

 1ターン遅かったがそれでも墓地の《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》への牽制となる《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》には《稲妻/Lightning Bolt》が飛び、墓地ではなく手札からの《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》で-12。

 だが、ルイスの手からこぼれたのは《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》。忠誠値-2を使用してライフは-9点まで再び引き戻される。アジャニを《噴出の稲妻/Burst Lightning》で退場させ《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》1体を蘇生させて再び-12。再びライフが一桁に入ったルイスの次なる手は《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》から《ビヒモスの大鎚/Behemoth Sledge》をサーチして、《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》。

 これをジェロームが4枚目の土地を置いてから3点の《地震/Earthquake》で一掃。対ビートダウンに盤面をリセットしつつ本体へとダメージが入る勝負の鍵がようやく3戦目にして牙を向いた。-15。

 ルイスの召還した《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》は追加のクリーチャーではなく《稲妻/Lightning Bolt》。速攻持ちエルフを守勢としてターンを返す。

 土地を置けなかったジェロームは2体目の《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》を蘇生してエルフの守りを1点突き破り、2マナを残してターンを返す。-16。

 ここがシンレッドライン。《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》が戦場に現れ、《ビヒモスの大鎚/Behemoth Sledge》と状況は微妙に違えど第2ゲームと同じ展開に、そして今度はあと4点、いやターン終了時に《罰する火/Punishing Fire》が飛んで-18にした上でジェロームの最後の一打は奇しくも第2ゲームと同じく《地獄の雷/Hell's Thunder》、これが通れば第4ゲーム。

 だが《乾燥台地/Arid Mesa》起動からの《平地/Plains》サーチの《流刑への道/Path to Exile》が雷を追放しルイスのライフ損失が-19でストップ。おおよそ非常識な大槌を持った騎士の前にジェロームは右手を差し出した。

 実はジェロームの最後の手札には《焼尽の猛火/Searing Blaze》があり、土地さえ置けていればだったのだが、その待望の土地はタップ状態でマナが足りず、動かなければ《乾燥台地/Arid Mesa》は使われずでやはり1点足りず。

 棋譜だけを見れば接戦であったが、筆者の印象では圧巻としか言いようが無いLSVのライフコントロールの上手さが目立った第2、第3ゲームだった。

LSV 3-0 Jeroen

 ルイス=スコット=バルガス、準決勝へ進出。

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