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Round 9:井川 良彦(東京) vs. Brad Nelson(アメリカ)

Round 9:井川 良彦(東京) vs. Brad Nelson(アメリカ)

By Daisuke Kawasaki

 プロツアー・サンディエゴ二日目は、ドラフトが終了し、ついにスイスラウンドに突入した。

 ここでフィーチャーするのは、目下サンディエゴからあわせてリミテッド9連勝中の井川 良彦(東京)と、先週のグランプリ・ワシントンで優勝した「FFfreak」ことBrad Nelson。

 プロツアー・サンディエゴで日本人唯一のトップ8入賞し、俄然注目株の井川と、津村の記事でも注目度の高さが上げられているBrad Nelsonの、日本的には非常に興味深いマッチアップ。

 残念ながらアリーナには呼び出されなかったが、せっかくなので、このマッチアップをお届けしたい。

Game 1

 ダイスロールで勝利したNelsonが後手をとってマリガン。

 Nelsonが《平地/Plains》を2枚連続でセットという展開の隙に、井川は《進化する荒野/Evolving Wilds》でマナベースを整えつつ、3ターン目に《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》をキャストする。

 井川の手札には《蛇の陰影/Snake Umbra》があり、このままいけば、スーパーコンボ完成かと思われたが、ここはさすがのNelson、《沼/Swamp》セットからの《思考の消滅/Perish the Thought》によって《蛇の陰影/Snake Umbra》を山札に戻す。

 これで少しゆっくりした動きを強いられる井川。《オンドゥの巨人/Ondu Giant》でタッチの《沼/Swamp》をサーチし、続くターンから4点のクロックを刻む。

 と、おもいきや、その刹那、Nelsonの手札から飛び出す《アーファの番犬/Affa Guard Hound》。これによって、井川は《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》を失うことになる。

 井川は《成長の発作/Growth Spasm》でマナを伸ばすが、マナが増える一方。対してNelsonは土地が3枚でストップしてしまっている。《コーの綱投げ/Kor Line-Slinger》《血儀式の発動者/Bloodrite Invoker》と並べ、なんとか戦線を維持する。

 だが、この2体をなぎ払う《二股の稲妻/Forked Bolt》。

 これに対応して《オンドゥの巨人/Ondu Giant》をタップするNelsonだったが、井川は戦闘前に《戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman》をキャストし、落とし子トークンを強化してアタックする。

 続くターンに+2/+0してアタックした《オンドゥの巨人/Ondu Giant》は2体目の《アーファの番犬/Affa Guard Hound》によって討ち取られるものの、マナの不自由なNelsonをじわじわと追い詰めて行く。

 Nelsonがやっと4枚目の土地をひき、《マキンディのグリフィン/Makindi Griffin》をだした返して井川は《蛇の陰影/Snake Umbra》をドロー。《戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman》にこれをつけてアタック。《マキンディのグリフィン/Makindi Griffin》でブロックしてしまうと逆転のプランがないNelsonはこれを通す。

 ここでの井川のドローが、《硫黄石の魔道士/Brimstone Mage》。

 これを喜び勇んでキャストし、レベルアップをする井川だったが、Nelsonも5枚目の土地をドローし手札で腐っていた《死骸孵化/Corpsehatch》をこの《硫黄石の魔道士/Brimstone Mage》に。

 続いて井川は《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》をキャストするものの、Nelsonは《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest》で《マンモスの陰影/Mammoth Umbra》をサーチしてき、その上で《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》に《護衛の任務/Guard Duty》をエンチャントする。

 《マキンディのグリフィン/Makindi Griffin》に《マンモスの陰影/Mammoth Umbra》がエンチャントされアタックされはじめると、井川は軽く頷いて、次のゲームに備えることとした。

Nelson 1-0 井川

Game 2

 先手の井川は、赤マナの出せない手札を悩んだ上でマリガン。

 続く6枚の初手は、《進化する荒野/Evolving Wilds》によってマナを確保できるものだったのでキープ。1ターン目に《森/Forest》をサーチすると、続くドローが懸念材料だった3枚目の土地。

 2ターン目に《オーガの列断剣/Ogre's Cleaver》をキャストし、2ターン目には《短刀背のバジリスク/Daggerback Basilisk》をキャスト。そして、装備用の5マナを確保できるその前の4ターン目に《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》をキャストする。

 この《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》は《最後の口づけ/Last Kiss》で除去されてしまう。

 ここまで連続で土地を引いてきた井川は、5ターン目に5枚目の土地を置いて長考する。手札には《炎の斬りつけ/Flame Slash》しか有効カードが無い状況。一方のNelsonは土地を起き続けるのみ。ここで、思い切りよく《オーガの列断剣/Ogre's Cleaver》を装備させるか、とりあえず2点のダメージを大事にするか。

 井川は結局前者の選択肢を取るが、ここでNelsonはまたも《最後の口づけ/Last Kiss》。

 だが、続くターンの井川のドローは《エムラクールの孵化者/Emrakul's Hatcher》。これで《オーガの列断剣/Ogre's Cleaver》の種が大量に確保できる。

 キャストして、返しに、またもNelsonは動かないままターンを返してきたので、そのまま落とし子に《オーガの列断剣/Ogre's Cleaver》を装備させる。だが、Nelsonは《弱者の消耗/Consume the Meek》をキャスト、これで落とし子は全滅してしまう。

 Nelsonは《孤独な宣教師/Lone Missionary》をキャスト。井川はNelsonの除去切れを願ってか、《猪の陰影/Boar Umbra》を《エムラクールの孵化者/Emrakul's Hatcher》にエンチャントしようとする......のだが、Nelsonは《血の復讐/Vendetta》を持っていた。

 だが、捨てる神あれば拾う神あり。《隊商の随員/Caravan Escort》を《炎の斬りつけ/Flame Slash》で対処したターンに井川がドローしたのは、《硫黄石の魔道士/Brimstone Mage》。キャストしてそくレベルアップ。

 ここで、本格的に除去切れを起こしたのか、Nelsonはこの《硫黄石の魔道士/Brimstone Mage》の召喚酔いがとけることを許してしまう。井川はここで《短刀背のバジリスク/Daggerback Basilisk》をドローしたため、慎重に、コイツをキャストし、これに《オーガの列断剣/Ogre's Cleaver》を装備させることを選択する。

 ここでも除去は飛んでこない。

 井川は《硫黄石の魔道士/Brimstone Mage》をレベル3にすることに成功し、《短刀背のバジリスク/Daggerback Basilisk》でアタック。これに対応してキャストされる《アーファの番犬/Affa Guard Hound》。Game 1では散々辛酸をなめさせられた《アーファの番犬/Affa Guard Hound》も、レベル3の《硫黄石の魔道士/Brimstone Mage》の前ではただのピエロ。Nelsonのライフを大きく削ることに成功する。井川は《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》を追加。

 だがしかし、ここで《コジレックの職工/Artisan of Kozilek》をキャストしてくるNelson。拾ってくるカードこそ《孤独な宣教師/Lone Missionary》と小粒だが、10/9というサイズ自体が今の井川にとっては大きすぎる。

 さらに、Nelsonはサイズ次第で《コジレックの職工/Artisan of Kozilek》を乗り越えてくる可能性がある《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》に《護衛の任務/Guard Duty》をエンチャント。とはいえ。これによって、《短刀背のバジリスク/Daggerback Basilisk》が接死を背景にアタックすることが可能に。

 《短刀背のバジリスク/Daggerback Basilisk》と《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》で《オーガの列断剣/Ogre's Cleaver》を持ち替えさせあい、《硫黄石の魔道士/Brimstone Mage》とあわせてクロックを刻んでいく。

 だが、《短刀背のバジリスク/Daggerback Basilisk》でアタックしてしまったことで、井川に隙ができてしまう。Nelsonは《マンモスの陰影/Mammoth Umbra》を《コジレックの職工/Artisan of Kozilek》にエンチャントし、警戒を持たせてアタックする。

 これによって、あわやという場面にはなったものの、順調にクロックを刻んでいた井川が追加のクリーチャーをキャストできたことで、星を取り戻したのだった。

Nelson 1-1 井川

Game 3

 再び後手を選択するNelson。

 互いにマリガンはなく、Nelsonが1ターン目から《隊商の随員/Caravan Escort》をキャストする展開。井川は小考の末にこれを《二股の稲妻/Forked Bolt》で除去するのだが、《岸壁安息所の騎士/Knight of Cliffhaven》《孤独な宣教師/Lone Missionary》と続けて展開されてしまう。

 今までに無かった程に序盤からアグレッシブな展開を続けるNelson。対して井川は緑マナが無く、そして、土地も4枚で止まってしまう。

 Nelsonが《コーの綱投げ/Kor Line-Slinger》をキャストし、《岸壁安息所の騎士/Knight of Cliffhaven》をレベルアップしたところで。やっと5枚目の土地を、しかも待望の《森/Forest》をドローした井川。手札の選択肢として《エムラクールの孵化者/Emrakul's Hatcher》をキャストする。

 《エムラクールの孵化者/Emrakul's Hatcher》は《コーの綱投げ/Kor Line-Slinger》でタップされてしまうので、 0/1トークンで《孤独な宣教師/Lone Missionary》をチャンプブロックしながら機会を待つ井川。マナを残しながらアタックしてくるNelsonから除去の臭いはするものの、ここで井川は《蜘蛛の陰影/Spider Umbra》をキャスト。そしてこれが対応して除去されない。

 さらに《コーの綱投げ/Kor Line-Slinger》を《バーラ・ゲドの蠍/Bala Ged Scorpion》で対応する井川。しかし、レベルアップした《岸壁安息所の騎士/Knight of Cliffhaven》が殴りつつ、《最後の口づけ/Last Kiss》を打ち込まれ、井川は手を差し出した。

Nelson 2-1 井川

井川 「相手は除去デッキ風だったので、マリガンしたくなかったんですよね......でも、まさか今までと違うこんな展開になるとは......」

 敗因をこう分析する井川。そして続ける。

井川 「サンディエゴから連勝中だったんで勝ちたかったんですけどね......そろそろバケの皮がはがれてきたってところですかね」

 2大会連続でこの位置にいる井川が、ここで負けたとして、バケの皮がはがれたと評価する人間がどこにいるだろうか。

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