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Decktech:齋藤 友晴:オールイングリーン

Decktech:齋藤 友晴:オールイングリーン

By Daisuke Kawasaki

 スイスラウンドが終わって、ビートダウン系で一番の勝ち組だったのは、赤単でも黒単吸血鬼でもなく緑系のビートダウンだった。

 《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》に代表されるマナ加速と、《復讐蔦/Vengevine》によるビート。

 この戦略が、ビートダウンとして環境限界に達したと言える。

 ビートダウン同士の対戦として赤単には非常に厳しいものの、逆に言えば赤単以外には強く、赤単が環境に少ないと考えれば十分に選択しうるデックである。

 実際、殿堂プレイヤーのZvi Mowshowitzらが持ち込んできたのも、このアーキタイプであった。

 そして、日本でもこのアーキタイプの構築に成功している男がいた。

 それは、構築力正解最強、「ストンピーの貴公子」齋藤 友晴(東京)。

 そう!「ストンピーの貴公子」が原点回帰的に緑単デックを構築してきたのだ!

 圧倒的なマナ加速で、一気に手札をダンプできる事からオールイングリーンと名付けられたこのデックについて聞いてみよう。

齋藤 友晴
オールイングリーン
8 《森/Forest》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
4 《地盤の際/Tectonic Edge》
4 《戦慄の彫像/Dread Statuary》

-土地(24)-
4 《東屋のエルフ/Arbor Elf》
4 《ジョラーガの樹語り/Joraga Treespeaker》
3 《リバー・ボア/River Boa》
4 《巣の侵略者/Nest Invader》
4 《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》
4 《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator》
4 《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》
4 《復讐蔦/Vengevine》
1 《狼茨の精霊/Wolfbriar Elemental》

-クリーチャー(32)-
4 《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》

-呪文(4)-
1 《島/Island》
4 《統一された意思/Unified Will》
1 《沼/Swamp》
4 《燻し/Smother》
3 《消耗の蒸気/Consuming Vapors》
2 《予言のプリズム/Prophetic Prism》

-サイドボード(15)-

川崎 「まず、このデックを構築しようとしたきっかけを教えてください」

齋藤 「今回はスタンダードに挟まれていたせいで、あまり練習に時間をとれなかったんですけど、プロツアー2日前に、そこまででメタゲームを信じてデッキを構築することにしました」

川崎 「その時のメタゲームの予想はどうでしたか?」

齋藤 「青白コントロールと緑系エルドラージランプが3強のうちふたつになるのはほぼ間違いなかったと思うので、そのふたつに強い《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》を使いたいと考えたんです。で、それならマナブーストして、殴りながら展開すればつよいかなと」

川崎 「序盤を展開して、《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》までつなげて、相手の展開をシャットアウトするってことですね」

齋藤 「そうです。《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》で勝てる相手は多かったので」

川崎 「緑単にした理由はなんですか?」

齋藤 「《地盤の際/Tectonic Edge》が環境的にキーになる強さなのと、《戦慄の彫像/Dread Statuary》も同様に青白への回答になるカードだったので、この両方を4枚使えるということで、単色にしました。《戦慄の彫像/Dread Statuary》を入れられるなら《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》も入れよう、ってことで、この時点でメインはほぼ完成でしたね」

川崎 「どこが変わりましたか?」

齋藤 「《リバー・ボア/River Boa》が4枚っていうきれいなレシピだったんですけど、1枚を《狼茨の精霊/Wolfbriar Elemental》にしました。《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》を抜く赤単あたりに対して、打撃力が足りなくなってしまうので、それを補うカードをいれた感じです」

川崎 「《リバー・ボア/River Boa》は抜けますか」

齋藤 「青白相手に活躍してくれる時もあるんですけど、ちょっと弱いですね。この環境には、エクテン・レガシーレベルの強いカードもゴロゴロあるんですけど、デッキを組むには、どうしても枚数が足りない、っていう状況になってしまいます。そこでムラができるのがこの環境の特徴ですね。このデッキでいえば、それが《リバー・ボア/River Boa》です」

川崎 「さて、サイドボードが非常に特徴的ですね。緑単なのに、サイドには緑のカードがゼロという......」

齋藤 「面白いですよね。両フェッチランドと、サイドから追加する《予言のプリズム/Prophetic Prism》で色を補って、青のカウンターや黒の除去をサイドインするプランになっています」

川崎 「実に独創的な構築ですが、このアイデアはどこから?」

齋藤 「そうですねぇ......緑っていう色がサイドボード用カードのすごい弱い色なんですよね。で、マナベースをあまりいじらないで追加できるのならば、入れてみようかなと」

川崎 「このデックの完成度はいかがですか?」

齋藤 「ブロック構築のプロツアーとしては、今までの基準で考えるとハズレだったかなぁと。悪くはないんですけど、今までのブロック構築が成功しすぎでしたからね。正直、青白コントロールを一番強く調整してくるのとあまり勝率は変わらなかったように感じました。相手がデッキを知らない分、ちょっとだけ有利かな......」


 また、このデックをシェアされた渡辺 雄也(神奈川)にも感想を聞いてみた。

渡辺 「メインボードはまったく文句ないです。60枚完璧なデッキリストだったんじゃないでしょうか」

川崎 「サイドボードは?」

渡辺 「サイドはもっと練りこめましたね。個人的には、黒を足すのをあきらめて、青のみにして、《睡眠発作/Narcolepsy》などを入れるプランもあったんじゃないかと、終わってみると感じますね」

川崎 「もしも、グランプリ・仙台がブロック構築でもこのデックで出場しますか?」

渡辺 「そうですね。サイドボードだけ練り直してでるんじゃないかと思います」


 マナ加速からの4マナフィニッシャーという選択は、今やスタンダードでも通用する戦略。特に、《復讐蔦/Vengevine》については、来週のグランプリ・仙台でも間違いなく活躍するカードだろう。

 また、同様の、マナ加速+4マナフィニッシャーとして、《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》の代わりに《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を投入し、齋藤のデックのサイド後のような形で構築してきたデックが、ブロック構築で全勝している。

 こちらもご確認いただきたい。

Ben Hayes
プロツアー・サンファン
1 《進化する荒野/Evolving Wilds》
6 《森/Forest》
5 《島/Island》
3 《カルニの庭/Khalni Garden》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》

-土地(25)-
4 《ジョラーガの樹語り/Joraga Treespeaker》
4 《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》
4 《巣の侵略者/Nest Invader》
3 《リバー・ボア/River Boa》
4 《復讐蔦/Vengevine》
4 《狼茨の精霊/Wolfbriar Elemental》

-クリーチャー(23)-
2 《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》
2 《乱動への突入/Into the Roil》
4 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
4 《統一された意思/Unified Will》

-呪文(12)-
3 《剥奪/Deprive》
4 《睡眠発作/Narcolepsy》
2 《麻痺の掌握/Paralyzing Grasp》
1 《ペラッカのワーム/Pelakka Wurm》
2 《タジュールの保護者/Tajuru Preserver》
3 《蒸気の捕獲/Vapor Snare》

-サイドボード(15)-

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