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ゼンディカー ゲームデー スタンダード

ゼンディカー ゲームデー スタンダード

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Frank Karsten(訳: MIWA "kuin" Yuusuke)


 ゼンディカーのリリースから6週間が経過。2週間前には、世界各地のショップがゼンディカーゲームデーを開催した。多くのプレイヤーがゼンディカーのカードが投入されたスタンダードをプレイする機会を世界的規模で与えられたわけだ。これはゼンディカー発売後スタンダードの最初の大きな流れを構成し、次なるゼンディカースタンダードへの出発点を我々に与えてくれるだろう。

 この記事で私は、これらのトーナメントのTOP8デッキとメタゲームについて突っ込んだ分析をしていくつもりだ。スタンダード環境を調査するにあたり、もっとも強いデッキアーキタイプに焦点を当て、ゼンディカーゲームデー(リストはここから)のデッキリストガイドとするつもりだ。


 まず最初に、私が2006年から2007年にかけて連載していたOnline Techの記事でよくやっていたように、TOP8デッキのアーキタイプの人気と性能を合成することによって得られるメタゲームの概観について語ろうと思う。

デッキ名勝者のメタゲーム・パーセンテージ
ジャンド(32%)
 
吸血鬼(14%)
 
赤白上陸(6%)
 
バント(6%)
 
レッドデックウィン(5%)
 
ナヤ(4%)
 
根本原理コントロール(4%)
 
白単コントロール(3%)
 
赤白コントロール(3%)
 
白青(赤)コントロール(3%)
 
白ウイニー(2%)
 
5色続唱(2%)
 
昇天デッキ(2%)
 
ゴブリン(2%)
 
緑白ビート(1%)
 
緑白黒(赤)中速(1%)
 
ライブラリ破壊(1%)
 
赤緑ニッサ(1%)
 
アガディームブラック(1%)
 
その他(7%)
 

方法論についての注意書き:11月7日までに閲覧可能だった222デッキすべてのゼンディカーゲームデーTOP8デッキリストを見て、最終的な順位に基づくポイントを与えた。準々決勝で敗退したデッキに3ポイント、3-4位で終えたデッキに4ポイント、決勝に進出したデッキに5ポイントという形だ。これは特定のアーキタイプがどの程度準々決勝、準決勝、決勝に進んだか、そしてどのくらいの頻度でTOP8を構成したかの情報を与えてくれる。最終的にすべてのトーナメントのすべてのポイントを合計し、パーセンテージを割り出すことで、"勝者のメタゲーム・パーセンテージ"に到達する。

 明らかに、このフォーマットを決定しているデッキタイプはジャンドだ。大まかに言えば、ゼンディカーゲームデーのTOP8でプレイするなら、3回に1回はジャンドデッキと対戦することになる。いったんTOP8までくればジャンドは一層目立ったりもした:トーナメントの61%ほどで勝利しているのだ!

 全般的に見て、上のメタゲームは、他のマジックオンラインの結果やこれ以前の主要なスタンダードトーナメント、および他のライターによるフォーマットの分析などであらかじめ予想されていた状態にまあまあよく一致している。私は赤白上陸が順調だろう、吸血鬼がゼンディカーゲームデーではもう少し悪いだろうと予想したが、それは置いておいて、このメタゲームには大きな驚きは少しもなかった。

 さて、最強のデッキタイプであるジャンドの平均的なデッキを注意深く観察するところからスタートしよう。


幕間:平均的なデッキリストの過去のセオリー

 ああ、"平均"について私は62のジャンドデッキすべてのカードの平均を計算するのにコンピュータープログラムを使ったと言っておく。その統合デッキリストは利用者全体の知恵を例証してくれるので、TOP8から手当たりしだいに抜き出した1つのジャンドデッキよりも情報と洞察を我々に与えてくれると本当に信じている。私は去年メンフィスでの世界選手権にて、約100人のフェアリープレイヤーのカード選択の組み合わせが十分に練られたリスト一点に合成されるべきだと信じ、TOP8の平均的なフェアリーデッキリストを作ってこの方法の有用性を示した。今年はもう一度スタンダード形式を徹底的にテストできる十分な時間を費やせないので、同じ方法論を利用するつもりだ。


 適切に扱うにはいくつかの注意が必要だ。統合デッキ方法論を生かすには、十分多くのデッキリストが利用可能という制限がある。結局のところ、3つのデッキの平均を取っても役に立つ結果は得られない。別の問題としては、平均したデッキリストがしばしば見たところ扱いにくい1枚挿しを含むかもしれないということだ。しかしながら、1枚挿しでいっぱいのデッキをプレイするなら、より多くの行動オプションを得られ、また対戦相手を困惑させるので、私はこれを不都合とはみなさない。それよりも重要な点として、平均したデッキリストは、共にテストにテストを繰り返すプレイテストの出発点として完全だ。いずれにせよ、様々に異なったカードを同時に扱うことで別々のカードそれぞれの有用性を手早く学べるプレイの機会を得られる。自分では想像がつかなかった相互作用やカードの強さを観察できるわけだ。決まりきったカード選択をしてしまう固定観念を避け、自分で作ってテストするのではなく、妥当なデッキリストからはじめようじゃないか。最後に、特殊なデッキタイプの見本に対するテストは、多様なカードのプレイ経験をあなたに教え、実際のトーナメントでは対戦相手の正確なデッキ内容がわからないゆえに実用的な経験となる。


ジャンド

 さて、実際にこの統合デッキリストを調べよう。

平均的ジャンドデッキ
3 《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
3 《森/Forest》
2 《山/Mountain》
1 《巨森、オラン=リーフ/Oran-Rief, the Vastwood》
4 《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
4 《野蛮な地/Savage Lands》
4 《沼/Swamp》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》

-土地(25)-


4 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
3 《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》
1 《大貂皮鹿/Great Sable Stag》
4 《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》
4 《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》

-クリーチャー(16)-
3 《瀝青破/Bituminous Blast》
4 《荒廃稲妻/Blightning》
2 《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
3 《終止/Terminate》

-呪文(19)-
1 《死の印/Deathmark》
2 《強迫/Duress》
3 《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》
2 《大貂皮鹿/Great Sable Stag》
3 《ジャンドの魔除け/Jund Charm》
1 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
1 《紅蓮地獄/Pyroclasm》
1 《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》
1 《思考の大出血/Thought Hemorrhage》

-サイドボード(15)-

方法論についての注意書き:私のプログラムは例えば1.66《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》という形でアウトプットし、その後体裁がよいリストにたどり着くように手動で数を揃える。すべてを四捨五入すると56枚のデッキとなるので、いくつかの判断を必要とした。私は結局、できるだけ平均したリストをもっとも通用しているデッキリストに近づくよう、土地、呪文、クリーチャーの総量を増やすため《根縛りの岩山/Rootbound Crag》《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》《終止/Terminate》を切り上げた。別の判断は、《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》《ジャンドの魔除け/Jund Charm》《圧倒する雷/Resounding Thunder》から無作為に1枚メインに加えることだ。私は上記のデッキのクリーチャー除去比率が高すぎると感じているので、個人的には《終止/Terminate》1枚を切り、できればミラーマッチで有効なクリーチャーを加えるのがよいと考えている。さらに、メインの黒マナソース1枚を赤マナソースに入れ替えるほうが好ましいと思う。とりわけ、サイドボードで赤2マナを必要とする《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》を考慮するならね。私はまた、サイドボードにいくつか手動で調整を加えた。特に、両方をプレイする意味がない《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》2枚と《呪詛術士/Anathemancer》1枚という平均値を前者3枚に変えた。最初に《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》で土地を破壊し、その後《呪詛術士/Anathemancer》で少なくなった損害を与えるのは得策ではない。この構成は平均したデッキリストの論理がうまくいかない例で、反相互作用と不利コンボを自分で特定しなければならない。

 そのほかにさらに言うなら、2枚目の《大貂皮鹿/Great Sable Stag》と1枚ずつの《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》を他のカードに入れ替えることは容易に可能だ。《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》《火山の流弾/Volcanic Fallout》《マグマのしぶき/Magma Spray》《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》は前述のカードとほぼ同じくらい頻繁に投入されているし、《ジャンドの魔除け/Jund Charm》《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》のどちらかまたは両方を追加するというのも悪くない。さらに、ミラーマッチでは対戦相手がおそらくサイドボードとして《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》を持つので、《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》《天球儀/Armillary Sphere》《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》のいずれかを1枚サイドボードに加えるのがよいと個人的に考えている。その場合はスマートにマナ数と色事故の問題を防ぐことが出来るしね。

 ジャンドデッキは基本的にスタンダードで利用可能なもっとも強い黒と緑と赤のカードの組み合わせだ。デッキのほとんどのカードがある種のカード・アドバンテージをもたらす。続唱スペルはその最有力候補だ。《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》と《荒廃稲妻/Blightning》は2対1交換をもたらす上に、相手は《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》を完全に取り除くためにしばしば2枚のカードを費やす必要があるだろう。

 

 これらすべてのカード・アドバンテージ呪文のもっとも優れた点は、それをプレイするにあたりテンポを犠牲にする必要が無いということだ。例えば青いコントロールデッキは、カード・アドバンテージを得るために《予言/Divination》をプレイできるが、すぐには盤面に影響しないカードに3マナを費やす必要がある。ジャンドデッキなら適切な脅威を盤面に追加しながら、継続的にカード・アドバンテージを生み出す。これがジャンドの主要な強さとなっている。その上さらに、ジャンドはスタンダードでベストなクリーチャー除去呪文を備えている。例えば、5マナの《悪斬の天使/Baneslayer Angel》を2マナの《終止/Terminate》で破壊することで強力なテンポ・ゲームを続けるといった具合だ。ジャンドを速攻デッキとしては分類出来ないが、2ターン目の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》をコントロールやコンボデッキに対する妥当なクロックとして盤面に出し、最終的なダメージを《稲妻/Lightning Bolt》につなぐことができる。

 

 デッキリストに付け加えた"方法論についての注意書き"にあるように、個人的な好みに基づいていくつかの変更を行うかもしれないが、上記のリストは今週ローマでの世界選手権のための私のデッキ選択になるだろう。トーナメントのためのデッキを選ぶとき、常に覚えておくべき2つの重要な点がある。1つめは、そのフォーマットにおける真剣な選手として本質的に強いデッキを選ぶべきということだ。他のデッキが今のままであればだが、ジャンドはこの場合まさにそれである。2つめは、自分がその選んだデッキを使った経験があるべきということだ。デッキの使い方のノウハウを覚えているということは信じられないほど重要で手になじむ。半年前のハワイにおけるブロック構築形式のプロツアーでジャンドをプレイし、実際にかなり多くテストしたこともあり、このデッキ選択は実によくなじむ。ところで上のジャンドデッキとブロック構築形式のそれの類似性を調べると、スタンダード形式のほとんどすべてのカードがアラーラの断片ブロックから来ているのがわかるだろう! 続唱はマジで強力なメカニズムだぜ......


吸血鬼

 この状態で、どうすればジャンドデッキを打ち倒せるか? ジャンドは確かにとても強く、環境を決定しているデッキだが、それはまた皆が打倒を考えるデッキでもある。ほとんどの人はわざわざジャンドに全く勝てないデッキをプレイはしないだろうし、世界選手権の参加者のいずれかがジャンドに対してよいマッチアップとなるデッキを考え付くと確信してもいる。この記事の後ろのほうでジャンドをどう負かすかに関していくつかの机上案を提供するつもりだが、まずは、ゼンディカーゲームデーで二番目に人気があるデッキに注目してみようと思う:吸血鬼のことだ。もう一度、平均化したリストを提供しよう。

平均的吸血鬼デッキ
2 《湿地の干潟/Marsh Flats》
19 《沼/Swamp》
2 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》

-土地(23)-


3 《恐血鬼/Bloodghast》
4 《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》
1 《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》
3 《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》
3 《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》
2 《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》
4 《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》
4 《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》

-クリーチャー(24)-
2 《見栄え損ない/Disfigure》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
1 《強迫/Duress》
1 《血の饗宴/Feast of Blood》
1 《精神ヘドロ/Mind Sludge》
1 《墓所王の探索/Quest for the Gravelord》
3 《血の署名/Sign in Blood》
3 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》

-呪文(13)-
1 《黒騎士/Black Knight》
1 《魂の消耗/Consume Spirit》
3 《死の印/Deathmark》
1 《見栄え損ない/Disfigure》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《強迫/Duress》
1 《忌まわしい最期/Hideous End》
1 《蔓延/Infest》
1 《湿地での被災/Marsh Casualties》
1 《精神ヘドロ/Mind Sludge》
1 《墓所王の探索/Quest for the Gravelord》
1 《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》

-サイドボード(15)-

方法論についての注意書き:上記は26デッキリストの平均。今回は四捨五入でちょうど60枚になったので、メインデッキについて一切調整していない。それはつまり、《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》《血の長の昇天/Bloodchief Ascension》《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》が平均的なメインデッキからほとんど外れていないと言うことができる。個人的には、24枚目の(さらなるフェッチランドであるのは確実な)土地を追加したいし、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》は弱すぎると感じている。サイドボードに関してだが、今の状態はほとんどが1枚挿しで、これをサイドボードのアイデアとして役に立つリストとするには、少々調整が必要だろう。とりわけ、《墓所王の探索/Quest for the Gravelord》《蔓延/Infest》《忌まわしい最期/Hideous End》《見栄え損ない/Disfigure》《魂の消耗/Consume Spirit》を他の何かにするのは容易だ。《真髄の針/Pithing Needle》《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》はそれらのカードと同じぐらいプレイされているし、《湿地での被災/Marsh Casualties》や《強迫/Duress》を加えるというのもよさそうだ。

 このデッキはゼンディカーブロック構築においてほとんどあらかじめ構築済みのように思える。デッキの後半部分の考えはかなり明快だ。《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》と《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》が多くの吸血鬼との組み合わせにおいて優れているので、単純にベストな吸血鬼クリーチャーを加え、いくつかの黒単色呪文でデッキを仕上げる。このデッキはまた《恐血鬼/Bloodghast》や《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》にフェッチランドを加えることで良い相互作用を見せつけてくれる。さらに《血の署名/Sign in Blood》は《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》と《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》が容易にライフの損失を補えるので完全にフィットするように思える。

 

 重要な問いは以下の通りだ:"吸血鬼はジャンドに勝てるのか?" 両方のデッキのマナカーブを見るだに、ジャンドと吸血鬼がおおよそ同じ速度のように思える。共に中速デッキなので、違いはそれほど多くはない。吸血鬼デッキはかなりのカード・アドバンテージを生み出すことができる。際立っているのは《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》《恐血鬼/Bloodghast》《血の署名/Sign in Blood》だ。その上、《堕落の触手/Tendrils of Corruption》と《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》のライフ獲得は、本体への《稲妻/Lightning Bolt》に対して機先を制せるので擬似的なカード・アドバンテージと見なすことができる。しかし、そのすべてでジャンドとのカード・アドバンテージ戦争を勝利するに十分だろうか? 私の初見の印象としてはノーだ――吸血鬼は攻勢を維持できない。さらに言えば吸血鬼戦略のキーカード、言い換えれば王様である《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》は、ジャンドの安価な除去であっさり処理されてしまう。それはかなり接戦となるマッチアップではあるが、ジャンドが単純に1対2とするカードをわずかに多く持っているので、私はジャンドが長いマッチの後に勝ち上がると予想する。

 私が今スタンダードで吸血鬼を用いるなら、《荒廃稲妻/Blightning》や《瀝青破/Bituminous Blast》がジャンドを大いにサポートしていることを考え、《強迫/Duress》《精神ヘドロ/Mind Sludge》的なものを追加することでそれらの呪文を捨てさせることを考慮する。吸血鬼デッキはゼンディカーゲームデーにおいて明確に結果を残してはいるが、私はそれがジャンドに対する理想的なメタゲームの答えだとは思っていない。


それで、実際にどうすればジャンドに勝てるのか?

 ジャンドがとても驚くべき成績を示すので、どうやってそれを打倒するかに関する問いはこの記事の残りに導かれるテーマを形成するだろう。しかしまずは、もっと一般的な質問をしよう:とあるデッキを打ち倒すためにあなたはどうするか? 私の答えは普通はこうなる:そのデッキより遥かに早いデッキを作るか、それよりわずかに遅いデッキ、またはそのデッキとのやりとりを避けるデッキを作る。

 これらの考えについて説明するのに、簡単な例を出させてもらう。例えば5/5クリーチャーだけを持つデッキに5マナ分の土地があると考えてほしい。このデッキはそれよりわずかに早い4/4クリーチャーデッキを明確に打倒できる。つまり5/5クリーチャーは4/4より強いからだ。しかし1マナ1/1クリーチャーオンリーのようなとても早いデッキには圧倒される。5/5ファッティが間に合う前に侵略されてしまうからだ。同様に、5マナ5/5クリーチャーのデッキはわずかに遅いデッキに負けることになる。例えば6マナ6/6クリーチャーのみのデッキだ。しかし、8マナ8/8クリーチャーオンリー的なはるかに遅いデッキには勝てる。この単純化された枠組みはマッチアップ、メタゲーム、そしてデッキを見ることをしばしば助けてくれる。コンボデッキや飛行クリーチャーデッキ、全体除去を持つコントロールデッキなどで5/5クリーチャーデッキを倒すことも可能だろう。これはいずれも真正面からのぶつかり合いを避けることで勝つデッキの例だ。では、この理論をジャンドに適用してみよう。


その1.ジャンドよりかなり早いデッキ

 はじめに、大きなカード・アドバンテージスペルに通じるようになる前にジャンドを負かすことができる、強烈に早いデッキに挑戦してみよう。今のスタンダードでもっとも早いデッキはおそらく赤白上陸だ。ここに、ゼンディカーゲームデーからのサンプルリストがある。統合して分析するに十分なリストの数がなかったので、今回は平均化していない。

ゼンディカーゲームデー-テキサス州、オースティン、Pats Games 2位
Ryan Sieger
4 《乾燥台地/Arid Mesa》
2 《湿地の干潟/Marsh Flats》
5 《山/Mountain》
4 《平地/Plains》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4 《ぐらつく峰/Teetering Peaks》

-土地(23)-


4 《先兵の精鋭/Elite Vanguard》
2 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》
4 《ゴブリンの先達/Goblin Guide》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《板金鎧の土百足/Plated Geopede》
3 《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》
4 《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》

-クリーチャー(25)-
4 《噴出の稲妻/Burst Lightning》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《流刑への道/Path to Exile》

-呪文(12)-
3 《反逆の行動/Act of Treason》
4 《天界の粛清/Celestial Purge》
1 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》
4 《危害のあり方/Harm's Way》
3 《避難所の印/Mark of Asylum》

-サイドボード(15)-

 12体もの1マナクリーチャーを搭載したこのデッキは、すこぶる早いスタートを切ることができるだろう。これはゼンディカーの新しいメカニズムである上陸持ちクリーチャーとフェッチランドの相互作用を利用している。《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》もまた、《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》に加えて他のもう一体をひっぱってくることでこの後に強烈なターンを迎えることができるので、このデッキではとても強力だ。このデッキは、それだけではシナジーが足りないとばかりに、《コーの空漁師/Kor Skyfisher》で《ぐらつく峰/Teetering Peaks》を戻すこともできる。いくつかのバージョンでは《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》を走らせもする。全体的に見て、これは効率的なビートダウンを詰め込んだものだ。《稲妻/Lightning Bolt》と《噴出の稲妻/Burst Lightning》はこのデッキが対戦相手に止めを刺せる位置にまで到達させてくれるし、遅いゲームで《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》を引けばどこからでも勝てる。上記のデッキリストはよく考え抜かれていると思う。私なら、多くのデッキに対してより良くなるように2、3枚の《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》をサイドボードに加えるよう提案するかな。

 

 このデッキはジャンドに対するに十分だろうか? ジャンドが最初の3ターンほどのプレイで特に何もできなければ、赤白上陸はその速度を生かしてあっさり勝てるだろう。しかしジャンドが早いクリーチャーに《稲妻/Lightning Bolt》か《終止/Terminate》で対抗すると、赤白上陸は3-4ターンあたりまでに圧倒的な盤面の優位を築くことができず、その場合ジャンドのカード・アドバンテージを生み出すカードがゲームを大抵ひっくり返してしまうだろう。《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》や《噴出の稲妻/Burst Lightning》をめちゃめちゃ引くとかならともかく。

 

 サイドボード後にマッチは変化するだろうか? うーん、赤白上陸は《ジャンドの魔除け/Jund Charm》みたいな全体除去にちょっと弱そうだ。上のバージョンでは《避難所の印/Mark of Asylum》がサイドボードに入っているので、理屈で考えればよさそうではある。《稲妻/Lightning Bolt》や《瀝青破/Bituminous Blast》にも効くしね。だがしかし、それでも、覚えていられないほど使われるであろう《ジャンドの魔除け/Jund Charm》より前に、2マナとそれを置くタイミングを見つけ出さなければならない。ジャンドはしばしば赤白上陸についていくほど早く動くと考えているので、接戦ではあるもののこのマッチアップはジャンドに分があると推測している。


その2.ジャンドよりわずかに遅いデッキ

 今度はジャンドに近いが、それより少しだけ遅いデッキを探してみよう。だいたいジャンドの速度に合っているが、わずかに遅く、より大きなカード・アドバンテージスペルを持つ、ちょうどワンテンポ遅いデッキが必要となる。《終止/Terminate》と《稲妻/Lightning Bolt》を減らして《瀝青破/Bituminous Blast》《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》あたりが代わりに入った普通のジャンドデッキがそうであるのも事実だ。少しの速度を犠牲とし、マナベースをちょっと弱くするかわりに色を足して、カード・アドバンテージを発生させるさらなる続唱カードにアクセスすることもできる。5色続唱デッキみたいな感じだ。実際、そういうデッキはジャンドが多いメタゲームではかなり強いと考えている。しかしまあ、ちょっと変えただけのジャンドデッキをまた提示するのは退屈だな。もっと違うタイプを知らせるほうが好みだ。やっとのことで、好みのデッキをゼンディカーゲームデーのリストから見つけ出した。

ゼンディカーゲームデー-ロードアイランド州、ポータケット、Die Hard Games 6位
Roger Buteau Jr
4 《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》
3 《崩れゆく死滅都市/Crumbling Necropolis》
1 《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》
1 《氷河の城砦/Glacial Fortress》
3 《島/Island》
3 《ジャングルの祭殿/Jungle Shrine》
2 《湿地の干潟/Marsh Flats》
3 《山/Mountain》
1 《平地/Plains》
2 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3 《沼/Swamp》

-土地(26)-


2 《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》

-クリーチャー(2)-
4 《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》
2 《天界の粛清/Celestial Purge》
4 《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》
4 《審判の日/Day of Judgment》
4 《エスパーの魔除け/Esper Charm》
3 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《否認/Negate》
4 《流刑への道/Path to Exile》

-呪文(32)-
2 《天界の粛清/Celestial Purge》
3 《二重否定/Double Negative》
3 《瞬間凍結/Flashfreeze》
2 《自我の危機/Identity Crisis》
3 《真髄の針/Pithing Needle》
2 《紅蓮地獄/Pyroclasm》

-サイドボード(15)-

 このデッキは全色から最も良いコントロールカードを統合して、ジャンドで満たされたメタゲームを念頭において構築されたのではないだろうか。《流刑への道/Path to Exile》《稲妻/Lightning Bolt》や《天界の粛清/Celestial Purge》までメインに搭載し早いクリーチャーに対する軽い除去を準備している。特に《流刑への道/Path to Exile》と《天界の粛清/Celestial Purge》は《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》、あるいは《恐血鬼/Bloodghast》に対する完璧な解答となる。次なる目的として、根本原理コントロールは《審判の日/Day of Judgment》と《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》でゲームをコントロールすることに着手する。そのどちらもカード・アドバンテージを生み出せる。その後《エスパーの魔除け/Esper Charm》と《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》でゲームを決めるカードまで掘り進み、《荒廃稲妻/Blightning》には《否認/Negate》で答える。さらにサイドボード後には《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》に対して《二重否定/Double Negative》を充てる。

 

 このデッキの主な勝ち手段は《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》だ。その名前を持つソーサリーを使えばゲームは決まるという考えだな。よりカード・アドバンテージを得たほうが勝てると思われる現在のスタンダードでは、《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》は明らかにその頂点だ。しかしながら、{U}{U}{B}{B}{B}{R}{R}のソーサリーを考慮に入れてマナベースを作るのはわかりきったことながら難解だ。タップ状態で戦場に出る土地を使うことで常に相手が《Time Walk》するのを拒むならとりわけそうなる。

 ゼンディカーゲームデーのTOP8デッキリストの中には、上の根本原理コントロールに似た感じのデッキがいくつかあった。安定したマナベースを得るために黒を抜いて、ビッグフィニッシャーとして《思考の泉/Mind Spring》や追加のプレインズウォーカーを用いたデッキだ。黒のあるなしにかかわらず、ジャンドよりも少しだけ遅いが、ジャンドに間に合う早さで、ジャンドのクリーチャーを早いターンで処理でき、その後の大呪文でゲームを掌握出来るコントロールデッキがあるということだ。

 このデッキの真に優れているところは、ジャンドを負かすための3つめの要素を考慮に入れているということだ:まともに組み合うな。ジャンドは一般的にクリーチャー除去呪文を多く用いる。上で見せたジャンドのデッキリストを別の見方で考慮してくれ:《稲妻/Lightning Bolt》4枚、《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》3枚、《瀝青破/Bituminous Blast》3枚、そして《終止/Terminate》3枚だ。ああ、たしかに《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》と《稲妻/Lightning Bolt》はクリーチャー以外を対象に取れるが、全体的に見てジャンドにクリーチャー除去が多いというのはわかるだろう。上の根本原理コントロールはその対象をいくつ持ってる? そのとおり、ゼロだ。《終止/Terminate》と《瀝青破/Bituminous Blast》は《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》には使えない! したがって根本原理コントロールはジャンドデッキの多くのカードを白紙にしてしまう。ジャンドのコスト対効果に優れた除去カードを利用するオプションを否定するわけだ。

 もちろん、サイドボーディング後のゲームは別物だろうな、ジャンドが除去を抜いて《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》や《強迫/Duress》なんかを加えるだろうから。根本原理コントロールを使う側はそれに対処するために何が適切な解答になるか判断しなければならない。打ち消し呪文を加えることは助けになるかもしれない。あるいは、相手が除去を抜くと考えてクリーチャーを追加するというのは私好みの戦略だ。

 概して、私の第一印象は、ジャンドとのマッチアップを考慮して調整され、経験豊かなプレイヤーが扱うよう構築されたコントロールデッキはジャンドに対して有利だというものだ。しかしながら、赤白上陸に勝つ方法や、《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》のようなプレインズウォーカーに対しての追加の対策が必要かもしれないことについて考えなければならないだろう。おそらくだが、遅い《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》や《審判の日/Day of Judgment》をいくつか切り捨て、早い《終止/Terminate》かあるいは《火山の流弾/Volcanic Fallout》のようなカードを加えることが助けになるかな? 《火山の流弾/Volcanic Fallout》は《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》と《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》の両方にばっちり対策できるように思える。他にもいくつか考えはあるが今は置いておこう。


その3.ジャンドとまともに組み合わないデッキ

 前のセクションでは、ジャンドが多くの除去呪文を持つことと、《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》(や、望むなら《否定の壁/Wall of Denial》など)のみのクリーチャー構成でそれを回避できるということを確認した。これは根本原理コントロール以外のほかのデッキにも扱える概念で、ジャンドが今後も人気である限りはこの概念が流行ると予想している。《真心の光を放つ者/Devout Lightcaster》や《白騎士/White Knight》を搭載した白ベースのデッキという考えも可能だ。《終止/Terminate》や《瀝青破/Bituminous Blast》の対象にならないというだけではなく、黒単吸血鬼デッキに対しても脅威となる。クリーチャーを使わないことで強力なクリーチャー除去呪文をプレイし続けるデッキを封じる別のやり方――これはコンボデッキを使うと言い換えることができる。エクステンデッドに比べると、今のスタンダード環境はこれまでのところコンボデッキに適したカードを提供してはいない。ゼンディカーゲームデーのすべてのデッキアーキタイプを抜き出してみても、コンボデッキらしいデッキは一種しかなかった。

ゼンディカーゲームデー-テネシー州、コルドバ、Mid-South Game Center 3位
David Glore
4 《崩れゆく死滅都市/Crumbling Necropolis》
1 《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
4 《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
4 《島/Island》
5 《山/Mountain》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4 《沼/Swamp》

-土地(26)-



-クリーチャー(0)-
4 《噴出の稲妻/Burst Lightning》
3 《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》
4 《予言/Divination》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《否認/Negate》
4 《思案/Ponder》
4 《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》
4 《終止/Terminate》
4 《俗世の相談/Worldly Counsel》

-呪文(34)-
4 《強迫/Duress》
2 《思考の泉/Mind Spring》
4 《紅蓮地獄/Pyroclasm》
2 《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》
3 《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》

-サイドボード(15)-

 《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》を役立てるには何らかの運や工夫が必要かもしれないが、いったんそれが繋がると、本当にコンボデッキをプレイしているような気分になるだろう。いくつかのバージョンでは《時間のねじれ/Time Warp》まで用いる。このデッキは《稲妻/Lightning Bolt》《噴出の稲妻/Burst Lightning》《終止/Terminate》といったマナ効率の良い除去で早いクリーチャーを寄せ付けないよう考えている。それと同時に、《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》を見つけ出すまで《思案/Ponder》《俗世の相談/Worldly Counsel》《予言/Divination》でデッキを掘り進む。それがいったん戦場に置かれると、そのエンチャントの元でそれらの青いカードドローはコピーで二倍の希望を見出すだろう。最後はただ《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》を唱えてそれをコピーするだけでいい。その後のターンで、すべての火力呪文がアナタをゲームの勝者にしてくれる。


 この革新的なデッキは爆弾をプレイするかのようだ。これはジャンドの除去呪文を完全に無駄カードに変えてしまう! 未解決の問題は《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》というカードだ。このデッキはかなり《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》中心に動くのだが、ジャンドはおおむねメインにその対策があることになる。その上このデッキには、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》やサイドボード後にジャンドが加えてくるであろう手札破壊呪文という難問まであるのだ。それで、残念ではあるが、私は実際にはジャンドはこの"コンボ"デッキを大抵打破すると予想している。したがってコンボデッキはジャンドに対するよい方法ではないと結論を下す。とはいえ、これは机上論だということには注意して欲しい。実際にマッチアップテストはしていないんだ。サイドボードからのスフィンクスが状況を覆すかも?


ジャンド問題に関する結びの言葉

 ジャンドはスタンダードを支配している。しかしながら、何らかの工夫を施すことでそれに勝つことは可能だ。私なら対象にならないクリーチャー、《天界の粛清/Celestial Purge》、そして大きなカード・アドバンテージを得られる呪文を付け加えたジャンドよりわずかに遅いコントロールデッキを考慮するが、それ以外にもジャンドに対して効果的な多くの戦略がスタンダードにはある。今週の世界選手権が楽しみだ。どんなタイプのデッキが選ばれ、どんなテクが搭載されるかが判明するのは興味深いだろう。ジャンドに勝て、それ以外のデッキにも負けないという相反していて達成しにくく思えるデッキを誰かが思いついたなら、そのデッキはスタンダードを席巻するだろうな。私にはそのよりよいアイデアが無いので多分ジャンドをプレイする。


残りのデッキ

 今までのところ、ジャンドと吸血鬼の2個の中速デッキと、速攻デッキである赤白上陸、コントロールデッキな根本原理コントロール、それからコンボデッキとして3色昇天を紹介した。この5つは安定と多様化した対立要素を構成している。しかしながら今のスタンダードは最初のメタゲームテーブルで観測できたように、この5つの構成に輪をかけて難解だ。すべてのデッキタイプを調べられるわけもなく、デッキペディアも存在しないので、次善策をとることにした:特定のデッキタイプに興味がある人のために、すべてのデッキに簡潔なコメントを記し、それぞれゼンディカーゲームデーTOP8デッキリストから手堅いサンプルへのリンクを準備した。メタゲームテーブルに登場した残りのデッキをカバーするつもりだ。言い換えれば、残りのもっとも人気のあったものから人気が無かったものまですべてを。


バント

 《貴族の教主/Noble Hierarch》や《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》のような緑、白、青のベストカードを搭載した中速デッキ。代表的なのはポータケット(アメリカ)1位Jonathan Maのリスト。


レッドデックウィン

 《ボール・ライトニング/Ball Lightning》のような速攻クリーチャーと《稲妻/Lightning Bolt》のような火力を使ってでできるだけ早く20ダメージを与えるデッキ。代表的なのはシドニー(オーストラリア)2位Almerick Liのリスト。


ナヤ

 《野生のナカティル/Wild Nacatl》《長毛のソクター/Woolly Thoctar》のような赤緑白のベストカードを使う中速デッキ。代表的なのはポータケット(アメリカ)2位Brian Petersのリスト。


白単コントロール

 必然的に遅いデッキ向きな《空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin》を働かせるデッキ。他の典型的なカードは《悪斬の天使/Baneslayer Angel》《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》《審判の日/Day of Judgment》《流刑への道/Path to Exile》など。代表的なのはポータケット(アメリカ)5位のAlan Aguinaldoのリスト。


赤白コントロール

 こいつはいろんなバージョンがあるが、もっとも一般的なのは、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》を利用するために赤をベースとし、白のカードはちょろっとだけというものだ。クリーチャーを含まず、《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》《チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar》《地震/Earthquake》や他の火力とヴァラクートで勝ちを目指す。白い除去がデッキの残りを補う。代表的なのはドイルスタウン(アメリカ)6位のAnthony Karnsのリスト。


白青(赤)コントロール

 根本原理コントロールに似ていて、《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》《エスパーの魔除け/Esper Charm》の代わりにプレインズウォーカーと《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》があり、マナベースはより安定している。代表的なのはオースティン(アメリカ)6位のJimmmy Tranのリスト。


白ウイニー

 その名の通り。《先兵の精鋭/Elite Vanguard》と兵士たちのような早い白クリーチャーを《清浄の名誉/Honor of the Pure》がバックアップする。代表的なのはウッチ(ポーランド)1位のKonrad Sokolowskiのリスト。


5色続唱

 《謎のスフィンクス/Enigma Sphinx》、《徴兵されたワーム/Enlisted Wurm》、《瀝青破/Bituminous Blast》、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》、《エスパーの魔除け/Esper Charm》という続唱の夢に生きてる。代表的なのはミネアポリス(アメリカ)2位のJason Mohrのリスト。


ゴブリン

 《巣穴の煽動者/Warren Instigator》で《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を戦場に出せるといいな。《ゴブリンの酋長/Goblin Chieftain》は部族テーマを助ける。ほとんどのバージョンが除去のために黒をタッチしている。代表的なのはリンデンハースト(アメリカ)3位のJoey Catardiのリスト。


緑白ビート

 《不屈の随員/Dauntless Escort》と《巨森の蔦/Vines of Vastwood》を除去対策に使い、《征服者の誓約/Conqueror's Pledge》に《踏み荒らし/Overrun》とつなぐのがとどめ。代表的なのはオシャワ(カナダ)2位のJason Dyalのリスト。


緑白黒(赤)中速

 《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》《悪斬の天使/Baneslayer Angel》なんかを使うジャンドっぽいデッキ。いくつかのバージョンは赤を使わない。代表的なのはコルドバ(アメリカ)1位のAaron Whiteのリスト。


ライブラリ破壊

 《面晶体のカニ/Hedron Crab》《書庫の罠/Archive Trap》《道理の宿敵/Nemesis of Reason》《精神の葬送/Mind Funeral》で相手のライブラリーを削りきる。マジだ。代表的なのはアントワープ(ベルギー)6位のErik Strijbosのリスト。


赤緑ニッサ

 《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》をお供に《ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane》を利用しつくす。《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》がエルフをサポートする。代表的なのはウッチ(ポーランド)2位のArtur Cnotalskiのリスト。


アガディームブラック

 墓地を素早く肥やすために《意思切る者/Architects of Will》《巨怪なオサムシ/Monstrous Carabid》《臓物を引きずる者/Viscera Dragger》などの黒いサイクリングクリーチャーを使う。そうすると、《アガディームの墓所/Crypt of Agadeem》から生み出されたありえないほどのマナが《魂の消耗/Consume Spirit》につぎ込まれる。代表的なのはサンディエゴ(アメリカ)3位のJames Parentiのリスト。


ボーナスセクション・マジックオンライン

 ゼンディカーゲームデーが終わったので、スタンダードトーナメントは再び静まり、環境は落ち着くだろう。知らない人のために紹介すると、magicthegathering.comの記事のマジックオンライン"ウィークリーデッキ"やwww.mtgonline.comのイベントカバレージの項目でスタンダード(や、他のフォーマット、あるいはプロツアー関係のものなど)のデッキリストをチェックすることができる。


 ここではしばしば驚くようなデッキリストが見つかる。私は最近ここで2つのクリエイティブな"コンボ"的デッキを発見した。一つ目は、《面晶体のカニ/Hedron Crab》か《心の傷跡/Traumatize》を自分に使い、次に《不気味な発見/Grim Discovery》で《アガディームの墓所/Crypt of Agadeem》を戻し大量のマナを生み出して、最終的には《死体の鑑定人/Corpse Connoisseur》でゲームに勝つというyaya3の奇妙なデッキだ。4-0の成績を残しているのをここで見れる。次に注目したのは赤緑のビッグマナで、《探検の地図/Expedition Map》で《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》を探し出し、次のターンから《砕土/Harrow》や《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》で焼いていくというデッキだ。Carmonaの4-0デッキはここ。最後に、《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》の燃料としてトークン生成と《ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane》を使う緑単デッキについて知らせておこうと思う。それはマジックオンラインのスタンダードトーナメントで上昇傾向で、StarCityGamesスタンダードオープントーナメントでは優勝すらしている。これはかなり安定しているように思える。ここでYemethの4-0のリストをチェックしてくれ。要するにだ、こういったマジックオンラインの結果は、スタンダードがまだまだ流動的で、革新的なデッキビルダーが新しい戦略とカードの組み合わせを見つけ出せるということを示している。

 最後まで読んでくれてありがとう。役に立つことを願うよ。それじゃローマで会おう!

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