マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

Round 3:池田 剛(福岡) vs. Luca Ravagli(イタリア)

Round 3:池田 剛(福岡) vs. Luca Ravagli(イタリア)

By Daisuke Kawasaki

 今期後半のトーナメントシーンを語る上で池田 剛(福岡)の躍進を語らないわけには行かないだろう。

 と、昨年の世界選手権のカバレージでも書いた記憶があるが、今期後半の池田の躍進は、昨年の世界選手権の時以上のものだ。

 なんせ、グランプリ新潟で優勝し、その勢いのままプロツアー・オースティンではBrian Kiblerに惜敗したものの、準優勝という成績を残しているのだ。

 この二年連続のPTトップ8を含む近年の大活躍によって、来年度日本の幕張で表彰される殿堂プレイヤー候補の名前として、池田の名前が急浮上してきたのも当然の話であろう。

 個人的には、是非とも、この世界選手権でも大活躍してもらい、来年の殿堂入りを確実なものにしてもらいたいと思う。

 そんな池田が持ち込んだデックは、藤田 修(京都)が原案を作り、津村 健志(広島)がチューンナップしたという、白緑黒の《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》デック。

池田 「いやぁ、毎回1本目は勝てるんですけどね...2本目・3本目連続で負けてるんですよ。いっそ、1本目負けた方がいいのかなぁ」

 どっちにしろ、勝てるなら1本目だろうと勝つべきだとも思うのだが、歴戦の池田の言うことだけに、むやみに真実みがあるのが怖い。

 対するは、Luca Ravagli(イタリア)。

jpg

 トップ8を見据えるなら、そろそろ負けられないラインという、この大事なマッチを制するのはどちらか。

Game 1

 後手ながら、赤白のLucaが《ゴブリンの先達/Goblin Guide》で1ターン目からビートダウンという立ち上がり。そして、2ターン目には《板金鎧の土百足/Plated Geopede》。

 このロケットスタートに小考する池田だったが、《湿地の干潟/Marsh Flats》かた《沼/Swamp》をフェッチし、《板金鎧の土百足/Plated Geopede》を《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で除去。

 Lucaはここで《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》を使わせているのをいいことに、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》2体目をキャストし、ダメージを重ね、池田のライフはフェッチランドの分も含めて10。さらに、《コーの空漁師/Kor Skyfisher》が《ゴブリンの先達/Goblin Guide》を手札に戻しつつ、戦場に降臨する。

 次のターンには6点のダメージが、それによってライフが4になることはほぼすなわち死を意味するだけに、慎重に考えを重ねる池田。

 結果、フェッチを残したまま、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》(4/4)をキャストする。

 ここで、Lucaは少々考えた末に、まず《コーの空漁師/Kor Skyfisher》でアタック。そして《乾燥台地/Arid Mesa》を起動して...持ってきたのは《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》?

池田 「《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》?」

 苦笑しながら、手札の《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》を見せるLuca。

池田 「Nice Land!」

 とはいえ、ますます厳しい状況に追い込まれた形の池田。表情はにこやかさを保っているものの、心中は穏やかではないだろう。なにせ、サーチされたのは、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》に追加して、《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》なのだ。

 だが、ここで、トップデックが念願の5枚目の土地。これによって、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》をアンタップしたまま《悪斬の天使/Baneslayer Angel》をキャストすることに成功した池田。

 返すターンで《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》《ゴブリンの先達/Goblin Guide》とキャストし、さらにキッカーで《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》をキャストしたLuca。

 盤面を凝視し、すべてのクリーチャーのパワーを確認した池田だったが、《悪斬の天使/Baneslayer Angel》の加護有れども、池田の7点のライフを削るには十分だった。

Luca 1-0 池田

jpg

池田 「予定通り負けたけど...」

 予定通り、かどうかは置いておくとして、果たして、池田は自身の運命をここで変えることに成功するのだろうか。

Game 2

 マリガン後の池田。《貴族の教主/Noble Hierarch》から、《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》につなぐ、さらに《湿地の干潟/Marsh Flats》を使用する事で、このターンに3マナを追加で確保、1ターン目の《先兵の精鋭/Elite Vanguard》を《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で除去する。

 ここで《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》を《稲妻/Lightning Bolt》で除去したLucaだったが、完全に後手を踏む。池田は《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》をキャストし、ダメージレースで優位を確保する。

 《板金鎧の土百足/Plated Geopede》で果敢にダメージレースを挑むLucaだったが、ここで池田は《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt》をキャスト。対抗して《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》をキャストするLucaだったが、《悪斬の天使/Baneslayer Angel》がキャストされてしまうと、完全に対抗策を失ってしまう。

 日本語版であった《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt》の複雑なテキストを確認すると、LucaはGame 3への準備を始めた。

Luca 1-1 池田

Game 3

 先手のLucaは2ターン目に《板金鎧の土百足/Plated Geopede》をキャスト。対して、池田はタップインランドからの《貴族の教主/Noble Hierarch》のキャスト。

 さらに《コーの空漁師/Kor Skyfisher》を追加してくるLucaに対して、池田は土地が2枚で止まってしまう。とはいえ、《貴族の教主/Noble Hierarch》は生き残っているため、ここで、2枚目の《貴族の教主/Noble Hierarch》、そして《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》をキャストする。

 返すLucaのアクションも、土地を戻しながらの2体目の《コーの空漁師/Kor Skyfisher》とぱっとしないものではあったが、しかし、池田も土地が引けないままである。2体の《コーの空漁師/Kor Skyfisher》こそ《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で除去し、アドバンテージを獲得したものの、ライフが攻められ続けている。

 ここまで土地を《コーの空漁師/Kor Skyfisher》で戻し続け、ごまかしごまかし続けてきたLucaだったが、しかし、実はLucaも土地が2枚で止まっていた。池田はLucaのキャストした《ゴブリンの先達/Goblin Guide》の能力でみたライブラリートップが土地では無かった事にいささかゲンナリしながらも、《崇敬の壁/Wall of Reverence》をキャストし、一気に守りを固めにはいる。

 なおも土地を引かないLuca。2体目の《板金鎧の土百足/Plated Geopede》をキャストするが、土地を引けないので《崇敬の壁/Wall of Reverence》を突破できない。その隙に池田はさらに《不屈の随員/Dauntless Escort》《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》と着々と軍勢を揃えていく。

 池田のターンエンドに《不屈の随員/Dauntless Escort》に《稲妻/Lightning Bolt》を打ち込むLuca。だが、池田の手札には、土地事故のLucaには決して打ちたくない《流刑への道/Path to Exile》が3枚握られていた。これ幸いと、自身の《不屈の随員/Dauntless Escort》に《流刑への道/Path to Exile》を打ち込み、そして土地をサーチする。

 続いて土地を追加で引き当てた池田は、マナに余裕を持たせつつ、《悪斬の天使/Baneslayer Angel》をキャストする。

 ここまで3枚目の土地を引けないままでいるLucaの姿を見て、観戦している浅原 晃(神奈川)がぼそりとつぶやく。

浅原 「対戦相手、3枚目の土地引けないで、涙目っすね。まさに涙目のルカじゃないすか」

 そんな話はどうでもよくて、やっと3枚目の土地を引き当てたLucaは《忘却の輪/Oblivion Ring》をキャストするが、ダメージを優先して《崇敬の壁/Wall of Reverence》をリムーブする。

jpg

 その間、自身の能力と、《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》のおかげで着々とサイズを重ねていく《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》。

 《貴族の教主/Noble Hierarch》2枚に賛美された《悪斬の天使/Baneslayer Angel》、そして5/5を超えつつある《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》が2体。

 《忘却の輪/Oblivion Ring》を《コーの空漁師/Kor Skyfisher》で手札に戻す程度の小手先のテクニックでは、この大火力をしのぎ来ることはできないのだった。

Luca 1-2 池田

池田 「やっぱり、1本目負けた方がよかったね!」

 ニコニコと語りながら、池田はさらに続ける。

池田 「最近、川崎さん(筆者)がみてる前だと調子いいんですよね。もっとフィーチャー呼んでくださいよ」

 馴れないフィーチャリング席で、落ち着かない様子でプレイングしていたLucaの姿を思い出しながら、筆者は心の中で、こう答える。

 池田さん、それはあなたが勝負強いだけですよ、と。

前の記事: Round 2:齋藤 友晴(東京) VS. Luis Scott-Vargas(アメリカ) | 次の記事: Round 3:梅咲 直瑛(東京) VS. Gabriel Nassif(フランス)
イベントカバレージ/世界選手権09 一覧に戻る

イベントカバレージ