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Round 4: Marijn Lybaert(ベルギー) vs. 小室 修(東京)

Round 4: Marijn Lybaert(ベルギー) vs. 小室 修(東京)

by "FOREST" Keita Mori

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 世界選手権初日、競技種目はスタンダード。

 現在のスタンダードというフォーマットについて、広く知られている事実がある。
 とにかく、ジャンド続唱(Jund Cascade)が強い。

 これは第1回戦フィーチャーマッチの観戦記事でも述べた口上だが、ラウンドを重ねるごとにその思いを新たにさせられる事実である。そして、会場のそこかしこで繰り広げられるのがジャンドの同型対決(ミラーマッチ)となり、ここでご紹介する三連勝同士の一戦もジャンド合戦という次第となった。

 ところで、小室 修とMarijn Lybaertには意外な共通点がある。
 それは、ともにプロツアーシーンでは名の通った強豪同士であるにもかかわらず、来シーズンのプロツアーに継続招待されるために十分なプロポイントを稼ぎ出せていないという、まったくもって有り難くない共通点だ。

 今シーズンここまで、Marijnが13点。小室が15点。
 そして、彼らの目標となるのが20点。

 つまり、この世界選手権ローマ大会で相応の活躍ができれば、彼らは来年も「予選いらず」の立場を維持できるというわけだ。

 ここまで全勝と幸先良い滑り出しの両者だが、はたして彼らの「続唱」っぷりはいかなるものだろうか?

小室 修:続唱ジャンド
Marjin Lybaert:続唱ジャンド

Game 1
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 日本のプロには「ポッター」のニックネームで知られるベルギー勢のLybaert。劇場版のハリー・ポッターを演ずるダニエル・ラドクリフによく似た容姿だから、という至極単純な理由だ。これは三田村 和弥が海外勢から"Chief"と呼ばれるのと同じで、まあ、あだ名などその程度のものだろう。 

 後手2ターン面から《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》で攻める小室に対し、先手Lybaertは3ターン目の《荒廃稲妻/Blightning》から4ターン目の《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》に繋げる展開。エルフからの続唱でもきっちり《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》をめくりだし、小室のヒルを除去しつつ3点アタックを敢行した。

 対する小室も《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》から続唱で《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》をめくりだし、すぐさま戦線を再構築。ならば、とLybaertが《荒廃稲妻/Blightning》で小室の手札とライフを攻撃した。

Lybaert 「続唱のめくりあいについてた方が勝つんだろうね」

 「ポッター」がシニカルな笑みを浮かべると、小室もニヤニヤと笑いながらの《瀝青破/Bituminous Blast》で応じる。そして続唱で小室がめくりだしたのは《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》! 華麗なる続唱連鎖から「史上最強火力」《稲妻/Lightning Bolt》に繋げる小室 修。

Lybaert 「続唱連鎖はしょうがないよね...」

小室 1-0 Lybaert

Game 2

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 後手小室の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》からゲームが始まる展開だが、先手のMarjin Lybaertは3ターン目に《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》、4ターン目にも《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》キッカーと攻勢を続ける。

 ジャンド続唱デッキのサイドボードテクとして一般的になりつつあるゼンディカーのゴブリンによって《野蛮な地/Savage Lands》を破壊され、これによって4マナ域への到達が遅れてしまった小室。追い打ちをかけたいLybaertは、さらに《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》を出してターンを返す。

 1ターン遅れで4マナに到達した小室は、お返しとばかりに《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》キッカーで反撃。しかし、プレインズウォーカーのバックアップによって実質2マナ増えているMarjin Lybaertをスローダウンさせるには至らない。

 ここでLybaertは第1ゲームの欝憤をはらすかのように《瀝青破/Bituminous Blast》の続唱から《精神腐敗/Mind Rot》を決める。小室は2枚の手札を捨てさせられるが、続くターンに《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》から《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を展開して盤面構築では一歩も引かない。

 しかし、Lybaertは《野生語りのガラク》を活用してマナを絞り出して《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》を呼び出すプレイ。なんとか小室も《荒廃稲妻/Blightning》のダメージで《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》を弱体化させたものの、続くターンにLybaertが《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》から《稲妻/Lightning Bolt》を続唱! 小室も苦笑いするほかなかった。

 二体のドラゴンがレッドゾーンに送り込まれるのを確認して、小室は投了。

小室 1-1 Lybaert

Game 3

 「赤マナさえ引ければ視界良好」というハンドをキープする先手の小室。感想戦の際に「それはマリガンでしょ!?」とLybaertに指摘される手札で発進した小室は、肝心の赤マナをなかなか引けず、なんとか3ターン目に《野蛮な地/Savage Lands》を引いてタップインという展開となった。

 対してLybaertは2ターン目に《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を召喚した上で、3ターン目に《精神腐敗/Mind Rot》をプレイ。奇麗にマナを使い切って攻め立ててくる対戦相手を前に、小室は《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》と《稲妻/Lightning Bolt》を失った。

 小室のこのゲーム最初のアクションは4ターン目の《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》召喚。これに対してLybaertは《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》の続唱から《稲妻/Lightning Bolt》をめくりだし、さっそく小室のトリナクスが1/1トークン3体に変換されることになる。Lybaertのダブルアタックに対して小室はトークン2体でエルフを、一体でヒルをチャンプブロック。

 目には目を。歯には歯を。続唱には続唱を。

 願いをこめて小室も《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》からの続唱を宣言するが、ライブラリーをめくりながら小室は舌打ちし、Lybaertは口笛を吹いて喜んだ。仕方なく、めくりだされた《稲妻/Lightning Bolt》を対戦相手本体に打ち込む小室。

 「続唱のめくりあいについてた方が勝つんだろうね」

 先ほどのLybaertが予言したとおり、《瀝青破/Bituminous Blast》から《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を続唱で展開したLybaertが、小室 修から貴重な勝ち星をあげることとなった。

小室 1-2 Lybaert

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