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日本代表チームの足跡:初日

日本代表チームの足跡:初日

by "FOREST" Keita Mori

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 スイス式6回戦のスタンダード終了後、多くの選手が仲間たちと夕食をとるために会場を後にする中で、各国代表チームの選手たちは場内に残り、さらなる団体戦2ラウンドを戦い抜くことになる。

 本稿で、木曜日の日本代表チームの戦いぶりを簡単にお伝えしたい。

・日本代表

 中村 修平(スタンダード)"Jund Cascade"
 渡辺 雄也(エクステンデッド)"Dredge"
 塩田 有真(レガシー)"Zoo"

 日本代表のフォーマット分担に関してだが、以下のようなプロセスを経て決定されたということだ。

 まず、大前提として、年間最優秀プレイヤー争いで上位に位置している中村と渡辺は、ほとんど毎週のように世界中を旅してまわっている。そのため、不慣れなフォーマットであるレガシーに取り組むだけの時間的な余裕は、彼ら二人にはまったく無かった。そんなわけで、日本で(比較的)練習時間を割くことができる塩田がレガシーを担当することが自然と決まった。昨年度の日本代表チームが勝ち星をひとつも上げることのできなかったフォーマットがレガシーであることも考えると、実に大きな課題に取り組むこととなったのが塩田である。

 幸いにも、日本代表として世界に挑む塩田をレガシーコミュニティの多くの方が応援してくれたこともあって、井川 良彦のデザインした"Zoo"デッキを塩田は手にすることとなった。

 エクステンデッドに関しては、渡辺がプロツアー・オースティンでBest 8入賞を果たしていることもあり、すんなりと"Dredge"デッキで渡辺が担当ということに決定。ちなみに、渡辺は昨年の日本代表チームではスタンダードを担当して「団体戦全勝」という凄まじい戦績をあげているポイントゲッターである。

 こうしてレガシーとエクステンデッドの担当者が決定し、ある意味では「消去法的に」中村がスタンダードを担当するということになったのだ。もちろん、プレイするのは渡辺 雄也謹製の続唱ジャンドだ。

■National Team Round 1: 日本代表 vs. マレーシア代表

・マレーシア代表

スタンダード:"Naya"
エクステンデッド:"Dragonstorm"
レガシー:"Zoo"


・エクステンデッド

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 《ドラゴンの嵐》デッキ vs. 「発掘」デッキ。「どちらが先にコンボを決めるか」という勝負において、先攻を取ったマレーシアに敗れてしまったのが第1ゲームの渡辺だった。

 なんとか挽回したい二戦目でも...渡辺は痛恨のマリガンスタート。「発掘」ならではの動きがなかなかできず、《溺れたルサルカ》での小さなアタックを見舞うという展開となる。なんとか《留まらぬ発想》でデッキを掘り進めるものの、せいぜい渡辺にできたことと言えば、「待機」のあけた《睡蓮の花》を《残響する真実》でバウンスしたくらいのものだった。快調にマナ加速からの《ドラゴンの嵐》を決められてしまい、早々と渡辺が敗北を喫してしまう。

渡辺 0-2 で敗北

・スタンダード

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 ダブルマリガンという不本意なスタートを余儀なくされてしまった対戦相手のナヤ(赤緑白)「続唱」デッキを相手に、中村は《血編み髪のエルフ》からの続唱という強力なコンボを二連発で炸裂させて白星先行に成功。

 第2ゲームは敵陣の《長毛のソクター》を中村が《終止》で破壊するという立ち上がり。両者ともに地上に数多くの脅威を展開し、それを互いに除去し合うという「消耗戦」が繰り広げられた。そんな中、中村が大空に放った《若き群れのドラゴン》が有効打として確実なダメージを与え、地上を《包囲攻撃の司令官》によってシャットダウンしてゲームを決めた。

中村 2-0 で勝利

・レガシー

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 渡辺が敗北し、中村が勝利。かくて、塩田 有真による"Zoo"ミラーマッチにすべてが託されることとなった。ここまで、両軍ともチームメイトに指示を仰ぎながらの試合展開ということもあって試合は超長期化。なんと、第3ゲーム突入時の段階で残り時間わずか5分という慌ただしい展開となった。

 そんな中、互いに一歩も譲らない展開で地上戦は一進一退の様相を呈するが、塩田がデッキに投入していたプレインズウォーカーが文字通りの活路を切り開いた。

 《遍歴の騎士、エルズペス》。

 アラーラの断片を代表する白いプレインズウォーカーが塩田のアタッカーに回避能力を与えたことにより、なんと日本代表は延長第5ターンぎりぎりでの勝利をもぎとった!

塩田 2-0 で勝利

Match Results: 日本代表勝利!


■National Team Round 2: 日本代表 vs. ポルトガル代表

 団体戦第1ラウンドに勝利した日本代表は、ポルトガルとの試合をFeature Matchに選出されることになった。

・ポルトガル代表

(スタンダード)"Jund Cascade"
(エクステンデッド)"Rubin Zoo"
(レガシー)"Goblins"

・スタンダード

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 スタンダードの試合は今大会を代表するかのような「ジャンド続唱対決」となり、ここで中村 修平は無類の勝負強さを見せつけた。特に圧巻だったのは第2ゲームだ。

 中村は、後手マリガンスタートながら、2ターン目の《不屈の自然》でのマナ加速によって、先手後手の速度的優位を逆転。そこからキッカーの《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》を見舞い、ポルトガル勢のマナベースを破壊した。その上で《血編み髪のエルフ》の続唱から《芽吹くトリナクス》をめくりだし、続くターンに《包囲攻撃の司令官》を召喚しての「ダメ押し」で盤面を完全掌握! 圧巻の勝利を飾っている。

中村 2-0 で勝利

・エクステンデッド

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 先ほどのラウンドでの欝憤をはらすかのように、鮮やかな「発掘」コンボを決める渡辺。

渡辺 2-0 で勝利

・レガシー

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 ゴブリンデッキと1勝1敗で迎えた三本目。塩田は苦悶の表情を浮かべながら、初手をまじまじと見つめた。

 土地が1枚しかない。しかし、序盤から仕掛けられるクロックと強力な火力がしっかりとパッケージされている内容だ。

 かくて、試合を終えて駆けつけている中村に、思わず助言を求める塩田だった。

塩田 「...これ、キープしていいもんでしょうか?」

中村 「うーん。難しい内容ですね。オレなら...と悩んでしまいますが、ここは塩田さんを信じますから、塩田さんのイメージで決めてください」

塩田 「(しばらく考え込んでから)キープします!」

 対戦相手がマリガンスタートとなる中、塩田はフェッチランドから《Taiga》を出して《野生のナカティル》を召喚。続くターンに土地を引けなかったが、2匹目の《野生のナカティル》を呼び出してアタックを継続する。

 ここでマリガンスタートとなったポルトガルもワンランドでストップ! しかし、2ターン連続で設置された《霊気の薬瓶》が、ゴブリン軍団をまもなく盤面に呼び込むこと間違いなしという展開だ。

 ここで2枚目の土地を引き当てた塩田は、アタックを継続しつつ《ステップのオオヤマネコ》と《渋面の溶岩使い》を自陣に追加する。ポルトガルの《霊気の薬瓶》から登場する《ゴブリンの従僕》を溶岩使いでブロックし、さらに3枚目の土地を引き当てた塩田は戦線に《タルモゴイフ》を追加! まもなく全軍突撃から《稲妻》を本体に撃ち込み、鮮やかな勝利を飾った!

 先手ワンランドハンドをキープしての勝利を飾った塩田は、本日の日本勢において、文字通りの「勝ち頭」として大きな貢献を果たした。明日も是非その好調ぶりを見せつけてほしいものだ。

塩田 2-0 で勝利!

Match Results: 日本代表勝利!

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