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Round 6: Brian Kibler(アメリカ) vs. 中村 修平(大阪)

Round 6: Brian Kibler(アメリカ) vs. 中村 修平(大阪)

by "FOREST" Keita Mori

 世界選手権初日、スタンダード最終戦。

 現在のスタンダードというフォーマットについて、広く知られている事実がある。
 とにかく、ジャンド続唱(Jund Cascade)が強い。

 しかし、ジャンドを倒すべく、あるいは、アンチ=ジャンドを倒すべく、世界最高峰の知性が様々なアプローチでデッキを育て、研ぎ澄まし、持ち込んでいる。

 ジャンド続唱につけこむべき隙があるとしたら、それは何か?

 さまざまなアプローチが存在する中で、「速度」という切り口でデッキを持ち込んだプレイヤーが存在する。そのグループにとってアイコンともいうべき存在のひとつとなっているのが《ステップのオオヤマネコ》だ。

 たとえば殿堂者のRobert Dougherty(アメリカ)は白単色のウィニーを持ち込んでいるし、プロツアー・オースティン王者であるBrian Kibler(アメリカ)は赤白「上陸」ビートを持ち込んでいる。

 そして、三勝二敗ラインから世界を代表するスーパースター二人がアリーナに招待された! 昨年度最優秀プレイヤーでもある日本チャンプが続唱ジャンドをプレイし、もっとも旬なアメリカンヒーロー、Brian Kiblerが赤白ビートダウンを駆る。文句のつけどころのないフィーチャーマッチだ。

中村 修平:続唱ジャンド
Brian Kibler:赤白「上陸」ビート

Game 1

 いつものように大音量でゴキゲンな音楽を聴きながら対戦エリアにやってくるKibler。ほとんど踊っているといって過言でないステップと仕草で、イヤホンからの音漏れも尋常ではない音量だ。

Kibler 「いい試合をしような! シューヘイ!!!」

 Kiblerはイヤホンをはずしてから握手のために右手を差し出し、まもなく試合ははじまった。

 指で軽快なビートを刻みながら序盤のゲームプランを練るKiblerは、開幕ターンに《ステップのオオヤマネコ》を召喚。先手の中村はこれを即座に《稲妻》でなぎ払う。

 続くアクションもKiblerからで、3ターン目にフェッチランド《沸騰する小湖》をセットしつつ《板金鎧の土百足》を展開というもの。赤と白を代表する「上陸」ウィニークリーチャーたちがKibler軍の先鋒を務めるという序盤戦だ。

 対する中村は《血編み髪のエルフ》からの続唱で《芽吹くトリナクス》をめくりだす。ここでKiblerは《芽吹くトリナクス》を即座に《稲妻》で除去し、フェッチランド起動からムカデを7/7にパンプアップ。そしてKiblerは《板金鎧の土百足》以外のすべての生物を屠る《地震》X=2を詠唱! 盤面一掃後のアタックによって中村の残りライフを9点というところまで削り落した。

 《板金鎧の土百足》こそ中村の呪文によって葬られてしまったKiblerだが、《アクラサの従者》の「賛美」アタックによって中村のライフを残り7点にまで追むと、そこからは鮮やかなバーンモードを披露してみせた。エンドステップに《稲妻》、続けて、X=4の《地震》!

中村 0-1 Kibler

Game 2

 両者マリガンながら、Kiblerが1ターン目《アクラサの従者》、2ターン目《避難所の印》とマナカーブ通りに動きだした。中村が3ターン目に3マナ域に到達できなかったのとは裏腹に、Kiblerは《白騎士》を盤面に追加する。

 ようやく3マナ域にアクセスできた中村の《芽吹くトリナクス》を《未達への旅》で追放するKibler。さらにKiblerは《地獄火花の精霊》を召喚してのフルアタックで6点のダメージを叩きだす。早くも中村の残りライフは10点という危険水準。

 中村は二匹目の《芽吹くトリナクス》を呼び出してターンを返し、そこへKiblerは「賛美」で強化された《白騎士》を突撃させて3点。返すターンに《血編み髪のエルフ》を唱えた中村は「続唱」で《稲妻》をめくりだす。この《稲妻》を自陣の《芽吹くトリナクス》へとプレイして3体の1/1トークンへと変換した。

 さらに中村は《大渦の脈動》で《避難所の印》を破壊。続くターンにKiblerが蘇生した《地獄火花の精霊》と《白騎士》でアタックしてきた際にもトークン2体と3/2エルフによるトリプルブロックで《白騎士》を倒しにかかった。

 ここからも中村は《瀝青破》や《血編み髪のエルフ》によって地上戦線をしっかりと維持し、敵陣にあらわれた《悪斬の天使》もしっかりと《大渦の脈動》で対処。攻め手をしっかりと封じ込めた中村は、「ドラゴンマスター」と呼ばれるKiblerを相手に二対の《若き群れのドラゴン》を召喚し、航空爆撃による勝利をつかみ取った。

中村 1-1 Kibler

Game 3

 第2ゲームでは驚異的な粘りからの逆転劇を見せつけてくれた中村 修平。しかし、Kiblerが、1ターン目に《先兵の精鋭》、2ターン目にフェッチランドをおいた上で《ステップのオオヤマネコ》と素晴らしい立ち上がりを見せる。

 中村は《稲妻》で《ステップのオオヤマネコ》を倒し、《先兵の精鋭》に《終止》を見舞う。ならば、とKiblerは《イーオスのレインジャー》によって《ステップのオオヤマネコ》と《ゴブリンの奇襲隊》を手札に加える。対する中村は《芽吹くトリナクス》を展開し、Kiblerは先ほど同様に《イーオスのレインジャー》から《ステップのオオヤマネコ》と《ゴブリンの奇襲隊》をさらに手札に加えた。

 実はここまで3マナ域から脱せないでいるのが中村の苦しいところ。軽量除去呪文のドローに恵まれたために何とかここまで凌いできたものの、二体の《イーオスのレインジャー》によって調達されたウィニーの攻勢をなかなか支えきれない。

 そんな中、Brian Kiblerは決定打として《遍歴の騎士、エルズペス》を展開し、自軍のクリーチャーに回避能力とさらなる打撃力とを付与し始めた。

 いくら中村でも、マナが伸び悩む条件下ではどうにもならない展開だった。

中村 1-2 Kibler

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